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名作『カラーパープル』がミュージカルに! 心の奥底の想いが歌とメロディになって放たれる!

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『カラーパープル』 (C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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スティーブン・スピルバーグが製作を務めるミュージカル映画『カラーパープル』が2月9日(金) から公開になる。本作はアリス・ウォーカーの小説が原作で、1985年にはスピルバーグ監督によって映画化もされたが、本作はその後に繰り返し上演されたミュージカル版の映画化だ。なぜ、この物語は音楽と歌を必要としているのだろうか?

『カラーパープル』は、20世紀の初頭から中頃までの米ジョージア州を舞台に、ひとりの女性が自らの手で自由を掴み取るまでを描いた感動作だ。物語の冒頭で主人公のセリーは父から虐待を受け、望まぬ結婚をさせられ、愛する妹とも離ればなれになってしまう。しかし、彼女は暴力を受けたり理不尽な状況であっても反抗しない。

やがて時は流れ、彼女はさまざまな出会いによって変化を遂げていく。苦境に立ち向かう強さはすでに“自分の中”に宿っている。誰かが変えてくれるのを待つのではなく、自分で変化するべきだと。

この普遍的なドラマと、劇中のミュージカルナンバーが本作では見事にマッチしている。映画の冒頭、教会で華やかなミュージカルシーンが描かれるが、セリーは笑顔もなく、歌うことも踊ることもしない。彼女は自分の中にある感情を表に出せない、笑わない、言いたいことを言えない”声のない人間”として登場する。

そんな彼女が細い声で歌うのは、誰よりも信頼する妹といる時だ。快活で、どんな状況も“自分の気持ちの持ち方ひとつ”だと信じる妹の歌声に導かれるようにセリーは少しずつ笑顔を取り戻し、喜びや冒険心が小さな歌声になって表現される。

映画が始まってわずか数分。本作はミュージカルナンバーを見事に配置して主人公がどんな人物なのか、どんな心の状態なのか、誰といるときに心が安らぐのかをセリフを使わずに観客の心にダイレクトに伝えてしまう。ミュージカルシーンは単なる“盛り上げどころ”や“歌唱&ダンス”ではない。言葉では説明し尽くせない感情、人間関係、心の奥底に眠る想いが歌声になる、メロディになって放たれる。無理に言葉にするならば、本作の歌と踊りは“ソウル”の塊だ。

『カラーパープル』では、そんなセリーにさまざまな出来事が起こり、彼女の人生は流転していく。そして、彼女の心の変化を反映するようにミュージカルシーンもさまざまな姿に変化していく。軽やかなダンスナンバー、ゴスペル調の音楽に乗せて描かれる一大ミュージカルシーン、映画スタジオ黄金期のミュージカルを思わせる幻想的なシーン……1本の映画の中でここまでバリエーションがあるのかと驚くほど、多彩な演出と表現とメロディがスクリーンから溢れ出してくる。

そんな中で、セリーはどんな歌を歌うのだろうか。“声のない人間”だった彼女がさまざまな出会いと試練をくぐり抜け、最後に何を、どんな声で歌うのだろう?

2024年公開の『カラーパープル』は原作小説や過去の映画版の魂を引き継ぎつつ、“ミュージカルだからできる/ミュージカルでしか描けない”表現で観客を圧倒する。

映画『カラーパープル』本予告

<作品情報>
『カラーパープル』

2月9日(金)公開

(C)2023 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.