パワフルでチャーミングなオリーブ&フローレンス、再び登場!『おかしな二人』大地真央×花總まりインタビュー
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花總まり×大地真央
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すべて見るニール・サイモンの傑作コメディ『おかしな二人』が無精者のオリーブに大地真央、病的なまでに几帳面なフローレンスに花總まり、という配役で上演されたのは2020年のこと。巧みなかけ合いで観客を惹き込み、好評を博した。そして2023年、大地オリーブ&花總フローレンスが帰って来る。前回に引き続き出演する宮地雅子、平田敦子、山崎静代(南海キャンディーズ)、渡辺大輔、芋洗坂係長、そして新たに青木さやかが加わり、明るく楽しいステージを堪能させてくれるに違いない。
『おかしな二人』どころか『おかしな八人』
――この作品のどんなところが魅力なのでしょう。
大地 まず、ニール・サイモンの戯曲が非常に面白い。それと8人の出演者それぞれのキャラクターが非常に面白くて、『おかしな二人』どころか『おかしな八人』ですね。女子会的ななかでそれぞれが自立して行く姿に、ご覧になった方がご自分を当てはめて楽しんでいただくこともできる。そんな『おかしな二人』だったんじゃないかと思います。
――戯曲の面白さについて、もう少し詳しく伺えますか?
大地 セリフの応酬というか、かけ合いが本当に面白いですよね。それを活かすも殺すも、私たちのテンポや間しだい。前回すごくチームワークが良かったので、今回も絶対に面白くなると思っています。
花總 おっしゃる通りですね。1日1日お客様の雰囲気も変わっていくので、お客様と一緒に作品の良さをさらにアップさせていきたいです。
――前回公演で工夫・苦心した、あるいは手ごたえを感じた場面を教えてください。
大地 ドンって落ちることなくグッと上げたいという良い意味の緊張感、それがテンポや間合いです。それでいて、リラックスしてダラーっとしているような、自然な会話でなければならない。どこか特定の場面ではなく、作品全部が面白くできたと思いますね。
花總 私はストレートプレイであれだけのセリフをいただいたことが初めて。例えば1幕で「自分はこうでこうで」と言うところは本当に畳みかけるというか、テンポ感を大切にしなくてはいけないと思って、すごく緊張していましたね。本当に、セリフの多さに苦労したので。
大地 多いよね(苦笑)。
花總 はい! 間違えてはいけないので毎朝ずっとブツブツ言っていた記憶があって、またその日々が始まるのかと(苦笑)。大変でしたけど結果的にはすごく楽しかったし良い結果に繋がっていたと思うので、また挑戦できることがすごく嬉しいです。
大地さんには大きな愛がありました
――それぞれの演じるキャラクターへの愛着を伺えますか。
大地 私が演じるオリーブはキャリアウーマンで一応テレビの敏腕プロデューサーですが、仕事に関係ないところはどうでもよくて、グチャグチャな部屋でも平気で住んでいる。大らかというか大雑把で、友達とゲームをしたりすることが一番のリラックスタイム。汚い部屋なのにみんながオリーブの所に集まって来てはなんだか落ち着くという、変な魅力のある人じゃないかと思います。
花總 悪気はないけど人からはかなりうるさく思われる、豆台風的な存在です。オリーブの家で同居し始めますが、ちゃっかりしているところがあって憎めない。ウザさと愛らしさをうまく同居させることでフローレンスが成り立っているので、そこは大切にしていきたいと思います。
――前回共演されてのお互いの印象は?
大地 宝塚での学年も、年も離れているけど、最初から相性が良いと感じました。「コメディは初めて」と言う割に体当たりで挑んでいて「全然初めてじゃないでしょ」っていう感じでしたし、すごく可愛いと思いましたね。
花總 私のすべてを受け止めてくださって、大地さんには(某CMで言っているような)大きな愛が確かにありました(笑)。
――大地さんは今年、初舞台から50周年。大地さんにとって舞台とはどのようなものでしょうか。
大地 50年なんてびっくりです。映像もすごく面白いですが、私は宝塚という舞台から始まったので、やっぱり基本は舞台です。「これ(最新の作品)が一番面白い」と言われたいですし、ライバルはひとつ前の作品の自分。そういう意識で、一つひとつの作品に真摯に向き合ってきたという自負はあります。
花總 舞台ってもちろん楽しいけど、つらいことも多いですよね。
大地 身を削るよね。
花總 そうですね。でも「今日も頑張って良かった」って思えるのは、やっぱりお客様の拍手だとか、お手紙やコメントで自分の想像以上の言葉をかけていただけた時でしょうか。自分の舞台がそういう風に人に思っていただける、影響を与えることができた訳ですから。それはとても嬉しいです。
――今度も、お客様の反応が楽しみですね。
大地 前回はコロナの始まった頃で、お客様にも大声は出さないとかいろいろな制約があったのが本当に申し訳ない。でもこの3年で少しは違ってきたかと思いますし、万全な準備をしてお迎えしますので、よりリラックスして自由に楽しんでいただきたいと思っています。
取材・文=金井まゆみ
<公演情報>
『おかしな二人』
2023年4月8日(土)~4月26日(水)
会場:東京・シアタークリエ
※宮城・富山公演あり
チケット一般発売:2023年1月28日(土)
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