世界の厳選ホラーが日本に集結！　全5ページ構成の大ボリュームでお届け
シッチェス映画祭
ファンタスティックセレクション2022特集

最古で最大のホラー映画の祭典
シッチェス映画祭とは？

1968年に創設され、スペイン、バルセロナ近郊のシッチェスで毎年10月に開催されている権威ある映画祭。上映されるのはSFやホラー、スリラーなどのファンタジー系作品で、ブリュッセルやポルトと並び、三大国際ファンタスティック映画祭と称される。

熱狂的なファンに支えられており、しばし招かれる三池崇史監督もファンを自認。近年はアニメーションの編成にも精力的だ。日本では、この映画祭で好評を博した作品を紹介する＜シッチェス映画祭ファンタスティックシネマコレクション＞が2012年より開催されており、今回で9回目を迎える。

デジタル配信で関連作品＆過去作も楽しもう
衝撃の「13作品」厳選！

『パンズ・ラビリンス』のスタッフが放つ、狼人間アクション・ホラー

『パンズ・ラビリンス』のスタッフが主体となって作られたスペイン製アクション・ホラー。いけにえを捧げなければ村人全員が人狼になるという、呪われた言い伝えが残る村。小説を書くため、そこに帰郷した青年は、不穏な空気のなかでいけにえに選ばれ、ほら穴に落とされてしまうが、それは大騒動のプロローグに過ぎなかった！

ブラックジョークを多分に含みながら展開するドラマ。特殊メイクによる人狼軍団の描写も見どころだ。監督のファン・マルティネス・モレノは本作の成功の後、オムニバス・ホラー『ABC・オブ・デス2』に参加。

ダメ警官が狼人間に！　コメディタッチのカナダ製ホラー・アクション

カナダで製作された、コメディタッチのホラー・アクション。田舎町の警官ルーは酒におぼれ、勤務意欲のかけらもないダメ男。ある夜、通報を受けて向かった地で殴られ、気を失った彼は呪いをかけられる。昼は人間だが、日が暮れると狼男に変身してしまうルー。誰が、なぜ、こんなことを？　真相追及に奔走する彼がたどり着いた衝撃の事実とは!?

濃いめのバイオレンスやお色気に加え、人間から狼に転じる変身シーンも見どころ。好評を受け、2017年にはスタッフ＆キャストが再結集して続編が製作されたが、残念ながら日本では現段階で未公開。

人間を襲い続けるモンスターの恐怖…大人気シリーズ第3弾

23年ごとに出現して23日間、人間を襲い続けるモンスターの恐怖を描いた人気シリーズ『ジーパーズ・クリーパーズ』の第3弾。前2作に続いてヴィクター・サルヴァが監督を務め、1作目と2作目『ヒューマン・キャッチャー』の間に起きた、知られざる戦慄のドラマを演出する。

人間を惨殺するモンスター、クリーパーに襲われた町。23年前の被害者の遺族を集めて自警団を結成した保安官が、クリーパーを追撃するが、怪物は想像を上回る強さで応戦し……。1作目のヒロイン、ジーナ・フィリップスのシリーズ復帰もファンには嬉しいポイント。

本当に恐ろしいものとは？　人間の悪意に切り込む注目の台湾ホラー

人を食らう2匹の怪物、現わる！　そのうちの1匹を捕らえた高校生のいじめグループ。いじめられっ子のシューウェイは、彼らとともに、この怪物をいたぶる遊びによって、グループの仲間として認められるようになる。一方で彼は怪物に同情を覚え、助けることを約束するが……。

台湾ホラーの好調を象徴する注目作。怪物も恐ろしいが、それに対して暴力性をあらわにしていく少年たちが、より恐ろしく思えてくる妙。日本でもリメイクされた『あの頃、君を追いかけた』のギデンズ・コー監督が、スリルとブラックユーモアを交えながら、人間の悪意というテーマにリアルに切り込んでいく。

タランティーノ絶賛の監督コンビが送る、ウエスタン風フレンチノワール

クエンテンィン・タランティーノ絶賛の『煽情』で注目された監督コンビ、エレーヌ・カテトとブルーノ・フォルザーニが放つウエスタン風のフレンチノワール。装甲車を襲って250キロの金塊を強奪し、地中海沿いの廃村に逃げ込んだ3人組。人里離れたこの地に、招かれざる客がやってきたことによって、彼らは欲望にまみれた戦いを余儀なくされる……。

ギラギラと照りつける太陽と乾いた荒野、青い海に囲まれた地で、壮絶な銃撃戦が展開。エンニオ・モリコーネによる過去の映画の名スコアを随所にフィーチャー。バトルを叙情的に盛り上げる！

寓話風の不思議な味わいが宿る。ブラジル発、異色の狼男ストーリー

ブラジルから届いた異色の狼男ストーリー。裕福な家で育ち、独身のままひとりで出産をすることになった女性アナと、彼女の家に住み込んで乳母として働くことになった看護士クララ。ほどなくして彼女たちは同性愛の関係となる。一方、胎児は異様なスピードで成長し、やがてアナの腹を引き裂いて誕生。生まれてきたのは狼人間だった！　亡くなったアナに代わり、クララはひとりで、この“新生児”を育てることになるが……。

B級のノリは希薄で、寓話風の不思議な味わいが宿る物語。多様に解釈できる結末も味わい深く、見応えアリ！

人気ドラマ『BONES』の監督が放つ、実話を基にした犯罪ドラマ

『ホワイトハウスの陰謀』『アナコンダ2』やTVドラマ『BONES -骨は語る-』で知られるベテラン、ドワイト・H・リトル監督が実話を基にして生み出した犯罪ドラマ。舞台は1978年のアリゾナ州。息子たちの手引きで脱獄した犯罪者タイソンは、ともにメキシコを目指す。行く先々で必要な物を奪い、容赦なく人を殺害。そんなタイソンの残虐行為に息子たちは、次第に及び腰になっていくが、父の暴走はとどまるところを知らず……。

『ターミネーター2』の悪役として知られるロバート・パトリックが凶悪な主人公を怪演。『オースティン・パワーズ』のヘザー・グラハムら助演陣も豪華。

30周年記念で人気シリーズをリメイク！　殺人人形の恐怖から逃れられるか!?

殺人人形の恐怖を描いた1989年の1作目以来、10本以上が製作されている『パペット・マスター』シリーズの最新作。製作30周年を記念し、第1作目を最新技術でリメイク。

かつてナチスが使用したとされる殺人パペットがオークションにかけられることになり、人形マニアが会場に詰めかける。ところが、この人形たちが覚醒し、ホテルに宿を取ったオークション関係者を次々と虐殺。この地獄のような状況から、生き残ることはできるのか!?　スウェーデン出身のホラーの俊英トミー・ウィクランドとソニー・ラグーナが、スプラッター描写もたっぷりに活写。

リアルな心理描写が秀逸！　フランスの俊英が放つ学園ミステリー

長編デビュー作『欲しがる女』でセザール賞にノミネートされたフランスの俊英セバスチャン・マルニエによる学園ミステリー。名門中等校で、授業中の教師が突然、生徒たちの目の前で飛び降り自殺をする事件が発生。代わりにエリートクラスを受け持つことになった代理教師ピエールは、この異常事態の中でも妙に落ち着いている6人の生徒の存在に気づく。やがて彼は、6人が何かを企てていると思い込むようになり……。

日常に生じる“歪み”の積み重ねに圧迫される心理のリアルな描写が秀逸。『光る眼』などのホラーからの影響にも注目を！

イスラエルの怪物を題材にした歴史ホラー。『復讐者たち』監督の映像美も必見！

ユダヤ教に伝わる伝説の怪物ゴーレムを題材にしたイスラエル製の歴史ホラー。舞台は17世紀、リトアニアにあるユダヤ人コミュニティ。7年前に子供を亡くした人妻ハンナは心に深い悲しみを抱えていた。そんなある日、侵略者の魔の手が村に迫る。村を守るため、ハンナは伝説の怪物ゴーレムを呼び出す秘術を敢行。それは幼い少年の姿で現われるが、彼女の予測が及ばないほどの危険な力を秘めていた！

子供姿のゴーレムの無表情が不気味で、異様な雰囲気は満点。『復讐者たち』も好評を博したドロン＆ヨアヴ・パズ監督の映像美の世界も見もの。

『AVN／エイリアンVSニンジャ』監督が手がけるミステリアスな時代アクション！

『AVN／エイリアンVSニンジャ』の千葉誠治監督が放つミステリアスな時代アクション。伊賀の里の洞窟内で目を覚ました忍者、突悪（たお）。目の前にいる見ず知らずの忍者たちは、洞窟の奥に転がる40体の死体について尋ねるが、突悪には何も思い出せない。記憶の糸を手繰り寄せていった先に待つ、衝撃の事実とは!?

仮面姿や白塗りなどの、忍者たちの不気味なルックスが恐怖を盛り立てる。殺陣の迫力も満点で、剣が激しくぶつかり合うアクションに魅了されるに違いない。『オカムロさん』の三元雅芸が主人公に扮し、身体能力を活かした熱演を披露。

シンガーソングライター、藤田恵名が大熱演！　奇抜なバイオレンス・アクション

『シン・ゴジラ』などの特殊造型プロデューサーとして活躍し、『東京残酷警察』などの監督作で海外のファンの支持を集めた西村喜廣による奇抜なバイオレンス・アクション。舞台は大東亜世界体育大会が開催されようとしている日本。女殺し屋キカは自国の独特の文化を守る命を受けて、日夜不良外国人と戦いを繰り広げていたが、ひとりのアイドルとの出会いから彼女の中で何かが変わっていく……。

西村監督らしいポップなバイオレンスが随所に炸裂。シンガーソングライター、藤田恵名が主演を務め、歌はもちろん、演技面でもアクションを大熱演！

呪いの粘土人形の恐怖が再び！　血に染まっていくキャンプの行方は…!?

人間の血を吸うことで成長する粘土の人形カカメの暴走を描いた『血を吸う粘土』の続編。『カラダ探し』などで特殊造型を手がける梅沢壮一が前作に続いて監督を務め、不気味な人形のビジュアルとともにスプラッターを描き切る。

前作でカカメに殺された男の娘、果林は美術制作キャンプに参加し、創作活動に励む。ところが、父の遺灰が持ち込まれ、そこにカカメの残骸が紛れていたことから、この粘土人形が復活。キャンプは血に染まっていく！　本作で映画デビューし、『黄龍の村』などにも出演している藤井愛稀のスクリームクィーンぶりに注目。