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銀杏BOYZ、47都道府県弾き語りツアーの初日をレポート! 「このツアーは、混じりっ気のない僕の意思なんです」

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銀杏BOYZ「世界ツアー弾き語り23-24 ボーイ・ミーツ・ガール Boi Meets Girrrl」9月19日(火) WWW X Photo:村井香

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9月19日、渋谷WWW Xにて、銀杏BOYZの47都道府県を回る全国ツアー「世界ツアー弾き語り23-24 ボーイ・ミーツ・ガール Boi Meets Girrrl」が幕を開けた。銀杏BOYZが「世界ツアー」と称して47都道府県を回るのは、彼らが1stアルバム『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』と『DOOR』をリリースした2005年以来、18年ぶりのこと。2024年7月まで続く予定の今回の世界ツアー。「弾き語り」とタイトルにあるように、今回は峯田和伸がひとりで回るツアーとなる。

9月19日、開演15分ほど前に渋谷WWW Xの会場に入ると、場内には峯田が選曲した音楽が場内BGMとして流れていた。コックニー・リジェクツ、シャム69、マイ・ブラッディ・バレンタイン、ジュディ・アンド・マリー、フリッパーズ・ギター、ザ・ゲット・アップ・キッズ、フェルト……などなど。

この日のBGMのプレイリストは峯田のインスタグラムでも公開されている。峯田は、今のように「プレイリスト」という言葉が頻繁に使われるようになる前からジャンルや国境や時代性を超えたたくさんの音楽を隣同士に並べていたし、そんな音楽の聴き方があることを彼に教えられた、という人は私だけでなくきっとたくさんいるだろう。この日のプレイリストも、いかにも峯田らしくざっくばらんとした、

でも1本の道のようなたしかさを感じさせるもので、彼の愛着や記憶や知性によって繋がっていく音楽たちの、その生き生きとしたあたたかさが、開演前からWWW Xのフロアを包んでいた。そしてそれは、まるで部屋に招かれているようなあたたかさでもあった。

開演前の場内アナウンスで、携帯電話の電源を切るかマナーモードにすることを求められた。フロアの前方には椅子席も用意されているし、ライブは静かに演奏に聴き入るものになるのかと想像したが……必ずしもそういうわけではなかった。決して物音を立ててはいけないような緊張感のある静かな空間だったわけではなく、だからといって、普段の銀杏BOYZのライブのような獰猛なエネルギーの爆発だけではなく。とても絶妙なバランスの中で激しさと穏やかさがじんわりと混ざり合っている、そんな空間だった。

銀杏BOYZのメンバーも含めた、その場所に集まったすべての人たちが、それぞれの眠れない夜や眠りすぎた朝を持ち寄るような、そんな孤独と孤独が身を寄せ合う感覚は変わらずそこにあったが、でも、この日の空間が18年前ではなく「今」の銀杏BOYZでなければ生み出しえない空間であることも確かだった。

中央にマイクが1本立てられたシンプルなステージに表れた峯田は、この日、アンコールも含めて計18曲をひとりで披露した。この日のギターは、みうらじゅんにもらったというギブソンのギターで、ライブで使用するのは初めてだという。

選曲は新旧幅広かった。「40代になって、こんな曲やりたくないよー」と冗談交じりにぼやきながら始まった“トラッシュ”は、しかしながら、あの衝動性が今の峯田の身体性に昇華されているような凄みがあった。他にも、“夢で逢えたら”は美しく甘やかに響き、“ナイトライダー”は夢と現実のはざまを疾走するようで、“もしも君が泣くならば”では峯田がマイクを客席に向け、フロアにいる人々も声を上げて一緒に歌った。“少年少女”は力強く、照明が暗くなった中で彼が“光”のイントロを奏で始めるのを、息をのんで聴いた。

1、2曲の演奏を終えるごとに始まる峯田のMC……というか、ほとんど「お喋り」といった方がしっくりくるトークも、熱気と沈黙と笑いが混ざり合う、この空間の豊かさを生み出すのに大きな役割を果たしていた。前日に美容院に髪を切りに行って「こんなふうにしてください」とクリープハイプ・尾崎世界観の写真を見せたら、馴染みの美容師さんに「峯田さんは峯田さんのままでいいじゃないですか!」と言われたという話。最近気になっているのはテレビ東京の中原みなみアナウンサー。入れ墨OKのサウナ付き銭湯に行って、そこで感じた心地よさ。チケット転売やインターネット、SNSの話。峯田は言っていた。「現実はつまんねぇし、ネットはネットで面白くないし。じゃあ、どこが居場所かって言ったら……ここ。ここだけなんだよ」

「ギターをチューニングする姿を見せるのは素を見せるようで嫌だ」と、峯田は言っていた。この日改めて感じた、彼の奏でるギターでしか感じることのできない優しさや悲しさや体温があること。銀杏BOYZの音源を聴いて、そのノイズに身を委ねている時、「故郷の山形で峯田が見つめた雪の景色と心の世界は、こんな感じだったのかな」と思うことがある。

その山形公演を含めた2024年4月までのツアースケジュールも、この初日WWW X公演の日に発表された。今回の47都道府県世界ツアーは峯田自身が発案したもので、峯田自身が何かを提案することは、実は銀杏BOYZの活動においては珍しいことなのだという。彼は言っていた。「このツアーは、混じりっ気のない僕の意思なんです」そして、最後にはまた東京に戻ってくる、とも。18年ぶりに47都道府県をまわる銀杏BOYZ。その先でどんな出会いが、どんな音楽が生まれるのか。とてもそわそわする。

Text:天野史彬 Photo:村井香

<ライブスケジュール>
銀杏BOYZ『世界ツアー弾き語り23-24 ボーイ・ミーツ・ガール Boi Meets Girrrl』

※終了分は割愛

■2023年
10月4日(水) 埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
10月10日(火) 茨城・水戸LIGHT HOUSE
10月11日(水) 福島・club SONICいわき
10月16日(月) 京都・京都磔磔
10月18日(水) 石川・金沢EIGHT HALL
10月19日(木) 長野・長野CLUB JUNK BOX
10月23日(月) 宮崎・宮崎LAZARUS
10月24日(火) 鹿児島・鹿児島CAPARVO HALL
10月26日(木) 熊本・熊本B.9 V1
10月31日(火) 群馬・前橋DYVER
11月2日(木) 山梨・甲府CONVICTION
11月6日(月) 岐阜・岐阜club-G
11月7日(火) 奈良・奈良NEVERLAND
11月9日(木) 和歌山・和歌山CLUB GATE
11月13日(月) 岡山・岡山YEBISU YA PRO
11月15日(水) 鳥取・米子AZTiC laughs
11月16日(木) 島根・出雲APOLLO
11月21日(火) 神奈川・F.A.D YOKOHAMA

■2024年
1月15日(月) 千葉・柏PALOOZA
1月18日(木) 滋賀・滋賀U-STONE
2月14日(水) 兵庫・神戸CHICKEN GEORGE
2月15日(木) 三重・四日市CLUB ROOTS
2月22日(木) 愛媛・松山WstudioRED
2月24日(土) 徳島・徳島club GRINDHOUSE
2月25日(日) 高知・高知CARAVAN SARY
3月1日(金) 富山・富山SOUL POWER
3月2日(土) 福井・福井 CHOP
3月4日(月) 静岡・LiveHouse浜松窓枠
3月12日(火) 秋田・秋田Club SWINDLE
3月13日(水) 岩手・盛岡CLUB CHANGE WAVE
3月15日(金) 山形・山形ミュージック昭和セッション
3月19日(火) 長崎・長崎DRUM Be-7
3月20日(水・祝) 佐賀・佐賀GEILS
3月22日(金) 大分・大分DRUM Be-0
3月26日(火) 北海道・札幌KLUB COUNTER ACTION
3月28日(木) 北海道・函館club COCOA
4月1日(月) 香川・高松DIME
4月3日(水) 山口・周南RISING HALL
4月4日(木) 広島・広島CLUB QUATTRO
4月9日(火) 青森・弘前KEEP THE BEAT
4月17日(水) 沖縄・桜坂セントラル

to be continued

【チケット料金】
全自由 前売:5,500円(税込・ドリンク代別)
※未就学児入場不可・小学生以上チケット必要
※入場整理番号有り

●チケットはこちら
https://w.pia.jp/t/gingnangboyz-23-24/

※2024年公演の先行受付を10月3日(火) 23:59まで実施中

関連リンク

銀杏BOYZ Official WebSite:
https://gingnangboyz.com/

Official X:
https://twitter.com/GingNangBoyz_MV

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