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「1回として同じ公演はない」 福山康平&西野遼が語る舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の魅力

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2022年7月からTBS赤坂ACTシアターでロングラン上演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』。小説『ハリー・ポッター』シリーズの作者であるJ.K.ローリングとともに、ジョン・ティファニー、ジャック・ソーンの3人が舞台のために書き下ろした物語で、小説最終巻の19年後を描いた作品だ。今回、アルバス・ポッター役の福山康平(※藤田悠とWキャスト)とスコーピウス・マルフォイ役の西野遼(※門田宗大とWキャスト)に話を聞いた。

開幕期より日本版オリジナルキャストとして舞台に立っている福山は「300回以上舞台に立っていると、心身ともに調子がいいときと悪いときがあるんですけど、新しいキャストが入って少し時間が経ったあたりから、気持ち新たに前向きにやれている感覚があります。Wキャストの組み合わせが変わればまた全然違うし、1回として同じ公演はない。まだ何かできるはずといつも考えていますね」と現在の心境を話す。

一方、2023年8月に初舞台を経験した西野。80回以上スコーピウスを演じてきたが「まだ必死に毎日を生きている感じがします。Wキャストの組み合わせのみならず、お客さんによっても全然違う雰囲気になるんですよね。だからいろいろ敏感にキャッチしながら、芝居を変えていくことに注力しています。修行の日々という感覚です」という。

『ハリー・ポッター』シリーズは世界中で愛されてきた大人気作品。2人も「僕自身、オタクと言えるほどではなかったと思いますけど、誰もが知っている作品で、子どもながらにその世界観にワクワクした」(福山)、「もはや常識レベルでみんな知っている。きっと誰もが一度は魔法を使いたいと思ったのでは」(西野)と話す。

その中で改めて舞台版の魅力は何か尋ねると、福山は「父親との喧嘩など、自分が思春期に経験したようなことが意外とたくさん起こるんですよね。もちろん火も出るし、水も出るし、空も飛ぶし、舞台でできる限りのことを詰め込んだ大エンタメ作品なのですが、親近感を感じてくれる人は多い気がします」といい、西野も「お客さんも魔法を使っているような感覚になるのでは。僕らキャスト自身も自分が関わる魔法以外は、その“からくり”を知らないし、他に教えてはいけないんですよ。だから袖で見ていても毎回ワクワクしています」。

この作品が自身の俳優人生にとってどんな作品になると感じているのだろう。福山は「オーディションを受けるときは、まさにコロナ禍で、大学の同期がどんどん就職していく中で、何もしていない自分に焦りがあったんです。でも絶対にこの作品に関わりたいと思っていたから、受かったときは本当に嬉しかった」と振り返りつつ、「ここまで大きな責任を担う経験は初めてでしたし、こんなにロングランができる経験もなかなかない。何年か経って振り返ったとしても、かけがえのない時間になっていると思います」。西野は「これが初舞台なので、右も左も分からないところからスタートしました。長い期間同じ役をやらせてもらうこと自体がすごく貴重だし、珍しいこと。その中で役を掘り下げたり、学びを深めたりすることはすでに自分の中で大きな財産になっていますし、これからも大切な作品であり続けると思いますね」と語った。

本作の上演時間は3時間40分(休憩含む)。2024年1月現在、同年6月までのチケットが販売されている。

取材・文:五月女菜穂

<公演情報>
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』

ロングラン上演中
劇場:TBS赤坂ACTシアター
チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/events/harrypotter-stage/

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