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松下優也「制限から解放されて歌うのが楽しみ!」ブロードウェイミュージカル『バイ・バイ・バーディー』でスーパースター・バーディー役

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松下優也 撮影:源 賀津己

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エルヴィス・プレスリーの徴兵エピソードをモチーフに、1960年に初演、その3年後には映画化もされた『バイ・バイ・バーディー』を、ダンサーでもあるTETSUHARUが演出・振付。長野博を主演に迎え上演する。そこで若者や女性に圧倒的な人気を誇るスーパースター、コンラッド・バーディーを演じるのが、アーティストであり、ミュージカルへの出演がひきも切らない松下優也だ。自身に通じる部分も多いと語るこの役どころについて、現段階ではどう捉えているのか。また楽曲の魅力とは? 稽古開始を直前に控えた松下に、作品への想いをたっぷり訊かせてもらった。

スーパースター役としてかき乱す存在でいたい

――出演が決まった時の心境から教えてください。

めっちゃ楽しそうだなって思いました。僕自身ずっと音楽活動を続けてきて、とにかく音楽が大好き。僕演じるバーディーは、エルヴィス・プレスリーをヒントに作られた人物ですが、僕はマイケルチルドレンで、時代的に直接エルヴィスに影響を受けた、というわけではないんですよね。ただ音楽の歴史を辿っていけば、マイケル・ジャクソンがいて、さらにその先にはエルヴィスもいる。今から60年も前にあんなにカッコいい音楽、パフォーマンスをしていた人がいるっていうのは衝撃ですし、またこの作品に参加する大きなやりがいにもなりました。

――脚本を読まれた印象は?

僕としてはかき乱したい!と思いました。というのもこの作品におけるバーディーって、まあまあなクズなんですよね(笑)。そういった部分でも、お話をより盛り上げていけるんじゃないかと思いました。

――スーパースターのバーディーは、まさに松下さんにぴったりの役どころです。ご自身としてもなにか通じるものを感じますか?

いろいろなミュージカルをやらせてもらうようになりましたが、僕は歌っている時に体が疼くというか、動いて音を取りたいタイプなんです。でもストーリーや役柄によっては、それがどうしてもトゥーマッチになってしまうことがあって。ただ僕が歌うシーンはライブ感がありますし、つまり今まで感じていた制限から解放される! それがめっちゃ楽しみですし、自分の強みでもあるので、自分にしか出来ないバーディーを演じられたらと思います。

ミュージシャンとしてより届けられるものがある

――この役を演じる上では、どんなことが最初の手がかりになっていきそうですか?

正直、やってみないとわからないですね。あまり固めずに稽古に入りたいタイプなので。基本的には来た球を打っていく、ぐらいの感覚で作っていけたらなと。ただ僕が目指したいのは、バーディーって世の女性すべてを夢中にさせる、みたいなところがあると思うんですが、それを面白おかしくやるのではなく、本当にカッコいいという意識でやること。なんかカッコつけ過ぎて笑えるっていうところまでいけたら、それが一番いいんじゃないかと。だから共演者の皆さんには、ぜひ頑張って、キャーキャー言ってもらいたいですね(笑)。もちろん僕の技量にもかかっていますが、このストーリーを見せる上では、周囲の人たちの立ち振る舞いっていうのがすごく大事になってくると思うんです。

――そんなバーディーのマネージャーを務めるのが、長野博さん演じるアルバートです。

彼にとってはアルバートって、いて当たり前、みたいな存在になっているんじゃないかと思います。マネージャーとアーティストって、一番近い距離にいるのに、絶対にわかり合えない存在というか。やっぱり表に立つ人と裏方の人って、わかろうと努力はするけれども、どうしても分かり合えない部分があって。特に彼ほどのスターになってしまうと、ふたりの関係に甘えてしまい、どれだけ大切な存在であるかを忘れてしまうんでしょうね。

――1960年代のアメリカ音楽が満載の本作ですが、松下さんが思う楽曲の魅力とは?

楽曲にもエルヴィスの要素が大きく反映されているので、とても自由度が高く、いわゆるミュージカルナンバーとは違う魅力があると思います。もともと僕は洋楽をたくさん歌ってきたので、表現力の幅として、そこは生かせる部分がたくさんあるんじゃないかなと。芝居としての言葉だけではなく、僕のミュージシャン的な部分で、より届けられるものがあると思います。

ライブ感の強い作品だからこそ生で体感して

――演出のTETSUHARUさんとは、2014年の『タンブリング FINAL』以来4度目の顔合わせです。

TETSUHARUさんはもともとダンサーや振付から演出家になられた方で、僕も音楽からお芝居の世界に入って来た人間。だから共通する部分があるとは感じていました。でも前回ご一緒してからもう8年ですからね。自分自身相当変わったと思うので、TETSUHARUさんが今の僕に対応出来るのか、ちょっと心配です(笑)。

――その変化とは、お芝居に対する姿勢ですか?

そうですね。もう別人くらい変わったんじゃないかと思います。TETSUHARUさんとご一緒していたころって、かなり尖っていた時代ですし、ただただがむしゃらにやっていたと思うんです。でも今は自分がやる役であったり、作品に対する捉え方、作り込み方がもっと繊細になって。

自分のことだけじゃなく、作品の全体像を考えられるようになったというか。それによってかなり意識は変わりましたし、今回の稽古の中で、TETSUHARUさんに成長した姿をしっかり見せられたらなと思います。

――コロナ禍というなかなか大変な時代が続きますが、この作品を通して、お客さまにはどんな時間をお届け出来たらと思いますか?

「ライブ音楽を聞くと寿命が延びる」みたいな研究結果も発表されていましたが、この『バイ・バイ・バーディー』って、すごくライブ感の強い作品だと思うんです。なかなか気軽には言えませんが、こういう時代だからこそ観て欲しい作品ですし、生で体感して、楽しんでもらえたらとても嬉しいです。

取材・文:野上瑠美子 撮影:源 賀津己

ブロードウェイ・ミュージカル『バイ・バイ・バーディー』チケット情報はこちら:
https://w.pia.jp/t/bbb2022/

★9月3日(土) 10:00より先着販売開始!

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