『法然と極楽浄土』東京国立博物館で 浄土宗850年の歴史を国宝、重要文化財を含む貴重な名宝でたどる
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《五百羅漢図》第24幅 六道 地獄 狩野一信筆 江戸時代・19世紀 東京・増上寺蔵 前期展示
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すべて見る平安末期に法然(1133-1212)によって開かれ、その教えが現代にまで連綿と受け継がれている浄土宗。2024年に開宗 850 年を迎えることを記念し、全国の浄土宗ゆかりの名宝の数々を紹介する展覧会が、4月16日(火)から6月9日(日)まで、上野の東京国立博物館で開催される。
平安末期は、度重なる内乱や災害、疫病によって世が乱れた時代。そんな時代の1175年、法然が説いたのは、南無阿弥陀仏と称えることで誰もが等しく救われ、極楽浄土に往生できるという教えだった。貴族から庶民まで多くの人々に支持されたその教えにより、浄土宗は鎌倉時代に一大宗派となり、さらに江戸時代になると、徳川将軍家の帰依を受けて大きく発見をとげることになる。
同展は、その浄土宗の歴史と美術を、鎌倉時代から江戸時代まで通覧する史上初の展覧会。東京会場では、鎌倉や瓜連の中世来の古刹や、徳川家康が菩提所に定めた芝の増上寺、さらに将軍家ゆかりの関東の浄土宗寺院に注目して、その宝物を展観する。
浄土宗の学問拠点「関東十八壇林」の筆頭として多くの学僧を輩出した増上寺からも重要な宝物が出陳されるが、なかでも幕末の絵師・狩野一信が約10年の歳月をかけて制作した《五百羅漢図》の大幅全100幅のうち、24 幅が登場するのが見逃せない。鮮やかな色彩と羅漢たちの迫力あふれる表現が圧巻だ。
ほかにも、国宝や重要文化財を含む浄土宗を代表する名宝が並ぶ。鎌倉時代の仏画の傑作・国宝《阿弥陀二十五菩薩来迎図》(来迎する聖衆のスピードが感じられることから、「早来迎」の愛称で知られる名品)が、修復後に初公開されるのも大きな話題となろう。
もうひとつの見どころは、通常は画像で描かれることの多い釈迦入滅の場面を、仏像で立体的に表した「立体涅槃像」の展示が壮大なスケールで繰り広げられること。香川県・高松の法然寺の77体からなる《仏涅槃群像》のうち、今回は釈迦の涅槃像、羅漢、八部衆、動物など計26 体がお出ましになる。
困難な時代に分けへだてなく万人の救済を目指した法然と門弟たち。同展は、その生き方と浄土宗の長い歴史を、各地で大切に守り伝えられてきた文化財の数々を通じて辿る貴重な機会となっている。
<開催概要>
特別展『法然と極楽浄土』東京会場
会場:東京国立博物館 平成館
会期:2024 年 4 月 16 日(火)~6 月 9 日(日) ※会期中展示替えあり
時間: 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)
料金:一般 2,100円、大学1,300円、高校900円
展覧会公式サイト :
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/honen2024-25/
巡回展: 2024年10月京都国立博物館、2025年10月九州国立博物館
チケット情報 :
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2448376
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