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なぜ、映画『トランスフォーマー』は愛され続けるのか? 製作者が分析

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『トランスフォーマー/ビースト覚醒』

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人気シリーズ最新作『トランスフォーマー/ビースト覚醒』が4日(金)から公開になる。日本生まれの玩具の世界を実写映画化した『トランスフォーマー』シリーズは2007年にスタートし、最新作『ビースト覚醒』も全世界で大ヒットを記録している。

なぜ、本作は世界中から愛され続けるのか? シリーズ全作の製作を手がけるロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラに話を聞いた。

本シリーズのベースになるのは、惑星サイバトロンから地球にやってきた金属生命体トランスフォーマーと人間たちとの交流、そして迫りくる脅威に司令官オプティマス・プライムやバンブルビーら“オートボット”の面々が立ち向かう物語だ。ボナヴェンチュラは、2007年にマイケル・ベイが監督を務めた『トランスフォーマー』から製作を務めており、シリーズはこれまでに『バンブルビー』も含め6作品が公開された。

「前作『バンブルビー』では人間とバンブルビーの親密なシーンが多く、感情がしっかりと描けていたので、新作でも引き続き”感情”にフォーカスしたいと思いました。それから人間たちもオートボットと同じぐらい目的があり、物語の結末では人間たちも達成感が得られる物語を描きたいと思いました。シリーズを続ける中で、この“人間たちの達成感”が薄れている気がして、『何のために人間がいるのだろう?』と思うことがありました。新しい映画ではその部分を取り戻したかったのです。

もちろん、このシリーズを続けていく上ではファンのみなさんとの約束があります。それはシリーズならではのスケール感とアクションを、ファンの期待に応えるものにすることです。それぞれのキャラクターにファンがいますから、キャラクターそれぞれのドラマや成長も描いていきます」

最新作の舞台は現代ではなく1994年。NYのブルックリンで暮らす元軍人の青年ノアは偶然に金属生命体トランスフォーマーに出会う。オプティマスプライムたちは、惑星を丸ごと食べ尽くす“ユニクロン”を阻止するべく行動を開始し、ノアも仲間に加わる。地球消滅の危機が迫る中、戦いは激しさを増していき、オートボットたちは何度もピンチを迎えるが、彼らの前に動物に変形する“ビースト”が出現。オートボットとビースト、そしてノアたちは地球の運命をかけた戦いに挑む。

本シリーズは、日本で生まれた玩具にルーツがあり、アニメーションシリーズも大人気を得ているが、本作ではついに『ビーストウォーズ』シリーズでもお馴染みの“ビースト”が実写映画でデビューを飾る。

「ビーストを登場させることは、シリーズの3作目(『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』)の撮影が終わったあたりから構想していました。その一方で、ビーストの初登場にふさわしいタイミング、環境、ストーリーが必要だとも思っていたのです。このシリーズは毎作、エキゾチックな場所に観客を誘うのも特徴ですが、本作ではついにペルーのマチュピチュで撮影できることになり、ジャングルの中でならビーストたちを違和感なく登場させることができると思ったわけです」

本シリーズの最大の魅力は、なんと言っても登場するトランスフォーマーたちの個性と白熱のバトルシーンだ。圧倒的なリーダーでありながら時に苦悩し、冷静かと思えばなぜか激昂して敵の顔を容赦なく穿いでしまう司令官オプティマスプライム。ルーキーのような未熟さと向こう見ずな一面を見せるも最後の最後には活躍してくれるバンブルビー。

そして、今回はビースト勢力マクシマルのリーダーで、強くて優しいオプティマスプライマルや、すごいスピードでジャングルを駆けるチーター、鋭いツノで敵を仕留めるライノックスらが加わるのだ。

「私たちは、あれだけの金属生命体が登場する物語を描いていますが、ほぼすべてを“実写”で撮影しています。映画の80パーセントから90パーセントは合成用のブルースクリーンを使用していないショットになります。あくまで個人的な意見ですが、ブルースクリーンの前で俳優が演技して、後から背景やCGを足すと、どうしてもウソっぽい感じが抜けきらないのです。そこがどうしても嫌なので私たちは可能な限り、その場所で実際に撮影するようにしています」

スティーヴン・ケイプル・Jr

だからこそボナベンチュラは最新作の監督に『クリード 炎の宿敵』を手がけたスティーヴン・ケイプル・Jrを選んだ。

「彼のことはずっと前から目をつけていました。彼はアクションだけでなく観客が共感できるキャラクター描写に長けた監督なんです。本作のような大作で、アクション映画となると、キャラクター描写がおろそかになってしまう傾向がありますから、彼が監督であればキャラクター描写を大事にし、アクションとのバランスが悪い時には気づいてくれると思ったのです。

ちなみに、オファーするまで私は知らなかったのですが、彼は子供の頃から『ビーストウォーズ』の大ファンだったんですよ! 彼が子どもの頃から親しんできたストーリーやキャラクターの知識が作品に持ち込まれることになりました。本作の監督にピッタリだったと思っています」

『トランスフォーマー』シリーズが愛され続ける“秘訣”

ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ

ボナベンチュラはシリーズを続ける中で常に新しい展開を用意し、新しい監督を抜擢し、シリーズが飽きられないように心を砕いている。

「私たちはシリーズ作品と言えども、1本の映画をつくる際には“次の映画に繋げなければならない”要素や計画を一切考えないようにしています。どの映画もそれ自体で完結するようになっていて、“続く”という終わり方はしていません。なぜなら、私たちの計画ではなく“映画を観てくれたファンの反応”を取り込みながら次の映画をつくりたいと思うからです。

あるキャラクターを描いて、観客から愛され、ビジュアルも声もピッタリとハマった時は自然と『これは次にも生かさなければならないな』となります。そこがこのシリーズが他の多くのシリーズものと違う点だと思いますし、観客から愛され続ける秘訣だと思っています」

観客が本作を観て声をあげれば、シリーズを愛し続ければ、オートボットたちは何度でもスクリーンに戻ってくるだろう。本作は、すでに公開されている国で好評を集めており、ボナベンチュラとスタッフは観客の声と自分たちのアイデアをベースに“次の一手”を構想し始めている。

「個人的には前からお話をしている“オプティマスプライムとバンブルビーのバディムービー”をつくりたいと思っています。このプロジェクトは消えていません。また、本作を最後まで観ていただくと少しだけ“お楽しみ”な部分が出てきます。私たちは“次の敵は一体、誰になるのか?”などのアイデアに早くも注力していますし、開発をしていく中で新たなアイデアが出てくるかもしれません」

これまでのシリーズのファンにとっては待望の、これまでのシリーズを観ていなくてもスムーズに世界観に入っていける新章的な新作『トランスフォーマー/ビースト覚醒』は、日本でもさらに多くの観客を獲得することになるだろう。まずは映画館に足を運びつつ、製作陣が再び“私にいい考えがある”と語りだす日を待ちたい。

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』
8月4日(金)より全国公開

(C)2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO.(C)2023 HASBRO

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