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MIYAVI×NOILION ボーカルLIO対談「世界に対して音楽でできることがある」

映画 音楽

インタビュー

ぴあ

左から)LIO、ULTRAMAN、MIYAVI 撮影:奥田耕平

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アニメ「ULTRAMAN」FINALシーズンがNetflixで全世界に配信中だ。
これまでとは異なるウルトラマン像を描き、国内外で高い評価を得ている。
そんな「ULTRAMAN」FINALシーズンのオープニング曲を飾るのが『RAYS』だ。前作でもオープニング曲を担当したNOILIONと世界的ギタリストのMIYAVIのコラボレーション曲となっている。
ウルトラマン、ヒーロー、世界。それらのキーワードをもとにNOILIONのボーカル・LIOとMIYAVIに話を聞いた。

ギターとたたみかけるラップに鳥肌が立った

――NOILIONは、前作でもオープニング曲(『3』)を担当されています。反響はいかがでしたか。

LIO 『3』は海外のファンの方からもすごく気に入っていただけて。パワフルな曲なので、『3』を聴いて背中を押されました、と言ってくださる方が多かったのも、すごく嬉しいですね。

――「ULTRAMAN」FINALシーズンでのオープニング曲を担当するのは引き続き、という形になりますね。

LIO 決まったときは、めちゃくちゃびっくりでしたね。また同じチームとやらせていただけるなんて、本当にこの上なく光栄なことだと思います。前作で配信イベントをやらせていただいたあと、「今後もみなさんと関わりたいな……」と寂しい気持ちがあったので。しかも今回はなんとMIYAVIさんと一緒に演奏できて本当に幸せです。

――MIYAVIさんはいかがでしょうか。

MIYAVI 実は、お世話になっている方がこの企画にずっと携わっている方で、前からお話は聞いていて。自分自身バンダイナムコミュージックライブに移籍したということもあったんですが、今回この話をもらったときは驚きました。ウルトラマンと言ったら、日本が生んだ世界に誇るヒーローだし、それが新しい時代に生まれ変わって、さらに新しい道を切り開こうとしている。そこに自分たちが音楽家として関われることはやっぱり光栄です。

楽曲は、もうほぼほぼ出来た状態で聴かせてもらいました。何より彼女の歌が響いていました。キラッとした高いところの声もそうだし、バイリンガルというところもですけど、単純にすげぇいいなと思ったので、参加させてもらいました。

――アニメを拝見していても、本当にオープニング曲でテンションが上がります。楽曲の制作はどのよう進めていかれたのでしょうか。

MIYAVI 楽曲制作に関してはどちらかというと、本当にほぼほぼ乗っからせてもらっただけで。その上で自由にやってくれと言ってもらったので、カラータイマーの音をギターで表現してみたり、色々ぶっ込んでみました。彼女の歌がすでに立っていたので、それをあまりごちゃごちゃと触ることはないな、と。ラップの部分の録りはちょうど、俺はアメリカツアーを回っている頃だったので。

LIO そうですよね。

MIYAVI アメリカツアー2公演目のニューヨーク、それこそ前日の夜中にラップ箇所を録ったので、バタバタしながらやっていたな、という思い出があります。こうやって作品になって、一緒にパフォーマンスすることもそうですが、やっぱりウルトラマンのシリーズの中で流れているのを聴くと、感慨深いですよね。

LIO MIYAVIさんのようなグローバルスーパースターと一緒にできて本当に光栄です。初めてMIYAVIさんの楽曲を聴かせてもらったときにもう「かっこいい」の一言でまとめられないくらいのものがあって……。かっこいいギターとたたみかけるようなラップに本当に鳥肌が立ちました。そこのパートだけでも何度も何度も聴いちゃいましたね。

MIYAVI いやいや、LIOちゃんの歌あっての楽曲だから。

LIO もう恐縮です……!

MIYAVI 俺はもう、ふりかけみたいなもんなんで。

LIO やめてください、やめてください! メインコースですよ!

MIYAVI かつおぶしみたいなもんです(笑)。

LIO やめてください!(笑)

NOILION×MIYAVI「RAYS」MV

LIOの歌とエナジーが魅力

――NOILION自体の魅力について、MIYAVIさんはどのように感じていらっしゃいますか。

MIYAVI やっぱり彼女の歌でしょう。映像を作るREAKくんがいて、DJのKILLITくんがいて、チームとしてやれている強さがあるのかなと思いますけど、やっぱり真ん中にある彼女の歌とエナジーが魅力。そのエナジーがどんなプロジェクトでも一番大事だし、それがプロジェクトにとっての光、“RAYS”でもあると思うから。

LIO 普段、アー写やMV撮影ではネコかぶって、クールぶってるんですけど。

MIYAVI そうだね。あとすごく圧をかけてくるから。

LIO いやいやいやいや! 全然ですよ。

MIYAVI 一緒にパフォーマンスしているときに、グイグイ押してくるよね

LIO MIYAVIさんからのエネルギーを分けていただこう、という気持ちで、できるだけひるまないように、物怖じしないように。

MIYAVI 俺に寄りかかってますからね、体重を俺に預けているというか。「すみません、すみません」って言いながら、この肩パッド(LIOさんの衣装)がグイグイ俺に当たるっていう。

LIO 世界中のMIYAVIファンから恨まれそう。本当に恐縮です。

――LIOさんにとって、MIYAVIさんはどんな存在ですか。

LIO 初めて言うんですけど、実はMIYAVIさんのイチファンとして、楽曲はずっと聴いていたんです。『Fire Bird』っていう曲が大好き。
あと知り合いにも、今までにMIYAVIさんとお仕事をご一緒された方が何人かいらっしゃって。お話を聞いていると、謙虚で地道な努力家で、そういうところに憧れを超えて大尊敬しています。自分自身、グローバルな場所で活動していきたいという思いを持っているので、その大大大大大先輩として、こうやって同じ楽曲をやらせていただいて、本当に会うたび、毎秒毎秒、新しい学びがありますね。

どんな生き方をしたらこんなにカッコよくなれるのか

――今回の楽曲でご一緒されてからイメージが変わった点などはありますか。

LIO 周りの方からはMIYAVIさんはすごく優しくて謙虚な人だよ、って聞いていたんですけど。

MIYAVI 本当に?

LIO 本当です!

MIYAVI 誰にも優しくも謙虚にもしたことないんだけど(笑)。

LIO いやいや! やっぱりストイックなイメージがすごくあって。
以前、リハーサルでご一緒させていただいたときに、私が歌いすぎて喉がガラガラになってしまったことがあったんです。そうしたら、MIYAVIさんが台湾からインポートしたシロップをくださって。私の気持ちのケアだったり、大丈夫? っていつも声をかけてくださって。
私はアーティストとしてまだ新米なので、挑戦するときのプレッシャーにも慣れていないんですが、そこをすごく気遣っていただいています。今の所、MIYAVIさんには頼りっぱなしですね。

MIYAVI いやいや。

LIO 本当に気遣いがすごくって。

MIYAVI そんなことないよ。

LIO いつか、こんなアーティストになれたらいいなって思います。

MIYAVI 言い過ぎ、言い過ぎ(笑)。

LIO 本当に目標ですね。

――相談などもされるんですか。

MIYAVI めっちゃ聞かれたよね。

LIO 会って1時間経たずにいろいろと聞いていましたね。
未だに強く心に残っているのが「この概念や物がなくなったら死んでもいいと思うものはありますか」という質問。どうして聞きたいと思ったのかは覚えてないんですけど。
大抵の人は家族や夢、希望、私の場合は感情だったり、そういうものがあるんですけど、MIYAVIさんは「そんなものはない」っておっしゃってて。

MIYAVI ああ、聞いてきてたね。失いたくないものはあるけどね。だけどさ、それって生きているから感じられるわけであって、そして生きていたら増えていくかもしれないじゃん。変わるかもしれないし。

LIO 自分が未熟だから失いたくない、ってしがみつこうとしちゃうんですよね。

MIYAVI 俺も、それはそうだよ。それこそ家族もそうだし、音楽もそうだし、もちろん失いたくないものはあるけどさ。でも、本当にそれがなくなったときに、「じゃあもう生きない」という選択肢をとるべきなのか、って考えたときに多分、違うだろうなと思うって話で。

LIO MIYAVIさんはやっぱり個というか、揺るがない何かがあるんですよね。私は多分まだそこが弱くって。それは人生経験も場数も多分圧倒的に足りないんだな、と思います。そこが圧倒的だな、と思いますし、唯一無二の世界のMIYAVIだな、と思いましたね。

MIYAVI これをPV撮影の1テイク目と2テイク目の間に聞いてきますからね。

LIO ごめんなさい!(笑)

――でも、その瞬間に聞きたいと思われたってことですもんね。

LIO 今までの過去作やライブ映像も拝見、拝聴させていただいてて、どういう生き方をしたらこんなかっこよくなれるんだろう、という興味が激しくって。
その興味心が抑えられなくて聞いちゃいました。

新しいウルトラマンが世界への鍵

――「ULTRAMAN」のお話についても。
今までの流れとは異なる形のウルトラマンなのかな、と思うのですが、「ULTRAMAN」のどういったところに面白さを感じますか。

MIYAVI 実は、俺もそれを感じていて。もともとの1960年代に生まれたウルトラマンで育った人にとって、この新生ウルトラマンはどう映っているのか、って思うんですよね。俺自身、生まれた頃にはもうウルトラマンは地球を救っていて、ウルトラマンと言えば大きくなるウルトラマン。ビルよりもでかいウルトラマンで、怪獣もでかいというイメージだったのが、今は等身大のウルトラマンじゃないですか。それが寂しいと感じる気持ちが半分と、もう半分、もしくは半分以上はこの新しいシリーズがどこまで僕たちを連れてってくれるのか、というワクワクする気持ち。登場人物だけでなく、街などの設定もすごく身近に感じるし、この進次郎というある種の新しいキャラクター。

進次郎というThe日本の主人公のキャラクターはスパイダーマンでもないし、アイアンマンにもない、ピュアな男子校生の進次郎というキャラクターが僕は唯一無二だなと思うし、日本というカルチャーのアイデンティティや、むしろ民族性を示しているように思うんですよね。
佐山レナに声をかけられなくて、認めてもらいたい。自己の承認欲求からウルトラマンをやっている部分もあったり。その脆さが、この新しい等身大のウルトラマンの魅力かなと思うし、グローバルに向けての大きな可能性も感じますよね。
国によって、ヒーローの概念が多分違うと思うんですけど、やっぱり、グローバルの子どもたちにとって、オリジナルなコンテンツとしても、親近感を持てるキャラクターとしてもすごく強いなと思いますね。

――これまでの手が届かないヒーローというよりは、すぐそばにいるような。

MIYAVI そうそうそう。進次郎ってごく普通の男子高校生じゃないですか。彼自身は科学特捜隊ではない。等身大のヒーローということが、大きいのかなと思います。

LIO 私は何も言うことないかもしれないですね。今のが100点満点すぎて。

MIYAVI 世代的にはいつ?

LIO 父が初代ウルトラマンをずっと見て育っていて。

MIYAVI ウルトラの父ならぬ、LIOの父が。

LIO そう、LIOの父が(笑)。
父から聞いた話なんですけど、父が小さい頃にウルトラマンごっこを兄弟と一緒にやってて、アイロンの台をこうやって、アチョー!って。

MIYAVI えっ、アイスラッガーしたの? 危なくない?

LIO それでやけどをしかけた、という話も聞いたことがあって。それが初めておばあちゃんに怒られたときの思い出だったそうです。

MIYAVI でもアイスラッガーはよくやったかも。

LIO やります!?

MIYAVI セブンの存在の偉大さはあるよね。生まれたころには当たり前のようにヒーローとしてウルトラマンがいたからね。スペシウム光線も、アイスラッガーもカラータイマーもそうだし。

LIO 自分の父親がはまっていた時代から、早田進がウルトラマンとして活躍していて、その息子の早田進次郎が次のウルトラマンとしての襷を渡されたという物語の中で、私も父がすごく好きだったウルトラマンの、次世代ウルトラマンのオープニングを担当させていただくのは感慨深いものがありますね。
でもMIYAVIさんもおっしゃられたみたいに寂しさも半分あるというか。襷を渡すときに惜しまれるべき初代ウルトラマンへの想いも感じながら歌ってましたね。

音楽にもやれることがある

――おふたりにとってのヒーローはいらっしゃいますか。

LIO 私は即答で言えます。いいですか。

MIYAVI どうぞ。

LIO もう本当に赤裸々に、ノージョークで言います。間違いなくMIYAVIさんですね。

MIYAVI いやいやいや。

LIO 本当に。初めてお会いする以前から、僭越ながら研究いろいろさせていただいてたんですけど。

MIYAVI 研究って(笑)。

LIO 今はさらに深く掘るようになっていて。本当にMIYAVIさんの生き方に憧れ、尊敬を感じているので、私の今のヒーローですね。

MIYAVI そんなにハードル高くしなくても(笑)。

――ヒーローだな、と思うエピソードをぜひ。

MIYAVI 俺、ヒーローキャラじゃないけど。

LIO そこもまたかっこいいんですよ!
やっぱりヒーローって自分がヒーローだ! とは言わないじゃないですか。その謙虚さもかっこいいな、と思います。
あとは、やっぱりカメラの前、セットに入ってきた瞬間、撮影現場の空気感がガラッと変わるようなオーラも半端ではないですよね。
私がもしも変身する前の進次郎だとしたら、ただ普通のグローバルに活躍できるシンガーを目指している者だったのが、MIYAVIさんはその変身後の最終形態なのかも、って思うんですよね。なりたい姿、というか。

MIYAVI 僕はどちらかというと悪役派なんで、ゼットンですね。

LIO ゼットンもかっこいいですよね。

MIYAVI 例えば、俺は役者もやらせてもらってるから、映画などで悪役をやるときの楽しさがあるというか。みんな、その「悪」にたどり着くまでの理由や軌跡があって、それを突き詰めていくのが、ヒーローよりも悪役をやる方が楽しい。なので、あんまりヒーローって考えたことないですけどね。

でも、子を持つとやっぱり親がヒーローだなって思います。子どもを育てていく、子どもを守るという行為、もっといえば誰かを守るという行為はヒーローなんでしょうね。
それは消防士かもしれないし、警察かもしれないけど、やっぱり自分の家族を守る、お父さんやお母さんがヒーローだったりするんじゃないかな、と思いますけどね。

――MIYAVIさんご自身は小さい頃や、もちろん今でも、ですが、ヒーローはいますか。

MIYAVI 僕はやっぱミュージシャン、かな。ジミ・ヘンドリックスとかスティーヴィレーヴォーンがギターヒーローですかね。そういう人たちが世界を救っていたかというと、そうでもなかったりする。でも、少なくとも、音楽を聴いている僕たちの人生を救ってくれた。
ギタリストとして、世界中を回っていく中で大きな会場でたくさんの人をギターの音で沸かせる。それが自分にとってのヒーロー像でもありました。

2013年のハリウッド映画への出演がきっかけで、アンジェリーナ・ジョリーさんがずっとやられている難民支援に、機会があって僕も活動させてもらうようになったんですけど、これまでもいろんなところに行きました。レバノンからコロンビア、ケニア、去年はウクライナ危機を受けて、セルビア、モルドバに行ったりして。正直、初めて行ったときはすごく怖かった。ちょうどシリア危機の直後だったから山の向こうでも紛争が起こってる状態で、空港でもみんな装備してるし、ホテルに入るのもセキュリティを通らないといけないし、ショッピングモールに行ったら3ヶ月前にテロがあった、みたいな。

めちゃめちゃビビリながら行っていたし、「そもそも、ここで音楽やることに意味があるんだろうか。自分が来る意義があるんだろうか」って思ってたんだけど、子供たちの前でギターを鳴らしたときに子どもたちが「ワオ!」となった瞬間は、ああ音楽にも何かやれることあるのかもって思いました。その後ロスに帰ってから現地の国連の職員の人から子どもたちがロックスターになりたいって言ってる、ってメールで教えてくれました。なれないかもしれないし、なれるかもしれない。それはわからないけれど、少なくとも何か新しい世界を見せてあげることができたんだなと思いました。そしてこれは多分、大勢の人の演奏することと同じぐらい、意味があることなんだな、と。これが多分ヒーロー的な、ヒーローがすべきことなのかもしれない、とは思いましたね。

LIO やっぱりMIYAVIさんってギター1本だけで本当にいろんな人のヒーローになれちゃうんですよね。

MIYAVI そう思うかもしんないけど、俺も電気なかったらきついよ。

LIO アコギで心をうばってるじゃないですか。

MIYAVI きつい、きつい。ケニアに行ったとき、60〜70人ぐらいいる学校の教室でアコギを弾いたら、校長先生が「全校生徒の前でやってほしい」ってなって。こっちもテンション上がってるから、「OK! 行こう!」って、校庭に出て行ったら2,000人いた(笑)。

LIO うわあ!

――もうライブ会場の規模ですよね。

MIYAVI てか、後ろのほうは全く音が聴こえてないから。

LIO アコギだと電気がないから。

MIYAVI 聴こえてないけど、みんな手をあげて盛り上がってる。

LIO でも、エネルギーは、パッションで届いてますもんね。

MIYAVI けど、やっぱり電気は大事だよ(笑)。

もがくのも導かれた道の一つの大事なプロセス

――ウルトラマンは世界でも人気がありますが、グローバルに活躍するためにどうすればいいか、必要なことをお聞きしたいです。

LIO これはもうMIYAVI大先生に。

MIYAVI 外に出ていくしかないんじゃないですか。そればっかりは、リモートじゃできない。
一つ言えるのは、音楽も映画もそうだし、文化は言葉の壁を越えてくれる。これは大きな要素ですよね。でもやっぱり自分自身がそこで勝負したいと思ったら行かなきゃダメ。
Googleマップで地理は知れてもその土地の温度や暑さ、湿度、そこにどういう人がいて、どういう物を食べて、どういうヒストリーがあって、とかはわからない。もちろんググれるし、Wikipediaでも見られるんだけど、それは肌で感じないと、残らない。

――最初の一歩を踏み出す勇気はどのように持てばいいのか、というところが気になります。

MIYAVI それはやっぱり意志の強さと、ゴールとして描いてるビジョンの明確さじゃないすか。あとは自分の役割。運命って俺は変えられると思ってるし、変えられるのが人間の特権だと思ってる。僕たちは本能だけじゃなくて、理性を持って生きてる。自分の特性、自分が生まれてきてやるべきことを照らし合わせて、それに沿って、抗いすぎず、かつ従いすぎずというか。難しいんですけど。そこの流れに沿っていけば、おのずと導いてくれるんだろうなと思っています。でも導いてくれても、何もしなくていいというわけじゃなくて、もがくのも導かれた道の一つの大事なプロセスというか。

――最後に、ファンのみなさんに向けてメッセージをお願いします。

LIO 我々、NOILIONはようやくデビュー1周年を迎えました。「ULTRAMAN」が私達のデビューのきっかけも作ってくださって、またファイナルシーズンでもオープニング主題歌を担当させていただけるという。しかもそれにMIYAVIさんが。この記事を読まれている方も感じていると思いますが。本当にもう偉大すぎる方です。頭が上がらないぐらいなんですけど、そんな方と一緒に作品を作らせていただいて、本当に、本当に、この上ない幸せを感じています。

この『RAYS』という楽曲は、今の自分の状況とかぶるようなメッセージが実はあって。
人生において、誰でもぶち当たるような逆境だったり、壁をなんかを、私は1人で抗っていこう、ぶち破っていきたいと思ってしまうタイプで。でも、それには限界があるし、1人の力じゃどうにもならないこともあります。そういうときに周りをよく見たら、仲間もいるし戦友もいる。そんな戦友とともに力を合わせて、更なる自身の高みを目指していきたい、というメッセージがこの曲には込められているんです。

『RAYS』は、英語で光線を意味しています。戦友の思い、一緒に戦ってくれる人たちの思いだったり、交差する運命だったりを光線と例えて、たくさんある光線が一つの大きな光の柱になって偉大なことを成し遂げられるようになるイメージが表現されています。MIYAVIさんの後光を浴びながら私も謙虚に、これからも頑張りたいなと思っています。
なので、皆さんにメッセージが届いたら嬉しいですし、それでNOILION×MIYAVIの 『RAYS』のイメージも、頭に思い浮かべながら聴いていただけたら嬉しいです。

MIYAVI この作品、単純にすげえかっこいいんですよね。元々ウルトラマンが好きだった人も楽しめますし、『攻殻機動隊』の神山健治監督と『APPLESEED』の荒牧伸志監督が手がけていて、格好良くないわけがない(笑)。あとはやっぱりウルトラマンへのリスペクトも詰まっている作品なので、世界中のたくさんの人に見てもらいたいですし、日本が持つコンテンツで、グローバルに可能性のあるヒーローとして僕たち日本人ももっともっと大事にしていきたいです。そういう意味で、LIOちゃんもすごくポテンシャルのあるアーティスト。ウルトラマンともシンクしていると思うし、ていうか、デビュー1年でウルトラマンと共演できるなんてすごいよ(笑)。とにかく、たくさんの人に楽曲ともども新生 ULTRAMANの世界を楽しんで、そのメッセージをバシバシ感じて欲しいなと思います。

取材・文:ふくだりょうこ 撮影:奥田耕平

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