『GOSANKE 2024』開催決定 JIGDRESS×シンガーズハイ×ジュウ ボーカル鼎談「信念を見ていただきたい」
音楽
インタビュー
左から)山崎大樹(JIGDRESS)、内山ショート(シンガーズハイ)、髙浪凌(ジュウ) (Photo:山本佳代子)
続きを読むフォトギャラリー(19件)
すべて見るJIGDRESS(ジグドレス)、シンガーズハイ、ジュウ。現在のバンドシーンで強い存在感を放っている3バンドによるイベント『GOSANKE 2024』が2024年2月23日(金・祝)、渋谷Spotify O-Crestで開催される。
このイベントは、2022年2月に行われた東名阪ツアー『GOSANKE 2022』以来、2度目。互いに刺激を与え合っている3バンドの共演は、今回も予想を超えた化学反応を生み出すことになりそうだ。
イベントに先がけ、JIGDRESSの山崎大樹(Vo/Gt)、シンガーズハイの内山ショート(Gt/Vo)、ジュウの髙浪凌(Gt/Vo)によるボーカリスト鼎談を実施。3バンドの関係性、それぞれの音楽的志向、イベント『GOSANKE 2024』への意気込みなどについて聞いた。
――まずはJIGDRESS、シンガーズハイ、ジュウの関係について聞かせてもらえますか?
髙浪 ここ(と山崎を指さす)と俺はかなり長いですね。お互いに別のバンド名でやってたときから知り合いなので。
山崎 そうそう。
髙浪 その頃はあまりしゃべらなかったんですけど(笑)。
山崎 いけすかない感じだったからね、お互い(笑)。
髙浪 性格が悪そうに見えてたのかも。シンガーズハイと絡むようになってからですね、距離が近くなったのは。
内山 そうなのかな? 凌くんは最初、自分たちのMV撮影を手伝ってくれたときに知り合ったんですよ。
髙浪 「グッドバイ」(シンガーズハイ)だね。MV監督の人と知り合いで、バイトで雇ってもらって(笑)。
内山 それが3~4年前かな。そのときにジュウの音源を聴かせてもらって。シンガーズハイが新代田FEVERでやった自主企画にも出てもらったんですよ。JIGDRESSとも知り合いだったし、どちらも好きなバンドでした。
髙浪 シンガーズハイはそのとき既に完成されてる感じがありましたね。
内山 いやいや、そんなことはないです。これは僕のイメージですけど、下北沢のバンドマンは根が暗い気がするんですよ(笑)。凌くんはそうじゃなくて、すごくパンチが効いてて。曲の作り方も特異で、譜割りとかも面白いんですよね。たぶんヒップホップのやり方をロックに落とし込んでるんだと思うんですけど。
髙浪 ありがとう。ウチのメンバーにも「シンガーズハイ、早く知り合っておいたほうがいいよ」とか言ってました(笑)。JIGDRESSは“面倒を見てもらってる”バンドという感じがあって。
山崎 そうなんだ(笑)。
髙浪 今のドラム(遠藤貴義)が正式加入する前は、JIGDRESSのヤマグチハヤトさん(Ds)に手伝ってもらったり。バンドの(音楽性の)印象とは全然違う、温かい人たちです。メンバー同士でケンカしたときも、大樹さんに話したりするし。
山崎 むしろ話してくれてありがたいけどね。
――内山さんはJIGDRESSに対してどんな印象がありました?
内山 JIGDRESSのギターのイノセという男の一方的なファンだったんですよ。ずっと仲良くなりたいと思ってたんですけど、あるとき、下北沢で飲むことになって。そこに大樹さんもいて……ちょうどJIGDRESSをはじめるタイミングですよね?
山崎 うん。2020年の年末か、2021年の始めかな。
内山 あとはとにかく曲が好きです。ファンですね。
――JIGDRESSの曲には90年代のオルタナのテイストがかなりあると思うんですが、山崎さん自身もそのあたりがルーツなんですか?
山崎 友達が好きだったバンドを聴くようになったのがきっかけなんですけど、最初はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTなんですよ。ミッシェルだけを聴いていて、その後、90年代の洋楽にいって。さらに掘っていって、The Beatlesを聴いて、ロバート・ジョソンあたりから戻ってきて、2000年代の音楽を聴くようになって。ART-SCHOOLを知って、日本のバンドも聴きはじめた感じですね。
――なるほど。高波さん、内山さんのルーツは?
髙浪 現代っ子の聴き方というか、何でも聴いてますね。日本のチャートも海外のチャートもそうだし、クラブ(ミュージック)も好きで。もともとはヒップホップがやりたかったんですけど、「自分ができることをやるべきだな」と思ってバンドを始めました。何て言うか、カッコつけてる人が好きなんですよね。無理してカッコつけてる人はポジティブだと思うし、それは自分のネガティブな部分に逆らってるんじゃないかなと。なので自分もカッコつけようと思ってます(笑)。
内山 僕も凌くんと似ていて、いろんな音楽を聴いてましたね。ボーカロイドにハマったこともあるんですけど、とにかくメロディがいいものが好きなんですよ。そこを充たしていれば、どんなジャンルでもいいというか。なので自分でもいろんなことをやりたくなっちゃうんです。技術的にやれることは限られているので、ひとつひとつかみ砕いて、形にしていこうと思っていて。最近はジュウのドラムの貴義の影響でヒップホップを聴くようになったり、半年前くらいからようやくNIRVANAを聴いたりしていて。勉強中です。
髙浪 ……音楽の話、初めてしたんじゃない? たまにショートとアニソンの話とかするけど。
内山 そうだね(笑)。
山崎 音楽の話はしないけど、お互いに好きなものがあるんだろうなというのは何となくわかってて。もし誰かが「知らないの?」みたいにマウントを取ったりしてたら、仲良くなってないと思う。
髙浪 普段は身のない話ばっかりしてるんで(笑)。
――それぞれの新作についても聞かせてください。ジュウは7月に2nd EP『ハードロマンチッカー』をリリース。リード曲「暴力」、強烈ですね。
内山 「暴力」ってタイトルの曲を出すバンド、すごいですよね。
髙浪 負けたくないっていう(笑)。ライブで勝てなくても、ケンカで勝てばいいんじゃないかみたいな気持ちもあるんで。
内山 令和のツッパリ精神だね。
――ポジティブな暴力性というか、何が何でも勝つという姿勢はバンドにとってめちゃくちゃ大事だと思います。
髙浪 メンバーともよくケンカするんですよ。イライラしてるヤツがいたら、「ライブでかかってこいよ」って思うし、最後は演奏でケリを付けるしかない。それができなくなったら、バンドは終わりなんで。……で、大樹さんに迷惑をかけてるんですけど。
山崎 そんなことないよ(笑)。
内山 すごく風通しいがいいバンドだよね。
髙浪 意見なんてまとまらないですからね。ライブの場で解決できたらいいなと思って、何かとするだけというか。
――そしてシンガーズハイは、11月に1stフルアルバム『SINGER'S HIGH』をリリース。記念すべき初のフルアルバムですね。
内山 そうなんですよ。
髙浪 それこそヒップホップっぽい曲もあるよね。
内山 ちょっと入ってるかも。前よりもビートを作り込むようになったし、逆にギターをかき鳴らす曲にも振り切れるようになって。できることの幅が広がってきた感じはあります。もうすでに新しい曲を作りたくて、この前も1曲レコーディングしたんですけどね。
髙浪 すごいな。
――JIGDRESSは7月に1stシングル「let down」、9月に配信シングル「snap」を発表。現在も制作を続けているそうですね。
山崎 来年の春先にアルバムを出そうと思っているんです。
髙浪 そうなんですね! みんなアルバム出すな……。
山崎 マジできついぜ(笑)。俺、たまにいなくなりたくなるよ。
内山 アルバム作ると、身を削る感じがあるんじゃないですか?
山崎 そうそう。自分のなかのフィルターがもっと厚くなって、こされてこされて、何も残らなくなるような感じがあって。
髙浪 そういう話を聞くと、自分たちにはできない気がする(笑)。俺らはEPだけでいいな。
内山 1枚通して聴きやすいし、時代に適してるからね。
髙浪 そう、アルバム単位ではなかなか聴いてもらえないというか。
山崎 今は曲単位で聴かれることが多いから、たとえば12曲入ったアルバムを作ろうとしたら、「全部リード曲にする」みたいな脳になっちゃうんだよね。でも、自分が好きなバンドのアルバムを聴いてると、言い方は良くないけど、めっちゃ抜いた曲とかもあって。それがすごく良かったりするし、「どっちがいいんだろう?」っていう葛藤もありますね。
内山 僕は何でもかんでもやりたがりだから、(アルバム制作のときは)1個ずつ穴埋めをしていくように作っていくんですよ。「次はどんな曲が必要だろう?」と考えて作っていくのはおもしろいけど、やっぱり疲れます(笑)。
髙浪 ……今度作り方教えて(笑)。
――JIGDRESS、シンガーズハイ、ジュウは2022年2月に東名阪ツアー『GOSANKE 2022』を開催。きっかけは何だったんですか?
内山 最初は大樹さんかな。
山崎 うん。俺ら、一緒にライブをやってくれるバンドがぜんぜんいなくて。2021年はこの2組(シンガーズハイ、ジュウ)と対バンを繰り返してたんですよ。で、確か凌くんに「一緒にツアー回ったらよくない?」って言ったんじゃないかな。
内山 ウチのツアーで横浜のF.A.Dに出てもらたっときの打ち上げでも「一緒にやらない?」って話してましたよね。
髙浪 そうだね。
内山 下北沢界隈のバンドマンは、そんなにつるまない印象もあって。あえて徒党を組むのも面白いかもしれないと思ったんですよね。
山崎 3バンドとも、ちょっとずつ違うところもいいんですよ。
内山 同じような感じのバンドだったら、一緒にやっても新しいものを生めない気がする。
山崎 うん。最初はそこまで違うとは思ってなかったんだけど、じつは角度が少し違っていて。それぞれの方向で進んで、気づいたらめちゃくちゃ違っていた感じです。
――『GOSANKE 2022』で印象に残っていることは?
山崎 ジュウはケンカしてたよね。
髙浪 アンコールをやるかやらないで揉めて(笑)。
山崎 新代田FEVERのときは俺らがケンカしてたんですけどね(笑)。確かFEVERは、お客さんがきっちり三等分だったんですよ、3バンドで。
髙浪 あれはよかった。お客さんからの期待も感じたし、こっちも「応えよう」と思ってたので。
内山 あのときは気合いが入り過ぎて、空回りしてたところがあったかも。自分が先走り過ぎて、何喋ってるのかわからなくなったり。さっき凌くんが言ってた(“カッコつけたい”)こととは逆で、カッコつかないのが僕なのかなと。それはもう受け入れるしかないのかなと。そういうバンドであろうとしているところはありますね、最近。
髙浪 そうなんだ。
内山 あと、この3バンドが揃うと楽屋の居心地がいい(笑)。ライブのときもしょっぱなからテンションが高くて、ウワーッといっちゃいがちなんだけど、それも『GOSANKE』ならではなのかなと。名古屋の栄Party'zのときはJIGDRESSのイセノさんが泣き出しちゃって、それをみんなで温かく見守って。
山崎 あったね(笑)。
髙浪 泣いた後、客を煽るっていう(笑)。同じメンツで3公演も連続でやると、いろいろあって楽しいですね。
――2024年2月の『GOSANKE 2024』はどんなイベントにしたいと思ってますか?
内山 各バンド、考えることは同じなんじゃないかな。
山崎 そうかもね。仲はいいんだけど、だからって「最後、みんなで一緒に歌おう」みたいなことにはならないと思います(笑)。三者三様、ここ数年で培ってきたものを100出すために務めるというか。全員が一生懸命だから雰囲気がいい、というイベントになるんじゃないかなと。
内山 うん。『GOSANKE』という名前のきっかけはポケモンなんですよ。ポケモンって、3匹のポケモンのなかから相棒にする1匹を選ぶところから始まるんですけど、ゲームのなかで他のポケモンと一緒にいるライバルと出くわすんです。冒険が進めば進むほど相手も強くなるし、こっちも成長していて。次の『GOSANKE』はその2回目になるんじゃないかなと。
山崎 上手い(笑)。
内山 ありがとうございます(笑)。それぞれが新しい武器を手にしているし、もともと持っていたものもさらに磨いて。今の自分たちを見せ合う場になると思います。
髙浪 ふたりが話してくれた通りですね。僕らはいつも何かにブチ切れながらライブしてるんですけど、この2組と一緒なら自然と楽しくいられるので。大樹くんが言った通り、一生懸命やることで雰囲気が良くなって、みんなで笑える日になったらいいなと思います。
――イベントを楽しみにしているオーディエンスに対しては?
髙浪 喜んでほしい。その一言です。
内山 前回の『GOSANKE』のときも、この3バンドが一緒にやることを楽しみにしてくれてたお客さんがいて。その人たちにも来てほしいし、新たに知ってくれた人も巻き込んでいきたいです。
山崎 これは自分の目標でもあるんですけど、信念を見ていただきたいです。以上です!
Text:森朋之 Photo:山本佳代子
ぴあアプリ限定!
アプリで応募プレゼント
※受付は終了いたしました。
【応募方法】
1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。
こちらからもダウンロードできます
2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!
<公演情報>
『GOSANKE 2024』
日程:2024年2月23日(金・祝)Open 18:30 / Start 19:00
会場:渋谷Spotify O-Crest
出演:JIGDRESS/シンガーズハイ/ジュウ
チケット:前売4,000円 ※入場時ドリンク代が必要
★12月26日(火) 23:59まで先行受付実施中!
https://w.pia.jp/t/gosanke2024/
関連リンク
JIGDRESS:
http://jigdress.tokyo/
シンガーズハイ:
https://www.singershigh.jp/
フォトギャラリー(19件)
すべて見る