【FREAKY & GROOVY vol.3】小池貞利(the dadadadys) ✕ 佐藤赳(kobore)対談
音楽
インタビュー
左から)小池貞利(the dadadadys)、佐藤赳(kobore)
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ツーマンイベント『FREAKY & GROOVY vol.3』が9月29日(金)に新代田FEVERにて開催される。
第1回目がthe telephonesとWienners、第2回目がネクライトーキーとサバシスターという、音楽ファンを唸らせる組み合わせで話題となり、イベント当日も灼熱がライブハウスを包み込んだことは記憶に新しい。第3回目となる今回はthe dadadadysとkoboreという、ベクトルは違えど、どちらも衝動感が溢れ出す話題のロックバンドが真正面からぶつかり合うことが決定している。そんな激戦必至のツーマンに先立って、小池貞利(the dadadadys)と 佐藤赳(kobore)による両フロントマンによる対談を実施。音楽的ルーツからライブへ向き合うスタンスや考え方、ツーマンへの意気込みをじっくりと語ってもらった。
――おふたりははじめましてなんですよね。
小池 はじめましてですね。
佐藤 最近加入したthe dadadadysのギターの儀間ちゃんは、沖縄へ行くたびにずっと遊んでもらってた、っていうぐらいの繋がりしかないんです。
――では、お互いにどんな印象を持っていますか?
佐藤 前のバンド(teto)のときから楽曲も聴かせてもらっていて、いろいろやっているな、という感じがあるというか。底が見えない、知れないイメージがありますね。
小池 koboreはいろんな人の懐に入れそうだな、っていう印象がありますね。オレはホントに狭いので、視野も趣味も(笑)。それは自分にできないことなんで羨ましいなと思います。
――今までバンドとしては接点がなかったということですが、ツーマンということを聞いてどう思いました?
佐藤 やるしかないでしょ、みたいな(笑)。
小池 自分たちは上ブレも下ブレも大きいバンドだと思ってるから「いいのかな?」って感じました……大丈夫っすか?(笑)
佐藤 いや、僕自身は結構そっち側だったりするんですけど(笑)、それに自分らみたいなど真っすぐなバンドとthe dadadadysがどうシンクロするのか、みたいなのもイベントの主旨としてあるみたいで。
小池 あっ、そうだったんですね。
佐藤 だから、どういう化学反応をバンドが起こしていくのか、楽しめたらいいな、って。
――このイベントでは遠くから見たら重なっている部分があるバンドがブッキングされている印象もあります。
佐藤 でも、オレらの場合、2kmぐらい離れないと重なって見えないんじゃないかな?(笑) ただ、対バンしないと見えてこないところはあるんじゃないかと感じてるし、そこを楽しみたいですよね。たぶん、それぞれのお客さんの感じも相当違うだろうし。
――音楽的ルーツで重なるところもありそうですけどね。
佐藤 僕はパンクとかメロディックが大好きでよく聴いてましたね。だから、tetoの「拝啓」を初めて聴いたときは「ヤバいバンドがいる!」って思いました。
小池 そんな大したことないんですけどね(笑)。
佐藤 ハハハハ(笑)。バックボーン的にはどうなんだろう、って気にもなったし。
小池 若いときはハードコアとか、グラインドコア、パワーバイオレンスみたいな、そういうのしか聴いていなかったですね。大人になり、自分が真剣にバンドをやるようになってようやくメロディーをつけたぐらいなんですよ。昔はメロディーとかいらないと思ってたんで(笑)。
佐藤 そういうの最高だと思います(笑)。僕らのバンド自体は違う方向かもしれないんですけど、常に何かにキレてるような、戦ってるバンドは好きなんですよね。
小池 ご自身も結構キレていらっしゃる方?(笑)
佐藤 まあ、たまにキレてる感じではあるんですけど(笑)、キレてる人を観るのが好きっていうか。「このギターの音、どうやったらたどり着くの?」みたいなのもある。
小池 そういうのはやっぱ面白いですよね。自分の想像の範囲内のことって予想できちゃうからつまらないし(笑)
――どういった化学反応が起こるか、というツーマンですが、対バンによってセットリストを変えたりします?
小池 変えないですね。
佐藤 全然変えないっすね。
――まずは自分たちの世界観を、という。
小池 でも、そういう感じでもないんですよね、正直。
佐藤 ペラいかもしれないんですけど、マジで何も考えてないんですよ。
小池 でも、ホントそうかも。
佐藤 「ライブやれんじゃん!」ぐらいで、それ以外は何も考えてないっす。だから、最近セットリストを(スタッフ側へ)送るのが遅すぎて怒られたりもして(笑)。
小池 ハハハハ(笑)。
佐藤 で、送ったとしても本番中に変えちゃったりもするんですよ。
小池 いいと思います、凄く。やっぱ、筋書きにあるドラマみたいなのつまんないっすもんね。
佐藤 あんまり興奮しないっすよね。まあ、何も考えてないをカッコよく言ってるだけかもしれないですけど(笑)。
――the dadadadysの場合はどうですか?
小池 オレらも同じですね。いろんな曲をやりたいんで、ステージ上で変わったりもするし。
――いいライブってバンドによって捉え方が違ったりもしますけど、「今日、良かったな」と感じるのはどういうときですか?
小池 オレ、水を口に含んでバーって(お客さんに)吹きかけたりするんですけど、この間MCのときに「水かけて!」ってお客さんに言われてやったら「涼しい!」って言葉が返ってきて(笑)。
佐藤 ハハハハ(笑)。
小池 しかも、その後、ちょっといい曲が始まるんですよね。その一連の流れをライブ後に動画で観たときにシュールでおもれえなと思って……っていうぐらいですかね(笑)。
佐藤 オレはちょっと大雑把ですけど、観に来てるヤツも自分もこの瞬間のことしか考えてねえんだろうな、みたいなのを何回も作れた人とか。
小池 あぁ、「足りねえぞ!」って野次とかくると、「わかるよ」って思ったりもするし。やっぱ、ライブは楽曲と違ってオレらがどうこう意図して作るモノじゃないから。あくまで主体は会場全体。だからこそ、そういう作れないモノをゼロから作っていく作業が楽しいっていう。
佐藤しかも、それが同じ感覚を共有とかじゃなくて、お前はお前のこと、オレはオレのことを考えて、自分なりの最高を見つけて楽しんでるヤツが何人もいるとこっちもアガりますし。
小池 だから、(ツーマンでも)それができたらいいですよね。
――また、それぞれイベント直前にリリースもあるんですよね。koboreは初のライブ音源、デジタルEP『kobore one man 2023「この夜を抱きしめてツアー」at Zepp Shinjuku,2023.07.08 』が9月20日に配信開始されました。
佐藤 「ただ、しっかりとしたリリースっていうよりかは「聴いて!」みたいなところもあって。オレら、ライブだと原曲とテンポ感が全然違うんですよ。自分で聴いてても「おっせぇ!」ってなりますから(笑)。その雰囲気だけでも味わってもらえれば、と。
――the dadadadysは4カ月連続配信シングルをリリース中で、9月27日には第2弾の『光るまち』が発表されます。
小池 3曲、昔やってたtetoの曲をセルフカバーして、4曲目は新曲なんですけど「新曲、できるかな?」って心配してます(笑)。
佐藤 締め切りが迫らないとやらないっすよね。期日とか、無限であってほしいです(笑)。
小池 事務所に伺って対談させてもらっているのでピリつく発言だなと思いつつ(笑)、気持ちはめちゃくちゃわかります。
――セルフカバーはどういった感覚だったりします?
小池 単純にいい曲をもっといい曲にしたいっていう、そこがありますね。まあ、バンドが変わっちゃってるんで、雰囲気も技術も違いますし。
――では、最後にそれぞれツーマンへ向けた意気込みをお願いします。
小池 まず、呼んでいただいたことがめちゃめちゃ光栄ですし、気持ちよかったと感じられる日、なるべく規模の大きい範囲でいい日になればいいかなと。幸いなのが、ウチの儀間がお友達だったというのもありますし。
佐藤 これで仲良くなれなかったら、イベント自体の崩壊のチャンスを作ってしまう可能性もありますから(笑)。それと、観に来てくれるヤツらはそういうのを関係なく来てくれると思うから、そういうところも込みで全部を巻き込めたらおもろい1日になるんじゃないかなと思いますね。
Text:ヤコウリュウジ
<ライブ情報>
FREAKY & GROOVY vol.3
9月29日(金) 東京・新代田FEVER
開場18:30 / 開演19:00
出演:the dadadadys/kobore
チケット料金:3,800円
※入場時ドリンク代別途必要
チケット購入リンク:
https://w.pia.jp/t/freaky-and-groovy/
関連リンク
the dadadadys
公式サイト:https://dadadadys.com/
kobore
公式サイト:https://kobore.jp/
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