定番から話題作まで多彩なラインナップ 2024年注目のミュージカル公演
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昨年日本初演。この夏早くも再演が決定した『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』2024年版のメインビジュアル
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いよいよ2024年がスタート! 定番作品の再演から日本オリジナル作品まで、2024年に上演を予定している彩り豊かなミュージカル公演をご紹介します。
※本文内公演タイトル後ろのカッコ内は開幕月。
※ご紹介した公演の最新情報は各公演の公式サイト等でご確認ください。
定番作品の再演が豊富な2024年はミュージカル鑑賞デビューにぴったり?
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2024年にミュージカル鑑賞デビューを目論んでいるなら、まずオススメは老若男女に愛される鉄板の2作品、『レ・ミゼラブル』(会期未定)と『ビリー・エリオット』(7月)。ヴィクトル・ユゴーの長編小説を原作とする前者は1987年の日本初演以来、1~3年おきに再演が重ねられている日本ミュージカル界の定番中の定番で、炭鉱の町の少年がバレエダンサーを目指す後者は2017年の日本初演から数えて3度目の上演となる。どちらもオーディションを勝ち抜いたキャスト陣が上演の度に話題となる作品で、今年の『ビリー』には続投組の益岡徹や安蘭けいらに加えて、鶴見辰吾や濱田めぐみらが初出演。主人公を含めた子どもキャスト、及び『レミゼ』の全キャストの続報が待たれる。
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今年はほかにも定番作品の再演が数多く、天才作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバーの出世作にして劇団四季ミュージカルの原点でもある『ジーザス・クライスト=スーパースター』[エルサレム・バージョン]が2月に、宮本亜門×市村正親×大竹しのぶの顔合わせで5度目の上演を数える『スウィーニー・トッド』が3月に、今や若手ミュージカル俳優の登竜門的存在となっている小池修一郎演出の『ロミオ&ジュリエット』が5月にそれぞれ登場。定番の招聘公演に目を向けると、ケン・ヒル版『オペラ座の怪人』(1月)にはイギリスのオーディション番組出身のベン・フォスターとポール・ポッツ、『シカゴ』(4月)には米ドラマ「glee/グリー」で広く知られるマシュー・モリソンと、スターの来日が目立つ。
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初演から間を空けずに再演される定番予備軍の筆頭は、豪華すぎるセットとヒット曲満載の音楽が昨年のミュージカル界の話題をさらった『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』(6月)。また、新妻聖子とMay J.の二大歌姫が競演する『ボディガード』(2月)、新たに三浦透子と屋比久知奈を主演に迎える藤田俊太郎演出の『ヴァイオレット』(4月)、中川晃教主演の日本オリジナル作品『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』(4月)、小林香の演出のもとで朝夏まなとが底抜けに明るいヒロインを演じる『モダン・ミリー』(7月)も、今回と同じ演出での日本初演はコロナ禍以降だった、比較的新しい作品だ。
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一方、今のところ数は多くないものの、日本初演および新演出のラインナップにも期待度の高い作品が並ぶ。ひょんなことから女優として人気者になってしまう主人公に山崎育三郎が扮する『トッツィー』(1月)、12人の出演者が100人近くの役を演じ分けながら「911」の裏で起こっていた感動の実話を描き出す『カム フロム アウェイ』(3月)は、共にブロードウェイで高い評価を得た作品。やはりブロードウェイ産の『ハネムーン・イン・ベガス』(4月)、オフ・ブロードウェイ産の『くまのプーさん』(4月)、韓国産の『ナビレラ』(5月)などと共に日本初上陸を果たす。
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そして新演出では、ブロードウェイの名作コメディに『ハウ・トゥー・サクシード』のクリス・ベイリー(演出・振付)×増田貴久(主演)が挑む『20世紀号に乗って』(3月)、ロジャース&ハマースタインの代表作が小林香の演出、北村一輝と明日海りおの主演で生まれ変わる『王様と私』(4月)、『コーラスライン』の作詞家の成功と挫折を描く『クラスアクト』(5月)などに注目だ。
漫画原作モノに大ヒット映画の舞台化など、期待高まる日本オリジナルミュージカル
新作ではまた、コロナ禍以降、明らかに製作本数が増えている日本オリジナルミュージカルが今年も豊作。わけても盛んなのが漫画の舞台化で、劇団四季はナイチンゲールと劇場ゴーストの絆を描く『ゴースト&レディ』を5月から、東宝は『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』(2月)、『町田くんの世界』(3月)、『この世界の片隅に』(5月)を次々と上演する。
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『この世界~』では、オリジナルミュージカル創作に定評のある上田一豪が脚本・演出を手掛けることに加えて、2014年に渡米したアンジェラ・アキがミュージカル音楽作家として再始動することも大きな話題。また同じ上田一豪のオリジナル作品では、彼の主宰する劇団で上演が重ねられてきた『Play a Life』がこの2月、博品館劇場進出を果たす。
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漫画原作以外の新作オリジナルでは、なんといっても『RRR×TAKA“R”AZUKA~√Bheem~』(1月)が最大の注目作。宝塚歌劇団が多くのオリジナル作品を生み出しているのは今に始まったことではないが、社会現象級のヒットを記録したインド映画の舞台化はファンならずとも気になるところだろう。
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ほかにも、ワタナベエンターテインメントが「MOJO《Musicals of Japan Origin》プロジェクト」と銘打った企画の第一弾として送り出す『イザボー』(1月)、演出家G2が長年構想を温めてきた作品に浦井健治が主演する『モンパルナスの奇跡』(6月)といった、意気込み漲るオリジナル作品が並ぶ2024年。定番から期待の新作、入魂のオリジナル作品まで、多彩なミュージカルが楽しめる年となりそうだ。
文:町田麻子
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