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「同い年で感覚が合う」 高畑淳子と渡辺えりによる二人芝居『さるすべり』上演へ

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インタビュー

チケットぴあ

左から)高畑淳子、渡辺えり

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高畑淳子と渡辺えりによる二人芝居『さるすべり』が2024年4月6日(土)から東京・紀伊國屋ホールにて上演される。

恋、戦争、学生運動などさまざまな混迷の時代を生きてきた姉妹のストーリーに、『八月の鯨』を舞台で演じようと劇場に集合した二人の女優の諍いが交錯して、虚実入り混じったシュールな世界へと誘われるーー。コロナ禍の2020年8月に木野花と渡辺えりが出演し、好評を博した初演から、大幅に内容を書き換えての上演となる。

作・演出・出演をする渡辺は「実は初演のときは1週間で本を書いて、1週間で稽古をしたんです。だからいつかきちんと再演したいという思いがあって。パレスチナ問題など、今の問題もきちんと入れるように書き直す予定です。ただ、問題を深刻に突き詰めるだけではなく、踊ったり歌ったり、大いに笑ってもらう舞台にしたいですね」と構想を話す。

そして、『喜劇 老後の資金がありません』(2021年)で舞台初共演を果たし、今回タッグを組む高畑淳子については「前回ご一緒したとき、本当に楽しくて!高畑さんは同い年(69歳)で、同じ芝居や映画を見て育っている。それに田舎からやってきて、ゼロからコツコツやってきているところも同じ。感覚がすごく合うんです」と印象を語る。実際、取材中も過去に観劇した作品の話に花を咲かせていた二人。この空気感が稽古場、そして本番でも見られるのだろう。

一方の高畑も「二人芝居だからセリフの分量が多くて......どうしよう」と不安を口にしつつも、「えりさんのお芝居は、普通に喋っているのに別の世界の人になったり、瞬間的に空気がパキっと変わるところが面白いんですよね。舞台だからこそできる面白さがあるというのかしら。親がいて、子がいて、こういう確執があって、関係がどうのこうの......というリアリティから、宇宙にも飛べる。楽しみです」と渡辺を全面的に信頼していた。

シュールコメディと謳う本作。コメディ作品について渡辺は「人を笑わせるのが昔から好き。ユーモアのある芝居を作りたい」といい、高畑も「劇場でお客さんが笑っている声を聞いてしまうと、この生業からは抜けられない。人が集って笑って、最後には泣いている......そんな体験をしちゃうとね」。

最後に観客へのメッセージを求めると、高畑は「年齢も重ねて、体力も落ちてきて......最後の力を振り絞ります。『あのときに見たあの二人の芝居、面白かった』と語り草になるようなお芝居になればいいなと思っています」と話した。

渡辺は「同年代の二人が喧嘩したり、笑ったり、虚実を超えてやるところが面白いと思います」と話した上で「本当に戦争が終わらない世の中。あれだけの体験を親たちが経験していながら、またその空気に流されそうになっている。そんな今のこの世の空気を変えたいと、特に私たちの世代は心から思っているはず。平和にならなくてはいけないという思いと、生の演劇の魅力。この2つが残るお芝居にしたいと思いますので、ぜひ劇場にいらしてください」と呼び掛けた。

東京公演は4月15日(月)まで。

取材・文:五月女菜穂

<公演情報>
さるすべり

公演期間:2024年4月6日(土)~15日(月)
会場:紀伊國屋ホール
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/office300-sarusuberi/