ホログラムコンサート、伝記映画、あの伝説の歌姫が甦る！
この冬はホイットニー・ヒューストンがアツい！

この冬はホイットニーがアツい！
歌姫ホイットニーが令和に甦る！　ホログラムライブ開催！

ホイットニー・ヒューストン。“伝説”と呼ばれるアーティストの中でも、後に伝説となったのではなく、活躍時リアルタイムで世界中で同時に爆発的人気を博した代表といえる存在だ。

初期の記録を振り返るだけでも、その人気のほどがうかがえる。グラミー賞は6回、エミー賞を2回受賞。1985年リリースのデビューアルバム『そよ風の贈り物』がリリース年にプラチナディスクに認定され、セカンドアルバムの『ホイットニーII～すてきなSomebody』は全米アルバムチャートでは女性アーティストとして初めて1位。このアルバムは、洋楽全盛期の日本でもオリコン洋楽アルバムチャートで11週1位を記録した。

キャリアの中で最大の成功と呼ばれているのが、初主演映画『ボディガード』。世界興収4億ドル超、日本興収41億円を記録し、サウンドトラックが全世界で4200万枚以上の売上を叩き出した。主題歌『オールウェイズ・ラブ・ユー』は、世界中の音楽賞を総なめにしており、今もなお洋楽バラードのスタンダードナンバーとして人気。この曲は日本で今でも各所で使用されているので、彼女のことや映画をご存知ない方にもなじみの楽曲といえるだろう。

彼女のデビュー当時の日本で、洋楽の中でも人気の中心だったのはポップスミュージックで、ブラックミュージックと呼ばれたR＆Bは、玄人好みのジャンルとして存在していた。ところが、マイケル・ジャクソンやプリンスなど、ポップスとR＆Bをミックスしたレジェンドアーティストたちのおかげで、じわじわとジャンルの垣根を超えて人気が上昇。そこに現れたホイットニー・ヒューストンは、ジャンルだけでなくジェンダーの垣根、人種の垣根を取っ払う役割を果たしたといえる。

そんな彼女の生パフォーマンスを、幸運にも日本で観られたのは、彼女が他界する2年前に行われたジャパンツアー「Nothing But Love Japan Tour」が最後だ。だからこそ、没後約10年を経て開催される「ホイットニー・ヒューストン　ホログラムコンサート」は、彼女の名曲群を彼女自身が蘇ったかのようなステージングで観られる貴重な機会。すでにラスベガス、イギリスなどで上演されており、各地で大絶賛を浴びている。

ホログラムコンサート、とは、Base Hologram社の技術によって、この世を去った伝説のアーティストをホログラム映像で蘇らせる新業態。すでにフランク・ザッパやエイミー・ワインハウスなどで成功を収め、ホイットニー・ヒューストンのそれは、この業態では最大規模のツアーとなっていることでも話題だ。この見どころは、生前映像のホログラムだけでなく、生ライブ同様にバンド、バックシンガー＆ダンサーによるパフォーマンスが映像に同期し、まるで亡きアーティストが本当に蘇ったかのようなコンサートを展開すること。長年のファンはもちろんのこと、映像アーカイブでしか観たことがないという人にとっても、新たな形の“生ライブ”を体験することができるのだ。

Text：よしひろまさみち