サクラフィフティーンがラグビーワールドカップ前に、女子ニュージーランドと絶好の腕試し!
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サクラフィフティーン(ラグビー女子日本代表)
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すべて見る1年延期となっていた『ラグビーワールドカップ(RWC)2021』 ニュージーランド大会がいよいよ10月8日(土)に開幕。本大会前にはブラックファーンズ(女子ニュージーランド代表)との大一番も迎える。9月13日にはサクラフィフティーン(ラグビー女子日本代表)の『RWC2021』 NZ大会登録メンバー32名が発表、15日には主将をはじめ主力選手6名がオンライン取材に対応した。メンバーを選出した浅見敬子ナショナルチームディレクター、レスリー・マッケンジーヘッドコーチは次のように抱負を口にした。
浅見チームディレクター「選手の家族や所属チーム、会社、大学といった関係者の方々に感謝を申し上げます。先日、サクラセブンズが『ワールドカップ』9位という最高のバトンを渡してくれた。レスリーHCが2019年から丁寧にチーム作りをし、その成果が見られる舞台がくることをうれしく思う。ぜひ本大会も応援のほどよろしくお願いします」
マッケンジーHC「浅見TDの繰り返しになりますが、関係者の方々にありがとうございますと伝えたい。本日32名を発表でき、とてもエキサイティングな気持ち。ブラックファーンズ戦もあり、これまでにない『RWC』に向けて申し分のないウォー―ムアップになる。HCに就任したひとつのゴールとして『RWC』の選抜の過程が厳しくなるよう強化してきた。選手を強くすることを目標にやってきたので、完ぺきではないかもしれないが、とても満足している。フィールドで満足いくものを見せることができると自信を持っている」
『RWC2021』でのターゲットを問われると、ふたりはこう答えた。
マッケンジーHC「ベストなラグビーをお見せしたい」
浅見TD「チームとしてもトップ8を目指すことに変わりはない」
カナダ、アメリカ、イタリアと難敵ぞろいのプールBを戦い抜く自信を聞かれると、マッケンジーHCはこのようにコメントした。
「自信過多になると自分たちをコントロールできなくなる。ここ数か月自信を持ちすぎることの反省も学んだ。アイルランドに大敗した翌週にコントロールできた自信もある。ゲームマネージメントの部分では大きなプレッシャー下ではミスも起こり得るが、ゲームを壊すほどのミスにはならないと思っている。十分戦えるチームになっていると思う」
サクラフィフティーンを強化してきたポイントはこうだ。
「ディフェンスとスピード。国際大会で戦う際にはディフェンスが必須。今ではディフェンスは日本の強みと言っていい。チームは誇りに思ってほしいし、私も自信を持っている。またスピードやアジリティはよりラグビーをエキサイティングなものにする。予想を裏切るプレーこそ、女子ラグビーには必要だと思っている。さっきディフェンスが強みだと言ったが、57失点したアイルランドとの初戦のことは忘れましょう(笑)。あの大敗の学びがあったからこそディフェンスを強みと言えるようになったので」
大会の1年延期は幸運だったと言う。
「タイムラインを1年延ばさなければならないのはつらかったが、ちょうどキャンプ中だったのでそれはよかった。チームで話し合えたのはよかった。延期がなければ今よりも小さなチームで『RWC』にチャレンジしなければならなかった。トレーニングマッチ、トレーニングキャンプに恵まれ、キャンプごとにいいチームに成長していると肌で感じることができた。私たちにとって幸運だった」
32名のメンバー選考のポイントも明かした。
「『RWC』へ連れて行くのは今を体現できるチーム。将来性を外して、今現在のマネージメント能力の高い選手を選んだ。大会はフィジカルなものになると想定される。大会中は全員に機会があると思うので、しっかりカバーできる32名を選んだ。日本代表は最も小さいチームなので、強靱であることが求められる。ケガなどで誰かが欠けた時にカバーできる選手を選んだ。もうひとつの要素として、トレーニング中にモメンタムを発揮できる選手を選んだ」
マッケンジーHCはシンデレラガール候補についても言及した。
「チーム全体のパフォーマンスがベストであるべきだが、何らかの形でブレイクスルーする選手の存在も望まれる。日本人選手、日本らしいプレーを知らない人たちにお見せできるのを楽しみにしている。
名前を挙げるならば、メグ(阿部恵)は彼女が見せるスタイルは一貫性があってテンポを刻んで、SHとして世界を驚かせるようなパフォーマンスを見せてくれると思う。サチ(PR加藤幸子)はイングランドで日本人がどれほどできるか世界に見せているが、引き続き同じようなプレーができると期待している。リンカ(FB/CTB/WTB松田凛日)は快適にできるポジションでどういうことをできるかを見せてほしい。長い間セブンズでプレーしてきた選手なので、彼女がベストパフォーマンスを発揮できるように、周りにしっかりしたサポートを置きたい」
南早紀主将ら選手たちは以下のように意気込みを語った。
PR南早紀「レスリーの体制になって3年半、合宿で積んできたをやった出す舞台ができて楽しみ、ワクワクしている。前回大会はフィジカルで押されたが、今回は接点で押し返せると思うし、それが自分たちの持ち味だと思う。自分自身、スクラムが強くなかった実感があるし、海外にも押されないスクラムを組めると思う。
(ブラックファーンズ戦について)今までの女子の日本ラグビーの歴史でブラックファーンズと対戦すること自体初めてなので、誇りに思う。自分たちがやってきたことをどれだけできるかにフォーカスしたい」
PR加藤幸子「スキル、コンタクトレベルが上がってきて、個人的にはディフェンスが上がってきたと思うので、ディフェンスを見てほしい。
(スクラムについて)FWの中で個々のポジションでのフォーカスポイントを徹底し、それから8名がひとつになって組めるスクラムを練習している。低さを意識して組んでいきたい。フロントローもLOもフットポジションを意識している。
(ブラックファーンズ戦について)イーデンパークで試合できることにワクワクしている」
SH津久井萌「前回は準備期間が1年もなく、今回は5年間準備してきたので、自信はある。前回よりテストマッチの経験も全然違う。大舞台に行った時にあたふたして、何もできないことはないと思うので、それは前回との違い。今回はフィジカルでウエイトをがんばり、テンポを速くするところと落とすところのゲームコントロールを磨いてきた。日本人は身体が小さいが、リアクションのスピードやハードワークで勝てると思う。
(ブラックファーンズ戦について)『RWC』前にNZと戦えるのは『RWC』も大きいが、それよりも大きいと言うか、今までできなかった経験ができるのを楽しみにワクワクしている」
SH阿部恵「前半から出たらテンポのいいアタックしていきたいし、後半に入った時も相手の足が止まった時にテンポアップするようにやっていきたい。日本に求められるテンポが速くいい展開をするために、まずハーフがいいパスを出さないといけないと思うので、自分の強みのいいパスを出していきたい。以前は自分のプランをがむしゃらにやるだけだったが、今は余裕が出てきて、考えながらラグビーできるようになってきた。
(ブラックファーンズ戦について)『RWC』前に強い国と戦えるのはいいこと。フィジカルも強く、スピードもあるワールドクラスの相手。『RWC』前に大きな試合ができることは楽しみ」
SO/CTB山本実「正直今日フライトでNZへ行くが、そんな感じがしない。今まで国内合宿をしてきてきたので。『RWC』前にも大きな試合があるが、そこを意識するより目の前の練習や試合を乗り越えていきたい。対戦する3か国には、自分たちがいいパフォーマンスすれば、いい試合ができると思っている。選手層も厚くなってきたので、全員でがんばりたい。
(ブラックファーンズ戦について)テレビでしか見たことのない舞台で自分たちが試合するのが信じられない。実際どんな感情になるかわからない。そういう経験が『RWC』前にできるのはプラス。世界ランキング2位の相手にサクラウェーブを起こしたい」
LO玉井希絵「初めての『RWC』ということで、特別な気持ちもあるが、ここ数年たくさんテストマッチ、トレーニングキャンプをやってきたので、その中のひとつと特別な感じがしていないのはいいかなと思っている。初戦に関してはレスリーさんがカナダ出身なのでいろんな思いがある。緊張感や肩に力が入ると思うが、だからこそ自分たちにフォーカスして、特別視しないで臨みたい。自分たちが何をするかにフォーカスしている。
(ブラックファーンズ戦について)聞いた時は鳥肌が立った。フィールドから見る景色を想像したし、パニックになるのも想像できるので、練習のキーポイントを決めるなど、改めて自分を見つめ直すことができた。格上相手にも自分たちらしくしぶとくプレーしたい」
【サクラフィフティーン『RWC2021』登録メンバー32名】
【PR】加藤幸子(横河武蔵野アルテミ・スターズ)10
北野和子(MIE PEARLS)6
小牧日菜多(日本体育大学ラグビー部女子)3
左高裕佳(弘前サクラオーバルズ)12
南早紀(横河武蔵野アルテミ・スターズ)25
ラベマイまこと(横河武蔵野アルテミ・スターズ)17
【HO】谷口琴美(MIE PEARLS)3
永田虹歩(国際武道大学女子ラグビー部)8
【LO】川村雅未(RKUグレース)3
佐藤優奈(東京山九フェニックス)6
高野眞希(横河武蔵野アルテミ・スターズ)16
玉井希絵(MIE PEARLS)13
吉村乙華(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)5
【FL】向來桜子(日本体育大学ラグビー部女子)2
【FL/HO/NO8】齊藤聖奈(MIE PEARLS)31
【FL/HO】鈴木実沙紀(東京山九フェニックス)30
【FL】長田いろは(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)15
細川恭子(MIE PEARLS)7
【NO8】永井彩乃(YOKOHAMA TKM)10
【SH】阿部恵(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)10
津久井萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ)19
【SO】大塚朱紗(RKUグレース)9
【SO/CTB】山本実(MIE PEARLS)21
【SO/WTB】今釘小町(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)9
【WTB】名倉ひなの(横河武蔵野アルテミ・スターズ)10
【CTB/WTB/FL】伊藤優希(MIE PEARLS)11
【CTB】鈴木彩香(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)18
中山潮音(横河武蔵野アルテミ・スターズ)7
古田真菜(東京山九フェニックス)14
【FB】庵奥里愛(MIE PEARLS)7
平山愛(自衛隊体育学校PTS)4
【FB/CTB/WTB】松田凜日(日本体育大学ラグビー部女子)5
サクラフィフティーンは9月24日(土)・イーデンパークにて『リポビタンDラグビーチャンピオンシップ 2022』ニュージーランド代表と対戦。『RWC2021』NZ大会では9日(日)・ノースランドイベントセンターでカナダ代表、15日(土)・ノースランドイベントセンターでアメリカ代表、23(日)・ワイタケレトラストスタジアムでイタリア代表と対峙する。『リポビタンDラグビーチャンピオンシップ』の模様はWOWOW、『RWC2021』の日本戦はJ SPORTSにて放送。
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