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モルゴーア・クァルテット 演奏活動30周年記念公演Vol.2は“ロック祭り!”

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モルゴーア・クァルテット 演奏活動30周年 Vol.2 『モルゴーア・ロック祭』

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日本を代表する弦楽四重奏団「モルゴーア・クァルテット」が結成30周年を迎え、記念演奏会を行っている。そのvol.2のテーマは、なんと「モルゴーア・ロック祭り」だ。「バロック祭」の間違いではないかと、一瞬目を疑いそうなタイトルだが、まさに正真正銘“オール・ロック・プログラム”が披露されるのだから楽しみだ。

クラシックの王道をゆくモルゴーア・クァルテットがロックに手を染めたのは結成から5年が経った1997年の秋だという。第1ヴァイオリンの荒井英治によれば「天からの啓示のように降ってきた企画『ディストラクション』のCD録音がその始まりだったという。

そこで彼らは、ドラムもワイルドなヴォーカルも無しでロックすることを成し遂げたのだ。その心は“ショスタコーヴィチの延長線上にプログレを置いている”というのも興味深い。

そう聞くと「ロックだからこそ表現されるものはあります。それは『怒り』です。『怒り』というのはロックを定義するのに不可欠な根源的な要素です。社会の理不尽さに黙ってはいられない行き場のない憤り…それがロックを急速にクリエイティブに発展させました。なかでもプログレッシブ・ロックと呼ばれるジャンルは構成と緻密なアレンジを重要視します。ですから例えば、他のロック・ミュージシャンがカバーしてもほとんどアレンジや構成が変化することはないのです。完成された楽曲をいかにライブで再現させるかが眼目となります。クラシック音楽との共通項がここにあります」という荒井英治の説明にも納得だ。

 

プログラムには、以下のような懐かしくも刺激的な作品がずらりと並ぶ。

キング・クリムゾン:『レッド』『太陽と戦慄パート2』
EL&P:『トリロジー』『未開人』
ピンク・フロイド:『原子心母』
UK:『デンジャー・マネー』
ジェネシス:『ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ』
イエス:『シベリアン・カートゥル』他

さてさて、「モルゴーア・ロック祭り」において、プログレの嵐が築地に吹き荒れる、その瞬間に期待したい。

モルゴーア・クァルテット 演奏活動30周年 Vol.2
『モルゴーア・ロック祭』
~プログレの嵐、築地に吹き荒れろ!!~

6月28日(水) 19時開演
浜離宮朝日ホール

モルゴーア・クァルテット

第1ヴァイオリン:荒井英治(東京フィルハーモニー交響楽団ソロ・コンサートマスター)
第2ヴァイオリン:戸澤哲夫(東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団コンサートマスター)
ヴィオラ:小野富士(NHK交響楽団次席ヴィオラ奏者)
チェロ:藤森亮一(NHK交響楽団首席チェロ奏者)

MORGAUA QUARTET(モルゴーア・クァルテット)は、ショスタコーヴィチの残した15曲の弦楽四重奏曲を演奏するため、1992年秋に結成された弦楽四重奏団。翌年6月に第1回定期演奏会を開始。2001年1月の第14回定期演奏会でショスタコーヴィチの残した弦楽四重奏曲全15曲を完奏。同年4月、第2ヴァイオリンを青木高志から戸澤哲夫に交代。

2001年11月からは「トリトン・アーツ・ネットワーク」との共催公演で《モルゴーア・クァルテット ショスタコーヴィチ・ シリーズ》を5回にわたって行ない、03年12月に2度目の完奏。03年6月の第19回定期演奏会でベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲を完奏。05年4月、マイスター・ミュージックから《ボロディン:弦楽四重奏曲集》を発売。

2006年6月第25回定期演奏会でバルトークの弦楽四重奏曲全6曲を完奏。同年9月には「トリトン・アーツ・ネットワーク」との共催でショスタコーヴィチ生誕100周年記念弦楽四重奏曲全曲演奏会を行ない、3日間で全15曲を完奏。08年11月、東京フィルハーモニー交響楽団 第761回サントリー定期シリーズにマルティヌー作曲「弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲」のソリストとして招聘され、弦楽四重奏団としての高いクオリティを評価された。

2009年1月の第30 回定期演奏会でベートーヴェン中期弦楽四重奏曲を完奏。12年6月、結成20周年記念ガラコンサート「20th Anniversary Morgaua Quartet GALA」を福島、東京、大阪で開催。

2012年6月と2014年5月に日本コロムビアからリリースした全曲荒井英治編曲のプログレッシヴ・ロック・アルバム《21 世紀の精神正常者たち》《原子心母の危機》により、ボーダーレスな弦楽四重奏団としても高い評価を受ける。

ショスタコーヴィチ没後40年(2015)から生誕110年(2016)をつなぐ「ショスタコーヴィチ弦楽四重奏 曲全15曲演奏会」を2015年大晦日から16年元旦にかけて「横浜みなとみらい小ホール」で開催。瞠目のプログラムで多くの聴衆を集め、4度目の完奏。

1998年1月第10回「村松賞」受賞、2011年5月「2010年度アリオン賞」受賞、2016年9月「第14回佐川吉男音楽賞 奨励賞」受賞。

今年結成25周年を迎えるモルゴーア・クァルテットの斬新なプログラムと曲の核心に迫る演奏は、常に話題と熱狂を呼んでいる。「モルゴーア」はエスペラント語(morgaua=明日の)に原意を持つ。