10歳から30代までの若手アーティストたちによる新作やインスタレーションを展示『MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ』12月2日より開催
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荒井美波《太宰治『人間失格』》2012 Photo by Sho Sato
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すべて見る東京・江東区の木場公園にある東京都現代美術館(MOT)は、1999年より、若手作家の作品を中心に現代美術の一側面をとらえ、問いかけや議論を引き出すグループ展『MOTアニュアル』を開催してきた。その19回目となる展覧会が、12月2日(土)から2024年3月3日(日)まで同館で開催される。
今回のテーマは、アーティストの創造力や手仕事による「創造」と、例えば人工知能などが自動的に生み出す「生成」との「あいだ」について考えることだという。近年、社会的に注目を集めるNFT(非代替性トークン/代替不可能なデジタルデータ)や人工生命、生命科学なども、この「生成」に関わるものだ。
1990年代頃から広く認識されはじめたメディアアートは今も拡張を続け、復元やアーカイブ化による再検証や歴史化が過渡期を迎えている。一方、昨今では、ビッグデータやAI、機械学習を用いた作品が、国際展やコンペティションにも現れるようになった。アーティスト自身の繊細な手仕事によって成立する作品であっても、その根底には現在の情報処理の概念が存在しうる。
こうした状況を背景として「創造と生成」の両方を見つめる同展は、テクノロジーを用いながらも造形的な語彙によってアイデアをかたちにし、観る者の想像力を掻き立てようとする作家の試みに着目するものだ。「創造と生成」の両域にまたがって活動する10歳から30代までの11組の若手アーティストたちによる新作や、同展に合わせたインスタレーションと資料約50点が登場する。テクノロジーを用いつつも、必ずしも「最先端」を追うものではないというその多様な作品からは、表現領域の拡がりや複数領域を横断する表現も見ることができる。
同展ではまた、実際のものとしての作品展示に限らず、デジタル上に拡がるメタバースや空間アーカイブなどを視野に入れた事業やイベントも展開予定だ。これらの試みを通して、これまで対立的にとらえられがちだった「創造と生成」「アナログとデジタル」のありようを見直そうとする同展は、その両者のあいだに生まれるシナジー(相乗効果)を見つめ、私たちの知覚の拡がりを問いかけることを目的としているという。「生成」が社会全般で現実味をもった今、ともにその「シナジー」について考えたい展覧会だ。
<開催情報>
『MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ』
会期:2023年12月2日(土)~2024年3月3日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室3階 ほか
時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:月曜(1月8日、2月12日は開館)、12月28日(水)~1月1日(月・祝)、1月9日(火)、2月13日(火))
料金:一般1,300円、大学・65歳以上900円、高中500円)
公式サイト:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-annual-2023/
公式サイト:
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-annual-2023/
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