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『アントマン』最新作に登場。なぜカーンは“最凶の敵”と呼ばれるのか?

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『アントマン&ワスプ:クアントマニア』

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マーベル・スタジオの最新作『アントマン&ワスプ:クアントマニア』がついに今週末17日(金)から公開になる。本作でアントマンが立ち向かうのは、カーンと呼ばれる謎の男。彼は本作限定の悪役ではなく、ヒーローが集結したチーム“アベンジャーズ”の新たな敵になるという。

本作の主人公アントマンは、身体のサイズを自由自在に変化させることのできる特殊なスーツを着用して戦う人気ヒーロー。アベンジャーズの一員だが、なぜか“普通すぎる男”とも呼ばれていて、カッコよく、頼りになるのに少し抜けている愛すべき人物だ。

そんな彼と仲間たちの前に立ちはだかるのは、カーンという男。彼は、全人類の過去・現在・未来の時間を支配し、その存在を消し去る恐るべき力を持っているという。本作を手がけるペイトン・リード監督は「(マーベル・スタジオを率いる)ケヴィン・ファイギやマーベルと話し合った結果、本作ではアントマンとワスプを“本当に手ごわい悪役”と戦わせたいということになり、カーンを登場させることになりました。私たちが幼少期から死までを直線的に生きているのに対して、カーンはそのような生き方をしない人物なのです。アベンジャーズの“最小ヒーロー”を、多元宇宙で最も強大な力に直面させるというのは、とても興味深いことだと思いました」と語る。

監督が語る通り、カーンにとって時間は“直線的”には流れていない。もちろん、我々も時間についてあまりにも知らないことが多すぎるので、直線的ではない時間を生きている可能性はあるが、私たちは過去には戻れないし、未来のことはわからない。一度した選択は取り消せないし、うっかりテーブルから落として割ったグラスは元には戻らない。しかし、カーンは時間を操り、グラスを落とさなかったタイムラインがあることを知っている。さらにいうならば、あなたがこの先、うっかりグラスを落としてしまうことを事前に知っている。

考えれば考えるほど敵にまわしたくないキャラクターだ。彼がマーベル史上“最凶”と呼ばれるのも頷ける。こちらが次にどんな攻撃を仕掛けるのか、彼は完全に把握している。さらにいうと、どちらが勝利するのかさえ知っている。そんな相手にどうやって勝つのか? 今後のシリーズの動向を大きく左右する存在としてカーンは他作品にも登場することになりそうだ。ちなみに彼と同じ顔の男が『ロキ』の6話にも登場しているが、カーンは彼とは別のタイムラインに存在する人物らしい。

これまでマーベル・スタジオ作品は、主人公たちの戦いだけでなく、難局に立たされた主人公たちの“選択”を描いてきた。どちらかを選ぶことで何らかの代償があったとしても、彼らは選択し、傷つきながら戦い、自分の信じた道を進んできた。しかし、カーンはすでに主人公が“どちらを選ぶ”のかを知っているし、さらにいうと“選ばなかった場合の結果”も知っているのだ。

カーンの登場は、『アントマン』シリーズだけでなく、マーベル・スタジオが描くシリーズ、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に激震をもたらす一大トピックだ。今後のマーベル作品の物語の“起点”はカーンの登場、つまり『アントマン&ワスプ:クアントマニア』になることは間違いない。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
2月17日(金)全国劇場公開
(C)Marvel Studios 2023

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