重岡大毅×間宮祥太朗が振り返る撮影の日々「祥太朗とキャッチボールできてうれしかった!」
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左から)間宮祥太朗、重岡大毅 (撮影:小川遼)
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すべて見る尊敬できる相手との共演は、シンプルに楽しい。重岡大毅と間宮祥太朗にとって、今回の現場はそんな充実の時間となったようだ。
1月12日公開の映画『ある閉ざされた雪の山荘で』で初共演を果たした2人。原作は、国民的ベストセラー作家・東野圭吾。山奥のペンションというミステリーにおける最高の舞台で、現実と虚構のはざまを彷徨うような心理劇を演じている。
そんな緊迫感溢れる本編とは一転、取材で久々に顔を合わせた2人はニコニコ仲良しモード。ポジティブオーラいっぱいの重岡と、時にツッコミを入れつつ重岡を温かく見守る間宮のやりとりを存分に楽しんでほしい。
祥太朗の印象はキリキリ感です
――お2人は今回が初共演ですが、お互いに対してどんな印象をお持ちでしたか。
重岡 祥太朗は吸引力があるというか。キリキリ感なんですよ。
間宮 キリキリ感?(笑)あんまり聞かない擬音だね。
重岡 なんですかね〜。目なんですかね。
間宮 それ、キリッとしてるだけじゃない?(笑)。
重岡 違う違う。ほら、一緒に酒飲んだときに、昔は結構殺伐とした生き方をしてたって、深い話をしたことがあったやん? それがキリキリ感。うまく言語化できへんねんけどね、ずっと気になる人ではあったかな。
間宮 僕がこの映画をお受けしたいと思った理由の一つが、シゲが主演ということだったんです。昔、『溺れるナイフ』を観たときに、すごく瑞々しいお芝居をする方だなと思って。シゲの台詞ってストレートに胸に入ってくるんです。きっと素の本人も明るいだろうなとは思っていましたが、想像よりギア2つぐらい上を行ってました。そういう意味でも楽しい現場でしたね。
重岡 うれしいな。僕も祥太朗と共演してる知り合いが多かったんで、一緒にやってみたいなとはずっと思ってました。
――完成した作品をご覧になって、どんなことを思いましたか。
重岡 ドキドキしちゃうね、自分が出てると。
間宮 (笑)。
重岡 ドキドキしちゃう(笑)。正直演じてるときは、見え方とか、そういうのをまったく気にせずやってるから。初めましての感覚。俺、こんなん感じやったんやっていうところはあるかも。
間宮 シゲは生き方がライブ感だもんね。本番でもライブとしてバーンと芝居をしている印象で。たぶん、つながり(個々のカットの動作や仕草の整合性がとれていること)とか苦手じゃない?(笑)。
重岡 めっちゃ苦手(笑)。え? さっきクッション持ってましたっけ? みたいな。
間宮 だから試写で観るときも自分が出てるのに初めましてみたいに感じるんじゃないかな。
重岡 そうやわ! 俺、すごい説明するの苦手やけんさ。祥太朗が言うてくれて、腑に落ちたわ。あ、それとさっきの質問戻っていいですか。
――間宮さんの印象ですか。
重岡 そう。祥太朗の印象、もう一個あったわ。強そう。
間宮 わざわざ巻き戻して言うことじゃないよ(笑)。
シゲはいい野球のポテンシャルを持っている
――お2人とも下の名前で呼んでらっしゃるんですね。
重岡 どのタイミングからやろな。一緒にいると自然とそうなったっていう感じで。これ、いまだにたまに動画で見返すんですけど、キャッチボール楽しかったなあ。現場の車に積んであったんですよ、アレが…(と言いつつ、名称を思い出せない)。
間宮 (助け舟を出すように)グローブとボールがね。
重岡 そう! で、撮影でお借りしていたヴィラの前には芝生が広がってて。もうやるでしょ、そんなん。
間宮 (戸塚)純貴が野球経験者で、最初は僕と純貴で2人でやってたんです。そしたら、近くに駐車してあった車からシゲが「嘘やろ! 起こしてくれや〜」って出てきて。
重岡 休憩中やから寝てたんです。
間宮 僕らは車の中にシゲがいることを全然知らなくて。
重岡 パッて外見たら2人がキャッチボールしてるから。そんなん、俺もやりたいって。純貴が使ってたグローブを借りて、途中から俺と祥太朗でずっとやってた(笑)。
間宮 キャッチボールっていいコミュニケーションになるんだよね。
重岡 気づいたら永遠に投げ込んでて。
間宮 またシゲがいいポテンシャルを持ってるんですよ。
重岡 こんなふうに言うてくれるからね、余計、永遠にやっちゃうんです。
間宮 最初は球の回転もホワンホワンだったんですが、握り方を教えたら、すぐ回転がまっすぐになって球も伸びるようになって。
重岡 (うれしそうに)え? 今、グローブ、どっかにある? やる?
間宮 今はやらなくていいよ(笑)。
重岡 あれ、なんやっけ、教えてくれたやつ。何シームやっけ?
間宮 フォーシームね。
重岡 それや。祥太朗が野球経験者なんは知ってたし。始球式の動画も何回も見てたから。一緒にキャッチボールできてうれしかったし、マジで最高の時間でした。
なーちゃんは急に刺すような一言を言う
――物語では、新作舞台の主演の座を懸けた最終オーディションの会場となる山荘で連続殺人事件が発生します。もし同じシチュエーションに巻き込まれたらどうしますか。
重岡 俺、ダッシュで逃げるかも。
間宮 僕も一抜けるかもしれないです。
重岡 まじで? 残りそうなタイプやけどな。もしこれは絶対に出たいっていう役やったらどうする?
間宮 もしかしたら殺されるかもしれないんでしょ? リスクが大きすぎない?
重岡 確かに。でも、ちょっと怖いもの見たさみたいなのはあるかなあ。犯人誰やねんって興味はあるから、ひとまず様子見はあるかも。
間宮 これ、みんな抜けていって、最後にポツンと残ったら役が決まるんですよね。そう思うと、最初に抜けはしないかもしれない。
重岡 たぶん最初に逃げるのは純貴だと思います(笑)。
間宮 「いい! こういうのいい!」って言ってそうだね(笑)。
――じゃあ今回のキャストの中で、実際に事件が起きたら謎を解いてくれそうなのは誰でしょうか。
重岡 絶対祥太朗やと思うな。今日も喋ってて思うけど、祥太朗、祥太朗やってんなって感じ。
――言語化ができてないですね(笑)。
重岡 俺、ほんまに下手やねん(笑)。その点、祥太朗は説明するの上手ですし。あとやっぱり強そうやから。
間宮 結局、強そうだから(笑)。
重岡 あとは意外と女性陣とかアレかもな。
間宮 西野さんとか鋭そうじゃない? 現場でも序盤の頃はわりと静かだったんですけど、急に刺すような一言を言うんですよ。
重岡 あった!
間宮 初日にみんなでシゲのことを「めちゃくちゃ明るい」とか「漫画の主人公みたい」って言ってたんですけど、その中で西野さんがボソッと「嘘みたいな性格してる」って言って(笑)。
重岡 めっちゃ覚えてる(笑)。初日ということもあって、僕がちょっとかましちゃったんですよね。(岡山)天音がすごい面白くて、初対面の人にこんなにするかっていうくらいいじくり倒してしまったんですよ。で、天音も面白くしてくれるから、どんどん盛り上がって、僕がハイになってしまったんでしょうね、うわーっとなってるところを、いきなり「嘘みたいな性格してますね」って。
間宮 あれは面白かったなあ。
重岡 喋りながら、めっちゃフラッシュバックしてきたわ、その瞬間が。天音越しに西野さんがおった光景まで甦ってきた(笑)。あれは芯の喰った一言でしたね。クランクアップまでずっと引きずってました(笑)。
間宮 西野さんは、そんなふうに予想だにしない一言が飛んでくる感じがします。普段は黙ってるけど、ボーッとしてるわけではなくて、いろんなことを考えているのかなって。人をよく見ている感じは、謎解き役にぴったりだと思います。
見破れるもんなら見破ってみろという感じです
――謎とトリックのつまった作品ですが、楽しみにしている観客のみなさんに伝えたいことはありますか。
間宮 いろいろなところにフォーカスして見ていただきたいです。僕たちもそれぞれの役が置かれている立場によって、目線の動きなど、いろいろ工夫をしています。そういう点と点をつなげて見ていただくのも、きっと楽しいと思います。僕らは内容を知っているので、初号試写のときは2回目を見る感覚だったのですが、それでも、こうなるのか、と唸りましたから。シゲは初見の感覚だったみたいですけど…(笑)。
重岡 そっか。台本読んで知ってるんだもんね。その通りだわ。
間宮 そうだよ。「俺、こんなんしてたんや!」ってなったかもしれないけどね(笑)。
重岡 確かに(笑)。まあでもお客さんにはぜひトリックを見破りに来てほしいですね。1人1人の台詞が本心なのか演技なのか。衝撃のラストがちゃんとあるんで。何と言っても東野先生ですから。見破れるもんなら見破ってみろという感じです。
取材・文:横川良明 撮影:小川遼(メインカットのみ)
<作品情報>
『ある閉ざされた雪の山荘で』
1月12日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
映画『ある閉ざされた雪の山荘で』ロング予告編
公式サイト:
https://happinet-phantom.com/tozayuki/
(C)2024映画『ある閉ざされた雪の山荘で』製作委員会 (C)東野圭吾/講談社
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