ウエンツ瑛士が「絶対にやりたい」と思った、舞台『オーランド』今夏開幕へ
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インタビュー
ウエンツ瑛士 (撮影:石阪大輔)
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すべて見るPARCO PRODUCE2024『オーランド』が2024年6月29日(土)から彩の国さいたま芸術劇場大ホールでの公演を皮切りに、7月5日(金)からPARCO劇場ほかで上演される。
20世紀モダニズム文学の重鎮で有名な女流作家の一人である、ヴァージニア・ウルフの代表作『オーランド』。数奇な運命をたどるオーランドの人生を通して、「真の運命の相手には時代も国も性別も関係なく巡り合えるはず!」という強いメッセージが奇想天外のストーリーの中で力強く描かれる。映画版も知られる『オーランド』を、演出家・栗山民也の原案、詩人・岩切正一郎の翻訳で舞台化する。そして、宮沢りえが、あらゆる女性を虜にする美貌の青年貴族オーランド役を主演する。
本作に出演するウエンツ瑛士は「最初にお話をいただいたとき、恥ずかしながら『オーランド』という作品をよく知らなかったんです。でも、栗山さんの演出で、りえさんを筆頭に素晴らしい方々とご一緒できるということで、絶対にやりたいと思いました」と素直な思いを語る。
特に栗山の演出は以前から受けてみたいと思っていたそうで、「僕の周りの俳優仲間がこぞって『栗山さんの演出を経験して、本当に勉強になった。新しいステージに行った』というんです。もちろん現場に行って自動的に新しいステージに行けるものではないと思うんですけど(笑)」。
主演の宮沢りえとは舞台初共演。ウエンツは「りえさんは年を重ねることをポジティブに捉えていて、魅力を積み重ねている印象があります。自分が生きてきた道をすごく肯定しているように見える。それこそ人間としての“分厚さ”があると思うんです」と印象を語り、「客席にいると、りえさんが出てきたときに観客の熱がまた一つ上がるんですよ。『この人を観たい』というパワーがある」とも。宮沢やウエンツのほか、河内大和、谷田歩、山崎一と個性豊かな実力派キャストが揃うカンパニー。どんな芝居合戦を見せてくれるのだろう。
本作の脚本を読んだ感想を尋ねると「ファンタジーの部分と、でも完全にファンタジーと捉えることができないような、現代に通じる言葉や自分の固定観念が引っかかるところがたくさんあって。そこを行き来する物語になる気がしています」とウエンツは言う。具体的な演出はまだ分からないとした上で「きっと昔だったらジェンダーが変わるから、こう演じなくてはいけないというものがあったと思うんです。でもいろいろな性を持っている人がいて、時代が変化している中で、もっと幅広く演じられる気がする。それぞれの役のときに立って、出てくる言葉をお客様にどう受け取ってもらえるのか。楽しみです」。
2018年に1年半、イギリスに演劇留学したウエンツ。その経験はどう活きていると思うか聞くと「究極そこにいればいいんだと思えることですかね」と答える。「『こうあるべきだ、ここをもっと伸ばさないと』などといろいろ考えてきたんですが、イギリスでは『そのままそこにいてくれれば十分。4歳から(芸能の仕事を)やってきたことは凄いことだよ。自分の中に大きな財産になっていることを自覚しなさい』とよく言われたんです。今回の作品に限った話ではないかもしれませんが、例えば立っているだけで何かを伝えられる。そう自分自身で信じられる。それはイギリス留学で学んだことの一つです」と語っていた。
観客へのメッセージを求めると、「僕自身、絶対に面白くなるなと思っています。作品のどこに芯を置くかでいろいろ変わってきますけど、どこに置いても絶対に面白くなる予感があります。なので、チケットはお早めに!(笑)」と話した。
取材・文:五月女菜穂
撮影:石阪大輔
【公演情報】
PARCO PRODUCE 2024『オーランド』
■埼玉公演
公演日程:2024年6月29日(土)~30日(日)
会場:彩の国さいたま芸術劇場大ホール
■東京公演
公演日程:2024年7月5日(金)~28日(日)
会場:PARCO劇場
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/orlando2024/
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