OWV 東京公演1日目ライブレポート 新たに見えた勝利を掴む道筋
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『OWV LIVE TOUR -STRANGE-』中野サンプラザ公演より
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すべて見る“Our only Way to get Victory”を掲げ、2020年9月30日にデビューしたボーイズグループ、OWV。この夏には“Live”をコンセプトとした6thシングル『Time Jackerz』をリリース、イベントにも積極的に出演し、パフォーマンスがかっこいいだけでなくMCも面白いライブ力のあるアーティストとして着々と人気を集めてきた。
10月1日の中野サンプラザでの東京公演で開幕となった『OWV LIVE TOUR -STRANGE-』では、数々のステージで積み上げてきた成長を鮮やかに香らせ、デビュー3年目を軽やかに封切ったのである。
これまでも音と光を交えた魅せ方など演出にも力を注いできたOWVだが、今回はステージセットも一段とパワーアップ。彼ら自身や楽曲の世界観を、より引き立たせる舞台が構築させていた。会場が薄暗くなりSEが波を巻き起こすと、いよいよメンバーの登場だ。現れた4人は王者の風格をまとい、その面持ちにはプロとしてのプライドを感じさせる。堂々とした佇まいで「俺たちがOWV」だと誇示すると、オープニングの時点でオーディエンスの熱気を完全に掌握してしまった。最新シングルの「Time Jackerz」でも、その凛とした美しさは健在。不敵な色気を放ちながら、メリハリのあるパワフルなダンスを繰り広げる。
日替わり曲では、優しく語り掛けるバラードの「twilight」を披露。吐息たっぷりの声で紡がれるリリックは温かく、歌がスッと胸に飛びこんでくる。きれいごとになりかねない美しい言葉たちに嫌味がないのは、ひとつひとつの単語にしっかりと想いを乗っているからなのだろう。実直で熱く人間味のあるOWVだからこそ、透明感のある楽曲も偽りがなく響くのだ。
クールなダンスナンバー、心を打つバラード、そしてみんなで盛り上がれるパーティーチューンと多彩な魅力を咲かせるOWV。リリースのたびに印象的なリードソングを打ち出す彼らだが、ライブではそれに固執しないセットリストを展開していくのも強みのひとつだ。今の4人が表現したいことや伝えたいことを中心に置きながら、緻密に全体の流れを描きだしていくのである。
MCでは、本田が天気を晴れにした(?)話を皮切りに、ペンライトのカラーや個性豊かなうちわなどについてトーク。前日の深夜に「明日ってガチャガチャ回せるんだっけ?」と浦野から連絡があったと、佐野がバラす一幕も。みんなの話を聞こうとした中川は、何度も立ち位置より前へ出てしまい会場の笑いを誘った。
初披露された「Let Go」 高まるQWVとの一体感
なんとこの日は、11月2日にリリースされる「Let Go」を初披露。涙をぬぐったり、誰かを抱きしめたりしているような動きが印象的なコレオグラフは、R&B調のバラードと相まって新たなOWVの一面をのぞかせる。バキバキと激しく踊る楽曲だけでなく、柔らかな表現も難なくこなしてしまうことを見せつけたのだ。
アンコールでは外部イベントでオーディエンスを沸かせてきた「Summer Days」を投下。ツアーグッズのタオルや色とりどりのサイリウムは、くるくるとリズミカルに宙を舞い、ライブを華やかに彩る。キラキラした笑顔を輝かせながら、QWV(OWVのファン呼称)と一緒に一体感ある時間を作りだしたのだった。
パフォーマンス力もMC力も格上げし、ライブアーティストとして更なる飛躍を果たしたOWV。多彩なジャンルも柔軟に表現するバイタリティーは、紛れもなく彼らの誠実さの表れであり努力の賜物だ。デビューから2周年を迎え、ここからより一層力強く歩みを進めていくことだろう。
なお『OWV LIVE TOUR -STRANGE-』は、この後も10月23日にメルパルクホールで行われる大阪公演、11月3日に日本特殊陶業市民会館ビレッジホールで行われる名古屋公演と続いていく。また、11月19日にはZepp Hanedaにて『OWV LIVE TOUR 2022-STRANGE- After Party』の開催も決定。メンバーと濃い時間を過ごせるイベントとなっているので、併せてチェックしてほしい。
取材・文=坂井彩花
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