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“心に響く”SFアドベンチャー『バズ・ライトイヤー』監督&プロデューサーが語る

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『バズ・ライトイヤー』

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『トイ・ストーリー』シリーズ、『インサイド・ヘッド』など数々の傑作を発表し続けているディズニー&ピクサーの最新作『バズ・ライトイヤー』が明日7月1日(金)から公開になる。

本作は『トイ・ストーリー』の人気キャラクター、バズの活躍を描くSFアドベンチャーだが、これまでのピクサー作品同様、観客の心にいつまでも残り続けるドラマや感情、葛藤が描かれた作品になった。監督を務めたアンガス・マクレーンはこう問いかける。「ずっと変わらないと思っていたものが、実は流動的で変化してしまうものだと知ったとき、哀しくなりませんか?」

ピクサーで『ニセものバズがやってきた』や『トイ・ストーリー・オブ・テラー!』などの短編を手がけてきたマクレーン監督は、2016年にアンドリュー・スタントン監督と『ファインディング・ドリー』を完成させ、すぐに次回作の構想を練り始めた。

「アンガスはスリラーのテイストのあるアドベンチャー映画を作りたがっていました」と本作のプロデューサーを務めたギャリン・サスマンは振り返る。「その提案を聞いて、私もぜひ作りたいと思いましたが、同時に彼はずっと『トイ・ストーリー』に登場するバズの背景にある物語も考えていたようでした。そこで、そのふたつを同時に実現すればSFテイストのあるアドベンチャー映画になるんじゃないかと思ったのです」

そこで彼らは『トイ・ストーリー』に登場する少年アンディが“大好きな映画”をつくる、という企画を立てる。映画に登場する主人公のオモチャが店で売られ、その一体がやがてアンディの家にやってきて、カウボーイ人形のウッディと出会うことになるだろう。しかし、本作はそんなドラマが起こる“元になった映画”の話だ。

どんな時も勇ましく、任務にまい進するスペース・レンジャーのバズ・ライトイヤーは、ある任務でミスをおかし、1200人もの乗組員と共に見知らぬ惑星に不時着してしまう。仲間を地球に帰還させる道を探るバズは、解決策を求めて何度も宇宙へ旅立つが、惑星と宇宙空間では時間の進み方が異なるため、“ウラシマ効果”が起こり、バズがわずかな時間のミッションをこなしている間に、惑星では数年の時間が経過してしまう。

自分の見た目や気持ちはほとんど変化がないのに、仲間たちはどんどん年齢を重ねて、人生のさまざまなイベントを経験し、やがて老いていく。バズは孤独を感じながらも誰に頼ることなくミッションの完遂を目指すが、そんな彼に強大な敵が立ちはだかる。

“いまをしっかりと生きること”の大切さを描く

アンガス・マクレーン監督とプロデューサーのギャリン・サスマン

マクレーン監督は、バズが宇宙で任務に挑んでいる間に惑星で数年の時間が流れる展開は「アニメーション制作に似ている」という。「映画をつくるためには何年もの時間がかかるんです。そして完成したあとに親の家に戻ったりすると、驚くほど、いろんなことが変化しているんですよ。ずっと変わらないと思っていたものが、実は流動的で変化してしまうものだと知ったとき、哀しくなりませんか? 人間はどこかで安心できる、ずっと変わらない、頼れるなにかを求めてしまうけど、時間と共にそれは大きく変化してしまい、周囲は変化したことをまったく気にしていない。それは僕によっていつも心に深く響く出来事でした」

仕事や勉強に夢中になったり、友達やパートナーと楽しい時間を過ごすことに集中している間に、周囲の風景が大きく変化していることはないだろうか? 久々に帰省した時に感じる感覚、数年ぶりに友達に会う時に感じる小さな驚き。そんな感情を彼らはスケールの大きなドラマの中に溶け込ませていった。

「喪失感のようなものを感じてしまうことがありますよね」とサスマンは語る。「何かに夢中になるあまり、自分が何か大事な出来事をスキップして、経験すべきことを経験できていないと感じる。この設定は創作の初期の段階からあったもので、この設定があることでこの映画は葛藤を描いたり、そこから私たちが学べることがあると思ったのです」

バズは自分の失敗で仲間が惑星に置き去りにされてしまったことに罪悪感を感じていて、それを挽回しようと誰にも頼らず何度も何度も宇宙に飛び立ち、結果として仲間たちと同じ時間を過ごすことなく時が流れていく。

彼は地球に帰還するよりも大事なミッションに気づくことができるだろうか? そして訪れる難局に立ち向かえるだろうか?

サスマンは「本作の制作を終えて、“いまをしっかりと生きること”の大切さを改めて自分に言い聞かせているところです」と力をこめる。「人は時に過去に囚われたり、過去の間違いに執着してしまったり、逆に未来にばかり目を向けてしまうことがあります。でも大事なのは、いまをしっかりと生きること。この映画はそのことを言いたいのです」

「この作品は“映画”という設定で、そこで起こる脅威は観客の日常と地続きのものでなくてもいいんじゃないかと思ったけど、そこで描かれる感情や葛藤は観客の心に響くものにしたいと思いました。この映画では私たちの人生について、私たちが誰かとつながること、そのつながりが失われてしまったときに何を感じるのか、私たちは人生のゴールをどこに置くのかについて描いています」(マクレーン監督)

『バズ・ライトイヤー』
7月1日(金) 全国ロードショー
(C)2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

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