GENERATIONS白濱亜嵐、小森隼、佐野玲於が大切にしていること「グループとしてそれぞれ戦えるフィールドを見つけました」
映画
インタビュー
左から)小森隼、白濱亜嵐、佐野玲於 撮影:友野雄
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清水崇監督の最新映画『ミンナのウタ』が8月11日(金・祝) に公開となる。
主演を務めるのは、GENERATIONS。
ラジオ番組のパーソナリティを務める小森隼が、ラジオ局の倉庫でリスナーから届いたまま放置されていたカセットテープを見つける。その後、ラジオ収録中にノイズと共にある声を耳にし、数日後にライブを控えているにも関わらず忽然と姿を消してしまう。
小森はどこへ消えたのか、カセットテープとは。そして、メンバーの中には少女の霊を見たという者も……。メロディーをキーワードに恐怖の連鎖が始まる。
今回は、GENERATIONSから白濱亜嵐、小森隼、佐野玲於に話を聞いた。
新鮮だったホラーと現場の空気感のギャップ
――清水崇監督と言えば、ジャパニーズホラーの巨匠。撮影に入る前と入ってからとでは印象は変わりましたか?
白濱亜嵐(以下、白濱) 僕は個人的にホラー映画が好きで、清水監督の作品も見させてもらってたんですけど、始めはすごく気難しい、おとなしい方というイメージがあったんです。でも、話してみるとすごく気さくですし、会った瞬間に「僕、霊感とかないんで」っておっしゃるような方。仲が深まるのは早かった気がしますね。
――白濱さんはラストシーンにかけて重要な役割も担っていらっしゃいますが、演出面でのご指導もあったんでしょうか。
白濱 演技指導というよりかは、ホラーをどうやって見せるのか、という指導は結構ありました。普段の映画ではやらないようなカットが多かったので。「気持ち悪いと思うんですけど、わざとここで振り向くまでに間を空けてください」みたいな。
ナチュラルじゃないところを作る指導が多かったです。
――小森さんはいかがですか。
小森隼(以下、小森) お会いする前はものすごく怖い方なんだろうなと勝手にイメージしていたんですけど、現場でも、打ち合わせのときもフランクに声をかけてくださって。
僕自身がそこまで映画出演の経験が多くあるわけではないので、それぞれの現場で戸惑いながら、考えながらだったんですけど、すごく寄り添ってくださって。特に、僕は1人のシーンが多かったので、戸惑っているところをスタッフさん含めて空気を作ってくださったのが印象的でした。
でも、すごく嬉しい現場だな、なんていう話をしてたら、監督に「てめえ、このやろう!」って僕にめちゃくちゃキレるギャグをされて、マジでびびるっていう。
白濱 ははは! 知らないんだけど、その話(笑)。
小森 ユーモアでですよ? そういう話をしていたのが聞こえたのか、キレられて。その直後に、「撮影行きます!」ってなったんですけど、無理ですよね(笑)。
そういうユーモアのある方で。すごく楽しい現場でした。
佐野玲於(以下、佐野) 僕はホラーが少し苦手なんですけど、やる分には楽しいな、って現場に入ってみて思いました。ホラー映画の裏側を知ることができたり、実際に特殊メイクとか、照明の作り方とか、アングルの狙い方とか、結構具体的で。トラックインの秒数や、「ここでくる!」みたいな具体的な撮り方もおもしろかったです。監督がすごくわかりやすく教えてくれましたし。
あと、意外とホラー映画とのギャップって現場の空気感にあるな、というのは思いましたかね。失礼な意味じゃなくて、監督がふざけた人間だと思ってて。
小森 うん、とても。
佐野 ね。とてもふざけた大人だと、思いまして。
こういう人がホラー映画を作ると、そりゃ斬新な発想になるな、って。幽霊ってホラーではラスボスみたいな出てき方をしてくるんですけど、やっぱり現れ方とかが斬新なんですよね。
インタビューでは言い方が難しいんですけど、少女の霊の登場の仕方や設定、環境の使い方。鏡への映り込み方ひとつをとっても普通は思いつかないようなものなんです。……って、いろいろ考えたときに、これぐらいふざけた大人じゃないとこんな斬新な発想にはならないんだな、って思いました。
フィクションとノンフィクションの行き来が難しかった
――今回のようにご本人役を演じるという機会はなかなかないかと思うんですが、ならではの難しさは感じられましたか?
白濱 私服のシーンは衣装チームとディスカッションしたり、監督やプロデューサーさんも交えてどこまでリアリティを残すのか、というすり合わせをしたり、あとはマネージャー役の早見(あかり)さんとの関係性の作り方とか。僕だったらタメ口で喋るけど他メンバーは、マネージャーに敬語を使っていたり、そういうそれぞれの関係性作りとかは大変でしたね。メンディーくんの呼び方が隼は「メンさん」だったり、僕は「メンディーくん」だったり、そこを台本に落とし込むのが、準備段階として大変でした。
小森 僕自身のキャラクターを台本にも落とし込んでいただいたので、随所にいる自分はすごくフランクでした。でも、何かが起きたときや、大きな声を上げるとか真面目にメンバーと話すシーンが自分を通して言うとちょっと恥ずかしかったりするんですけど、フィルターを通すと行けたり。不思議な感覚の間にいることをリアルに感じながらやるのは、少し難しかったですね。
作中のように、もし消えるんだったら、僕は本当に何も言わずに消えると思うんですけど、そこを電話してみるとか、自分だったらしたことないな、とか。だから「もしあのとき、本当に困って電話していたらどういう状態になってたんだろうな」だとか、自分のもしもをイメージするのはなかなか難しかったです。
――演技経験があまりない、というお話をされていましたが、だからこそ余計に自分に重ねてしまったり、ということもあったんでしょうか。
小森 「自分なのに自分じゃない経験を引っ張ってくるってなんだ!?」というところは、悩んだりはしましたね。
佐野 本人役と言っても作品なので、リアリティと作品性という、フィクションとノンフィクションの行き来は結構難しかったかもしれないですね。本人役なので、導入ではメンバーのやり取りは自然で、ファンの人が見ても、そうじゃない人が観てもGENERATIONSだな、自然だな、というものから徐々に非現実的な状況に移っていく、みたいな温度感の探る感じはありましたね。それが難しかったです。なおかつ、そういうことが起きたときに、自分のキャラでいないといけないんですよね。やりすぎてもウソになっちゃうし、自然過ぎても、何て言うんですかね……。
白濱 怖さがなくなっちゃう?
佐野 そう、怖さがなくなるので、そこはすごく難しいな、というのは思いました。
――後半にかけてのみなさんのリアクションが、それぞれキャラクターがすごく立っていると感じたんですが、どなたが一番近かったな、というのはあるんですか。
白濱 僕は特にセリフ量も多かったので、「白濱亜嵐を演じる」という感じで臨みましたし、ほかのメンバーもそうだったんですけど、全くそんな感じがなかったのが中務裕太だけでしたね。あんまり演技してなかったですね。
佐野 映画に出てすることも気づいてないかもしれない。
白濱 その可能性があるぐらい(笑)。
佐野 まだ気づいてないかも。
――わりとちょっと不思議な役どころですよね。
白濱 そうですね。
佐野 普段もそんなこと言うんですけど、たぶん嘘だと思います。
白濱 だから裕太くんだけは一番リアリティがあって。台本とかけ離れてなかったのかな。
佐野 でも、それがめちゃくちゃおもしろかった。
白濱 おもしろかった。本当に。MVPな気がする。
佐野 ずるいよね(笑)。
グループのホラーな話「メンディー君が……」
――今年10周年ということでグループのお話もちょっとお伺いしたいんですが、改めて10年を迎えて、グループとして変わったこと、課題だと感じるのはどういったことになるでしょうか。
白濱 グループとして変わったことは、それぞれに、個人でも活躍できるものを持ったな、と思います。1人1人がスーパースターになっていくのが一番いいんじゃないかと。みんながなりたいものに近づくためにはそれが一番早いのかな、ということは客観的に見ても思いますね。
――今回、ホラー映画ということで、今だから言えるグループの怖い話を教えてください。
白濱 この作品のお祓いのときにメンディーくんが二礼二拍手一礼でやんなきゃいけないところを、二礼一拍手一礼やっちゃったことですね。
――それは……!
小森 ホラーですね~。最年長ですからね(笑)。
白濱 ライブでもご祈祷やるんですけど、基本僕しかやらなくて。多分メンディーくんは御祈祷とか前に出てやったことがなかったのか……二礼一拍手一礼でしたね。
――そのときの場の空気はどうなるんですか。
白濱 もう絶対に笑ってはいけない(笑)。
お祓い終わった後にメンディーくんに言いました。「一礼少なかったよ」って。メンディー君も「なんか、わかんなくなっちゃった」。かわいかったですね、そこは(笑)。
――佐野さんはいかがですか。
佐野 めちゃくちゃありますよ、ホラーな話。今ぱっと思い浮かんだのは……書けないですけど(笑)。
――書けるものでお願いします!(笑)
佐野 僕ら海外のツアーをたくさんやってたんですよ。海外にみんなでいろんなとこ行ったな、って。で、行った先でメンバーがスリにあったりとか。
白濱 あー、あったね。
佐野 あとちょっと危ない人が寄ってきたり、というのは、結構ありますね。
白濱 確かに怖いよね。
佐野 危機的状況っていうのは、GENERATIONSは結構経験しているので。
――そういうときの対処法も養われてきたり?
佐野 養われてきたと思いますね。結構危ないところには、みんなでたくさん行ってきたな、って。
小森 僕は……候補生になってすぐ、誕生日があったんですよ。グループの中で僕が最初に誕生日を迎えたんです。そのときにメンバーが辞めるドッキリをされて大号泣したんですけど、その大号泣終わり、なぜか僕が顔面血だらけだったのが一番ホラーでしたね。
――血だらけ!?
小森 なぜかわからないですけど、大泣きして、多分鼻から血が出たら。こすってたら、気づいたらすごい血だらけになってました。
白濱 ホラーだねー(笑)。
グループが危機的場面に陥ったとしたら
――危機的な場面も多かった、という話がありましたが、今回の作品では小森さん突然消えるという……。
白濱 あらすじに隼の名前しか入ってないからね。
小森 そうなんですよ。ありがたいことに。
白濱 小森隼がある日突然姿を消してしまう。
――そんな危機的状況が展開されますが、実際にグループが困難にぶち当たったときは、これまでどのように解決してきたんでしょうか。
白濱 ギャグにしてきましたね。
佐野 ギャグですね。
小森 そうなのかもしれないですね。
白濱 GENERATIONSはギャグにするスピードが速いので有名なんで。
小森 そうかなぁ(笑)。
佐野 ギャグにすることで、自分たちは大らかになってるつもりなんですけど、どうやらただのバカだと思われているときもありまして。そういうときはすごく勘違いされてしまうんですね。
白濱 10年やってきて、一番身についたことはバカを演じることかもしれないですね、GENERATIONSは。
――話し合いもされた上で、ということですよね。
白濱 もちろん。真面目です、意外と。
小森 そういうのはちゃんとやるんですけど、話し合いをしただとか、起きた事柄って終わったあとに振り返れば、そんな大したことでもなかったりもする、っていうことは普通に生きていたらたくさんあるじゃないですか。そのときに僕たちの中では、ギャグにすることによって消化できたり。あと根にもたないということももちろんあります。
佐野 グループにそういう人が多いのか……。
小森 そうかもしれないですね。
グループとして「また海外でやりたい」
――ここまでもいろんな活動をされたかと思いますが、今後10年でやってみたいことはありますか?
白濱 ツアーじゃなくてもいいので、みんなで海外行きたいですね。ヨーロッパとかアメリカとか。
佐野 ライブやりたいですね。イベントでもいいんですけど。アジア圏も行きたいな。
――前回海外行かれたのは……。
小森 最後はもう……2018年?
佐野 グループとしてはそれぐらいですね。
小森 中国大陸ツアーが最後じゃないですか。
佐野 あと、僕らドバイ親善大使だったよね? もう1回やれないかな。
白濱 行きたいよね、ちゃんと。
佐野 ドバイ親善大使やりたいですね。
白濱 やりたいこと見つかりました(笑)。今後10年でドバイの親善大使をやる。
それぞれが何か大使をやるのも面白いよね。昔、香港もやってたしね。
小森 確かにね。
佐野 世界的に先取り多様性グループなので。
白濱 早かったですよ、香港の親善大使やったの(笑)。
――小森さんはいかがですか?
小森 うーん……びっくりするぐらいみんなと一緒ですね(笑)。
白濱 (笑)。
小森 でもここ10年で、それぞれやりたいことが見つかったり、戦えるフィールドができたので、そこを広げる作業はもっとやりたいですよね。そのフィールドがクロスオーバーしたときに、またGENERATIONSとして面白いエンターテインメントとしてチャレンジできると思うので、もっといろいろやりたいですね。
佐野 やりたいね。
小森 個々でできることが違うんで、GENERATIONSは。それがすごく強みだと思います。
またグループで映画に出るとしたら?
――最後に。またメンバー全員で映画に出演するとしたら、どんな映画に出たいかなどありますか?
佐野 オムニバスで『ブラック・ミラー』みたいなやつやりたいですね。
小森 あー!
佐野 オムニバスなのでみんなで出る、という形じゃないですけど、それぞれのが観たいな。
白濱 一回ショートフィルムでやったけど、それのなんかもっと……。
佐野 うん、めちゃめちゃ気持ち悪いやつ。今回、ホラーをやったので、ちょっと人間的な作品はやってみたいな。
白濱 おもしろそう!
んー、僕はなんだろうな。SFやってみたいです。
佐野 おもろいっすね。
白濱 SFのコメディとか。グリーンバックで(笑)。グリーンバックやってみたいなっていう。
小森 僕、『メン・イン・ブラック』みたいな作品はやってみたいですね。
白濱 アクションSFコメディね。
小森 軸になる人が1人いて。別にエイリアン役でもいいですし。SFっぽい、『レディ・プレイヤー1』みたいな感じもやってみたいです。撮影していてもみんなキャラが強いのでやりたいキャラとかが映えて楽しそうですよね。そういうのはやりたいです。
取材・文:ふくだりょうこ 撮影:友野雄
ヘアメイク:米持冬花(JYUNESU) スタイリング:葛西‟ジャンボ”克哉
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