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吉野耕平監督、辻村深⽉、⾕東監督、⾼野⿇⾥佳の貴重トークも 『ハケンアニメ!』ティーチイン付き特別上映会をレポート

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『ハケンアニメ!』 © 2022 映画「ハケンアニメ!」製作委員会  

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公開から1カ⽉近く経った今、満席続出を受け上映期間の延⻑を決定した劇場や、新たに上映が決まる劇場なども出てくるなど、話題となっている映画『ハケンアニメ!』。6⽉末から毎週催されている本作のティーチイン付き上映会が、7月7日に実施された。第3回⽬となる今回は、吉野耕平監督、原作者の辻村深⽉、劇中アニメ『サウンドバック 奏の⽯』の監督・⾕東に加え、アイドル声優・群野葵を演じた高野⿇⾥佳が登壇。盛り上がりを見せた上映会の様子をレポートする。

本作は、直木賞&本屋大賞受賞作家辻村深月の大人気小説を映画化。世界中が注目する日本のアニメ業界を舞台に、最も成功したアニメの称号=「ハケン(覇権)」を手にすべく奮闘する者たちの姿を描いた、“胸熱”お仕事ムービーだ。

一世一代の大チャンスを掴んだ新人アニメ監督・斎藤瞳を吉岡里帆、彼女のライバルとなる天才ワガママ監督・王子千晴を中村倫也、瞳を振り回す掴みどころのない超クセ者プロデューサー・行城理を柄本佑、王子の才能に人生を懸ける作品命のプロデューサー・有科香屋子に尾野真千子と、実力派俳優陣が集結している。

本編上映後、吉野監督、原作者の辻村、劇中アニメ『サウンドバック 奏の⽯』の監督・⾕東、アイドル声優・群野葵を演じた高野⿇⾥佳が登壇すると、観客からは⼤きな拍⼿が沸き起こった。

吉岡演じる斎藤瞳が⼿掛ける『サウンドバック 奏の⽯』(通称︓『サバク』)と、中村倫也演じる王⼦千晴による『運命戦線リデルライト』(通称︓『リデル』)が、最も成功したアニメの称号=「ハケンアニメ」を競う本作は、その劇中アニメのクオリティの⾼さが話題となっているが、辻村は本作の映画化にあたり、アニメの制作陣がそれぞれの作品のイメージをより具体的に構築できるよう、2作品全24話のプロットを作成した。

それについて辻村は「⼤変かなと思ったが、書き始めたら楽しくて。意外とすぐに書き終えました」と語り、⾕が「最初に辻村先⽣の資料が届いた時にその分量にびっくりしました」と話すと、辻村は「私が書いたものを、吉野監督がさらに膨らませてくれた」と話し、吉野監督は「つい嬉しくなって、テンションが上がって、全然使わないシーンまで書いた」と、楽しみながら、劇中アニメを構築していったことを明かした。これに、⾕監督は「普段、アニメ制作をずっとやっていると苦⾏になってくることもあるんですが(笑)これは楽しんでやっているな、というのがすごく伝わってきてすごくよかったです」と応じ、劇中アニメの制作秘話で会場を楽しませた。

また、声優・群野葵として『サバク』の主⼈公トワコを演じた⾼野は、トワコを演じるにあたり「オーデションの段階で、原作を切り抜いたシーンがたくさんあって、そこを読んでいるだけでも、瞳監督の演技プランや、トワコってこういう⼈なんです、という情熱が伝わってきたので、それをただぶつけていこうと思った」と語ると、吉野監督は「オーディションの時から聞き⼊ってしまった。普段から⾊々なキャラクターを演じられているので、台本のちょっとした描写からキャラクターを膨らませていただけるので、プロの現場の⽅なんだなと感じました」と絶賛。

さらに⾼野が「トワコの最後のセリフが⼀番難しかった」と明かすと、⾕監督は「僕も正直正解というものがわからないまま収録に⾏っていて、ずっと吉野監督の顔を⾒ていました(笑)」と応じ、吉野は「瞳監督と同じ気持ちで、⾼野さんの表現が正解だと思ったので、お任せします︕という⼼境だった」と⾼野へ絶⼤な信頼を寄せていたことを伝え、辻村が「あのシーンは本当にグッとくる、何度も泣いちゃう」と話すと、観客は、共感の印とばかりに温かな拍⼿で応じた。

続いて「“好きをつらぬく”クリエイター応援コンクール」と題し、6⽉末まで募集をしていたオリジナルイラストキャンペーンの各賞を発表。 劇中アニメ『サバク』と『リデル』の各テーマに沿ったオリジナルイラストをtwitterに投稿するこのキャンペーンには、なんと104作もの応募があり、選考は辻村、⾕監督と、『リデル』の⼤塚隆史監督の3名によって事前に⾏われた。壇上では【優秀賞】4作、【サバク賞】1作、【リデル賞】1作が発表され、受賞したイラストがスクリーンに映し出されると会場からは都度⼤きな拍⼿が沸き起こり、登壇者たちはそれぞれの絵についての、選考理由・感想を楽しげに語った。

今回のコンクールについて、選考者である辻村は「私が原作で書いた『リデル』と『サバク』の設定を⽣かして、それを⾃分のものにして⾃由に遊んでくださっていて、どのイラストにもすごく惹かれました」とコメント。⾕も「絵を描くのはすごく熱量が必要で⼤変なことだけれども、どの作品からも熱が伝わってきて、元気をもらえた。皆さんの絵で明⽇からのアニメを作る活⼒をもらえました」と応募者たちに感謝の念を述べるとともに、熱い想いに感嘆した様⼦だった。

その後、辻村は「ロビーにあるポスターに、この間サインを書いて「原作者冥利」と書かせていただいたんですが、こんな幸せな⼩説家はあまりいないだろうなと思っています。キャスティングが発表になった時に、⾼野さんがマスコミに向けて「葵ちゃんの悔しさとか、そういうところを全部演じたいと思っている」とコメントを書いてくださって、⾃分の書いたキャラクターたちに対して、俳優さんがひとりひとり、その⼈の親友になってくれるような距離感でやってくださっているんだなと思って、そのことにものすご幸せを感じました」と語った。

すると⾼野も「私自身が、映像系のお仕事もある中で、声優の仕事がなかなかできなかった時に、⼼ない⾔葉をかけられたりして、悔しさみたいなものがありました。それを葵ちゃんももしかしたら抱えているかもしれないと感じた瞬間に、オーディション台本の段階で涙が込み上げてきて。この悔しさを、葵ちゃんの『サバク』での演技だったり、⼀つの作品を作り上げるプライドを表現することで、皆さんの⼼の中に残したい思っていたので、今⽇、素敵なイラストを⾒たときに、ちゃんと皆さんの⼼に残っているな、皆さんの⼼に⽣きてくれているんだなと思って、本当に嬉しくなりました!」と、⾃⾝の演じた役柄についての熱い想いを語った。

最後に、斎藤瞳の好物「エクレア」をそれぞれが持ち、会場のお客様をバックに記念撮影。⼤盛り上がりの中、イベントは幕を閉じた。

『ハケンアニメ!』
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