音楽史に燦然と輝く“4大ギター協奏曲”を一挙に制覇
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ギターの世界において「協奏曲」といえば、ロドリーゴの『アランフェス協奏曲』が圧倒的に有名だ。もちろん『アランフェス協奏曲』は、人の心を魅了する名旋律をもった名曲中の名曲なのだが、他にもギターのための素晴らしい協奏曲が存在する。それを知らずに過ごすのはあまりにももったいない。ぜひ体験する機会を持ちたいものだ。と常々思っていたところに実現したのが、益田正洋×4大ギター協奏曲」公演だ。
同公演においては、なんと一夜のステージの中で、ジュリアーニ、ヴィラ=ロボス、ポンセ、ロドリーゴによる“4大ギター協奏曲”を一挙に楽しめるのだから素晴らしい(ピアノ伴奏版)。しかも今回使用する楽器(ギター)が、“ギター界のレジェンド”アンドレス・セゴビア(1893-1987)の愛奏楽器「ハウザー1世(1936年)」というのも凄すぎだ。
ギターの歴史に燦然と輝くこれらの名曲を、伝説の名器で楽しむ時間は、ギターの魅力を紐解く新たな1ページとなりそうだ。これはギターファンならずとも見逃せない。
●益田正洋より〜公演に寄せて〜
2023年も、クラシック音楽及びギターの魅力を届けるべく意欲的に活動をしてまいりました。そんな1年の締めくくりに、「益田正洋×4大ギター協奏曲 音楽史に燦然と輝く”4大ギター協奏曲”を一挙に演奏」と題したコンサートを開催いたします。共演者には旧知のピアニスト大室晃子さんを迎え、あのA.セゴビアが実際に愛奏した名器ハウザー1世(1936)を使用して演奏します。
ギター協奏曲といえば、ロドリーゴの『アランフェス協奏曲』が思い浮かびますが、今回はあえてそれ以外の20世紀に生み出された数多くの名作に光を当てます。ロドリーゴのもう一つの出世作である『ある貴神のための幻想曲』を筆頭に、セゴビアの委嘱によって書かれたポンセやヴィラロボスの作品。さらには、音楽史上初めて書かれた本格的なギター協奏曲であるジュリアーニの第1番を選曲しました。日本はおろか、世界中を見渡してみても演奏機会の少ないこれらの作品を一挙に演奏する貴重な機会をぜひお楽しみください。(益田正洋)
益田正洋×4大ギター協奏曲
12月16日(土) 14時開演
トーキョーコンサーツ・ラボ
出演:
益田正洋(ギター)
大室晃子(ピアノ)
プログラム:
M・ジュリアーニ:ギター協奏曲第1番 イ長調Op.30
H・ヴィラ=ロボス:ギターと小管弦楽のための協奏曲
M・M・ポンセ:南の協奏曲
J・ロドリーゴ:ある貴紳のための幻想曲
●益田正洋(ギター)
第21回クラシカルギターコンクールにて史上最年少にて優勝して一躍注目を集める。以後、バロックから現代に及ぶ幅広いレパートリーに取り組み、他楽器との共演による評価も高く、発表したCDはすでに30枚を超えている。
2001年にはロドリーゴ生誕100周年記念コンサートの@リンカーンセンター(ニューヨーク)にて海外デビュー。アランフェス協奏曲(J.デプリースト指揮、ジュリアード・シンフォニー)を好演。優れた若手演奏家をフィーチャーする(財)東京オペラシティ主催のリサイタルシリーズ「B→C(ビートゥーシー|バッハからコンテンポラリーへ)」やレクサス・コンサートin東京藝大2018、ディズニー・オン・クラシック日本ツアー等にゲストとして招聘され、2012年秋には世界的なギター製作家J.L.ロマニリョス氏に招かれスペインツアーを行い、マドリッド王立音楽院でのリサイタルは絶賛される。
長崎県・長崎市出身で幼少よりギターを始める。一方で長崎大学経済学部卒業という異色の経歴も持ち合わせており、ギター専門誌「月刊現代ギター」での連載、全国各地で開講されている公開レッスン、そしてクラシック音楽普及のためのアウトリーチ活動では、音楽に留まらない幅広い見識により、多くの人達の共感や支持を集めている。
近年では、美術史家の川瀬佑介氏とのコラボレーション「音楽と美術を楽しむコンサート “ギターと絵画の交わるところ」、「バッハの名作・無伴奏チェロ組曲全6曲をクラシックギター名器6本で奏でるコンサート」「4大ギター協奏曲のゆうべ」などのクラシック演奏会の新しい価値、楽しみ方を提示する斬新なプロジェクトを全国各地で開催し、レコード芸術誌、読売新聞、東京新聞、婦人公論など各メディアから注目を集め、日本を代表する実力派ギタリストとして、ますます意欲的な活動を続けている。