Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
ぴあ 総合TOP > 故・浅利慶太に想いを馳せて......四宮吏桜と中村ひよりが挑むミュージカル『夢から醒めた夢』

故・浅利慶太に想いを馳せて......四宮吏桜と中村ひよりが挑むミュージカル『夢から醒めた夢』

ステージ

インタビュー

ぴあ

四宮吏桜、中村ひより   撮影:上原タカシ

続きを読む

フォトギャラリー(7件)

すべて見る

浅利演出事務所によるミュージカル『夢から醒めた夢』が2023年10月30日(月)から11月19日(日)まで東京・自由劇場で上演される。故・浅利慶太の生誕90年にあたる今年、同事務所が届ける公演の第2弾。

1987年に劇団四季で初演された本作は、赤川次郎の同名小説を原作に、浅利が企画・構成・オリジナル演出を手がけた作品。今回の上演版では野村玲子が演出を担い、ピコ役として四宮吏桜、マコ役として中村ひよりが出演する。

今回で3回目のピコを演じる四宮。作品の魅力については「お客様もピコちゃんと一緒に夢の世界に旅立ち、個性豊かで素敵な仲間たちと出会い、成長することができること」だといい、特に好きなシーンとして「霊界空港でおじいちゃんとおばあちゃんが再会するシーン」を挙げる。その理由は「亡くなってしまった家族や友人、ペットなどともう一度会いたいという気持ち、誰しもあるのではないかと思うんです。現実世界ではなかなかそれが叶いませんが、この物語の霊界空港では会いたい人に会える。一般的に死後の世界はあまりポジティブに捉えられないかもしれませんが、こんな世界があるなら、会いたい人のために、今を一生懸命生きようと思える気がして。稽古場でも何度もうるうるしてしまうシーンです」。

今回初めてマコを演じる中村は「時空を越えて描かれるスケールの大きな作品ですが、子どもから大人まで親しみやすく、人間が生きてゆく上で大事にしたいことなど、物語の放つあたたかいメッセージを受け取ることができますよね。幕が開いてから最後の幕が閉じるまで、全編を通して常に言葉と想いがここまで込められている作品は稀だと思いますし、いい意味ですごくエネルギーを消耗する作品だなと思います」と本作の印象を語る。「この作品にはいろいろな愛の形が詰まっていますが、マコとしてはお母さんとの絆にフォーカスしたい。(坂本)里咲さんが演じられるお母さんとの母娘愛、絆を丁寧に育んでいけたら」と意気込んでいた。

『オンディーヌ』(2023年4〜5月)で共演経験があり、年齢も近い四宮と中村。改めて互いの印象を尋ねると、四宮は「ひよりちゃんはいつも可愛らしくて、優しくて。でも一旦お稽古がスタートしたら、真剣な眼差しになり、妥協をしないんですよね。私は感情が表情にすぐ出てしまうタイプなのですが、ひよりちゃんは苦悩の表情を一切見せない。私もそうありたいなと思います」と答えた。

一方の中村は「吏桜ちゃんは真面目でストイックで、リーダーシップがあります。『オンディーヌ』のときも、どこに目がついていたの!? ︎と思うぐらい、細かいところに気づき的確なアドバイスをしてくれて」と評しつつ「でも緊張しいで、時々お腹が痛くなってしまったり、大好きなキャラクターがドラえもんだったり。無邪気でチャーミングな部分もあるんです」と笑う。

故・浅利慶太に対しての思いを聞くと、四宮は2017年に『夢から醒めた夢』に初めて出演した際に、浅利から直接指導を受けたことを語り出す。「自分の将来に悶々としながらも、やっぱりミュージカルをやりたいという一心でオーディションを受けて、合格したんです。当時19歳か20歳だった私は、いつも先生から怒られてばかりでした。〈待っているだけでは何も始まらない。食らいついてこそ役者なんだ〉ということ、それから〈プロだからこそ基礎トレーニングをしっかりやれ〉ということ、その他にもたくさんお言葉をいただきました。先生が導いてくださったおかげで今の自分がいるし、後にも先にも、私のミュージカル人生においての先生は、浅利先生です」。

中村は浅利から直接指導を受けたことはないものの、小学5年生のときに浅利から掛けられた言葉が心に深く刻まれているという。「小学生のときに劇団四季の作品を見て、先生に夢を与えていただきました。夏休みに劇団四季のジュニア講座が開かれて、1ヶ月ほどトレーニングを受けたことがあったんです。浅利先生ご自身がその講座にいらっしゃることはなかったのですが、廊下ですれ違ったときに〈あなた、頑張りなさいね〉と声をかけてくださって......。あのひと言があったから今も頑張れる。大切にしている言葉です」と涙ぐみながら明かした。

観客へのメッセージを求めると、中村は「愛と夢と、そして命の輝きが詰まった作品なので、劇場でお客様と 一緒に旅することができることを心から楽しみにしております」と話し、四宮は「長年愛されているこの作品に、ピコとしてまた戻ってこられることがすごく嬉しいです。この作品を通して、愛や命の大切さはもちろん、何かを感じ取っていただいて、明日を生きるパワーにしていただけたらと思います。ピコを含め、夢の仲間たちが劇場でお待ちしています」と語った。

公演は11月19日(日)まで。その他の出演者は、下村青、加藤敬二、三遊亭究斗、近藤真行、坂本里咲ほか。

取材・文:五月女菜穂  撮影:上原タカシ

<公演情報>
ミュージカル『夢から醒めた夢』

原作:赤川次郎
企画・構成・オリジナル演出:浅利慶太
2023年再演版演出:野村玲子

出演:
坂本里咲 / 岡施孜 / 坂本岳大 / 政田洋平 / 加藤敬二 / 近藤真行 / 三遊亭究斗 / 山口嘉三 / 服部幸子 / 下村青 / 他

2023年10月30日(月) 〜11月19日(日)
全20公演

※追加公演決定!
・11月4日(土)17:30
・11月18日(土)17:30

会場:東京・自由劇場

チケット情報
https://w.pia.jp/t/yumesame/

公式サイト
https://asarioffice.jp/yumesame2023/

フォトギャラリー(7件)

すべて見る