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悩めるスーパーヒーローは
地球も、家族も守りきることができるのか!?

『スーパーマン&ロイス<シーズン1>』特集

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世界一有名なヒーロー、スーパーマンとジャーナリストの妻ロイスの共働き夫婦が、思春期のふたりの息子と向き合いながら地球と家庭の平和を守るSFXアクション・ヒューマンドラマ『スーパーマン&ロイス』。NHK総合で毎週日曜夜に放送され話題を呼んだ本作が、早くもデジタル配信・ブルーレイ&DVDで登場!

本特集では、“スーパーマン一家”を描く本作ならではの魅力をひも解くとともに、自身も“元ヒーロー”であり、父親としても日々奮闘する杉浦太陽さんにインタビュー。「感情移入がすごかった!」という本作の魅力について、たっぷり語ってもらった。

スーパーヒーロー一家の苦悩をかつてない視点で描く
『スーパーマン&ロイス』とは?

日本でもすっかり人気コンテンツとなったアメリカン・コミックス界の雄、DCコミックス。そのDCが誇るスーパーヒーローの二大看板といえばバットマン、そしてスーパーマンだ。1938年に誕生、実に80年を超える歴史を誇るスーパーマンだが、2010年代以降は『マン・オブ・スティール』『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』『ジャスティス・リーグ』といったヘンリー・カヴィル主演の一連の劇場映画が記憶に新しい。そんな中、2021年に本国で放送が始まった『スーパーマン&ロイス』は、、『SMALLVILLE/ヤング・スーパーマン』以来10年ぶりとなるスーパーマンを描くTVシリーズだ。

本作のもっともユニークなところは、スーパーマン=クラーク・ケントという人物のふたつの“顔”をテーマにしたところ。地球の危機を救う“ヒーロー”としては向かうところ敵なしだが、ジャーナリストの妻ロイスとの間に生まれた双子の兄弟の“父親”としてはまさに難題続きなのだ。思春期を迎えた兄弟は、兄ジョナサンはスポーツ万能で明朗快活だが弟ジョーダンは内向的で精神的に不安定。それだけでも対応に苦慮していたのに、ジョーダンだけに父ゆずりのスーパーパワーが目覚めてしまう。そして、そこに謎の敵の襲撃が……!

ヒーローとして生きるのか、夫・父親としての幸せを取るのか──。そんな究極の選択を迫られることになるクラークはいったいどんな答えを導きだすのか。そして、妻・母親であるロイスと息子たちにはどんな運命が待っているのか──。スペクタクルなSFX&アクションとともに、悩めるスーパーマン一家をめぐるドラマにも注目だ。

『スーパーマン&ロイス』を楽しむために
知っておきたい“スーパーマン”の基礎知識

まずスーパーマンは他の多くのスーパーヒーローと違って地球人ではなく、クリプトン星出身の宇宙人。本名は“カル=エル”といい、滅亡寸前の母星から小型ロケットで地球に送られ、米国カンザス州の小さな街・スモールビルに住むケント夫妻に拾われて“クラーク・ケント”と名付けられる。真の姿を隠し一般市民として成長したクラークは大都会メトロポリスで新聞社デイリー・プラネットに就職、そこで同僚記者のロイス・レインと恋に落ち、その後結婚する。本作ではこれらの経緯は大前提として第1話の冒頭で瞬く間に語られるので、基本知識としてしっかり押さえておこう。

そして、ヒーローとしてのスーパーマンはまさに無敵の存在だ。空を自由に飛ぶことができ、その動きは目にも止まらぬ速さ。怪力のうえほとんどの攻撃が利かないため、“鋼鉄の男(マン・オブ・スティール)”とも呼ばれている。目からは赤い熱光線“ヒートビジョン”を発射するうえ、口からは冷気の息“スーパーブレス”を吹きつけることも可能。X線による透視能力や、遠く離れた場所の音や声も聞きつけるスーパー聴力を持ち、それらをバトルやレスキュー時に活用している。

だが、彼にも唯一の弱点がある。それが“クリプトナイト”。クリプトン星が崩壊するときに生成されたというクリプトン人だけに有害な緑色の鉱物だ。コミックやこれまでの映像作品でも宿敵レックス・ルーサーら悪役たちがクリプトナイトを使ってスーパーマンを弱体化させようとしてきたが、本作でもそれは同様。スーパーマンの戦いのゆくえを左右する重要ワードとして覚えておきたい。

ヒーローとしての使命か、人間としての幸せか?
悩める父親クラークの苦悩

上述のようにヒーローとしてははっきり言って“チート級”な存在であるスーパーマンだが、ひとりの人間・クラーク・ケントとしては一般人と同じような悩みをもつ普通の夫であり父親でもある。本作では、物語冒頭でデイリー・プラネット社を解雇され無職になり、しかも愛情を注いでくれた育ての母親マーサが急逝するダブルパンチを被弾。ひきこもりがちな次男ジョーダンの扱いに悩み、この機に家族の時間を大事にしようと故郷スモールビルへ一家そろってのUターンを強行してしまう。特に息子たちへの接し方においてはなかなかのポンコツぶりも見せるのだが、そんな普通の悩みをもつところが視聴者に等身大の共感を抱かせてくれるともいえるだろう。

一方で、ヒーローという特殊な存在であるからこその苦悩も多く、頑強なアーマーを身にまとった謎の男から執拗にねらわれたり、ジョーダンにだけスーパーパワーが受け継がれてしまったことで“じゃない方”となったジョナサンとの関係がギクシャクしてしまうことも。また、戦闘や救助活動と家族のピンチが同時に勃発してしまい、どちらに対応するか選択を迫られることも多々あるのだ。

地球を守り、家族を救う──。そんなヒーローと父親の両立を達成することができるのか。クラークの苦悩は深い。

家族を支えながらジャーナリストの使命を果たせるのか?
悩める母親ロイスの苦悩

デイリー・プラネット社の敏腕記者で、持ち前の正義感で社会悪に対して筆をふるっていたロイス・レインだったが、弱者を食い物にしていると追及してきた大物事業家モーガン・エッジにプラネット社が買収されたのを機に退社、夫クラークとふたりの息子とともに田舎町スモールビルに引っ越すことに。ところが、スモールビルの炭鉱の再開発にもエッジが手を伸ばしていることを知り、ロイスのジャーナリスト魂は激しく刺激される……。

父親としての務めを果たそうと奮闘する夫、その正体を知りさらには新たなパワーの目覚めに動揺を隠せない息子たち。妻として母として、彼らを支え守ろうとするロイスの姿は実に献身的だ。その一方で、ジャーナリストとしてのロイスは極めて積極的かつ攻撃的。スタッフが編集長ひとりしかいないスモールビルの新聞社に参画し、街の人々を言いくるめるエッジにも舌鋒鋭く挑んでいく。

このエッジはロイスの宿敵であるだけでなく、実はスーパーマンにとっても危険な存在であることがやがて判明。つまり、ロイスの攻めの姿勢は、守るべき夫や子供たちへの脅威にもなりえてしまうというジレンマがあるのだ。ヒーローと父の両立に悩むクラーク同様、ロイスもまた、ジャーナリストとして母としての立場に苦悩することになる。

パワーに目覚めた弟と、それを複雑な思いで見守る兄
双子の兄弟ジョナサン&ジョーダンの苦悩

メトロポリスで暮らしていたときは周囲からいじめられていた弟ジョーダン(左)だが、スモールビルに移った直後にクラークからスーパーパワーを受け継いでいることが発覚。その力をうまく制御することができず、興奮状態になった際にヒートビジョンを暴発させ爆発事故を起こしてしまう。都会から田舎への引っ越し、突然知らされた父の正体、そして変貌を遂げていく自分の肉体と課せられる大きな使命。ナイーブなジョーダンにとってこの衝撃の連続は容易に耐えられるものではなく、大きなショックを受けてしまう。

一方、陽気なナイスガイだった兄ジョナサン(右)にとっても状況は深刻になっていく。身体的に強かったはずの自分にはパワーが受け継がれなかったことにどこか失望を感じるところに、遠距離恋愛になっていた恋人から一方的な別れの言葉が。また、弟につきっきりになってしまいがちなクラークの行動を見て、疎外感にさいなまれてしまう。

そろって過酷な状況に追い込まれるふたりだが、せめてもの救いと言えるのが、どんなときもお互いを思いやる心を忘れないところ。彼らは襲いかかる難局を兄弟の絆と親子の愛で乗り越えていくことができるのか。家族のドラマたる本作のカギともなるポイントだ。

Review

先を見進めずにはいられない緊迫感
登場人物に寄り添いながら観てほしい

ファミリードラマか、ヒーロードラマか。どちらかに限定する必要はないが、あえて分類するとしたら難しい。敵と戦って肉体に負う傷と同じくらい、心の傷を描くことも大事にされているからだ。

そういった意味では同じくスーパーマンが登場し、未熟な青年としてもがいていた名作ドラマ『ヤング・スーパーマン』から受け継ぐ血の濃さを感じさせるが、印象が異なるのはエピソードの連続性が高いこと。毎話登場するさまざまな敵やトラブルと対峙しながら主人公が成長していくのはヒーロードラマの伝統的な型のひとつだが、今回のスーパーマンはシーズンを通した戦いに身を投じ、大きな問題に頭を悩ませる。ヒーローとしても、家庭人としても、社会に生きる一個人としても。

そのため1話完結のゆるやかさと爽快感は少々薄められているが、先を見進めずにいられない緊迫感があり、張り巡らされた伏線も多い。アメリカでも日本でも毎週1話ずつのテレビ放映(初回オンエア時)だったことを思うと、連続性の高いドラマが好まれる昨今とはいえなかなかの悩ましさも。ソフト化に際して提案するわけではないが、登場人物たちに寄り添いながら次々と見進めるのがおすすめかもしれない。
(渡邉ひかる)

左:セル/右:レンタル

『スーパーマン&ロイス <シーズン1>』

9/7(水)より
ダウンロード販売、デジタルレンタル、ブルーレイセル、DVDレンタル中

スーパーマン&ロイス <シーズン1>
ブルーレイコンプリート・ボックス(3枚組)14,000円(税込)

発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント

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