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GAKU-MC、トランペットで「この素晴らしき世界」カバー ツアー『一期一会』東京公演【ライブレポート】

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GAKU-MC LIVE TOUR 2023 『一期一会』12月10日 LDH kitchen THE TOKYO HANEDA Photo:Daisuke Sugimura

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5都市を巡る全国ツアー『一期一会』を展開中のラッパーGAKU-MC。その東京公演が12月10日(日)、東京・LDH kitchen THE TOKYO HANEDAで開催された。暖かで力強いメッセージに貫かれたラップと、ヒップホップを根本に置きながら、バンド隊とともにロック、ジャズ、弾き語りなど、バラエティに富んだサウンドアレンジで魅せたライブを振り返る。

東京公演のライブが行われた、羽田空港の第1ターミナル5階にあるLDH kitchen THE TOKYO HANEDAは、カジュアルさとシックさを併せ持ったレストランとステージ、そして広く取られた窓からは空港が一望できるロケーションが印象的なスペースだ。オーディエンスはこの日のスペシャルメニューである「GAKU-MC スペシャルバーガープレート」などの食事やアルコールを思い思いに楽しみながら、この特別な日の開演を待つ。

ステージ上のスクリーンに「ARE YOU READY?」という文字が浮かび、この日のバンドメンバーであるシュウゴ(Ds)、ヤノアツシ(Ba)、Naka-Chang(Key)、そしてホストであるGAKU-MCが、観客の拍手に背中を押されるように登場。

「今日はのっけから盛り上がって行きましょう! 座ってる場合じゃないよ!」と観客に呼びかけ、ライブは「解放」からスタート。「解放!」というフックでは観客すべてが手を上げ、会場の空気は熱を帯びていく。

その上がった手を導くように「挙手」に展開。高速ラップとアグレッシブなバンドの演奏のコラボレーションから感じるダイナミックさは、GAKU-MCの現在の、そしてこのツアーの音楽的アプローチを如実に示していた。

「見てくださいよジャンボジェット! 旅好きな僕は気もそぞろです」とMCでおどけるGAKU-MC。アーティストとしてのアイデンティティを高らかに歌い上げる「all you need is rap」では、「(大切なものは)僕にとってのそれはみなさんとのライブの時間!」と観客に曲中で伝える。

そのまま「新しい曲から懐かしい曲までやります」との宣言に続いて1999年リリースの「クロール」。スクリーンに映る当時のMVを見ながら、「若いな」と話すが、「Do Ya best」などのリリックの合唱など、その普遍的なメッセージの強さは、時間を経ても変わらずにリスナーに響いていることを証明した。

MCではビールを掲げ、会場と乾杯するGAKU-MCとバンドメンバー。そして「シアワセの昼ビール」「baby in car」と、家族愛をテーマにした楽曲を連続して丁寧に歌い上げる。

続くパートは未発表曲のコーナー。腕を骨折した際に制作し、セルフカメラで撮った入院風景を使ったMVも自ら制作した「骨」は、「逆境って燃えませんか。最大のピンチこそがチャンスだ」と、ポジティブなマインドが印象に残る。

一昨年に刊行された著書と連動した「人生にキャンピングカーを」に続き、このツアーで初披露となる「そしていつか風になれ」。青春の悩みとアドバイスを、アップテンポな楽曲にパッケージした1曲に、自然と手拍子が起こる。

スクリーンには息子(チビMC)と共に旅した、ピースボートに乗船した3週間のクルーズの模様が映し出される。中東やアフリカ北部を巡った旅路について、「航路が紛争地帯の近くも通り、船長はウクライナ出身。船内や旅は本当に楽しかったけど、同時に世界について様々なことを考えた」とも語る。

そのままギターを携え「月が綺麗です」「ナクスコトデシカ」の2曲を弾き語りで静かに、しかし心に響くように強く歌った。

再びバンド隊が登場し、ドラムブレイクに導かれるように「ハタラコウ」。「さあハタラコウ、ハタラコウ……」「やめられねぇ」のコール&レスポンスで、会場の熱気は再び高まっていく。

「もしもラッパーじゃなかったなら」には、楽曲中にEAST END×YURI「DA.YO.NE」「MAICCA~まいっか」、ウカスカジー「勝利の笑みを 君と」と彼の音楽的キャリアがマッシュアップされ、その構成も印象に強く残る。

GAKU-MCのカッティングギターとバンドのセッション、そしてオーディエンスのジェスチャーによって会場が一体となった「昨日のNo, 明日のYes」から、「名残惜しいが最後の曲です!」とのアナウンスに続いて「グッジョブ」で、ライブは一旦終了。

アンコールではトランペットを携えて登場したGAKU-MC。「ラッパーがラッパを吹いたら面白くないですか?というところから始めました。自信はまだないので、ちょっと飛行機を見といてください」と予防線(?)を張って、ルイ・アームストロング「この素晴らしき世界」を、バンドとともにカバー。味のある演奏で穏やかな空気が会場に流れる。

続く「LIFE IS A JOURNEY」でもトランペットを吹き、新しいチャレンジを肯定する楽曲のメッセージ性と、新しい楽器に挑戦するGAKU-MCの姿とがリンクし、その言葉とスタンスに深みが増していった。

「大切なお知らせです」という言葉に続き、スクリーンには「25」の文字が現れ、2024年にソロデビューから25周年を迎えること、その皮切りとして東京・COTTON CLUBにて『GAKU-MC Live at 丸の内 大人のラップの世界へようこそ vol.3』が開催されること、そしてゲストには市井由理(EAST END×YURIのYURI)が登場することがアナウンスされ、会場からは大きな拍手が上がる。GAKU-MCも「この日じゃないとできない曲をやろうと思ってます」とコメントした。

「一期一会といえば自分にとってはこの曲じゃないかなと。今日は本当にありがとう!」と呼びかけ、ラストは「今日からみんなともだち」。フックの大合唱で、この日のライブは大団円を迎えた。

ソロデビュー当時の曲から最新の楽曲まで幅広く披露し、そのキャリアの確かさを、そして常に通底するポジティブなメッセージと、リスナーを勇気づけ人間そのものを肯定するようなラップ、新たなチャレンジの大切さを感じさせるライブは、こうして幕を閉じた。

Text:高木"JET"晋一郎 Photo:Daisuke Sugimura

<ライブ情報>
『GAKU-MC Live at 丸の内 大人のラップの世界へようこそ vol.3』

2024年2月3日(土)
1st:開場 15:00 / 開演 16:00
2nd:開場 17:30 / 開演 18:30
会場:東京・COTTON CLUB
スペシャルゲスト:市井由理(EAST END×YURI)

※1部、2部ともに出演

GAKU-MC オフィシャルHP:
http://www.gaku-mc.net

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