原田美枝子、八嶋智人、川島海荷ら出演 ショーン・ホームズ演出版『桜の園』上演決定
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PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『桜の園』キャスト
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すべて見るPARCO劇場開場50周年記念シリーズ『桜の園』が、8月8日(火) から29日(火) にPARCO劇場(※8月7日(月) プレビューオープン)で上演されることが決定した。
ロシアの劇作家アントン・チェーホフが1903年に執筆し、翌年モスクワ芸術座で初演された『桜の園』は、長年にわたり世界各国であらゆる翻案・演出により上演され続けている。今回は、現在イギリス・ロンドンのグローブ座(Shakespeare's Globe)のアソシエイト・アーティスティック・ディレクター(準芸術監督)を務め、2022年に『セールスマンの死』を手がけたショーン・ホームズが演出を担当。彼が上演台本に選んだのは、これまで数々のタッグを組んできたサイモン・スティーヴンスが2014年に発表したアダプテーション版で、日本上演に向けてさらに推敲された台本となる。
女主人のラネーフスカヤ役は、4年ぶりの舞台出演となる原田美枝子、幼少からラネーフスカヤを慕っていた実業家ロパーヒン役は八嶋智人が演じる。また新しい思想で娘アーニャに影響を与えるトロフィーモフ役で成河、養女ワーリャ役で安藤玉恵、娘のアーニャ役で川島海荷、管理人のエピホードフ役で前原滉、娘の家庭教師シャルロッタ役で川上友里、パリに同行していた若い召使いヤーシャ役で竪山隼太、メイドのドゥニャーシャ役で天野はな、近所の地主ピーシチク役で市川しんぺー、女主人の留守を預かっていた兄ガーエフ役で松尾貴史、先代から仕える老召使フィールス役で村井國夫が名を連ねた。
併せて、ショーン・ホームズ、サイモン・スティーヴンス、さらにキャストからのコメントが到着した。なお本作は東京公演を上演後、宮城、愛知、大阪、広島、福岡と巡る予定だ。
■演出:ショーン・ホームズ コメント
大変幸せなことに、美しいPARCO劇場でまた演出をさせていただく機会に恵まれました。
2022年の『セールスマンの死』は、非常に才能ある、そして創作に全身全霊で取り組むキャスト・スタッフと共にワークができた本当に充実し素晴らしい経験でした。
『桜の園』は全く違う戯曲ですが、私たちのアーティスティックな出発点は『セールスマン』の時と似たものになります。観客が戯曲と新たに新鮮に出会い、そして俳優たちの才能が存分に花開くことのできる環境を、私たちは今回も追求します。
チェーホフの戯曲は、喪失、政治・社会や環境の変化、家族愛、資本主義の台頭というテーマを扱っています。それにとっても可笑しいんです!
私たちは、チェーホフの劇作が内包する輝かしい矛盾の全てを生き生きと捉え、見る人が驚き、心を動かされ、そして挑発されるプロダクションを目指したいと思います。また、長きにわたってコラボレーションしているサイモン・スティーヴンスとまた一緒に組むことができることを特に嬉しく思っています。このコラボレーションの豊かさは、2019年東京で迎えた彼の戯曲『FORTUNE』の世界初演が証明してくれています。
サイモン版の『桜の園』は、チェーホフの原作に忠実でありながら鋭い現代性を持ち合わせており、間違いなく2023年にふさわしい、新たな瑞々しい命を戯曲に吹き込んでくれることでしょう。この作品は私にとって3本目のパルコ・プロデュース作品となります。これまでに皆さんと培ってきたクリエイティブな関係を、さらに発展させる機会となるこの公演をとても楽しみしています。
■英語版:サイモン・スティーヴンス コメント
好きな戯曲は何かと誰かに聞かれたらいつも、最終的には、アントン・チェーホフの『桜の園』と答えます。
私が生涯ずっと大好きな戯曲です。この戯曲が描く深い人間性が大好きです。そのロマンスと喜劇性が大好きです。
そしてその哀しみが大好きです。チェーホフは、あらゆる作家の中で私が一番好きな作家です。『桜の園』は彼の最後の戯曲です。
私は、この戯曲が、彼の最も人間らしい傑作だと思います。10年前に、英語版を書くことができたのは私にとってもとても名誉なことでした。
そして今回の新しいバージョンのために、この戯曲に再び向き合う素晴らしい機会に恵まれました。
私がこれまでの人生で何度も立ち返り、そしてこれからも共にあり続ける戯曲です。
そして、私の友人でありコラボレーターであるショーン・ホームズがこの戯曲に命を吹き込んでくれるということに興奮を覚えています。
この戯曲が、私の愛する街、東京で命を宿すことに本当に感動しています。
毎年変わらぬ桜の花に心奪われる街で、桜の花に美しく飾られた戯曲が上演されます。
■原田美枝子 コメント
チェーホフの作品は、以前、蜷川幸雄さんの演出で、『かもめ』アルカージナ役と『三人姉妹』マーシャ役で出演させていただきました。
男たちが歴史を動かすようなシェークスピアの芝居とは違って、一つの家族に起こる出来事をきめ細かく描くチェーホフの世界には独特の面白さがあります。ショーン・ホームズさんは、パワフルで、なおかつ繊細な演出家だと思うので、とても楽しみです。
昨日まであった普通の生活が一変してしまった、現在のロシアとウクライナの状況も重なり、今を生きる私たちにも通じる『桜の園』になるといいなと思っています。
■八嶋智人 コメント
ショーンさん演出の『セールスマンの死』を観て感動した直後のオファーだったので勝手に運命を感じています。先日お会いして、ますます今回の作品に対して期待が大きくなりました。『桜の園』はチェーホフが仕掛ける、時代が大きく変化する時の人間の業をぎゅっと濃縮した悲しいまでの喜劇。その中でもロパーヒンをやるなんて緊張と興奮です。キャスト・スタッフも大好きなメンバーで本当に嬉しい。
宇宙から俯瞰するように、この作品をさらに普遍的なモノにして皆さんにお届けできると信じています。楽しみにしていて下さい。
■成河 コメント
チェーホフ作品はこれまでご縁がなくて今回が初めての挑戦です。これまで国内で色々なチェーホフの上演を観てきましたが、その文学的価値以上に上演を心から楽しめるというのはなかなか稀で。現代化、適切に日本語化するというのがとても手強い印象です。先日演出家のショーンと面会した時、「イギリスでもチェーホフ上演は相当手こずる」「フジツボがびっしりこびり付いているボートから丁寧にフジツボを剥がして本来のボートの形を蘇らせるんだ」と言っていたのが印象的でした。まだ誰も見たことのない、スリリングでダイナミックな『桜の園』を目指すショーン、その一助たるべく、繊細な思考と大胆な姿勢で臨みたいと思います。
■安藤玉恵 コメント
このタイミングだったのかと、深く感慨にふけっています。いつかわからないけど必ずやるだろうと、やらないで死ぬことはないだろうと思っていたチェーホフです。20世紀初頭のロシアの戯曲に、普段はイギリスで演出されているショーンさんと向き合うのですから、稽古場ではたくさんの豊かな会話が生まれるでしょうし、それが作品に活かされるのだろうと、先日ショーンさんにお会いして確信しました。
『桜の園』私は養女のワーリャをやります。この座組みに入れていただけて感謝しています。そして、夏に始まるリハーサルのことを考えて早くもドキドキしています。
■川島海荷 コメント
幾度となく世界中で上演されているチェーホフの『桜の園』、私にとって挑戦であり、役者としてステップアップできるようアーニャという役を深めて演じていきたいです。先日、演出家のショーンさんとお話させていただく機会があり、作品の考察などをお聞きしてより想像が膨らみ、稽古が待ち遠しいです。
10年ぶりのPARCO劇場、成長した姿をみせられるよう頑張ります。
■前原滉 コメント
この度、エピホードフ役で出させて頂くことになりました。前原滉です。
ショーンさん3度目の来日にして、3度目の出演ということで、また一緒に作品を作れることがとても幸せです。
今度はチェーホフの世界をショーンさんがどう立体化していくのか、今から楽しみで仕方ありません! 更に衣装・美術は『セールスマンの死』で、素敵すぎるセットと衣装で魅了してくれたグレイスさん。今度はどんなセットが目の前に現れるのか、ワクワクです。
まだ稽古も何もしてませんが楽しみで仕方ありません!
きっと見たことない桜の園が見れると思います!是非観に来てくださいませ!
■川上友里 コメント
物語の舞台は20世紀。20世紀っていつ?というところからスタートいたしました。お恥ずかしながら。そして調べたところ「チェーホフ42歳の1902年夏に着想され、1903年秋に書き上げられた」と書いてありました。全く共通点の無さそうなチェーホフと私に、ほぼ同じ歳という共通点がありました!大発見です。光栄です。
台本で、シャルロッタの部分は面白く笑ってしまいました。舞台上でも楽しい場面になるといいなあと思ってます。演出のショーン・ホームズさんにもシャルロッタはどんな家庭教師か色々と教えて頂き、やる気がでました。だれよりも強い女性です。
■竪山隼太 コメント
蜷川さんの下にいた時、練習課題としてチェーホフ作品に出会いました。『かもめ』のトレープレフや『三人姉妹』のトゥーゼンバフのシーンを抜粋練習していく中で、人への矢印を隠しながら喋る余白の多いセリフたちが癖となりチェーホフに心惹かれていきました。(その挑戦は蜷川さんにコテンパンにやられました笑)
最終戯曲『桜の園』をサイモンさんの現代版、広田さん翻訳、ショーンさん演出で共に創作できるなんて。昨今ニュースで首を捻りながらみるロシアの物語を2023年に取り組める。夢のようです。武者震いするほど素敵なキャストの皆様と一緒に、揺らめく愛おしい戯曲に3ヶ月どっぷり浸りに行きます!ぜひ皆様劇場へお越し下さい!
■天野はな コメント
大学生の頃、ロンドンの劇場でサイモンさん脚本の『真夜中に犬に起こった奇妙な事件』を拝見しました。言葉がわからないながらもとても感動し、滞在中に観た作品の中で最も記憶に残っていました。
ショーンさん演出の『セールスマンの死』も昨年パルコ劇場で拝見しました。こちらも本当に素晴らしく、今でも舞台上の景色を鮮明に思い出すことができます。そんな一観客として観ていた世界に自分が入ることになるなんて、、、もうすでにドキドキワクワクしております。素晴らしいキャストの皆様と共に、また新しい桜の園をお届けできるように、日々しっかりと稽古を重ねたいと思います。
■市川しんぺー コメント
まずは『FORTUNE』で刺激的な体験をさせてくれたショーンさんの演出という事にワクワクしております。
そして、『桜の園』は10年程前にもPARCOプロデュースの公演に出演しているのですが、また新たな感触、新たな景色が見られるだろう事にもワクワク。役も違うので、違う目線での参加もワクワクを加速させます。更にワクワクだらけの共演者の皆様。ワクワクが止まりませんが、うっかり浮足立たない様に、丁寧に作品に溶け込むべく臨みます。
また、劇場に足を運んで頂くという事の有り難みを嫌というほど感じるここ数年でしたが、お客様に足を運んで良かったと思って帰って頂ける様に精進します。
皆様にとって刺激的な演劇体験になりますように。
■松尾貴史 コメント
何も知らない高校生の頃、テレビタレント的な活動ばかりになっている有名な俳優がインタビューで「本当はチエホフとかやりたいんだよ」と語っていて、どんな素晴らしい世界なんだろうと興味を持ったのが最初でした。
チャップリンの名言に「人生は近くで見ると悲劇だが離れてみれば喜劇だ」というものがありますが、この作品こそ、演出と演技によって、大変な振り幅が生まれるものではないかと想像しています。
泉のようにイマジネーションが湧くショーンとの作業、達者で個性的な名優たちとの共演が楽しみです。
■村井國夫 コメント
チェーホフとの出会いは、俳優座養成所在所中、20歳の頃だと思います。それから、この何十年の間、幾度となく「桜の園」を拝見しましたが、喜劇と思った事は、一度もありません。しかし、チェーホフは喜劇で書いています。私の理解力の至らなさが、これは大変だ。どう理解すればいいのだろう。苦難の時を迎えそうです。階級、出自の違う人達の思惑を感じる取る必要があります。私はチェーホフさんとは、あまり仲がよろしくありません。だから、理解するのに時間がかかる気がしますが、演出のショーンの力を借りて、フィールスを生きていきたいと思っています。
<公演情報>
PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『桜の園』
作:アントン・チェーホフ
英語版:サイモン・スティーヴンス
翻訳:広田敦郎
演出:ショーン・ホームズ
【出演】
原田美枝子、八嶋智人、成河、安藤玉恵、川島海荷、前原滉、川上友里、竪山隼太、天野はな、市川しんぺー/松尾貴史、村井國夫
東京公演:8月8日(火)~8月29日(火) PARCO劇場
※8月7日(月)プレビューオープン
※宮城、愛知、大阪、広島、福岡公演あり
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