さくらしめじ 3rdアルバムのリリースで見えた未来へのゆくえ「誰かの行き先になれるようなアーテイストに」
音楽
インタビュー
さくらしめじ (撮影:友野雄)
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さくらしめじが10月18日に3rdアルバム「ゆくえ」をリリースした。2020年3月にリリースされた「改めまして、さくらしめじと申します。」から3年半ぶりとなる。アルバムに収録された10曲はこの3年半のさくらしめじと、過去から未来へとつなぐものとなっている。
変化し続けるふたりにアルバムに込めた思い、葛藤、これからについて聞いた。
3枚目のアルバム「どんなもんじゃい、っていう感じです」
――アルバムのリリースは3年半ぶりとなります。完成して今のお気持ちはいかがですか。
髙田彪我(以下、彪我)アルバムはそのアーティストの名刺がわりになるとものかな、と僕は思うんです。僕も初めて知るアーティストはやっぱりアルバムを1枚聴いてみて、「こんな感じの曲なんだ」と思うので。
僕たちの名刺が新しく生まれ変わるような感覚もありますし、だから完成できてよかったなって。ホッとしました、本当に。
田中雅功(以下、雅功) コロナ禍もあって盤が出せることも当たり前じゃないので、リリースできてうれしい、ということがひとつと、「どんなもんじゃい」っていう感じです(笑)。
彪我 どんなもんじゃい(笑)。
――それは聞き手に向けて?
雅功 そうですね、僕ら以外というか、「いいだろ?」っていう気持ちですかね。
――前回のフルアルバムが2020年、ちょうどコロナ禍の前ですもんね。
彪我 ほんと、久しぶりに盤を見ますね。
――アルバム制作に入る前にお話し合いはされたんですか。
雅功 そうですね。既存曲が多いということもあったんですけど、どういう曲を入れてみたいとか、そのときはまだできていなかった曲とか、ましてやどんな曲を作るのかも決まってないところもあったので、結構話し合いはしました。
――制作期間をどれぐらいだったんですか?
彪我 え、どのぐらい? アルバムの話が出てからだと……。
雅功 結構……10ヶ月ぐらい?
――ツアーと並行して、という形ですよね。
彪我 そうでしたね。
文面上でもいろいろやり取りしてましたね。
――ライブをする脳と制作に使う脳はやっぱり違うものですか?
雅功 でも、なんならリハやっても、本番やって、の間に作ってたりしていましたね。その切り替えは意外とうまくできた気はします。
――フル稼働!
雅功 確かに! でも楽しかったですね。
そのときの目線によって、書ける曲は違う
――今回はアルバム全曲紹介をお願いしたいと思います、よろしくお願いします!
雅功 よーし!(肩をぐるんぐるん回す)
彪我 なんか緊張しちゃう!(笑)
――まず、1曲目の「simple」。ドラマ『高嶺のハナさん2』のオープニングテーマですね。
彪我 本当に『高嶺のハナさん2』でとてもお世話になった曲の1曲なんですけど、なんですかね……なんかあります?
雅功 本当に1曲目にふさわしいですよね。このラインナップを見てもトップクラスにキャッチーというか、ポップというか、明るい曲で。これは自分たちで作った曲じゃないんですけど、ある意味、自分たちは作れない曲というか。
作れなくない?
彪我 確かに。このキャッチーさはなかなか。
雅功 こういうポップな曲はあまり書かないので、そういう意味では1曲目としてはすごくいいなと思いましたし、個人的にもすごい気に入ってます。
2人の性格的に、曲調というより、こういうピュアな何かを表現するのがあんまり得意じゃないんですよね。
――へえ!
雅功 だからなのか、新鮮だし、自分たちが恥ずかしくて言えないようなことを歌っている感じがしますね。
――続いて、2曲目が「Iroto-Ridori」ですね。
彪我 僕ら的にこれはもうライブの飛び道具です。
雅功 ははは! そうね。
彪我 さくらしめじなりのシティポップの解釈がこの曲に詰まっていると思います。
雅功 昔の匂いを感じる曲が歌いたくて作ったんですよ。
そして結構……結構いったな、って。
――ちょっと新しい感じ?
雅功 そうですね。自分たちで書くのもいいけど、ちょっと違うことがしたいなあ、と思って。でも「こういうのやったことないな」っていうニュアンスで作り始めました。
これが言い方が正しいか分からないんですけど、実験的というか。これ、僕らだったらどうなるのか興味を持って作った感じですかね。
――そんな実験的な楽曲のあとに「天つ風」が入ってるのもすごいですよね。
彪我 ははは!
雅功 確かに!(笑)
彪我 僕のイメージ的には、「simple」、「Iroto-Ridori」をやって、MCに入って次のブロックに行く感じ。
雅功 そうだ、言ってたわ、そうだそうだ。
彪我 「Iroto-Ridori」と「天つ風」の間にちょっと各自MCを入れてもらってね。
――改めて「天つ風」についてはいかがですか? ライブでもお話はされていると思うんですが。
雅功 音源化でいうと、やっとですね。
彪我 長年温めてきた。
雅功 うん。嬉しいですね。好きだと言ってくれる人も結構いたので、その声があってこそだな、と言う。
――しみじみと良い曲ですよね。
雅功 ありがとうございます。高1の僕に聞かせてあげたい(笑)。
彪我 そうか、高1なんだよね、そのときは。
このあいだ、データフォルダ漁ってたら、一番最初のデモが出てきた。めっちゃ鼻声なの。
雅功 ははは!
――このタイミングで収録しようと思ったのはどういった理由からなんですか?
雅功 僕の中ですごく大切な曲だったので、今入れるべきなのか、ってちょっと迷いはしたんです。でも「ゆくえ」が、コロナ禍を経て、20代に入って、さらにこれからのこと、次へ、って考えたときに、1回高校生の自分を清算しておきたいな、という気持ちで入れたんですよね。
……ちょっと恥ずかしいんですけどね、これ話すの。
――20代に入って、高校時代を思い返すと遠く感じるものですか?
雅功 いや、遠いですね。
彪我 めっちゃ遠いです。
雅功 距離感というより生活の違いというか、落差がありすぎて。高校時代が夢だったんじゃないか、って思います。
彪我 僕的にも遠いものだな、って感じはしますね。いまのほうがダラけてる。
――ダラけてる?
雅功 体育とかないし(笑)。
彪我 現代文とか数学をやる時間もないし、試験もないし。そういう意味ではやっぱり高校時代の方がちゃんとしていましたね。
――ちなみに今回のように、10代のときに作った曲を聴いて、逆に発見もあります?
雅功 あります、めっちゃあります。
昔のデモを聴いて、「こんな気持ちか」ってなるときあります。
彪我 わかる!
雅功 よく、先輩たちに「10代のうちにしか書けない曲があるから、絶対10代のうちに曲を量産しなさい」と言われていたんですけど、当時はなに言ってんだろうな、とか思ってたんです(笑)。でも、やっぱりさっき言ったように落差がすごいので、「そこ」にいないと書けない曲はあるな、と思います。
――例えば、10代のときにしかなかったものって何がありますか?
雅功 ベタなところでいくと、学校というコミュニティがあるかないかがやっぱり全然違うなと思います。
あと20代を超えると、関わる友人の幅も変わってきたり、お酒も飲めるようになるとか、今は18歳からですけど、選挙行けるとか、できることの幅が広がるじゃないすか。でも10代はできることの幅が狭い分、そこでいろいろしてやろう、って考えるから見えないところも気づきやすいんですよね。今だからこそ書ける曲あるんですけど、そのときの目線によって、書ける曲は違いますよね。
――深堀もしやすかったりするんですかね。
雅功 そうですね、きっと。今でもイメージとか、思い出をたぐり寄せて書けますけど、そのときじゃないと気づけないですね。
彪我 僕もさっきの雅功のデモのように見つけたりするんですけど、どれもちょっと恥ずかしくてお聞かせできない。
雅功 それはあるね。
彪我 思ったより子どもだな、って。
雅功 それは思う! 当時の自分が思ってたよりも子ども。
彪我 そうそう。でもその子どもだな、と思うのも少し尊く感じるところもあって。それをなんとか今の僕目線で書けたらな、と思う曲もいくつかありますね。
リード曲「エンディング」は「まだまだ育てがいがある」
――「ブルースター」は「高嶺のハナさん2」のエンディングテーマですね。
彪我 「ブルースター」はトップレベルで好きなバラードですね。
アルペジオで入ってくる感じが好きなんです。僕たちの一番最初の「いくじなし」(2014年)っていう曲がアルペジオから入るんですけど、それを改めてここに持ってきた感じが僕の中であって。
雅功 そんなこと思ってたんだ。
彪我 うん。そこがちょっとエモーショナルな感じがしますね。
――今回のアルバムは原点回帰のようなところもある?
彪我 あると思いますね。振り返るわけではないんですけど、一旦、原点回帰して、新たな自分たちをこのアルバムに繋ぐ、ということはやってきました。
――「エンディング」はアルバムのリード曲で9月22日先行配信されていますね。
雅功 「ゆくえ」を作ろうって決まって、1ヶ月しないぐらいでどの曲を入れるか決まったんですけど、リードだけどんな曲にするか全く決まらず。
とりあえず、僕と彪我でコンペ大会をやろうってなって、そこからまた1ヶ月ぐらいでそれぞれ2、3曲ずつぐらい作りました。じゃあこれにしよう、って「エンディング」に決まったんですけど、いい曲ですよね?
彪我 ははは! すみません、ありがたいですよね。
できたてホヤホヤの曲なんですけれども、僕的にはまだまだ育てがいがあるな、と思いました。歌い方もですし。
「エンディング」は、僕の中では結構、挑戦的な曲で本当にJ-POP寄りに作りました。普段、わかりやすいJ-POPを作るのが僕的にあんまり好まないというか、得意ではないんです。
普段、聴く曲もバンド曲が多くて、ちょっとひねくれた感じになったりもするんですけど、結構ど真ん中を狙って作りましたね。
――コンペは「リード曲を作る」こと以外にテーマはあったんですか?
雅功 いや、全く。
彪我 本当にノーテーマで作ってくる感じでしたね。
――苦労しましたか。
雅功 やっぱりリードって緊張しますね(笑)。
彪我 そうね。もう本当に何がリードなんだろう、って。
雅功 「リード曲を作ろう!」って言って作れたら誰も苦労しないよ、って思いながら(笑)。
彪我 めちゃくちゃ思いましたね。
雅功 でも、「エンディング」はデモの時点でも良かったんですけど、アレンジでまた一つ化けたなって感じです。板井直樹さんにアレンジしてもらったんですけど、すごいですね。曲の良さを最大限、120%引き出してくれた感じがしました。
――お2人で完結するのもいいけど、他の方の手が加わることで、新たなものが引き出されることも多いですか。
彪我 多いですね。それで言うと、「天つ風」もアレンジでかなり印象が変わったな、と思います。
雅功 ちょっと話戻るんですけど、「天つ風」でよくわかんなくなっちゃって。どういうアレンジがいいのか全然わかんねぇやと思って、神佐澄人さんに「全く違うものにして欲しいです」とお願いしました。そうしたらめっちゃいい曲にしてくださって。そういうのはやっぱりありますよね、「エンディング」もそうですけど、自分たちの手が届かない、あと、数センチみたいな。
彪我 いいよね。
雅功 数センチと思ってたのが、倍ぐらいあったみたいな、ということは結構あります。
彪我 「エンディング」は非常にありがたいアレンジで。
雅功 彪我のデモはもっとシティポップっぽかった。
彪我 そうですね。
雅功 彪我がやりたいことやってんな、っていう感じ。
彪我 効果音を結構入れて機械的な感じではあったんですけど、アレンジでは生音を入れて、J-POPな感じにしていただいています。
――曲を作られるときって、今回のコンペのようなときって、自分が作りたいものと、狙って、と言うと違うかもしれないんですが、そういうのはあったりするんですか。
彪我 あー……。
雅功 難しい顔してる(笑)。
狙うのはやめようと思ってます(笑)。
彪我 ははは!
雅功 狙っても書けないものは書けないし。それで言うと、また後で話そうと思うんですけど「なるため」は狙ったんですけど、最初全然好きじゃなくて。狙って作った自分が気持ち悪いというか。
彪我 ははは!
雅功 でも、作業を進めていくうちに、聴いてるうちにだんだんと「いっか」って思うようにはなっていました。
やっぱり狙って作るって、作った後がきついんですよね。「これ本当に好きで作ったのかな」がずっと引っかかる節があって、最近はなるべく狙わないようにしています。
彪我 僕はわりと狙いたいところと、作りたいところが近いところにあるのかなと思ったりしていて。でもさくらしめじで、ジャンル的に行き過ぎると戻せるんですよね。さくらしめじのらしさに若干助けられてるところもありますね。
雅功 上手です、彼は。狙って作るのが。
彪我 いやいやいやいや(笑)。
初めてのセルフカバー曲も
――続いて「わがままでいたい」。
雅功 だいぶ昔の曲で。
彪我 これがアルバムの中では一番昔?
雅功 多分。
彪我 「わがままでいたい」は、ライブでやるの好きなんですよ。ライブでやりたがっちゃう。
雅功 この曲を作ったときの記憶があんまりなくて。
彪我 僕もないんですよね。
雅功 このころ、コロナか。
彪我 そうそう。本当にメッセージ上で文面のやり取りで。
雅功 そうだよね。
そんなにがっつり記憶があるわけじゃないですけど、ライブでやるのは楽しい曲ではありますし。コロナ禍だからこその曲ではある。
彪我 そこですよね、「わがままでいたい」は。コロナ禍でなかなかやりたいことができないことが続いたからこそ、響く曲なのかなと。
――そうですね、2021年と言うと、一番大変だった時期というか。
雅功 ライブも結構中止になったり。
「わがままでいたい」は中でも、メッセージ性はあるんですけど、ライブでやるときは、あまり考えすぎなくていい曲なので、そういう意味では軽い曲なのでいいな、と思います。
今回、全体的にメッセージ性もあったりするので、こういう曲が1曲あるだけで、重くなりすぎなくていいですね。
――「コトノハ」はM!LKさんに楽曲提供したものをセルフカバーで。
雅功 そうです、初めての楽曲提供で。これもギリギリまで入れるかどうか迷ったんですよ。
彪我 入れちゃいましたね。
雅功 セルフカバーが恥ずかしいというか。M!LKの曲だしな、という気持ちもあったんですけど、M!LKのスタッフの方も快く言ってくれたので、初めて楽曲提供をやらせてもらえたし、記念に、ということで入れてみました。
でも、レコーディングをしてみて、やっぱりM!LKの曲だな、とは思いましたね。
M!LKに書いているから、余計そう思うんですけど、やっぱりM!LKのことを歌っている曲なので。
彪我 レコーディングは不思議な緊張感がありましたね。「ここ、佐野くんが歌ってたな」とか。
雅功 そう!
本人たちのレコーディングにも立ち会わせてもらったんですけど、本人たちは僕が歌っていた仮歌を頭の中で流しながら歌ってた、って言っていたんです。けど、逆に僕らはM!LKを頭で流しながら歌っていましたね(笑)。
――また少し異色な感じなんですね。
雅功 そうですね。アレンジはM!LKや僕らの曲も多くやってくれてる園田健太郎さんでして。作ったときにセルフでやるなら、園田さんかな、と思っていたんですけど、さすがの一言でした。関係値も一番古い方で、曲作りも教えてもらっているのでコミュニケーションが取りやすかったですし、期待以上の仕上がりでした。
これからのさくらしめじの楽曲は8分の6拍子ばっかりになる!?
――そして先ほども少しお話が出ましたが「なるため」について。あえて彪我さんからお聞かせいただけますか?
彪我 曲調は明るいけど、歌詞の世界はわりと暗いというか。
雅功 暗いかなあ(苦笑い)。
彪我 暗いというかすごく心の中の深いところを書いてる感じがして。でもそれが田中さんの味が出ていて、好きな曲です。
雅功 ありがとうございます。
反動じゃないですけど、曲調はめっちゃ狙って作ったので、反抗心が出たんでしょうね。歌詞はポップにしたくないな、みたいな。好き勝手に書きました。
――メロディーから来る歌詞のイメージとは少し違いますよね。
雅功 最近、よく陽キャだって言われるんですけど、根は暗いんです。陰キャなので(笑)。
――「辛夷のつぼみ」は前回インタビューでもたっぷりお聞きしたので一言ずつだけいただけますか。
雅功 ずっと愛されてたら嬉しいですね。
彪我 そうですね。
制作した経緯的にも、思い入れがある曲なので、それも含めて、皆さんの心に残る曲になっていただけたら。
――最後、「花びら、始まりを告げて」はおふたりで作られた曲です。
雅功 最初のデモが彪我で。これも、8分の6拍子のJ-POPを作ろうっていう、また狙った曲というか。彼は上手なんでしょうね、きっと。デモの段階で86ですごくいいよな、と思う曲を作ってきたので、そこに手を加えて、という感じでした。
彪我 そのときはなにかミッションのような感じで、「ちょっと変わった拍子の曲ってそういえばさくらしめじないね」というところから始まって作った曲なんですけど、意外とこのノリすごい僕好きだな、と思いました。これからのさくらしめじ、もしかすると8分の6拍子ばっかりになるかもれしない。
雅功 ははは! また? って。
彪我 でも新鮮な曲になったなって、思います。ライブでやっていても、この曲を歌うときだけちょっと気持ちが変わる感じがして。
披露するのも聴くのも好きな曲です。
――全体を通してお話をお聞きしても、やっぱりバラエティーに富んでいますね。
雅功 ですね。びっくりしちゃいますよね。お得用です。
――まさに名刺ってさっきおっしゃいましたけど。
彪我 そうですね、本当に今のさくらしめじを知りたいなら、このアルバムを聴け!って押し売りしたいですね。
頭の中は仕事のことでいっぱい!?
――さくらしめじの「今」の音楽についてお聞きしたので、次はおふたりのプライベートの頭の中もちょっと教えていただけたらと思います。
雅功 頭の中ですか? とんでもないことになってますよ。めちゃくちゃですよ(笑)。
――それはそれでお聞きしたい!(笑)。
100%のうち、お仕事が例えば70%だったらあとの30%は何考えているのか、について教えていただきたいです。
可能性として10割仕事もあり得るんじゃないかなとは思ったんですけど……。
雅功 俺、最近プライベート何してるっけ?
彪我 ……酒?
雅功 いやいや、酒豪じゃないのよ(笑)。
まあまあ、まあまあなんですけど。
――仕事とお酒だけだったらちょっと心配になってしまいすが(笑)。
彪我 ははは!
雅功 いや、お酒というより友達といるのが好きなだけなんで。
――お友達とどんな話をされるんですか?
雅功 「ワンピース」の話ですね!
……あ、でもマンガはかなり占めてますね。マンガ10%。90%は仕事(笑)。
どうしよう、普通に音楽を聴いていても仕事になっちゃうし。
彪我 わかる! そう!
僕は最近ちょっとX(旧Twitter)をチェックするように。
雅功 いま韻踏んだ?
彪我 いや、「X」と「チェックする」で踏んでないから(笑)。
すごく今更なんですけど、トレンド機能ってすごいな、と思って。
雅功 あははは!
――今!
彪我 流行が一瞬でわかるんですよね。その瞬間の流行りが、全部並べられてて。僕、単語から曲を作るのが好きで。
雅功 それ仕事じゃない? 大丈夫?
彪我 あれ!?(笑)
雅功 難しいよねぇ。
彪我 でも、そういう知らない単語を見る機会かな、って。
じゃあ、Xのトレンドが10%。
雅功 結構だね!
彪我 割と最近ずっと見ちゃうんだよね。
雅功 へえー!
あ! 散歩! なんか、詰まったら、歩きに行きますね。近所とか。
彪我 あと芸人さんのYouTube。10%。時間があればずっとジャルジャルさん観てます。
雅功 そうだ、お笑い共通だ。僕もお笑い10%。
――好きな芸人さんも同じなんですか?
雅功 一番は?って聞かれたら和牛さんですね。
多分、彪我がコント派で、僕が漫才派。
彪我 あー、そうかも!
最近、あのシュールなのがすごい刺さってます。
――こんな感じですかね。
雅功 7割仕事で(笑)。
彪我 8割仕事だ!
雅功 そうだよね、彪我のほうが絶対、仕事の割合が多い。
――結局仕事に繋がっちゃうことになるんですよね。YouTubeもMCとかにヒントになりそう。
雅功 絶対俺よりYouTubeを見てるよね。
彪我 YouTubeはめっちゃ見ますね。でもまだ絶対にほかにもある。
――ファッションとかは?
彪我 あ、ありますね。Amazonで買い物!
雅功 全部、画面観てるじゃん(笑)。
彪我 やば! 確かに(笑)。
――最後に来年10周年ということで、さくらしめじのこれから、「ゆくえ」についてどう思い浮かべているかお聞かせください。
雅功 面白いことはいっぱいしたいな、と思っています。歌をいっぱい歌いたいし、歌をいっぱい聴いてもらいたいな、と。やっぱり歌を歌うのが一番好きだし、一番の仕事だし、なんだかんだそこが全てかな。この仕事以外の30%を捨ててもそれがひとつあればいいかな、というぐらいなので。
あとは2人でずっとやりたいな、とは思っていますね。いい曲をいっぱい作りたいなと思います。
彪我 もちろんこの「ゆくえ」を広めていく年にしていきたいですし、何よりもこれからもどんどん自分たちが作れる、できる限りの表現を届けていきたいという想いもあります。みなさんの行き先、「ゆくえ」になれるアーティストを目指して、活動していきます。
雅功 かっこいいこと言った(笑)。
彪我 ははは!
取材・文:ふくだりょうこ 撮影:友野雄
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