「自然にエルヴィスになれた」理由とは? 映画『エルヴィス』小野大輔インタビュー公開
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『エルヴィス』小野大輔 (c)2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
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映画『エルヴィス』のデジタルレンタルとBlu-ray&DVDレンタルが10月5日より開始となり、10月19日(水)よりBlu-ray&DVDとして発売される。この度、エルヴィス・プレスリー役・オースティン・バトラーの日本語吹替を担当した声優・小野大輔のインタビューが到着した。
禁断の音楽とされていたロックで世界を一変させ、若くして謎の死を遂げたスーパースター、エルヴィス・プレスリーの誰も知らなかった真実の物語を『ムーラン・ルージュ』や『華麗なるギャツビー』のバズ・ラーマン監督が映画化。
ほぼ全編に渡り吹き替えなしでエルヴィスになりきり、歌唱とダンスを行うという難役・エルヴィスに抜擢されたのはオースティン・バトラー。エルヴィスの才能をいち早く見つけ、生涯にわたりエルヴィスのマネージャーを務めた悪名高いトム・パーカー役を、2度のアカデミー賞受賞俳優トム・ハンクスが演じている。
バズ・ラーマン監督も観客に向けて「ファンであってもそうでなくても、若い人にこそぜひ観てほしい作品です。エルヴィスは、いまの私たちと同じように、とても困難な時代を生き抜き、多くの人に希望や喜び、そして勇気と愛を与えてくれる。そしてショーやコンサートのように、大きなスクリーンで皆さんに体験してほしい作品です」と熱いコメントを贈った。
劇場公開時は字幕版のみでの公開となったが、デジタル配信、Blu-ray&DVD にのみ日本語吹替版を初収録。エルヴィス・プレスリーを演じるオースティン・バトラーの吹替キャストに人気声優の小野大輔、トム・パーカー役を演じるトム・ハンクスの声を江原正士が務めるなど、実力派声優陣が起用されている。
では、小野が明かす自身の歌唱シーンとエルヴィス・プレスリーを演じる上でのアプローチ方法とは何だろう?
世界を魅了したスーパースター、エルヴィス・プレスリー役のオファーを受けて彼は「まず自分に務まるのだろうかという、シンプルかつとても大きなプレッシャーを感じました」と正直な思いを明かす。そして「調べてみると、エルヴィス・プレスリーがお亡くなりになったのが1977年。僕が生まれる1年前です。その時代に伝説となったスター、キング・オブ・ロックを演じられるというのは、そのプレッシャー以上に喜びを感じました」とした。
続いて「むしろ自分の人生とまったく重なっていないからこそ自由に演じられるのではないかと。そして今改めて知ることができるという喜びもありました。変な壁を作らずに、自分が感じたエルヴィスを自由に演じてみたい。そういう意味でワクワクしました」とコメント。
本作でエルヴィス役に抜擢されたオースティン・バトラーは、バズ・ラーマン監督に「エルヴィスそのもの」と言わしめるほどにエルヴィスになりきっている。
それに対して小野は「日本語吹替版を作る時の鉄則としてあるのが、向こうの役者さんのお芝居をしっかり見て、原音のセリフを聞いて、そこに寄り添っていくということです。そこは逸脱しちゃいけない。オースティン・バトラーは完璧にエルヴィスを演じているので、そこに寄り添っていけば、僕は自然にエルヴィスになれたんですよね」と回想。
そして「これは技術的なことになりますけど、役者さんの骨格や、表情の変化、また発している声の音色や距離感、音量の大小も含めて、洋画の吹替って映像の中にすでにヒントがあるんです。オースティンの場合は、ヒントというよりも、答えそのものがそこにありましたね」と今回のアプローチを振り返る。
また「日本語吹替版を作るときに一番大切にすることは呼吸だと思います」と続ける。「向こうの人が息を吸っているときに吸う、息を吐いている時に吐く。リップ音が出たときには同じようにリップ音をやってみる。そうしたことが全部合った時に本人になれるんです。これは師匠に教わったこと」とした。
さらに「セリフがないところでも、一緒に息をしていると、実は合うんですよ。仮に難しい息づかいをしているな、ブレスを入れているなと思ったとして、それをまねしてみると、途端に日本語も同じセリフ回しになる。だからオースティンがやっていることがイコール、エルヴィスだし、それに合わせるだけで僕もエルヴィスになれるという感覚でした」と話す。
日本語吹替版では、エルヴィスの歌唱シーンにオースティン・バトラーが歌う原音が使われている。「やはりエルヴィスの曲なので、英語の歌詞じゃないといけないですよね」という小野だが、実は日本語吹替版では、一部小野自身が歌唱したシーンが含まれているのだとか。
「インターナショナルホテルのライブに登場した『ザッツ・オール・ライト』のリハーサルシーンですね。あそこのシーンはリハーサルなので、もっと音量上げてとか、オクターブ上げてとか、アドリブがガンガン入ってくるんです。だから日本語吹替版は、あそこのシーンだけは僕が歌っています」と裏話を明かした。
そして本作を改めて観た感想を「エルヴィスを演じたオースティンだけでなく、この映画に関わっている人たちがみんな、ただエルヴィスの時代を再現するだけでなく、本当に生きている感覚がするんですよね」と表現。
そして「僕もそれを感じながら演じましたし、僕ら日本語吹替版の役者たちも自分たちの生きざまをここに投影してアフレコして、あの時代を生きたなと思うんです。そんな熱量を吹替版から感じてもらえたら嬉しいなと思います」とした。
トム・パーカー大佐役のトム・ハンクスの吹替を担当するのは江原正士について、小野は「トム・ハンクスの吹替といえば江原正士さんですから。江原さんが見事に大佐を演じているんです」と太鼓判。
また「実は江原さんと僕の誕生日が一緒(5月4日)なので、そこにもご縁を感じています。要所要所で江原さんとお仕事をご一緒していますが、いつも江原さんのお芝居を見て、こうすれば吹替が魅力的になるんだ、もっと面白くなるんだと、背中を見て学んでいます」としみじみ語った。
■リリース情報
『エルヴィス』
10月5日(水)デジタルレンタル、ブルーレイ&DVDレンタル開始
10月19日(水)Blu-ray&DVD発売開始
4K ULTRA HD&Blu-rayセット(2枚組)
価格:¥6,980(税込)
Blu-ray&DVDセット(2枚組)
価格:¥4,980(税込)
<映像特典(Blu-ray・約47分)>
メイキング・オブ・エルヴィス / 歌唱シーンの舞台裏 / キングの衣装 / オーストラリア万才 / ミュージックビデオ『トラブル』
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