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田村「僕が最下位」、中村「この1年死ぬ気で」、ラグビー日本代表ポジション争いが激化!

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田村優 (C)JRFU

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秋の日本代表シーズンまで2週間。そして『ラグビーワールドカップ(RWC)2023』フランス大会まで1年。男子日本代表候補メンバー52名がそれぞれの思いを胸に別府合宿で汗を流している。

自ら率先してトレーニングに励み背中でチームを引っ張るリーダー陣に出場機会確保にアピールしたい若手、戦線復帰した主力にレギュラー取りに燃えるベテランなど立場は異なるが、目指すはチームの勝利である。9月16日、選手たちのオンライン取材が行われた。70キャップを誇るSO田村優に夏シーズンで初キャップをマークした21歳のSO李承信、夏シリーズはケガやコンディション不良で見送り今回代表復帰したSH流大とCTB中村亮土、『NTTジャパン ラグビーリーグワン2022』新人王に輝いたWTB根塚洸雅、今回初キャップを目指すLO下川甲嗣がメディアの質問に答えた。

6月25日・ウルグアイ戦で初キャップ、続くフランス戦では急遽先発するとともにティア1の圧力を体感した李承信は、前回持ち帰った課題をクリアしようと代表キャンプに臨んでいた。
「夏のツアーでも10番として一貫性のあるパフォーマンスでチームのプランを100%遂行することを求められていたので、それを実行できれば自ずとメンバーに入ることができると思う。世界的にテストマッチでもキックはすごく増えている。そこの精度とコントロールとバランスが大事。自陣でどのタイミングで蹴るのかはキャンプでずっと求められている。中盤でボールを持ちすぎると指摘される。何フェーズも重ねてアタックした時、勢いのない時にキックへの切り替えが求められる。早い段階で判断してスペースを見付けて蹴るように言われる。うまく9番とコミュニケーションを取りながらやっていきたい」

アピールする立場であることは理解している。
「今自分が何をしないといけないのかは夏よりも明確になっている。首脳陣がどういうプレーしてほしいか、チームのゲームプランは誰よりも理解して、どれだけ遂行できるのか。もっとチャレンジして、強い気持ちを持ちながら挑んでいきたい」

李は6試合すべてに出場したいと貪欲だ。
「自分としてはすべて出場したい。テストマッチに出ることで気付くこと、課題であったり、通用することが出てくると思うので、1試合1試合積み重ねてレベルアップして『RWC』へ向かいたい」

ひと回り上の田村を手本にしている。
「優さんはスキルレベルが高いし、コミュニケーション部分でも学ぶところが多い。夏は1週間しか一緒にできなかったが、今は練習後にお互いにレビューし合ったり、10番の役割を意識できるようにアプローチしてくれるので刺激になっている。お手本と言うか、学べる選手が近くにいるので助かっている」

その田村本人に若手の手本という意識はない。2大会連続で『RWC』に出場した百戦錬磨の司令塔はポジション争いの序列は最下位だと語った。
「僕自身最下位だと思うので、がんばらないといけないと思うし、僕はチャレンジしていかないといけない」

山沢拓也、中尾隼人、李の若いSO陣にアドバイスするという認識もなかった。
「僕が代表から離れていたので、逆に僕が聞いている。僕はチャレンジするしかないので。毎日チャレンジしてがんばっている」

田村は追う立場を楽しんでいた。
「チャレンジできる図式なのもいい。がんばらないといけないし、意義あるものにできればいい。若い選手、年を取った選手もいるが、練習からチャレンジしていくのもいい。歳を重ねると難しくなることもあるが、モチベーションを保てている」

求められているうちが花である。
「必要とさせているうちは、あとケガが直ってきたのと休めた面もある。動けるのでまだ。がんばれないと思ったらやめる。身体に不調が出たり、モチベーションを保つのが無理になったり、向上心がなくなったり、ラグビーが楽しくなくなったりしたら、高いレベルでやるのは無理。今は動けるし、がんばれるのでがんばります」

フランス戦以降、オフに入っていた田村は徐々に感覚を研ぎ澄ませていた。
「フランス戦後、ラグビーはこの合宿に来てから初めてだったので徐々に慣らしている。離れていた部分、身体はきついがフレッシュな気持ちでラグビーに取り組めている。(代表のプランを)やりながら覚えている、肌感覚的なところとチームのプランをすり合わせて自分の良さを出していこうとしているところ」

SOとハーフ団を組むSH流大は『RWC2023』を最後の舞台だとキッパリ。
「(『RWC2023』後は)もし招集していただいても絶対に行くことはない。僕の中で前回の『RWC』が終わった時に覚悟を決めてしっかり取り組むと決めたこと。まだまだ続くラグビー人生、プレイヤーか指導者はわからないが、しっかり次の準備をしていきたい」

30歳のSHは若いSOを称賛した。
「承信、隼人とは初めて組ませてもらい、承信はポテンシャルがあって思い切りのいいプレーをするので本当に感心したし、いいプレイヤーだなと感じた。この合宿でもチームを引っ張って、アタックをリードしているので本当に素晴らしい選手。隼人は東芝(ブレイブルーパス東京)との大雨のゲームで完敗した時(『NTTリーグワン2022』第15節3-27⦆も素晴らしい選手だと感じたが、コミュニケーションが取りやすく10番に隼人が入るとやりやすい印象がある」

9月13日からフルメニューを消化している流は手応えを口にした。
「この3日間でだいぶラグビーの感覚が戻っている感覚がある。体力的には90%くらいなのであと10%、オーストラリアAとの初戦から出られる準備をしたい」

ケガ明けで別メニューの中村はオーストラリアAとの3連戦のいずれかに照準を合わせていた。
「僕個人としてはベストコンディションに戻すところにしか目を向けていない。そこに戻してから考える。今チームについては考えていない。順調に回復している。急に戻ってもケガをするので、時期とかタイミングを見ながら、メディカルと話している。ただアピールしないといけない立場なので、オーストラリアとの3試合の内のどこかで出られようにしたい」

首の手術を経て、死に物狂いで巻き返そうと誓った。
「ずっとラグビーしっぱなしの生活から1か月何もできなくなり、コンディションは落ちたが、家族と過ごす時間でリセットされた感じがした。『あとこの1年は死ぬ気でがんばろう』と、ケガしていた時に考えた」

代表1キャップの根塚とノンキャップの下川も、この秋チャンスを掴もうと虎視眈々。
根塚「ポジション争いで言うとマツ(松島幸太朗)さん、アサイア(シオサイア・フィフィタ)とすごい選手がいるので、自分が一喜一憂しても仕方ない。焦らずしっかり学んで成長した姿を練習で見せていければと思っている。
相手との間合いをしっかり見極めれば、自分でも勝負できるとウルグアイ戦、練習で感じた。足りないのは経験値。マツさんとかアサイアは危機管理能力も高い。そこを高めていけば勝負できるのかなと。加速力、思い切りのいいアタックを見せられればアピールになると思う。ミッチー(ジョン・ミッチェルAC)に練習を見てもらっているので、ディフェンスもアピールできれば」

下川「ウルグアイ、フランスとの試合を積み重ねてきたチームに僕が参加する形なので、フレッシュなメンバーとしてチームに勢いを与える立場だと感じている。先週1週間でインストールされることがあったので、それにプラスしてこれまでのことを学んだ。先輩から教えてもらいシステムも頭で理解できた。グラウンドで実際プレーすることが大事なので、ミスを恐れずにやっているところ。
驚いたところは代表のタフな練習に自分はびっくりしたが、それに驚いていない周りにまたびっくりした。スキルフルな選手が多い。自分も自分の特徴を生かしていこうと思っている。一番の武器は運動量だと思うので、誰よりも動き回ること。ボールキャリーのところでフィジカルがまだ足りないので、ハンドオフとかスキルを使ってアピールしたい」

男子日本代表候補別府合宿参加メンバーは以下の通り。
【PR】
淺岡俊亮(トヨタヴェルブリッツ)1
稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)42
垣永真之介(東京サントリーサンゴリア)11
海士広大(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)1
木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ)5
クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)6
具智元(コベルコ神戸スティーラーズ)18
三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ)9
【HO】
坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)30
橋本大吾(東芝ブレイブルーパス東京)3
日野剛志(静岡ブルーレヴズ)5
堀越康介(東京サントリーサンゴリアス)5
【LO】
秋山大地(トヨタヴェルブリッツ)1
飯野晃司(東京サントリーサンゴリアス)1
ヴィンピー・ファンデルヴァルト(浦安D-Rocks)20
大戸裕矢(静岡ブルーレヴズ)5
小瀧尚弘(コベルコ神戸スティーラーズ)11
サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ)2
ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ)9
ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)4
下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)0
【FL】
布巻峻介(埼玉パナソニックワイルドナイツ)9
ピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)13
古川聖人(トヨタヴェルブリッツ)4
リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)75
【No.8】
姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)22
ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)4
テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス)12
【SH】
茂野海人(トヨタヴェルブリッツ)16
小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ)0
齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス)8
高橋敏也(リコーブラックラムズ東京)0
流大(東京サントリーサンゴリアス)27
【SO】
田村優(横浜キヤノンイーグルス)70
中尾隼太(東芝ブレイブルーパス東京)0
山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)4
李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)3
【CTB】
梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス)2
シェーン・ゲイツ(浦安D-Rocks)4
中野将伍(東京サントリーサンゴリアス)2
中村亮土(東京サントリーサンゴリアス)30
ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)7
ラファエレ ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ)28
【WTB】
ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)0
ゲラード・ファンデンヒーファー(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)3
シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)9
根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)1
松島幸太朗(東京サントリーサンゴリアス)44
【FB】
野口竜司(埼玉パナソニックワイルドナイツ)14
メイン平(リコーブラックラムズ東京)1
尾崎晟也(東京サントリーサンゴリアス)4
山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ)24
※所属チームの後の数字は日本代表キャップ数。

日本代表候補は9月18日(日)まで別府合宿、9月18日(日)より宮崎合宿を実施。『アサヒスーパードライ JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2022』JAPAN XV(ジャパン・フィフティーン)×オーストラリアA代表第1戦は10月1日(土)・秩父宮ラグビー場(東京)、第2戦は10月8日(土)・ベスト電器スタジアム(福岡)、第3戦は10月14日(金)・ヨドコウ桜スタジアム(大阪)にてキックオフ。『リポビタンDチャレンジカップ2022』日本代表×ニュージーランド代表は10月29日(土)・国立競技場(東京)、『リポビタンD TOUR2022』イングランド代表×日本代表は11月12日(土)・トゥイッケナムスタジアム(イングランド・ロンドン)、フランス代表×日本代表は11月20日(日)・スタジアム・ド・トゥールーズ(フランス・トゥールーズ)にて開催。

豪州A戦のチケットは9月17日(土)午前10時より一般発売。オールブラックス戦のチケットは9月22日(木)よりSAKURA CLUB TICKETにて各種先行販売がスタート、10月1日(土)午前10時~2日(日)午後11時59分までTICKET RUGBYおよびチケットぴあにて先行抽選、10月8日(土)午前10時より一般発売。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

アサヒスーパードライ JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2022のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2223623

リポビタンDチャレンジカップ2022のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=%E3%83%AA%E3%83%9D%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%B3D%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%972022

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