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【インタビュー】あの『のだめカンタービレ』が、のだめ役 ・上野樹里、千秋役・三浦宏規で、ミュージカルに!

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インタビュー

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左から)上野樹里、三浦宏規  撮影:杉映貴子

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落ちこぼれながら天才的なピアノの才能を持つ音大生・のだめこと野田恵と、同じ大学のエリートで指揮者を目指す千秋先輩こと千秋真一。このふたりを中心にクラシック音楽の世界を描いた大人気のコミック『のだめカンタービレ』が、ドラマ、アニメ、映画化に続いて、初めてミュージカルになる。のだめを演じるのは、ドラマ、映画でも大好評を博した上野樹里。千秋には、舞台で大活躍中の三浦宏規が扮する。どんなコンビとなりどんな舞台を作っていくのか。初顔合わせながら、会話のなかに作品への熱い思いがあふれた。

「千秋先輩」との共通点は自分のミスが許せないところ

──上野さんは、このミュージカル『のだめカンタービレ』が初舞台となります。その挑戦を決意された思いから聞かせてください。

上野 実は最初、原作の二ノ宮知子さんが私のラジオ番組(『Juri’s Favorite Note』)の第1回目のゲストに来てくださったときに、今度舞台になるんだというお話を伺ったんです。それで、「それ、ちょっと興味あります」と私が言ったところから、今に至ります(笑)。ちょうどその時期、原作の連載が20周年を迎えて開催された「のだめカンタービレ」展を私も見学させていただいて、のだめがよみがえってきたというか、自分の中に生き続けているということを改めて感じたこともあって。タイトルの「カンタービレ」は、「歌うように」という意味を表す音楽用語ですが、ミュージカルになって、のだめが本当にカンタービレするとどんなふうに歌うんだろうと、それがちょっと面白そうだなと思って、挑戦してみたいと思ったんです。

──そして三浦さんには、千秋役に決まったときの気持ちをお聞かせいただければ。

三浦 ドラマを放送当時観ていて大好きな作品だったので、それがミュージカルになるというのがまず驚きでした。その大好きな作品の千秋先輩に自分がなるなんてもちろん夢にも思ってなかったですし。しかも、のだめ役を上野さんがやられるということで、本物の「のだめ」とお芝居させていただくなんてものすごく緊張しますが、本当にうれしいです。皆様の期待を裏切らないよう、ご迷惑をかけないよう、千秋先輩という役を務められるように精一杯頑張りたいです。

──上野さんはのだめの魅力を、三浦さんは千秋という役をどう捉えておられますか。

上野 ハートフルなところが魅力ではないかなと思います。感情表現が豊かで、「ぎゃぼ―」という奇声を発したり(笑)、エンジンがかかると集中力を発揮して千秋先輩もコントロール不能になってしまう、ちょっと普通じゃないところもあるんですけど。でも、その人間的な感情がピアノ演奏に込められているから、千秋先輩の心を動かすのかなと思ったりします。演じていても楽しいんですよね。真剣に本気で演じているんだけどふざけているような感じにも見えたり。皆さんにとっても親しみやすいキャラクターだと思います。

三浦 千秋先輩は完璧主義者で隙がなくて、誰もが憧れる理想像ですね。でも、のだめが現れて、彼女に振り回されることによって、その完璧に見えていた千秋先輩のいろんな面が見えてくるところがかわいくて。そこが魅力的なところだなと思います。

──ご自身とリンクするところはありますか。

三浦 どうでしょう。僕は決して完璧主義ではないんですけど、ミスをするのはイヤなんです。もちろん舞台にはミスがつきもので、それにどう対処するかというのは、演じる側にとっても観る側にとっても、「生もの」としての面白味のひとつだとは思うんですけど、自分がやってしまったら許せなくて、けっこう引きずるんです。

上野 みんなきっと、自分が失敗しちゃったらそうなりますよね。

三浦 はい。周りから「面白かったからよかったよ」と言われるんですけど、「許せない。稽古でやってきたことをちゃんとやりたい」って思うんです。あ、千秋先輩みたいなことを言ってますけど(笑)、ちょっとそういうところはあります。ちょっとだけ。

未知数のミュージカル版『のだめ』に想像をふくらませて

──ミュージカルでのだめを表現することについて、上野さんはどんなふうに想像されていますか。

上野 どうなるのか本当に想像がつかないんです。音楽という意味では同じかもしれないですが、歌ではなくクラシックの演奏を描く物語ですし。でも、とにかく何より、今でもDVDなどで繰り返し『のだめ』を観ていますというファンの方がたくさんいてくださるので、そういう方たちが、目の前に生ののだめがいることをうれしく思ってくださったりするのかなと思っていて。映像では年齢もリアルが求められますけど、舞台だったら今の私が大学生を演じることもできますし。再びのだめになって、皆さんと生で会えるのが私も楽しみなんです。

──三浦さんはクラシックバレエを習っていらっしゃったので、クラシック音楽にもなじみがおありかと思います。

三浦 そうですね。5歳からクラシックバレエをやっていたので、クラシック音楽しか聴いてこなかったんです。最近はポップスも聴くようになって好きなんですが、昔は好きな曲はクラシックばかりでした。通学中やバレエのレッスンに行くときもイヤホンでクラシック音楽を聴いていて、それも、バレエ音楽じゃない協奏曲や交響曲を聴きながら、自分で適当に振りを付けるのを趣味にしていたんです(笑)。中学生くらいのときに好きだったのが、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」でした。『のだめ』の中でものだめと千秋先輩が連弾していたので、舞台でもそんな場面があったらいいな、なんて思っていますが、どうなるでしょう(笑)。

──上野さんから「先輩」と呼ばれるのは、いかがですか。

三浦 いやいや、やめてください(笑)。

上野 でも、本当に先輩ですよ。だって、舞台においてはもう間違いなく先輩ですから。演出の上田一豪さんとも『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』『グリース』(共に21年)ですでにご一緒されているし、私はたぶんおふたりについていくしかできないと思うんです。しかも、クラシック音楽についても、そうやってラフマニノフを聴きながら振付を考えていたお話を聞くと、住む世界が違うなという感じで、千秋先輩を演じる素質が十分にあると思いますし。だから、すごく安心して信頼してついていきます。よろしくお願いします!

三浦 ありがたすぎるお言葉です。自分なりに精一杯頑張りたいと思います。

『のだめ』の経験で開花されたもの

──この機会に、舞台の先輩の三浦さんに上野さんから聞いておきたいことはありますか。

上野 何を聞いていいかわからないくらいですけど(笑)。稽古していくなかで台本もお芝居もどんどん変わっていくそうなので、本番直前に最終的な形に仕上がるとしたら、自分のものになってきたなという手応えはどのあたりで感じられるものなんでしょう。どのくらいから自信がみなぎってくるんですか。

三浦 自信がみなぎったことはないですけど(笑)、どれだけ入念に稽古ができても、僕は初日が開くまで怖いんです。だから、稽古の段階でどれだけ仕上がったと思ってもそれが自分の軸になることはなくて、初日が開いてお客様から拍手をいただいたときに初めて、自分のものになるというか。ふっと落ちてくる感じがあります。

上野 お客様の笑い声は耳に入ってくるの?

三浦 入ってきます。

上野 へぇ〜どんな感じなんだろう! その分、間ができるから、お芝居の時間が延びますよね。

三浦 絶対延びます。『のだめ』はたぶん笑いが多いでしょうし。

上野 じゃあ、笑いが止まらなくて上演時間が延びたら成功なのかな(笑)。

三浦 でも、笑いを欲しがって調子に乗ると怒られますから(笑)。気をつけます。

──三浦さんからも、『のだめ』という作品の先輩である上野さんに、ぜひ質問してみていただければ。

三浦 のだめって個性的で、演じるのが難しいキャラクターだと思うんですけど、ドラマで演じられているあのイメージは、すぐにできたものなんですか。

上野 1話を観るとまだうぶな感じで、当時は、監督が笑ってくれたら大丈夫とか、それを頼りに演じるしかなかった気がします。あとは、原作ののだめの動きをつなげて三次元にしたらどうなるか考えたり。でも、衣裳や髪型も原作に忠実に用意してくださったので、衣裳を着ればのだめになって、声や動きもこれくらいかなというのが徐々に感覚的にわかってきました。だから、そのうち自分でも、普通に立ったり座ったり歩いたりするだけでは物足りなくなってくるんです(笑)。そうやって、のだめによって開花された声の出し方とかがあって、それが未だに自分に根付いているかもしれないです。

三浦 この間、改めてドラマを見直したんですけど、あんなに個性的なキャラクターなのに、内から感情がリアルに出てきていて、本当に感動したんです。

──見直して印象に残っているシーンは?

三浦 千秋先輩が指揮した演奏が終わったあと、拍手が起きるまでのひと間に、のだめの目から自然に涙がこぼれてくるんですけど、自分もよくあるんです。カーテンコールのときに、なんで泣いているのかわからないけど感動して泣いているっていうことが。だから、そののだめの姿が素敵で! って僕、うるさいですよね(笑)。

上野 いえいえ(笑)、ありがとうございます。でも、今回は観ている側ではいられないので、そういう表情にお客様がなってくださるような舞台を作らないといけないっていうことですね。

三浦 はい、そうです。頑張ります!

上野 感情表現が豊かなのだめと一緒にいろんな感情を楽しんでもらって、笑顔になっていただける舞台にできたらと思います。

取材・文=大内弓子 撮影=杉映貴子

<公演情報>
ミュージカル『のだめカンタービレ』

原作:二ノ宮知子『のだめカンタービレ』(講談社『Kiss』所載)
演出:上田一豪
脚本:上田一豪 笠浦静花
音楽:和田唱(TRICERATOPS)

クラシック音楽監修:茂木大輔

2023年10月3日(火)~2023年10月29日(日)
会場:東京・シアタークリエ
11月3日(金・祝)・4日(土)長野・サントミューゼ公演あり

公式サイト:
https://www.tohostage.com/nodame/

ぴあアプリでは上野樹里、三浦宏規のアプリ限定カットをご覧いただけます。ぴあアプリをダウンロードすると、この記事内に掲載されています。

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