ダークファンタジー小説『咎人の刻印』舞台化第2弾が決定!主演・松田昇大×新キャスト・彩凪翔スペシャル対談
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左から松田昇大さん、彩凪翔さん (撮影:浅水美保)
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すべて見る令和の切り裂きジャックと呼ばれる殺人鬼・神無と、弟殺しの疑惑を持つ吸血鬼・御影がバディを組んで罪人たちと異能バトルを繰り広げる蒼月海里原作の人気小説『咎人の刻印』。今年2月、待望の舞台化が実現し、神無役には舞台初主演を務める松田昇大、御影役には舞台初出演となる赤羽流河が抜擢され、フレッシュなW主演が話題を呼んだ。
その後、9月には原作小説の第6巻、コミカライズ第2巻が発売され、ますます人気に拍車がかかり、早くも舞台化の第2弾が決定。来年1月18日〜28日に、紀伊國屋ホールにて、舞台「咎人の刻印〜レミニセンス〜」が、上演されることが発表された。
舞台化第2弾を記念して、主役の神無を演じる松田昇大さんと、2作目から登場する新キャスト・蘭を演じる彩凪翔さんによるスペシャル対談をお届けしよう。
第一弾はプレッシャーの連続
乗り越えた今も「愛」が止まらない
――前回の公演から1年足らずで早くも第2弾が発表となりましたが、今のご心境は?
松田:純粋に嬉しいです。前作を観にきてくれた方や、原作の『咎人の刻印』が好きな方々の応援があったからこそ、第2弾が決まったと思っています。それと同じくらい、舞台「咎人の刻印」に携わっている全員が愛を持って取り組んでいたからこそ、次回作があるというのも言えます。

――初めての座長を経験し、手応えを感じていますか?
松田:手応えというよりは、当時は終わった安心感の方が強かったですね。自分が思っているよりもプレッシャーを感じていたようです。千秋楽が終わって(赤羽)流河の涙を見た時に、自分も「うわ〜」って感情が込み上げて…。そういうのも含めて次回作では、熱量は保ちつつもっと俯瞰して、力を抜いてできるところまで持っていけたらいいなと思っています。
――彩凪さんは第2弾からの参加になりますが、心境はいかがですか?
彩凪:初演を映像で拝見したのですが、キャストの皆さん、スタッフの皆さんを含め、関わった方みんなが大切にしてきた作品なのだなと、感じました。その想いを引き継いで参加できたらと思っています。
――お二人は舞台「HELI-X」で共演をされていますが、改めてお互いの印象を教えてください
松田:実は、「HELI-X」では本番中の舞台裏でほんの少しわちゃっとしただけで、お稽古中も含めてあまりお話をするタイミングがなかったんです。なので、初めてお伝えするのですが、彩凪さんの初対面の印象は「かっこいい〜!」でしたね。かっこいい女性って周りにいなかったので、最初は近寄りがたいって思ってました。
彩凪:え? 本当!?
松田:でも、すぐに、ちょっと天然というか、お茶目な一面があることを知って「あ、絡みやすい人だな」って印象が変わったんですけどね(笑)
彩凪:それはよかった! 私は初めての舞台では緊張するんですけど、今回は昇大くんがいるので安心感がありましたね。確かに、HELI-Xではあまりお話はできませんでしたが、話しかけるとすぐに返してくれると知っていたので、安心感があって。ね、座長!
松田:座長か〜! 自分のことでいっぱいいっぱいになりそう。

彩凪:いいんですって。いろんな座長がいるんだから。後ろ姿を見てって人もいるしね!
――主役の神無は愛を求めるがゆえに、罪を重ねてしまった元殺人鬼。相方である吸血鬼の赤羽さんとの掛け合いもみどころでしたが、絆は深まりましたか?
松田:深まったと思います。本番が終わった後、流河が出演した舞台を観にいきました。でも、ゆっくり話せる機会は前作ぶりなんです。だから、今回はどんな御影になっているのかとても楽しみ。特に、期待しているのが御影の登場シーン。すっごく可愛いんですよ!
彩凪:私も前作の千秋楽のコメントを映像で見ていて、2人の絆を感じました。とても充実した時間を過ごしたんだろうなって。初主演と初舞台…本当に青春って感じで、それを見てるだけで泣きそうになっちゃった。フレッシュでいいなって。あと、2人を支えている周りの方たちの愛情も伝わってきて、特に時任役の中村誠治郎さんがお父さんみたいで(笑)
松田:そうかもしれないですね。誠治郎さんは感情表現がとても上手な方で、前回はたくさん学ばせてもらいました。だから本公演ではフレッシュ以外のところでも、力を発揮したいなと思います!
彩凪さん演じる新キャラの登場で
物語は一気にミステリアスな方向へ

――本作は原作にはない完全オリジナルのアナザーストーリーだそうですね。脚本を読んだ印象はいかがですか?
松田:原作は全て読んでいますが、本作は次の展開が簡単に読めないところが魅力だと感じました。新キャラクターも含めて、「この人、この後どうなってしまうんだろう〜」って興味が湧いて、気づくと惹き込まれているんです。咎人というのは、それぞれが罪を背負っているんですけど、1人1人の罪が明らかになって裏の顔を知った時「どんな人でも一言では語れない裏の部分を持っているんだ」と、考えされられましたね。

彩凪:被害者の復讐の話はよくありますけど、加害者の方が、その後の人生を苦しんでもがきながら頑張って生きている話というのは非常に珍しくて興味を惹かれました。私、ダークサイドのお話ってすごく好きなんです。しかも、異能を持っているというのも夢があって、私にとって魅力的な要素がいっぱい詰まっている作品だと感じました。
松田:しかも、今回はキャラクター同士の関係値が深まったことで、神無と御影のほんわかするシーンもあったりするんです。そういう前作とは違う一面も大事にしていきたいので、2人の関係性はもちろん、自分自身の中でも繋がりを大事にしたいと感じました。
――本作では「裏の顔」というのがキーポイントなのでしょうか?
彩凪:そう思います。私は記憶喪失の蘭という謎の女性の役で、記憶を取り戻すために神無と御影に依頼をするのですが、台本を読んで今、とても困惑しているんです。話の展開が予想外で「そっちか!」って驚いてしまって。お話は面白い分、演じるのは難しいでしょうね。だから、今回はこれまでの印象を封印するかもしれません。台本にも「……」が多いんですよ、もうどう演じたらいいか。

松田:演出の中島さんはあんまり気にしなくていいっておっしゃってましたけどね。確かにめちゃくちゃ「……」が多い(笑)
彩凪:そこが謎の「間」にならないように、皆さんに助けてもらうってことが多いかなって思います。
――これまでは引っ張っていく印象が強い彩凪さんの別の一面が見られるとなると、ファンの皆様も楽しみですね
彩凪:喜んでいただけると嬉しいですね。私自身もどう仕上がっていくのが楽しみなんです。それは神無くんとの掛け合いで変わってくると思いますので。
松田:そうですね。咎人の先輩としてだけではなく、役者としての成長もお見せできたらいいなと思います!
人間模様が絡み合う本作
原作を知らない初見の方でも問題なし

――では、改めて本作の見どころをお聞かせください
松田:原作とは違ったストーリー展開になっていますし、新キャラも出てきて、物語に深みが増していきます。後半になるまで結末の想像ができないのも魅力ですね。ファンタジー要素が強い一方で人間模様がしっかり描かれているのも魅力。それぞれのキャラクターの生き様を楽しみにして欲しいです。
彩凪:私が演じる蘭に神無が「咎人とは」と説明するシーンがあるのですが、その部分は初見の方への説明にもなっているので、原作を読んでいない方も前作の舞台を見ていない方でも分かりやすい内容になっていると思います。また神無くんの成長が、様々な経験してきた昇大くん自身ともリンクしていると感じました。さまざまな見どころがたくさん詰まっています!
松田:そう。いろんな楽しみ方ができるのも魅力です! 第2弾を観てから、1作目を見るのもいいんじゃないかな。神無と御影って最初はこんな感じなんだって、それも楽しいと思います。
――最後にメッセージをお願いします
松田:『咎人の刻印』を愛する皆様に。この作品は、ダークファンタジーではありますが、人とのつながりで変わっていく人間模様も楽しみの一つ。今回、初めての方も初演をご覧いただいた方も絶対に楽しめる内容になっていますので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います。よろしくお願いします。
彩凪:私がいただいた役は謎が多く、前半と後半である意味、2役を演じるような感じになり、とてもやりがいがある役に出会えたなと感じています。初演の方が作られた作品に対する熱量を受け継いでいきたいですし、蘭の優しさや、背負っている罪に寄り添いつつ頑張っていきたいと思っています!ミステリーとしても、各キャラクターの魅力も深まっていきますので、たくさん楽しんでくださいね。頑張ります!
松田:頑張りますっ!

共演経験もあることから、すでに信頼関係ができ上がっている二人。終始、和やかなムードで話が弾み、本作への期待と意気込みもストレートな言葉で聞かせてくれた。
舞台「咎人の刻印〜レミニセンス〜」は、2024年1月18日(木)〜1月28日(日)に東京都新宿の紀伊國屋ホールにて上演。チケットは販売中。
取材・写真・文:浅水美保
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