吉柳咲良がラストフライング! ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』開幕へ
ステージ
インタビュー
青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パ ン』記者会見より、左から)森新太郎(演出)、吉柳咲良、小西遼生 撮影:五月女菜穂
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すべて見るブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』が2022年7月23日(土) から東京国際フォーラムホールCで開幕する。2017年から10代目ピーター・パンとして舞台に立ってきた吉柳咲良は、本公演で同役を卒業する。
初日を前にした22日(金)、記者会見が行われ、吉柳のほか、フック船長/ダーリング氏役の小西遼生、演出の森新太郎が登壇し、思いを語った。
――明日初日を迎えるにあたり、どのように感じていらっしゃいますか。
吉柳咲良(以下、吉柳) 1年目のときもここ東京国際フォーラムで公演をしたので、久々に戻ってきたな、懐かしいなという感じですが、別に今までと違うことはなくて。今はただ、もう必死に必死に頑張っているだけです。「今年で最後」という気持ちが日に日に強くなって、段々実感も湧いてきたので、改めて頑張ろうと気を引き締めました。
森新太郎(以下、森) 今、コロナがこんなことになってしまって、本当に明日幕が開くのか、神のみぞ知るそういう状況なんです。それに加えて昨今、暗いニュースであふれかえっています。だけど、そんなご時世だからこそ、この生きる喜びを歌いあげた『ピーター・パン』という作品を、我々は今こそ守りぬかくてはいけないと、スタッフ・キャスト一丸となって、作り上げてまいりました。私は2度目なんですけども、去年から引き続き出ている俳優たちが、今年さらに暑苦しいくらいパワーアップして戻ってまいりました。また、今年から参加してる俳優たちも、この作品に新たな活気をもたらしてくれています。
このふたり(吉柳と小西)は言うまでもなく、昨年以上にエネルギッシュでお馬鹿な役をやっておりますので、楽しみにしていただけたらなと思いますね。特に吉柳は、今年がラストフライングということで、彼女自身気合がもう十分ですし、それにラストフライトングという何か寂しさを抱えた者にしか体験できないひらめきというものが今の彼女にあります。どうか多くの人に観てもらいたいなと思っております。私もワクワクしております。
――昨年に続きまして2年目のフック船長。ここはぜひ注目してもらいたいポイントなどございましたら教えてください。
小西遼生(以下、小西) 結構変わりましたよね? 前回を思い返してみたら、細かくいろいろなところが変わっていて、前回観てくださった方は「こんなに違うんだ」というところをたくさん見つけることでができると思います。
いろいろ僕らも挑戦しているんですけど、とにかくね、子どもたちの子どもでいることのエネルギーが、前回以上に大きく大きくなっていくと感じますね。
これから先も心に留めておきたい存在
――ラストフライングとなる吉柳さん。吉柳さんにとって『ピーター・パン』という作品はどういう作品ですか?
吉柳 私が一番最初にさせてらったお仕事が『ピーター・パン』だったので、ものすごく思い入れがあるし、もう来年違う人がこの場所に立って、こういう風に取材を受けたり、空を飛んでネバーランドの人たちと関わっていったりするんだなという思うと、すごく嫌な気持ち(笑)。結局、私はここがすごく好きなんだなと思います。
ピーター・パンを嫌いになったこともあるし、本当にできているのか、届けられているか、いろいろな気持ちを抱えながらやってきて、今回で5回目。早かったなと思うし、今年で最後と言われると、全然卒業したくないな、まだまだ私飛べるのになと思う気持ちもあります。でも、今まで観にきた人にも、今年初めて観にきた人にも「本当にすごい良かった」と思ってもらえるように頑張ったつもりなので、そこをお見せてできたらいいなと思います。
私は『ピーター・パン』に助けられた。唯一、ここが私が子どもでいることが許される場所だったので。いつもなら出さなかった部分をいっぱい出して、それを稽古場で笑ってくれる人たちがいたので。いい作品に関わると素敵な人たちに出会えるんだなと思いました。私の中ですごく大きいというか、これから先も心に留めておきたい存在が『ピーター・パン』かなと思います。
――吉柳さんの成長を共演者として、演出家として、どう見ていらっしゃいますか?
小西 僕は去年、今年と見ていますけど、やっぱり1年でも大きく変化する。若いときからやっていて、まだ18歳だから。この1年でまたいろいろなことを経験して、成長して、戻ってきたピーター・パンです。咲良が「最後」というのを意識しているのか、していないのか分からないけど、稽古場での居方(いかた)とかもね、この現場では本当に「子どもだー!」という感じでいるんですよね(笑)。去年よりもっとさらけ出して、みんなとの距離をつめて、ピーター・パンとの境目が本当になくなっていって。
そんな姿を見ているのが、嬉しいです。そういうゴールに向かっている咲良を見ることも嬉しいですし、そのピーター・パンと一緒に舞台に立てるという喜びも感じています。
森 「去年から、ここが出来ていないんだよ!」と怒りながら、本当にネバーエンディングで、いつまでもしつこく吉柳に指導をしていまして(笑)。多分大阪の大千穐楽まで僕は、1ミリでも吉柳の芝居をよくするために言い続けると思います。吉柳は伸びる要素しかありませんし、正直言うと、来年も(ピーター・パンを)やればいいんじゃないと思うんですけど。本当にもったいないなと思うんですけども、それはしょうがないこと。彼女にきらめきを見せてもらいたいなと思います。ひと言で言うと、結構寂しいです。
東京公演は8月2日(火) まで。大阪公演は8月13日(土)・14日(日)、梅田芸術劇場メインホール。7月30日(土) 16時公演終了後は、ウェンディ役岡部麟と田野優花によるアフタートークも予定している。
取材・文・撮影=五月女菜穂
※7月25日(月)~8月2日(火)東京公演は中止となりました(7/25追記)
ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』チケット情報
https://w.pia.jp/t/peterpan2022/
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