ジェイソン・ステイサムを漢字1文字で表すと!? “ステイサム学会”に聞く、とにかくブレない男の魅力
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『エクスペンダブルズ ニューブラッド』 (C)2022 Ex4 Productions,
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すべて見るジェイソン・ステイサム、シルベスター・スタローンら豪華俳優が出演する人気アクションシリーズの第4弾『エクスペンダブルズ ニューブラッド』が現在公開中だ。
自らを“消耗品軍団”と名乗り、CIAから依頼される数々の超難関ミッションを乗り越えてきた最強軍団“エクスペンダブルズ”。本作で新たに主演となったジェイソン・ステイサムがシルベスター・スタローンの意志を継ぎ、どのような“ニューブラッド”を見せてくれるのか? 今回は長年ステイサムの一挙手一投足を追い続けている“ステイサム学会”のDIEsuke氏とデッドプー太郎氏に、『エクスペンダブルズ』シリーズやその他の作品で見せるステイサムの魅力について、アツく語っていただいた。
――まずは、おふたりの自己紹介をお願いいたします。
DIEsuke ステイサム学会員、チンピラ映画ライター、映画タッグ“ビーパワーハードボイルド”のラリアット担当DIEsukeと申します。自分でも何者か年々分からなくなっているんですが、総合して映画ポン引きを自称しております。
デッドプー太郎 ビーパワーハードボイルドのホームページ、YouTubeチャンネルを細々と運営しているデッドプー太郎です。DIEsukeさんとはタッグを組んで来年で10年です。 普段は会社員をしています。この10年間ビーパワーハードボイルドであることは全力でひた隠しにしています。
――おふたりがジェイソン・ステイサムに注目したきっかけを教えてください。
DIEsuke 一番最初に注目したきっかけは、中学の頃に観た『トランスポーター』ですかね。見た目はタフなガイなんですが、シリーズ通して見てみると、困っている誰かに流されがちなんですよね、ステイサムは。最初はツンツンしてるのに。
おかげさまで何だかんだで結果的に修羅場に突っ込むんですよ。損得関係なしな、命がけのデレとでもいいましょうか。戦闘力はあってもどこか完璧じゃない。そういうところが注目したきっかけです。
デッドプー太郎 同じく『トランスポーター』です。ちょうどスタローンや(アーノルド・)シュワルツェネッガーの勢いが弱まっていた2000年代前半。『マトリックス』の影響をモロに受けたVFXまみれの映画ばかり公開されていた時代に、CGに頼らないアクションと皮肉の利いたブラックジョークは衝撃的でした。友だちが興奮気味に「信頼できる男ができた」と話していたのが思い出深いです。あいつ元気かなぁ……。
――今回の『エクスペンダブルズ ニューブラッド』のステイサムには何回タギりましたか? またその中で1番タギった瞬間を教えてください。
DIEsuke これは僕だけかもしれませんが、タギるどころか終始ガンギマリでした。ですが強いてひとつ挙げるなら、予告編でも使われているステイサムの「仲間じゃない。兄弟同然だ」というスタローンへの思いを言葉にして告白するシーン。あそこはシリーズを追ってる者からしたら震えましたよ。何ならちょっと泣きました。
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』予告編
デッドプー太郎 できるだけ冷静に観ようと思っていたのですが無理でした。「EXPENDABLES」という文字が出るだけで取り乱してしまいました。気づけば汗でびっしょりでした。試写を観た日、「今日は何でもできる気がする」と健康のために通っているスポーツジムで自分の体重より重い重量で筋トレをして翌日寝たきりになりました。普段はウォーキングくらいしかしないのを忘れていました。
――『エクスペンダブルズ』シリーズでこそ堪能できるステイサムの魅力を教えていただけますでしょうか。
DIEsuke やはりスタローンとの熟年夫婦感ですかね。普段は互いに憎まれ口を叩いたりしつつも、何だかんだ互いのピンチを放っておけない関係性はシリーズの魅力のひとつです。多くの言葉を交わさずとも死地へ突撃する関係性はグッときますね。
デッドプー太郎 抜群の返しです。
大好きなシーンをひとつ挙げると、1作目のラストで一緒にいたがるヒロインに「いつでも会えるから」とスタローン演じるバーニーが紳士的に別れるんです。あのときのバーニーは間違いなくカッコつけてたし、何なら自分に酔っていたのですが、帰ってきたバーニーにステイサム演じるクリスマスが「本音を言えよ!! タイプじゃなかっただけだろ!?」とつっこんで、思わずバーニーが笑い出す。
仲良い同性どうしでも「あっ!! 今カッコつけてるんだろうな」と気づいてしまうとそっとしてしまいがちですが、あのぶっこみ方は素直に憧れました。
――それでは、今回の『エクスペンダブルズ ニューブラッド』でこそ堪能できるステイサムの魅力はありますでしょうか?
DIEsuke “はぐれエクスペンダブルズ”と化すクリスマス(ステイサム)ですね。他人からどう評価されるかが重要視される世の中ですが、たとえ肩書きを奪われようが自称するキープ・オン・エクスペンダブルズな姿勢は僕も見習おうと思いました。
デッドプー太郎 予告でも触れられているとおり、バーニー(スタローン)の身にいろいろ起こるのですが、そのときのクリスマスの「ワイルドカード」で全額スったとき以上の落ち込みっぷり。「スタローンの精神を引き継ぐ」と言わんばかりに全方面で一生懸命なステイサムが堪能できます。気合を入れ過ぎたあまり、潜入という言葉をド忘れして銃撃戦に発展したり、単独行動を取りがちになるスタローンの悪いところも引き継いでいたのも魅力的です。
スタローンとステイサムの間に飾られた言葉はいらない
――『エクスペンダブルズ ニューブラッド』ではステイサムがスタローンの意思を引き継ぐ場面があります。シリーズを初期からご覧になっているおふたりは、スタローンからステイサムへの継承をどのように受け取りましたか?
DIEsuke 『3』辺りでも若手を呼んでいたので、「何となく継承したいんだろうな、スタローン……」という気持ちが伺えましたが、まさか本当に継承するとは夢にも思いませんでした。
例えば同じように『クリード』シリーズも継承をテーマのひとつに据えていましたが、そう考えると『エクスペンダブルズ』はずいぶんザックリと継承してるなあ、と。でもスタローンとステイサムの間に飾られた言葉はいらない。そう思わせてくれる引き継ぎでしたね。
デッドプー太郎 1作目の頃からスタローン相手にブラックジョークで堂々と渡りあえるステイサムの存在感に、スタローンも「引き継ぐならコイツ」と思っていたのでしょう。
その後は皆さんもご存知のとおり、『ワイルド・スピード』に乱入してもファミリーに入るか入らないかのギリギリの距離感で出演し続けるバランス感覚、『MEG ザ・モンスター』での人類を超えた活躍を通して機が熟したのでしょう。
ただ、懸念としてはスタローンは昔から自身の言ったことや設定をド忘れする人です。『クリード』でガンだったはずなのに続編でピンピンしていたロッキー。定期的に戦場に帰ってしまうランボー。すぐにヘルメットを脱いで平常運転だった『ジャッジ・ドレッド』……。
もし『エクスペンダブルズ5』が公開されることがあっても、しれっと真ん中に立っているかもしれません。
――ステイサム初心者の人にステイサムの魅力を伝えるときに、おススメのステイサムエピソードがありましたら教えてください。
DIEsuke ステイサムはinstagramの公式アカウント(@jasonstatham)を持っているんですが、彼のプライベートが少しだけ伺えます。普通であれば何を食べたとか、家族の写真をアップするもんですが、ステイサムほどの男となれば違います。
モノクロの筋トレ写真がやたら多いかと思えば、自撮りの距離感が近すぎたり、遠景があっても逆光で見えづらかったり。最近は他の人に撮ってもらうか、映画のオフショットを使うようになったみたいですが、普段は完全無欠なキャラなのに少し使い方が不器用なところがかわいい。
どっちかというと嫁のロージー・ハンティントン=ホワイトリーのインスタを追ってた方がステイサムの動向を追えるという。やたらファンにサービスするようなミーハーな使い方をせず、演じる劇中のキャラ同様、あくまで武骨にSNSを使っているのも魅力ですね。
デッドプー太郎 YouTubeで検索すればゴロゴロ転がっていますが、過去にキットカットのCMに出演されております。キットカットのCMなのに一切“Have a break”できないピリついた空気が張り詰めています。
ステイサムの魅力を漢字1文字で表すとすると……?
――『エクスペンダブルズ』シリーズを除いて、フェイバリットステイサム作品を3本教えてください。
DIEsuke 『ハミングバード』『ブリッツ』『MEG ザ・モンスター』ですね!! 特に『ハミングバード』には恩があります。ホームレスになったステイサムが借りぐらしする話なんですが、ちょうど僕が1カ月無職になったときは毎日DVDで見ていました。
いろいろ見放されたと感じていた自分に、ステイサムを勝手に重ねていたというか。ド派手なアクションがあるわけではないんですが、僕にとっては大切なステイサム映画の1本です。
デッドプー太郎 『アドレナリン』『デス・レース』『MEG ザ・モンスター』。ひたすらテンションを上げていかないと死ぬという設定でレッドブルをがぶ飲みしたり無茶をし続ける『アドレナリン』は、現在におけるステイサムのターニングポイントだったと思います。
なお、『デス・レース』は無名時代のスタローンが出ていた作品のリメイク。その後に脚本がスタローンの『バトルフロント』でも主演を務めていたので、歴史を通して着実にスタローンの引継ぎが進んでいたことが分かりますね。勉強になっただろ?
――ブロマンス映画がにわかに流行っているので、『エクスペンダブルズ』でステイサムとカップリングを考えるとしたら、どの俳優やキャラクターがふさわしいと思いますか?
DIEsuke あんまりこういうマウント取るのもどうかと思いますが、ブロマンスが流行る前から『エクスペンダブルズ』でスタローンとステイサムは10年以上イチャイチャしてますからね。そんじょそこらのブロマンスと年季が違うぞ、と。
でも強いて挙げるとするならば、ジェラルド・バトラーでしょうか。同じ英国出身、同じジャンルで覇を競ってる感があります。いつか共演して英国タフガイ俳優ナンバーワンを決めてほしいですね。
デッドプー太郎 ちょっとキツイ話をすると、昨今の流行もあり“ビジネスブロマンス感”がする作品が多いと思います。仲良くキャッキャしとけばウケるだろ?的な。
その点、『エクスペンダブルズ』はいい年こいた大人たちがバーでダーツやカラオケで大喜びしてますからね。あの放課後感が好きです。
話を戻しましてDIEsukeさんとやや被りますが、同じく英国出身のダニエル・クレイグです。銃撃戦の最中ふたりで延々と英国仕込みのジョークの応酬をしてほしい。それが無理ならふたりで黙々とフィッシュ&チップスを食べている様子が見たいです。
――ステイサム自身やステイサムの魅力を漢字1文字で表すとしたら何になりますか?
DIEsuke “芯”ですかね。作品選びもそうですし、映画の中のキャラもそうですが、とにかくステイサムは芯がブレない。僕もリアルで見習いたいと思ってます。勝手に。
デッドプー太郎 同じく“芯”です。出世作である『トランスポーター』や先日公開された『オペレーション・フォーチュン』などスーツをビシっと着こなし、高級外車も似合ういわゆるイケオジですが、スキャンダルとは無縁で、パパラッチされた写真はいつもTシャツかポロシャツです。映画でもオフでもブレていませんね。
ただ、これだけステイサムを好き勝手語っておきながら最後にお伝えすると、『エクスペンダブルズ』の一番の推しはスタローンなんです。ごめんなさい。
『エクスペンダブルズ ニューブラッド』
公開中
(C)2022 Ex4 Productions,
Photo:AFLO
YouTube:映画ヨタ話「ビーパワーハードボイルド 炸裂連弾」
HP:「BE POWER HARD BOILED Z」
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