映画『エリザベート 1878』本編映像公開 一路真輝、井上芳雄ら著名人のコメントも
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映画『エリザベート 1878』 (C)2022 FILM AG - SAMSA FILM - KOMPLIZEN FILM - KAZAK PRODUCTIONS - ORF FILM/FERNSEH-ABKOMMEN - ZDF/ARTE - ARTE FRANCE CINEMA
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『エリザベート 1878』は、2022年の第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で最優秀演技賞受賞、第95回(2023年)アカデミー賞で国際長編映画賞ショートリスト(オーストリア代表)に選出されるなど、高い評価を得た注目作。ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われ、“シシィ”の愛称で広く知られるオーストリアの伝説的皇妃エリザベートを『ファントム・スレッド』のヴィッキー・クリープスが演じている。
公開された映像は、聖フロリアン少年合唱団が演奏するオーストリア帝国の国歌「神よ、皇帝フランツを守り給え」が流れる中、夫のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフとともに式典に到着したエリザベートが、彼女を迎える市長や大臣たちの皮肉とも取れる美辞麗句にうんざりし、気を失ったフリをして倒れるシーン。
エリザベートの晩年は公の場に出ることを避け、顔をベールで隠していたと史実では伝承されるが、本作でエリザベートを演じたヴィッキーは「私は女優として、次第にエリザベートが受ける制約に共感するようになり、彼女を自由にさせたいという想いで演技をすることが多くなりました。エリザベートが当時できなかったことすべてを実現するチャンスを彼女に与えたのです」とコメント。もともとエリザベートに興味を寄せていた彼女が本作の企画の発端となったというだけに、エリザベートへの思い入れの強さを見せた。
また、小池修一郎(宝塚歌劇団演出家)、一路真輝(女優)、井上芳雄(俳優)、コシノジュンコ(デザイナー)、津田健次郎(声優)、中田クルミ(俳優)、宇垣美里(フリーアナウンサー・女優)ほか各界の著名人からのコメントが到着した。
■小池修一郎(宝塚歌劇団演出家)コメント
今まで「謎めいた」と形容されて来たオーストリー皇后エリザベート。その人生の真実を、1878年1年間の彼女の生活を追うセミ・ドキュメンタリー的なタッチで描く異色作。女性監督ならではの視点が、彼女の生き方に新たな光を当てている。
■一路真輝(女優)コメント
今までのエリザベート皇后の伝記を塗り替えてしまうような革命的な映画。
真実と嘘の境目は誰にもわからない。
でもこの映画を観た後はエリザベートが自由になれて良かったと心から思う、そこに真実があるのだとも。
■井上芳雄(俳優)コメント
エリザベートは、なぜか僕たちの心をとらえて離さない。
でも、その真実は決して誰にも明かされない。
常に虚ろな眼差しの彼女が、遂に解き放たれる新たなエンディングに、その真実の欠片を見た気がした。
■米津れいみ(俳優/元宝塚歌劇団)コメント
真っ白な鳥のように、どこまでいっても自由。誰もが感じる葛藤をあっさり捨て去るシシィの姿に心がスっと軽やかになりました。固定概念なんて捨ててしまえ! 私の身も心も私だけの物だ! 彼女の信念を感じる作品です。
■コシノジュンコ(デザイナー)コメント
コルセットで縛られた人生。ゆっくり流れる時の中で燃え上がりたい希望を閉ざす自分自身。
■津田健次郎(声優)コメント
こうあらねばならない、そんな世界に中指を立てるエリザベート。浴槽に沈む孤独な魂は、窒息し、もがき、やがて史実さえも逸脱し大海原へと飛ぶ。静かな反逆が地続きの今へと響く。
■中田クルミ(俳優)コメント
細い針が心の中にゆっくり刺さっていくように淡々と流れる時間。私の知っている"エリザベート"の世界ではなく、とても朧げで虚ろ、そして孤独だ。
私たち自身が縛られている美貌や年齢といった女性の価値観に対して、静かに問い掛けを与えてくれる作品。
■宇垣美里(フリーアナウンサー・女優)コメント
若さと美しさばかりに目を向けられる女の人生の苦しさよ。
自我と孤独と矜恃を持ち合わせ、
立場をわきまえず自由を愛し、
人間として生きることを諦めなかったこの王妃、完全にロックスター。
お人形さんなんかでいられるものか。
■シトウレイ(ストリートスタイルフォトグラファー/ジャーナリスト)コメント
砂糖菓子のように淡くて甘い映像世界で
寝タバコをして、中指たてて、舌を出したりするエリザベートは『女の惚れる女』そのもの。
■児玉美月(映画文筆家)コメント
ただただ自由に生きたいだけの女が、時代、文化、置かれた境遇によって後ろ指を指される女になってしまう。
現代に生きるわたしたちも、この映画のエリザベートのように、見えないコルセットで締め上げてくる世界に対して中指を突き立てろ。
■長谷川祐子(キュレーター)コメント
「象徴」としての美しさの呪縛から逃れるための奔放な行為。コルセットの拘束が「飛翔(逃走)」の合間に挿入される。「混沌とした博物館」のようなエリザベートの1年間のリアリテイを鮮烈なヴィジュアルで描いた傑作。精神病院の女性患者たちの間に紫の炎のように立つ場面は内的な狂気を周りと静かにシンクロさせ、圧巻。
■清水晶子(フェミニスト/クィア理論研究者)コメント
若さと美貌を期待され続けて40歳を迎えたオーストリア皇妃の苦悩と逃亡。あまりに恵まれ過ぎて共感しづらいこの伝説的な女性をまったく伝記的ではない形で取り上げることで、マリー・クロイツァー監督は、フェミニスト的な共感を生み出そうとしているのではなく、各国の王族や皇族といった特権階級の女性たちに対して現代社会がいまだに抱き続けるロマンチックな幻想を苛立ちと共に破壊しようとしているように見える。鼻につく高慢さと偽りない苦悩とを併せ持つ、好感を抱かせない、しかし強靭な個性を持つ中年女性としてエリザベートを描き切ったヴィッキー・クリープスの演技が素晴らしい。
映画『エリザベート 1878』本編映像
<作品情報>
映画『エリザベート 1878』
8月25日(金) 公開
公式サイト:
https://transformer.co.jp/m/corsage/
(C)2022 FILM AG - SAMSA FILM - KOMPLIZEN FILM - KAZAK PRODUCTIONS - ORF FILM/FERNSEH-ABKOMMEN - ZDF/ARTE - ARTE FRANCE CINEMA
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