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「線」と「言葉」が織りなす楠本まきの美しい作品世界を紹介する展覧会、10月1日より開催

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ビデオ「KISS xxxx」のための 描き下ろし (1991) (c)Maki Kusumoto

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1984年のデビュー以来、世代を超えた多くのファンを魅了してきた漫画家・楠本まきの仕事を通覧する展覧会が、東京・文京区の弥生美術館で、10月1日(土)から12月25日(日)まで開催される。同展は、2021年の夏に京都国際マンガミュージアムで開催されて話題を呼んだ展覧会の巡回展。東京での待望の開催となる。

高校在学中に『週刊マーガレット』でデビューし、「KISSxxxx」「Kの葬列」「致死量ドーリス」「いかさま海亀のスープ」「戀愛譚」「赤白つるばみ」など様々な話題作を発表してきた楠本まき。研ぎ澄まされた線描と選び抜かれた言葉で構成された作品によって、耽美で退廃的、巧緻でスタイリッシュな世界を築きあげ、漫画界のみならず、ファッションや音楽分野などにも影響を与えてきた。

同展の魅力のひとつは、その比類なき美学を貫く楠本まき自身が展示構成を監修すること。会場には、作品の原画のほか、エッチング、全書籍、手書き指定の入った校正紙、ファックス、作品内に描かれた小道具なども並ぶ。完璧主義の楠本の精緻な美しい原画を間近で見るのは眼福であり、妥協なく繰り返される校正からは真摯な仕事ぶりが感じられるだろう。美意識に貫かれた書籍の装幀も見どころだ。

京都会場には出品されなかった原画や版画作品も追加され、一部は会期中に展示替えが行われる。また「KISSxxxx」の中から1話分全ページの原稿を展示し、原画でストーリーを楽しめるコーナーも登場する。盛りだくさんの内容で、楠本まきの38年に及ぶこだわりの仕事を大公開する同展は、ファンのみならず、多くの来館者の目と心に刺激を与えてくれることだろう。

なお、弥生美術館には竹久夢二美術館が併設されている。同会期で『夢二をとりまく人間関係—交流から生まれた美と言の葉—』が開催されているが、同館の「萩原朔太郎大全2022」のコーナーにも、楠本の作品展示がある。かねてより好きな詩人として朔太郎の名をあげていた楠本が、作品内に詩を引用した原稿である。こちらお見逃しなく。

「Kの葬列」より(1993)  (c)Maki Kusumoto 
『いかさま海亀のスープ』(1998)  (c)Maki Kusumoto SHINSHOKAN
「ch-11」より 雑誌『ダ・ヴィンチ』のための描き下ろし(2000)  (c)Maki Kusumoto 
「Two Decades」展のための エッチング (2003) (c)Maki Kusumoto

【開催概要】
『線と言葉・楠本まきの仕事』展
会場:弥生美術館
会期:2022年10月1日(土)~12月25日(日) ※会期中展示替えあり
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(10月10日は開館)、10月11日(火)
料金:一般1000円、大高900円、中小500円 (竹久夢二美術館も観覧可)
公式サイト:https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

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