新HCのもと、充実のプレシーズンで強化! トヨタV、2季目のリーグワンへ自信あり!!

2シーズン目に自信あり、だ。開幕を2週間後に控えた12月6日、『トヨタヴェルブリッツ2022-23シーズン開幕前記者会見』が実施された。トップリーグの最後のシーズンとなった『ジャパンラグビー トップリーグ2021』では3位、新リーグ1年目の『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022』では新型コロナウイルスの影響を受けて5位に甘んじたトヨタVは再びトップ戦線に割って入ろうとしている。『NTTリーグワン2022-23』開幕に向けて、スティーブ・ハンセンディレクターオブラグビー（TOD）、ベン・へリング新ヘッドコーチ（HC）、FL古川聖人共同キャプテン、SH福田健太が意気込みを語った。

ハンセンTOD「今年はチームが大きな変化の時期に迎えている。チームとしてやりたいことがよりできている。コーチ陣とチームがうまくつながり、いいプレシーズンを過ごしている。代表選手がいない中、若い選手がハードワークし、チームが成長しているし、内なる強さが出てきた。これからシーズン中もチームは成長し続けていくと思う。シーズンの開幕を楽しみにしている」

へリングHC「いいプレシーズンを送っている。チームとしてひとつのまとまりになりつつある。若い選手に恵まれ、チームにうまく馴染み、グラウンド内外でチームが連携できていると思う。シーズン開幕が楽しみ」

古川共同主将「チームに合流して3日目だが、チームのつながりや方向性が見える練習ができているので、いいまとまり、いいつながりのあるチームになってきていると思う。それをしっかりラグビーにつなげていきたい。
（開幕戦は）シンプルに楽しみ。今までやってきたことを一つひとつぶつけたい。チームとして楽しみ」

福田健太「日本代表が大勢いる中、残された選手が代表選手に頼るのではなく、彼らが帰って来た時にいい土台ができているよう、代表選手にいいエッセンスになってもらえるようにチームでトレーニングに励んできた。
（開幕戦は）ひとつターゲットにしているので自分自身楽しみだし、ここで成長を止めるのではなく、ここからいい準備を続けてレベルアップできるようやっていきたい」

ハンセンTODはへリングHCのチーム作りをこのように評価した。
「ベンがうまくプレシーズンに取り組んでくれている。チームのアイデンティティを深く理解し、チームのコネクトも強まった。よりベターになるため、選手たちは他者からではなく、自分自身でモチベーションを上げる取り組みをしている。
どのコーチにも強みと弱みがある。（前任の）サイモン（・クロン）HCはスキルの向上に大きく貢献してくれた。ベンHCは人と人をうまくつなげるコネクターだと思う。トヨタVのアイデンティティを作り上げてくれたと思う。BKコーチのライアン（・マーティン）、FWコーチのネイサン（・ホワイト）のスタイルを生かせるよう取り組んでくれている。ただチームはまだスタート地点。彼自身もリーダーとして成長していってほしいし、選手たちが自発的に行動してくれるよう導いてほしい。彼は周りのことをケアできる人間。私ともいい関係性を築けている。最後に強調したいのは、ここは私のチームではなく、彼のチームだということ。今後チームの仕上がりが楽しみ」

へリングHCは練習グラウンドに赤いラインを引いたり、「ブラザーフット」というキーワードを使ったり、選手たちの意識を変えようとしている。
「（赤いラインは）練習ではマインドセットが必要なのでリマインダーのひとつとして赤いラインを使っている。この線を超えたら世界が変わるという意識付けのために。
（ブラザーフットは）フォーカスをひとつに絞るために使っている言葉。ブラザーフットは兄弟の絆という意味。チームメイトと兄弟のように鼓舞したり、協力したり、時には喧嘩しながら、チームをひとつにまとめていくために使っているキーワード」

福田はチームの変化を感じていた。
「今までもハードな練習してきたが、今季は今まで以上にパーソナルベストを出せるようみんなで取り組めていると思う。練習でもお互いにしのぎを削り、コンペティションできているので、チームとしていい方向に向いていると思う。あとウェイトトレーニングの測定でもみんな1回1回パーソナルベストを出せるよう気合いを入れやっているし、周りの選手も鼓舞している」

へリングHCから共同主将指名を受けた古川はこう振り返った。
「ベンが合流し、日本代表に行く前、今年はこういう体制でやりたいと言われた。自分としてもこのチームを代表して共同主将をできることは光栄だったし、姫野（和樹）共同主将と一緒にできるのはいいチャレンジになると思った。
姫野さんと共同でやることになるが、姫野さんに僕が付いていくのではなく、僕自身がしっかりリーダーとしてやってくれと言われた。しっかり自分の色を出して、その中で姫野さんの力を借りるという形になればと思っている。これまでいろんな主将とプレーしてきたが、まず主将としてプレー、姿勢で引っ張っていくのはどの主将でも変わらないことなので、そこは変わらずやっていきたい」

福田は同期である古川のリーダーシップに太鼓判を捺した。
「聖人は1年目からリーダーシップを発揮していたので、全然心配はない。僕も聖人に頼るのではなく、聖人がいいリーダーシップを発揮できるようにいいサポートをしたいと思っている。聖人は自分の色を出してくれると思うし、プレーでどんどん引っ張っていく主将になると思う」

古川はこの秋の代表活動でメンバー全員の準備が必要だと改めて感じたと言う。
「代表ではなかなか試合に出られなかったが、そういった中でもチームが勝つためにメンバー全員の力が必要になってくる。本当の意味でのチームのつながり、本当の意味でのチームの目標達成のために何をやるかということが明確になったので、今後やっていければと思っている」

福田も同期たちの代表選出に刺激を受けていた。
「聖人、淺岡（俊亮）、秋山（大地）、高橋（汰地）が代表へ行ったことは同期として率直にうれしいし、すごいと思う。聖人は体が大きくないが、（オーストラリア代表マイケル・）フーパーとずっと練習していた姿を見ていたし、努力して代表のジャージを掴み取った。
僕も目指すところもそこだが、地に足を付けてしっかりやっていきたい。トレーニングの毎セッション毎セッションで成長できるようにしたい。ハンセン、ベン、ライアンからスキルを還元され、毎セッション新たな発見があり、自分がどれだけ成長できるか楽しみ。長所を忘れず、短所を克服し、シーズン中も成長をやめない選手になっていきたい。長所はランニングやスピード、トライの取れるハーフとしてやれるところ。ただギャンブル的な部分もあり、逆に流れを止めることもあるので、マインドセットをしっかりしてやっていきたい」

『NTTリーグワン2022』プレーオフトーナメント決勝に勝ち上がった埼玉ワイルドナイツ、東京サンゴリアスとの差を問われたハンセンTODと古川共同主将は次のように答えた。
ハンセン「この2チームはプレッシャーの中でも高いスタンダードを発揮してきた。うちのチームは成長中。チームカルチャーでトラスト、個人が自分の役割を遂行し、その中でお互いが信頼し準備するトラストを使ってパナソニックやサントリーと戦わないといけない。結果を求めてプレーしたいし、結果が出ればいいが、もし結果が出なくてもまた練習して日本一にチャレンジすればいい。パナソニックとサントリーはリーグワンでスタンダードを作ったチーム。ただコントロールできるのは自分たちのことだけ。ここまでいいプレシーズンを送ってきたので、トラストを生かし、成長し、戦っていきたい」

古川「大きな差ではなく、常に100%に近いパフォーマンスを出せたのがその2チームだと思っている。僕らはプロセスを大事にし、チームの文化を作り上げているところ。そこを突き詰めることによって自ずと結果を付いてくると思う。自分たちにベクトルを向け、重要なプロセスを進めていくことが大事だと思っている」

HCと選手たちはファンへメッセージを送った。
へリング「もちろん追い求めるゴールは同じだが、チームとしての成長、その継続に重きを置きたいと思っている。トレーニングで毎セッションごとに満足いくよう、最大限のパフォーマンスを得られるよう取り組んでいきたい」

古川「ファンの前でプレーできることはラグビー選手として光栄。昨季ホームゲームがキャンセルになることが多かったので、ホームで愛知でみなさんの前でプレーしたいし、FLとして激しいディフェンスとジャッカルでボールを取る姿を見てもらえればと思っている」

福田「ファンも帰って来ると思うと思うので、初心者でも見ていて『ラグビーって面白い』『ヴェルブリッツの試合をまた見たい』と思ってもらえるチーム、選手になっていきたい。目指すところはひとつ、プロセスを大事にして、一歩一歩足元を見て進んでいきたい」

静岡ブルーレヴズを迎え撃つ『NTTリーグワ2022-23』開幕戦は12月17日(土) ・豊田スタジアムにてキックオフ。キックオフ前にはオープニングゲームならではのイベントを多数企画している。試合後には、公式試合に出場していない両チームのメンバー同士による試合『MIRAI MATCH』を開催。チケット発売中。

取材・文:碧山緒里摩（ぴあ）　写真提供：トヨタヴェルブリッツ

トヨタヴェルブリッツ対静岡ブルーレヴズ　NTTジャパンラグビー リーグワン 2022-23 DIVISION 1
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2238009&rlsCd=001&lotRlsCd=

トヨタヴェルブリッツのチケット情報
https://t.pia.jp/pia/artist/artists.do?artistsCd=11027035

ジャパンラグビー リーグワン 観戦ガイド 2022-23
https://book.pia.co.jp/book/b617541.html