確かな自信と心強い声援を得て浦和、ACLラウンド16・埼スタへ出陣!
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西川周作(浦和レッズ) (C)スエイシナオヨシ
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すべて見る舞台は整った。あとは勝ち進むだけである。浦和レッズが8月19日(金)・『AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022』ノックアウトステージラウンド16に臨む。声出し応援エリアが設置されたホーム・埼玉スタジアム2002で! これは浦和にとっては心強く、対戦相手のジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)にとっては厄介な話である。
チーム状況もいい。名古屋グランパス3連戦の2試合目となった8月6日『明治安田生命J1リーグ』第24節はミスが失点に直結し、0-3の完敗。ボランチを組む柴戸海と平野佑一が揃って負傷する文字通り手痛い敗戦となり、『JリーグYBCルヴァンカップ』プライムステージ準々決勝第2戦に暗雲が垂れ込めたかと思われた。
しかし、浦和はやり返した。8月10日『ルヴァンカップ』準々決勝第2戦の立ち上がりは前節の流れそのままに名古屋ペースで試合が進んだ。なかなか流れを持ってこれない浦和だが、31分左SB大畑歩夢の即時回収からFW松尾佑介がふわりとしたクロスをゴール前に放ると、ボランチ伊藤敦樹のヘディングシュートが絶妙なコースを突き、ワンチャンスをゴールにつなげた。35分MF岩尾憲が放った右CKからのCB岩波拓也のヘディングシュートはGKランゲラックの好セーブに阻まれたが、41分に岩尾が蹴ったサインプレーの左CKを伊藤がダイレクト左ボレー一閃。狙い澄ましたゴラッソで連続ゴールをマークした。86分には途中出場の明本考浩がゴール前にボールを運び、最後は同じく途中出場の江坂任がとどめの一発。初戦1-1に続き、浦和がリーグ戦の借りを返す3-0で『ルヴァンカップ』4強入りを決めたのだった。
またこの日は声出し応援運営検証対象試合として実施。2年半ぶりに埼スタにこだました声援と歌声は選手たちに大きな後押しとなったことだろう。事実、リカルド・ロドリゲス監督は試合後「本当に素晴らしい雰囲気だった。私は浦和の一員として初めて声出し応援がある中で指揮を執ったが、素晴らしい後押しと雰囲気があった。我々は11人ではなく、サポーターとともに戦い非常に力になった。素晴らしい体験でした」と感動した面持ちで語り、殊勲の2ゴールを決めた伊藤も「小さい頃から埼スタに通っていて、スタンドであの声援を感じていた。あの中でプレーしたいとプロになって、この日を楽しみにしていたし、本当に熱い声援だった。敦樹コールもしてくれて、本当に小さい頃から夢見ていた声援だった。この試合で結果を残してあのコールを聞けたのは、本当にうれしいしかない」と感慨に耽った。
さらに浦和は『ルヴァンカップ』の勢いを『明治安田J1』へつなげた。8月13日・第25節・ジュビロ磐田戦でゴールラッシュを披露。5分トップ下の小泉佳穂のボール奪取から自らボックス手前までボールを運ぶと、右ウイングのダヴィド・モーベルグへパス。モーベルグが得意の角度から左足を振り抜き、先制点をマーク。13分には最終ラインでのパスを松尾がカットし、折り返しのパスを小泉が沈めた。さらに40分モーベルグのクロスがそのままポストに当たりゴールイン。
後半に入っても浦和の猛攻は止まらない。63分明本の左からのクロスを伊藤がダイレクト左ボレーでゴールネットを揺らすと、その3分後に右サイドを深くえぐった伊藤のクロスを小泉が胸トラップから狙い澄ました股抜きシュート。79分には途中出場のキャスパー・ユンカーがGKとの1対1を落ち着いて沈めて6-0。最高の形で『ACL』にバトンをつなげたのだ。
8月18日には前日公式会見が行われ、指揮官と主将は自信を口にした。
リカルド・ロドリゲス監督「まずはこの舞台に到達できたことが大事。そしてここから先いいプレーを継続することが大事。このスタジアムでプレーできるアドバンテージがある。ピッチ上でそれを示していきたい。我々としては完ぺきなゲームをしていかないといけない。幸い今シーズンで今いい時を迎えている。まずこの試合でいいゲームをして、勝利を掴みたい」
西川周作主将「いよいよだなという気持ちが一番。非常に楽しみな気持ちと今チームが非常にいい状態で準備ができたと思っている。でもそんな中でも何が起こるかわからないのが『ACL』。90分の戦い、延長戦、PK戦があるかもしれないとGKとしてすべてを想定内で準備をしたい。埼スタでプレーできる、レッズのファン・サポーターと一緒に戦える喜びを感じながら、全員で勝利を目指してベストを尽くしたい」
もちろん、監督に油断はない。
「(JDTのイタリア人FWフェルナンド・マルティン・フォレスティエリは)マラガでスポーツマネージャーをしていた時に取った選手。若くポテンシャルのある選手だった。ジョホールはクオリティの高い外国人選手を取って成長している。国内でもタイトルを取り続け成長している。GSでも川崎フロンターレ、蔚山現代とレベルの高い戦いを繰り広げてきた。彼らもクオリティの高い選手が揃っている。我々としても簡単なゲームにはならない。
確かにインパクトは多少少ないかもしれないが、フロンターレ、蔚山のいるグループで首位突破したというのが事実。ジョホールの2トップはミドルシュート、クロス、シュートの精度が高い。さらにカウンターもある。我々もクオリティを出していかないといけない。まずこのピッチでこの試合だけを考えて臨みたい」
『ACL 2017』優勝を知る唯一のメンバーである西川は自信を持つことの重要性を説いた。
「試合に入る前に緊張するのはどの選手も間違いなくあることだし、緊張して当たり前。一番大事なのは自分たちのやってきたことを信じて落ち着いて出せるか。相手は関係ない。明日はサポーターが僕たちのためにいろいろ考えてくれていると思う。リーグ戦と違うチャントや素晴らしいビジュアル(人文字)を用意してくれたり、いろんなことで後押ししてくれると思う。ピッチに立つ選手は自信をもってプレーすることが大事」
JDTも前日会見に監督と守護神が登壇。次のように意気込みを語った。
エクトル・ビドリオ監督「明日の試合は攻撃的な試合になると思うし、非常に難しい試合になると思う。チーム、スタッフが一体となって、自分たちが持っている力をすべて出し切りたい。
(監督就任後の働きかけについて)選手のメンタリティ面に働きかけた。彼らのメンタリティは素晴らしいものがあり、素晴らしい人間性を持っている。明日の試合がどれほど重要なのかを伝えた。
(浦和の分析について)浦和はショートパスを使って、ラインをしっかり保ち、試合展開に関わらずプレスをし続けるチームだと認識している。自分たちはできる限りボールを保持できるようにしていきたい」
モハマド・ファリザル・ビン・マーリアス「GSも非常に難しい状況だったが、全力を尽くした。明日の試合も当然難しい試合になると予想しているが、明日いい結果が出ると信じている」
果たして、浦和はファン・サポーターの声援を力に勝ち上がることができるのか。『ACL』ラウンド16・JDT×浦和は8月19日(金)・埼玉スタジアムにてキックオフ。チケット発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。
取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
【声出し応援適用試合】AFCチャンピオンズリーグ2022 ノックアウトステージ ラウンド16のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2228786&rlsCd=001&lotRlsCd=
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