『HY SKY Fes 2024 & 前夜祭』が、2024年3月22日(金) より3日間にわたり、沖縄県総合運動公園多目的広場で開催された。
今年で5回目を迎えたSKY Fesの特徴は、世界一クリーンなFesをめざし、アートとクリーン活動を絡めたさまざまな取組みにある。HYが自ら手がけた廃材アートの装飾だけでなく、楽器作りワークショップでも廃材を使用するなど、ゴミをリユースする取組みを積極的に行っている。
会場内で出るゴミへのいくつかのアクションも、注目してほしいポイントだ。SKY Fesでは、各自ゴミの持ち帰りを呼びかけているため、全来場者にゴミ袋を配布している。そのゴミ袋には、前回の名嘉俊(ドラムス)に代わり、今回は沖縄の“新星”イラストレーターとして活動するMs.Little Chico(ミス・リトル・チコ)のイラストが施されている。ただゴミ袋を渡されるより気分が上がるし、なによりかわいい。そのゴミ袋にゴミを入れて持ち帰るのも、また楽しい思い出のひとつとなるだろう。
今年も3日間とおして天気に恵まれ、会場の沖縄県総合運動公園多目的広場には全国から2万5000人が来場した。去年の「マスクをしていれば声出しOK」から、今年はマスクも外してOKに! 久しぶりの観客の笑顔に、アーティストも観客も一体になって盛り上がった。
前夜祭
本公演の前日である2024年3月22日(金) 18時より、キャンプサイト脇に設けられたグリーンステージで、前夜祭が開催された。ゲストに沖縄生まれのシンガーソングライター由薫を迎え、約800人に特別なライブを届けた。
グリーンステージは、50センチメートルほどの高さの舞台で、前列の観客との距離はわずか1メートルほど。この距離感の近さが、前夜祭の魅力のひとつである。ステージ前はランタンで幻想的にライトアップされ、HYそれぞれが抱くSKY Fesへの想いに耳を傾けた。
パネルディスカッションでは、うるま市の市役員を迎え、うるま市の魅力や特産品を紹介。ゲストの由薫も参加し、うるま市の観光大使であるHYとのクロストークで、会場を沸かせた。
ネスレ日本株式会社・沖縄エスファウ株式会社・株式会社又吉コーヒー園とのパネルディスカッションでは、沖縄で育てるコーヒーについての説明が繰り広げられた。そして、沖縄でのコーヒープロジェクトをベースに作られた、HYの新曲「明日種〜アシタネ〜」を紹介。中山コーヒー園・又吉コーヒー園で撮影されたMVをみんなで観て、多幸感あふれる曲に会場から拍手が湧き上がった。
日が沈みはじめた19時前、ランプの灯りに包まれるなか、いよいよ前夜祭のライブステージがスタート。
まずは由薫によるLiveステージ。1曲目は、ドラマの主題歌にもなった「Crystals」を披露。アコースティックギターの音色と、由薫の透きとおった歌声、そして彼女が持つ世界観に、一気に引き込まれた。沖縄でのLiveは今回がはじめてであり、沖縄を想い曲作りをしていることも多いと語り、この舞台に立てる喜びを伝えてくれた。
2曲目には雰囲気を変えて、アップテンポな楽曲「Rouge」。力強いギターと声で歌い上げ、3曲目「No Stars」につなげた。沖縄で見る星が大好きで、沖縄のビーチで作ったと、4曲目に「星月夜」を披露。ステージ裏に月がのぼり、雲ひとつない夜空と由薫が放つ音色で、とても美しい世界が広がった。そして最後の曲「sugar」を歌い上げると、大きな拍手と指笛が鳴り響いた。沖縄をルーツにもつ若き歌姫に、すっかり心をつかまれた約20分だった。
HYによるアコースティックライブでは、「俺たちもこの時間を楽しみたいと思います」と最初の曲「モノクロ」を披露。手拍子と掛け声のかけ合いで、1曲目から会場は大盛り上がりをみせた。「皆さんに笑ってほしい」と、2曲目に「君のうた」を。「皆さんとの心の距離を近づけたいので」と、歌の途中で観客とのリズム遊びをはさみ、会場をひとつにした。
メンバー紹介に拍手と指笛が鳴り響くなか、SKY Fesへのそれぞれのメッセージを伝えた。特に仲宗根泉(キーボード・ボーカル)のトークは、前夜祭ならではの魅力がある。
そして「みんなの歌です。第二の故郷は沖縄なんだと思いながら聞いてもらえたらうれしい」と3曲目「HAISAI」へつなげた。4曲目は、朝ドラの主題歌にもなった曲「いちばん近くに」を披露。新里英之(ボーカル・ギター)と仲宗根の、せつない歌声が会場中に響きわたり、ふたりの心のこもった一言ひとことが、心のなかに溶け込む時間となった。最後は新曲「明日種〜アシタネ〜」を初披露。サビのダンスをみんなで踊り、スペシャルな時間を終えた。
大きな舞台とは違う、目の前でのパフォーマンスに酔いしれ、これからはじまる2日間への期待を最高潮にして、前夜祭を終演した。
DAY1
10時の開場と同時に、うるま市の具志川青年会によるエイサーで来場者をお出迎え。全国から集まった来場者を楽しませた。装飾を前に記念写真を撮ったり、フードエリアで食事やドリンクを買ったり、子どもと会場をまわったりと、早速楽しむ多くの人たち。今年は来場者のスタートが早いように感じた。それだけ、SKY Fesが浸透し、春の恒例フェスとなりつつあるのだろう。
メインステージの出演アーティストはHY含め8組。11時15分、オープニングアクトから、『HY SKY Fes 2024』がスタートした。
オープニングアクトは、TikTokや路上ライブでZ世代に絶大な人気を誇る、シンガーソングライター冨岡愛。1曲目「I need your love」、2曲目「ぷれぜんと」を続けて歌いあげた。沖縄で歌うのがはじめてで、とても楽しみにしていた。最後まで楽しんでくださいと、3曲目にヒット曲「グッバイバイ」を披露。歓声と拍手が湧くなか、「またお会いできるようにがんばります」とパフォーマンスを終えた。
12時ちょうど、歓声と手拍子でHYを迎える観客たち。新里の「みんな元気〜? 5回目のSKY Fesへようこそ! HYです! 楽しむ準備はいいですか?」の呼びかけで、ウェルカムLiveがスタート。1曲目「AM11:00」のタイトルコールに大歓声があがった。スタンディングエリアには多くの人が詰めかけ、HYのLiveを楽しんだ。「この日のためにテーマソングを作ってきました。今日はその初披露の日です」とのメッセージとともに、SKY FesにかけるHYの想いを伝え、「SKY」を初披露。会場をしっかり温めたウェルカムLiveとなった。
1組目のアーティストはマッキーこと、槇原敬之。マッキーのことが大好きな仲宗根がまずは登壇し、槇原への想いを語った。自身がアーティストをめざすきっかけとなったのが、槇原の曲だったこと、自分たちの作ったフェスに、憧れの人が出演してくれることへの喜びを、力説した。
仲宗根の呼び込みから、槇原のLiveがスタート。1曲目より名曲「もう恋なんてしない」を披露し、一瞬で会場を沸かせた。以前HYのLiveにはじめていき、完全にファンになってしまったと、今日参加できたことへの喜びを伝えた。
2曲目「SPY」のタイトルコールでは歓声が湧き上がり、多くの人が、青春時代に想いを馳せたことだろう。続けて「遠く遠く」「僕が一番欲しかったもの」を披露。観客との掛け合いも楽しみ、会場のボルテージを一気に上げた。
さらに「どんなときも。」で盛り上げる槇原。新曲「うるさくて愛おしいこの世界に」をやさしく歌いあげ、槇原の心に染みる歌声が会場に響き渡った。そして最後の曲は「世界に一つだけの花」。みんなで一緒に歌い楽しみ、槇原の唯一無二のLiveを終えた。数々の名曲を惜しげもなく歌い続ける槇原は、始終とても楽しそうだった。デビュー34年目の圧倒的なパフォーマンスに、感動を覚えた40分となった。
2組目のアーティストは水曜日のカンパネラ。独特な歌詞と曲調、そして個性的なビジュアルで、Z世代のアイコン的存在となった詩羽が登場。ステージ全体を使いながら「ティンカーベル」を歌い、観客を喜ばせた。
続けて「バッキンガム」を披露。久しぶりの沖縄でのLiveで、3月の暑さに驚いていた詩羽。2曲目「ディアブロ」では「いい湯だね」の掛け合いを楽しみ、「赤ずきん」では、オオカミとともに可愛らしいパフォーマンスで魅せた。
そして「聖徳太子」「マーメイド」を続けて披露。詩羽のキュートなビジュアルと特徴的な歌詞、そして彼女の歌声と音楽は、一人でのパフォーマンスに思わせない、圧倒的な存在感だった。ラスト3曲「たまものまえ」「エジソン」「招き猫」を元気に歌いあげ、盛り上げ上手な詩羽にすっかり引き込まれた。
3組目にスガ シカオ with FUYUをむかえ、「はじめて参加します。SKY Fes、いいね」とパフォーマンスをスタート。「フォノスコープ」「19才」を続けて歌い、ファンを喜ばせた。スガのギターさばきと、FUYUのドラムテクニックで会場を一気に魅了し、名曲「Progress」を披露すると、各所から歓声と指笛が鳴り響いた。
「マッキーの『世界に一つだけの花』は、俺に対しての挑戦状かなー」と、4曲目「夜空ノムコウ」につなげた。ギターソロでスガが歌う「夜空ノムコウ」は、とてもしっとりと色気のあるものだった。そして「黄金の月」「覚醒」「ハチミツ」と、ラストまでの3曲を一気に歌いあげた。最後の曲「ストーリー」では、スガの透明感のある歌声と、高いテクニックのギター音、FUYUのドラムのビートで作り上げられた世界観が、夕刻に近づく時間帯とマッチして、抜群の雰囲気となった。
4組目のアーティストDISH//のリハがはじまると、今日一番の観客がスタンディングエリアに詰めかけた。Live前の特別なステージを楽しんだのは、ファンだけではないだろう。改めてメンバーが登壇し、「沈丁花」をファンとともに歌いあげた。
2曲目「Dreamer Drivers」では、北村匠海(Vo/G)が終盤で激しく踊り、続けてアップテンポな曲「勝手にMY SOUL」で会場を沸かせた。沖縄でのLiveは、約5年ぶりだそう。小学生のころにストリートで踊っていた時代に、ゆかりがあったというHYの歌。「自分たちの青春をかたどってくれた方々に、ホームに呼んでいただき光栄です。敬意をこめて、自己紹介をかねて」と、DISH//の代表曲「猫」を披露。少しかげっていた太陽があらわれ、北村を照らす幻想的な瞬間があらわれた。
続けて「揺れてゆく」で観客を盛り上げ、「ここから上げてっていいですか?」とアップテンポな曲「No.1」へとつなげた。6曲目「JUMPer」では観客と元気に飛び跳ね、最後は「HAPPY」で締め、とてもエネルギッシュなステージを魅せてくれた。
真っ赤にライトアップされたステージに、真っ赤な衣装のダンサーを引き連れて登場した加藤ミリヤ。圧倒的な存在感で、会場が一瞬にして湧きあがった。ヒット曲「Respect Me」を歌うと、会場内から大きな声援と指笛が鳴り響いた。SKY Fesでは子連れ客を多く見かけ、過去に楽曲を聞いていた人たちが、いまこうして親になっていることを、ミリヤ自身の状況と重ね合わせて感じたようだった。
当時の懐かしい気持ちを思い出しながら、聞いてもらえるようにと選んだ「今夜はブギーバック」「夜空」「このままずっと朝まで」「Love Forever」「SAYONARAベイベー」を、メドレーにして届けた。思い出深い名曲に、観客のテンションはMAXに。続けて新曲「No No No」を歌い、MCへ。SKY Fesと仲宗根への感謝を伝え、仲宗根と一緒に過去に作った楽曲「YOU... feat. 仲宗根泉」を披露。ステージが紫にライトアップされ幻想的な雰囲気のなか、魂がこもったふたりの歌声は、圧巻そのものだった。
ラスト2曲「DEVIL KISS」「KILL MY LOVE」を、ダンスパフォーマンスとともに歌いあげ、歌姫の存在感をしっかり残した40分だった。
DAY1のトリを飾るのは、沖縄出身のアーティストMONGOL800。今日イチの盛り上がりを見せたモンパチのパフォーマンスは、「あなたに」からスタート! 「あーなーたーに、あいたくて」の大合唱を起こし、会場のボルテージは最高潮に。2曲目「PARTY」では、パーティダンサー・粒マスタード安次嶺(あしみね)を舞台に呼び込み、曲に合わせて踊りまくる彼の姿に、おおいに楽しんだ観客。
次の曲「OKINAWA CALLING」でも、踊りくるう粒さんのダンスに、すっかり心をつかまれてしまった人も多くいただろう。「RUM RUM RUM」では、子どもたちも一緒に踊り、まさにみんなで楽しむ時間となった。5曲目は、想いを込めて「pray」を披露。最後は「小さな恋のうた」で、みんな一緒に大合唱を楽しんだ。
アンコールには「琉球愛歌」で応えたモンパチ。エイサーの演舞とともに、沖縄ならではのパフォーマンスを届けてくれた。続けて「シャボン玉」「DON'T WORRY BE HAPPY」で、SKY Fesならではのスペシャルな時間を作ってくれたモンパチ。楽しませ上手な彼らならではの、子どもから大人まで、たくさんの笑い声と掛け声であふれるLiveとなった。
今日帰る人も、そのままキャンプ泊する人も、明日も来る人も、余力を残さず最後まで存分に楽しみ、クタクタになったDAY1だった。
DAY2
最高気温26度と、3月とは思えない暑さのなか、来場者たちが会場へと足を急がせた。頭にSKY Fesのタオルをのせ、暑さ対策をしっかりととる来場者たち。メインステージの出演アーティストは、HY含め8組。太陽がギラギラと照りつけるなか、オープニングアクトから「HY SKY Fes 2024」最終日がスタートした。
オープニングアクトは、2024年2月にデビューしたばかりの、奇才のバンドグループと期待が高い名無し之太郎。美しいピアノの音色が響くなか、林(Vo)の新人とは思えない堂々としたMCで、パフォーマンスをスタートさせた。「ドライブ」「融界」「我儘」の3曲を続けて披露。おしゃれなサウンドに、会場が確かにあたたまるのを感じた。しっかりと挨拶をする彼らの姿に、好青年の印象をもった人も多いだろう。これからの活躍が楽しみだ。
1組目のアーティストは、川崎鷹也。呼び込みからすでに大盛り上がりの会場。1曲目「カレンダー」での圧倒的な歌唱力に、一瞬にして惹き込まれた。続けて「愛の歌」「君の為のキミノウタ」では、やさしい音色で会場を包んだ。
「夢のような舞台に立てたことを誇りに思います」と伝え、代表曲である「魔法の絨毯」を披露。「28歳の若造が、きっと俺なんかより頑張っているあなたに、あえてがんばれというひとことをささげたいと思います。昨日よりも今日、今日よりも明日、1回でも多くあなたが笑えるように。明日からの未来が少しだけ豊かになるような。そんな想いを込めて」とのメッセージを添えて、5曲目「またね、ヒーロー」を届けた。
最後の曲「ほろ酔いラブソング」では、手拍子とコール&レスを楽しんでほしいと、会場を最高に盛り上げLiveを終えた。深々と頭を下げ、持ってきたピックをすべて場内に投げるなど、始終観客を楽しませた川崎。彼のやさしさとメッセージあふれるステージとなった。
「肝高の阿麻和利」は、HYの地元でもある、沖縄県うるま市の中高校生が出演する現代版組踊。「肝高の阿麻和利」とは、沖縄に古くから伝わる伝統芸能「組踊」をベースに、現代音楽とダンスを取り入れて、勝連城10代目城主「阿麻和利」の半生を描く、いわば「沖縄版ミュージカル」だ。
本編2時間の演舞をショートバージョンにして、沖縄の伝統芸能を届けた。沖縄ならではのパフォーマンスに、特に県外からの来場者が喜んでくれたのは、彼らにもしっかりと伝わっただろう。子どもたちにとって、ビッグアーティストと同じ舞台に立つ経験は、唯一無二のものとなったに違いない。
3組目はロックバンドMONKEY MAJIKによるパフォーマンス。1曲目「虹色の魚」でスタートしたMONKEY MAJIKのステージは、2曲目「Around The World」であっという間に会場をロックフェスの世界観へといざなった。
続いて名曲「Change」では、自然と手拍子がうまれ、多くの観客が彼らのLiveを心から楽しみにしていたのが伝わった。そして「fly」「ただ、ありがとう」「Livin' in the sun」の3曲を披露し、7年ぶりの沖縄でのLiveに、喜びを伝えた。
そしてラストまで2曲「Together」「Safari」を歌うと、スタンディングエリアはほぼ満員状態に。ヒット曲「空はまるで」をラストに、パフォーマンスを終えたMONKEY MAJIK。多くの人が彼らの世界観を楽しみ、余韻が残るLiveとなった。
スタンディングエリアを満員状態にしたまま、ラッパー/シンガーちゃんみなのLiveがスタート。今日一番の歓声が湧き上がるなか、「美人」「Picky」と、クールなパフォーマンスで魅せるちゃんみなに、会場のボルテージが爆発した。
「ハレンチ」ではセクシーなダンスパフォーマンスでファンを喜ばせ、4曲目「B級」を歌い終えると、MCではパフォーマンスとは違った可愛らしい顔をみせた。「涼しくしてくれる曲たちを歌ってみようかなと思います」と「サンフラワー」「Call」を続けて披露。「このSKY Fesは子どもに夢だったり、勇気を与える素敵なフェスティバルだって聞きました。みんな音楽って楽しいってこと、一緒に楽しもう!」と「Never Grow Up」へとつなげた。
8曲目「You Just Walked In My Life」をポップに歌いあげ、沖縄でパフォーマンスができることにワクワクしながらふだん歌わない曲を選んだと、SKY Fesのセットリストは特別なものであることを伝えた。
そして最後まで3曲「CHOCOLATE」「ボイスメモNo.5」「Angel」を力強く届けた。「沖縄楽しかったです! 私のことみんなの涙だと思ってほしい。あなたが泣いてる限り、ずっと歌って踊るから、私に任せてください!」と、心強いメッセージを残し、エネルギッシュなステージとなった。
氣志團によるパフォーマンスは、ドラムソロからスタートした。それぞれのイメージカラーの特攻服で登場したメンバーに、観客は大盛り上がり。「俺達には土曜日しかない」「氣志團がやって来たオラ!オラ!オラ!」「恋人」「ジゴロ13」「喧嘩上等」を続けて披露し、しっかりと会場をあたためた。
MCでは、弟家族が沖縄に住んでいて、だから第2の故郷のように感じると伝えた綾小路翔。5曲目「強い気持ち・強い愛」では5人のハーモニーからイントロをスタートさせ、美しい音色で観客を魅了した。
そしてみんなのお待ちかね「One Night Carnival」! 続くMCではメンバーとOne Night Carnivalにまつわるコントを見せ、観客を大いに楽しませた。One Night Carnivalは2001年の曲であり、いつまでも歌っていることを反省しましたと、新曲「One Night Carnival 2024 ~PM11:00~」をタイトルコール。「One Night Carnival」とHYの「AM11:00」のマッシュアップ版を歌い、会場は大爆笑。エンターテインメントに溢れた楽しいパフォーマンスを終えた。
この瞬間を待ち望んだ観客の、大きな拍手に迎えられ、沖縄県出身のラッパーAwichが登場。圧倒的な存在感で「THE UNION」「Guerrilla」「ALI BABA」の3曲を歌いあげた。「恥を捨てて一緒に楽しみましょう。そして隣にいる人が恥を捨てて楽しんでいたら、その人を祝福してあげてください。やさしい目で見守ってあげてください。そしてそのエネルギーを自分にも伝染させてください。それが私なりの美学です」Awichの魂がこもる言葉に続けて、「Bad Bitch美学」「洗脳」「WHORU?」「GILA GILA」「Remember」をメドレーで届けた。
彼女のパフォーマンスは、スタンディングエリアで思い切り楽しんだ方がよい。見ていて羨ましくなるほど、楽しそうな人で溢れた。そして、大切な琉球の言葉を継承し、自分なりの言葉で作ったという「琉球愛歌Remix」を、やさしい音色で聴かせてくれた。
最後3曲は、SKY Fesならではの特別な演出を用意。沖縄で活動するラッパー柊人を呼び込み、「柊人-好きなこと」を披露。「RASEN in OKINAWA」では途中でCHICO が登場し、存在感のあるステージをみせてくれた。そのまま「CHICO CARLITO -Let Go feat.柊人」を圧巻のパフォーマンスで歌い、多くの観客がこの瞬間に、ここにいれたことに酔いしれたことだろう。
柊人とCHICOを舞台に残したまま、SugLawd FamiliarのVanity.K、OHZKEYを呼び込み、フルメンバーで最後の曲「LONGINESS REMIX」に入ったときには、観客のボルテージが最高潮となったのはいうまでもない。この40分は、AwichからSKY Fesに参加した全員への、スペシャルなGIFTとなった。
『HY SKY Fes 2024』の大トリを務めるのは、もちろんHY! 観客たちが手拍子で迎えるなか、カチャーシーでメンバーが登場。3日間の大トリを思い切り楽しむ準備を万端にして、最後のLiveをスタートした。
1曲目はキッズダンサーとともに踊りながら、新曲「明日種~アシタネ~」を披露。そして名曲「AM11:00」、楽曲の世界観に着想を得て制作される4月期放送の月9ドラマ「366日」の主題歌「366日(Official Duet ver.)」と続いた。仲宗根と新里の、オフィシャルデュエットバージョンで魅せた「366日」は、多くの人の心に響いたことだろう。
「沖縄のやさしい風に包まれましょう」と4曲目「3月の陽炎」をしっとりと歌いあげ、琉球國祭り太鼓とともに「時をこえ」を届けた。沖縄民謡のように歌いあげる仲宗根の美しい声に、さっきまで盛り上がっていた観客も静かに聴き入っていた。
雰囲気を一変させ、アップテンポな曲「隆福丸」へ。大人も子どもも、手拍子と大合唱とジャンプで大盛り上がりをみせた。大きな声で叫ばれたアンコールには、子どもの可愛らしい声もたくさん聞こえ、「ホワイトビーチ」で応えたHY。「これまで何百回も歌ってきたけど、最高の1回に皆さんでしませんか」との新里のメッセージに、観客もしっかりと応えた数分間だった。
そして最後にAwichをサプライズで呼び込み、「ホワイトビーチ」をコラボする、最高の瞬間を迎えた。「2024年があなたにとって最高の飛躍の年になるように」とのメッセージを添えて、HYとAwichと、そして大人も子どももみんなで思い切り楽しみ、全員がひとつとなって、「HY SKY Fes 2024」は幕を閉じた。
HYメンバーが地元沖縄で「地球と子どもたちと未来のために」できることはないかと考え、生み出されたSKY Fes。子どもたちの大きな夢やチャンス、家族みんなでつながっていく大切な時間になればというHYの思いのとおり、多くの人にとって大切な場面となったことだろう。
そしてSKY Fesの魅力は、なんといってもHY自身にある。彼らの感謝を忘れない気持ちややさしさ・あたたかさが、SKY Fesに参加するたびに伝わり、すっかり好きになった人も多いはず。「いーずーは、みんなのお母さん」と、各アーティストから慕われるHY。その魅力にまだ気がついていない人は、ぜひ参加してほしい。HYを好きになり、あたたかい気持ちになれるはず。
『HY SKY Fes 2025 & 前夜祭』は、2015年3月14日(金)・15日(土)・16日(日) に開催予定。次回がまた楽しみだ。
なおこの3日間の模様は、2024年5月3日(金・祝) 19時から23時30分、CSチャンネルフジテレビNEXTにて独占放送されることが決定している。
Text:五十嵐梨花 Photo:G-KEN / 根原奉也 / 仲本潤
<公演情報>
『HY SKY Fes 2024 & 前夜祭』
3月22日(金) ~24日(日) 沖縄・沖縄県総合運動公園多目的広場
セットリスト
3月22日(金)
■由薫
M1. Crystals
M2. Rouge
M3. No Stars
M4. 星月夜
M5. sugar
■HY
M1. モノクロ
M2. 君のうた
M3. HAISAI
M4. いちばん近くに
M5. 明日種〜アシタネ〜
3月23日(土)
■冨岡愛
M1. I need your love
M2. ぷれぜんと
M3. グッバイバイ
■HY
M1. AM11:00
M2. SKY
■槇原敬之
M1. もう恋なんてしない
M2. SPY
M3. 遠く遠く
M4. 僕が一番欲しかったもの
M5. どんなときも。
M6. うるさくて愛おしいこの世界に
M7. 世界に一つだけの花
■水曜日のカンパネラ
M1. ティンカーベル
M2. バッキンガム
M3. ディアブロ
M4. 赤ずきん
M5. 聖徳太子
M6. マーメイド
M7. たまものまえ
M8. エジソン
M9. 招き猫
■スガ シカオ with FUYU
M1. フォノスコープ
M2. 19才
M3. Progress
M4. 夜空ノムコウ
M5. 黄金の月
M6. 覚醒
M7. ハチミツ
M8. ストーリー
■DISH//
M1. 沈丁花
M2. Dreamer Drivers
M3. 勝手にMY SOUL
M4. 猫
M5. 揺れてゆく
M6. No.1
M7. JUMPer
M8. HAPPY
■加藤ミリヤ
M1. Respect Me
M2. メドレー(今夜はブギーバック・夜空・このままずっと朝まで・Love Forever・SAYONARAベイベー)
M3. No No No
M4. YOU... feat. 仲宗根泉
M5. DEVIL KISS
M6. KILL MY LOVE
■MONGOL800
M1. あなたに
M2. PARTY
M3. OKINAWA CALLING
M4. RUM RUM RUM
M5. pray
M6. 小さな恋のうた
M7. 琉球愛歌
M8. シャボン玉
M9. DON'T WORRY BE HAPPY
3月24日(日)
■名無し之太郎
M1. ドライブ
M2. 融界
M3. 我儘
■川崎鷹也
M1. カレンダー
M2. 愛の歌
M3. 君の為のキミノウタ
M4. 魔法の絨毯
M5. またね、ヒーロー
M6. ほろ酔いラブソング
■肝高の阿麻和利
M1. ダイナミック琉球 short ver.
M2. 伝令
M3. 安波節
M4. 伊計離島
M5. 棒術
M6. あまわり誕生〜歓喜
M7. 肝高の詩
■MONKEY MAJIK
M1. 虹色の魚
M2. Around The World
M3. Change
M4. fly
M5. ただ、ありがとう
M6. Livin' in the sun
M7. Together
M8. Safari
M9. 空はまるで
■ちゃんみな
M1. 美人
M2. Picky
M3. ハレンチ
M4. B級
M5. サンフラワー
M6. Call
M7. Never Grow Up
M8. You Just Walked In My Life
M9. CHOCOLATE
M10. ボイスメモNo.5
M11. Angel
■氣志團
M1. 俺達には土曜日しかない
M2. 氣志團がやって来た オラ!オラ!オラ!
M3. 恋人〜ジゴロ13
M4. 喧嘩上等
M5. 強い気持ち・強い愛
M6. One Night Carnival
M7. One Night Carnival 2024〜PM11:00〜
M8. One Night Jamboree
■Awich
M1. THE UNION
M2. Guerrilla
M3. ALI BABA
M4. Bad Bitch美学
M5. 洗脳
M6. WHORU?
M7. GILA GILA
M8. Remember
M9. 琉球愛歌Remix
M10. 柊人-好きなこと
M11. RASEN in OKINAWA(Awich & CHICO CARLITO Ver.)
M12. CHICO CARLITO -Let Go feat.柊人
M13. LONGINESS REMIX
■HY
M1. 明日種~アシタネ~
M2. AM11:00
M3. 366日(Official Duet ver.)
M4. 3月の陽炎
M5. 時をこえ
M6. 隆福丸
M7. ホワイトビーチ(with Awich)
<リリース情報>
HY「366日(Official Duet ver.)」
配信中
※フジテレビ系月9ドラマ『366日』主題歌
配信リンク:
https://HY.lnk.to/366days_odv
<番組情報>
『HY SKY Fes 2024』
5月3日(金・祝) 19:00~23:30 フジテレビNEXT ライブ・プレミアムで放送
※DAY1、DAY2ライブの模様を中心にSDGsをコンセプトにしたフェスの舞台裏を追加
番組公式サイト:
https://otn.fujitv.co.jp/SKY24/
<ライブ情報>
HY 25th Anniversary TOUR
9月22日(日) 沖縄・那覇文化芸術劇場 なはーと 大劇場
9月28日(土) 東京・ひの煉瓦ホール(日野市民会館)
9月29日(日) 東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
10月12日(土) 愛知・名古屋市公会堂 大ホール
10月13日(日) 静岡・焼津市大井川文化会館 ミュージコ
10月26日(土) 千葉・印西市文化ホール
10月27日(日) 埼玉・狭山市市民会館
11月9日(土) 兵庫・神戸文化ホール 大ホール
11月10日(日) 奈良・なら100年会館 大ホール
11月23日(土) 新潟・上越文化会館 大ホール
11月24日(日) 福井・敦賀市民文化センター 大ホール
12月7日(土) 宮城・仙台電力ホール
12月8日(日) 岩手・花巻市文化会館 大ホール
12月14日(土) 熊本・熊本城ホール メインホール
12月15日(日) 福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
2025年1月18日(土) 香川・サンポートホール高松 大ホール
2025年1月19日(日) 高知・高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
2025年1月25日(土) 山口・渡辺翁記念会館
2025年1月26日(日) 島根・島根県芸術文化センター グラントワ
and more
公式サイト:
https://hy-road.net/