20年目のズキアラ「歌舞伎町シャーロック」でタッグ
ステージ
インタビュー
(撮影:石阪大輔)
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すべて見るシャーロック・ホームズ譚を斬新なスタイルで描いた人気アニメ「歌舞伎町シャーロック」が舞台化される。今作で約2年ぶりの共演となる新木宏典(シャーロック・ホームズ役)、鈴木裕樹(ジョン・H・ワトソン役)のコンビに原作の印象や共演への思いを聞いた。
――出演を知ったときの感想は?
新木 嬉しい驚きがありました。放送時から大好きな作品で、鈴木とも「僕が演出家、鈴木が脚本家としてこの作品を舞台化するなら?」なんて語り合っていたので。あのホームズ譚をこんなスタイルの現代劇にしてしまうセンス、素晴らしいですよね。とくに好きなのが、テンパったシャーロックが早口で落語を披露してしまうシーン。あの演出には圧倒されました。
鈴木 声優さんの技術も凄いですね。ホームズ役の小西克幸さんは落語で別人のようになるし、ワトソン役の中村悠一さんは何気ないセリフが全部「ワトソンらしい」。あの絶妙なお芝居を、自分はどう表現しようかと考えています。作品も魅力的で、元々のホームズを知っている人も知らない人も楽しめるのが素敵。たとえばモリアーティの名前を知っていると初見の驚きがあって、そこから徐々に印象が変化していく過程も面白いです。
新木 僕のようにホームズを知らなくても楽しめるし、鈴木のように詳しい人なら要所要所のフックでより楽しめる、考え抜いて作られている快作です。
――「ズキアラ」の愛称でも親しまれているお二人。役者として、お互いの尊敬する所は?
新木 鈴木は、何事もしっかり考えながら取り組む人。答えにたどり着くアプローチが僕とは全く違うので、興味深いです。そういう所を尊敬しているし、憧れてもいます。
鈴木 新木という人間は周囲から非常に尊敬されているんですが、それは彼の現場での在り方や人への接し方が評価されていることの証だと思うんです。彼の在り方を見て人が何かを感じたり、新木が掛けた一言が相手に大きく刺さったり。そういうコミュニケーションをさりげなく取れているのかなと。周囲から尊敬されている事実を、凄く尊敬しています。
――出会った頃など、喧嘩したこともありましたか?
鈴木 無いですね。むしろ昔の方が無い。でも、今後はそこも変わっていったら面白いかも、という会話をちょうど最近しました。
新木 今回「歌舞伎町シャーロック」で僕らの名前が発表されたとき、「ズキアラ共演」と喜んでくださる方々がいるのを見て、20年経ってもズキアラというワードが残り続けているのは物凄いことだなと改めて感じて。そんな「ズキアラ」として今後何か作品づくりをしていくのであれば、プライドとこだわりを持って本気で取り組んでいきたいと。であれば、これからは意見をぶつけ合う場面も出てくるかもしれないし、自然とそうなっていくのもいいよね、という話をしましたね。
――出会いから20年。人生の半分をともに過ごした今、お互いの存在を一言で表すとしたら?
新木 「反面教師」。「こうはならない」じゃなくて、「こうはなれない」という意味で反面的な存在です。対等でありながら真反対にいるので、「なるほど、鈴木ならそうするのか。じゃあオレはどうする?」と、正反対の取り組みを考えることで自分の活動にヒントをもらっています。
鈴木 一言で言うなら「ズキアラ」。僕らだけじゃなく周りも一緒に作ってきてくれた称号だから、僕にとって大切な言葉です。ただ、今後はそれすら超えていきたい気持ちもあります。何かさらに本質的な、2人でいることの別の意味が、ここに加わってきたら面白いなと。無限の可能性とともに、新木とお芝居をしていけたらと思っています。
取材・文:豊島オリカ
撮影:石阪大輔
<公演情報>
舞台「歌舞伎町シャーロック」
公演期間:5月17日(金)〜5月26日(日)
会場:IMM THEATER
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/ksstage/
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