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【相思相愛対談】UlulU×おとぎ話「1年に1回は必ず一緒にツアーやった方がいいんじゃないか」

音楽

インタビュー

ぴあ

UlulU×おとぎ話 Photo:小境勝巳

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東京を拠点に活動する3ピースバンド・UlulU(ウルル)が4月20日から東名阪のツーマンツアーを開催。and Young...との初日・大阪、台風クラブとの2日目・名古屋を経て、5月31日、ファイナルとなる東京・WWWでの対バン相手はUlulUのメンバーが敬愛するおとぎ話だ。

聞けば初めて同じイベントに出演したその日からおとぎ話の有馬和樹(Vo/Gt)はUlulUの音楽やライブに惚れ込んでいたらしく、このツーマンは両バンドにとっても念願の実現となる。かたやマイペースに自分たちの世界を作り続ける若手バンドと、かたや20年以上にわたりマイウェイを走り続けるベテランバンド。2組はどんなところで通じ合い、共鳴するのか。

UlulUから大滝華代(Vo/Gt)、横山奈於(Ds)、古沢りえ(Ba)、おとぎ話から有馬と牛尾健太(Gt)に参加してもらい、お互いのことを語り合ってもらった。

――そもそもこの2組はどういう出会いだったんですか?

有馬 最初は、京都で「いつまでも世界は…」っていうサーキットイベントがあって。それで京都の磔磔でライブをやったんですよ。そのときの僕らの2個か3個前の出番がUlulUで、僕らが機材を搬入するときにライブをやってたんですよ。それで「お、いいバンドだ」と思って、前でずっと観てたんです。それでいいバンドだから物販買おうかなと思ったら、物販がなくて(笑)。

牛尾 まあ、サーキットイベントだしね。

有馬 そう、そこでちょっと瞬間の美学を感じて。そのときに「よかったです」って言いたかったんだけど、ボーカルってやることが多かったから何もできなかったんです。そしたらうちのドラム(前越啓輔)が「よかったって言ったら喜んでたよ」って言ってて、「は? 何喋ってんだよ」って(笑)。それで、いつか対バンとかできればいいなと思ってたんですけど、その後コロナ禍になってしまって……アルバムが出たのが?

横山 2022年ですね。

有馬 もう一昨年なのか。あのアルバムが出たときにちょろっと聴いて、またいつか対バンとかできたりとか、イベント一緒だったらいいなと思ってたら、去年、久々にライブを観ることになって。そのときも僕たちの前の出番とかだったんですけど、そのときのライブがめちゃくちゃよくて、前に観たときから全然印象が変わってたんです。それですごい感動して、レコードを買ったんです。

――2023年9月の大阪の野外イベント「SLOW DAYS」ですね。

有馬 そう。4年越しぐらいにようやく音源を買えた(笑)。

大滝 最初は2019年とかですもんね。

有馬 だから、そうやって個人的にはすごい追っかけてたバンド。

――そのとき、古沢さんがSNSでつぶやいてましたよね。「MCで有馬さんがUlulUの名前を出してくれた」って。

古沢 そう、曲に入るときに「UlulUもカバーしてたから、自分らもカバーやります」みたいなことを言ってくれて。

有馬 言ってた? 最悪なことしてますね。UlulUが「愛の讃歌」をしっかりカバーしたのに、僕はちょっと場をつなげるためにドリカムをカバーしたんです。ダシに使った(笑)。

横山 ドリカムが野外で綺麗に響き渡ってました(笑)。でも、名前出してくれただけでめっちゃうれしかったです。

――UlulUにとっておとぎ話はどういう存在なんですか?

古沢 パイセン……。

牛尾 まあ、パイセンだよね(笑)。

大滝 直属の先輩。

有馬 直属? 全幅の信頼を置かれてる(笑)。

大滝 中学のときから聴いていたし、何ならサブスクとかないときにTSUTAYAでアルバムを借りて聴いてたバンドのひとつでした。

――なるほど、UlulUの中にはおとぎ話の遺伝子が……。

大滝 そう、育ってる。

横山 ずっと知ってたから、勝手に長い知り合いみたいな感覚があります。

有馬 だから長い知り合いなんですよ。

――精神的には、ということですね(笑)。

有馬 精神的に繋がり合ってる、俺たちは。

――そんな出会いを経て、今回UlulUはツアーにおとぎ話を呼んだわけですが。このタイミングでというのは何か理由があるんですか?

古沢 その大阪のライブのときに結構お話もできて、そのときも「また対バンしたいですね」って言ってくださって。だからちゃんとうちらで企画があるときにしっかり呼べたらって思っていたんです。それで今回声を掛けさせていただいたんです。

有馬 2秒で決まりました。うちはドラムの前越君が最終判断をするんですけど、「UlulUから誘われました」っていう瞬間に「出ましょう、絶対出なきゃダメ」って。

――有馬さんをそこまでのめり込ませるUlulUの魅力というのはどういうところなんでしょうか?

有馬 最初は3ピースだし、僕らも対バンしてたandymoriとかの匂いを感じた部分がすごくあったんです。でもその匂いは感じるんだけど、やっぱり男の子と女の子って違うから。僕はどっちかっていうと、マッチョイズムみたいなのがすごい苦手なんですけど、そうじゃない繊細さとか……大滝さん、歌ってるときに下向いて歌ったりするじゃん。

大滝 はい(笑)。

有馬 そういうのを見て「あれ、この子タダモノじゃないことを考えてるのかもしれないな」と。「生活」とかの歌詞を聴いても、見えてる場所が違う、繊細なところが見えてるんだなって感じて、これから先、もっと違う表現が出てくるのかなと思ったんです。でも、その後アルバムを――出たときはそんなに聴いてなかったんだけど、去年対バンして家に帰ってレコードを聴いたときに、ライブのUlulUじゃない音源だったから結構衝撃を受けたんです。「これはまずい」と。

――まずい?

有馬 そう、すごいバンドだと思った。最初に「こうなっていくんだろうな」って思ったのとまったく違うっていうか、見えてるものの視座が違うっていうか、そこで衝撃を受けたんです。それで車の中でね?

牛尾 めっちゃかけてたよね。車に乗ったら絶対UlulUのアルバムがかかってた。

有馬 それぐらいハマっちゃって。だからもう、うれしかったんですよ。1年に1回は必ず一緒にツアーやった方がいいんじゃないか、みたいな。昔はあったじゃん、ソニック・ユースとダイナソーJr.がツアー絶対回るとか。そういうのって今の時代は少ないから。なんていうのか、売れる・売れないとかで言っちゃうと残酷な話になっちゃうんだけど、残る音楽をやってるバンドだと思って、それにすごく感動したから僕好きなんですよ。

古沢 マッチョイズム的なのが苦手って言ってたけど、(UlulUも)みんな「ほら、これがいいんじゃ!」とか「こうしろ」みたいのがあんまり好きじゃないし、だからやりたくないよねっていう気持ちが音楽だけじゃなくていろんなことに対してあるんで、そこがたぶん分かり合えるポイントなんじゃないかなって勝手に私は思ってます。

大滝 うん。「これはこうだから、こう」みたいな感じで訴えたいわけじゃないんですよ。ただ、自分が生活しているもののすべてを表現したいってずっと思って曲を作ってやってきたから。たとえば「男性だからこう」とか「女性だからこう」とか、そういうのってあるじゃないですか。今LGBTQとかってあるけど、そういう言葉すら全部超えて音楽をやってるので。

有馬 うんうん、わかる。ちなみに牛尾は、音源を初めて僕が車でかけたときは「ギターがやばい」ってめちゃくちゃ褒めてた。

牛尾 わりと車でツアー回るんですけど、毎回かけるんですよ。アルバムを頭から。それで全部聴いてたらめちゃくちゃいいなと思って。僕はそんなに若手バンドとか聴く方じゃないんですけど――。

有馬 トム・ウェイツしか聴かないよね。

古沢 最高。

牛尾 (笑)。「愛の讃歌」のギターがとてもよくて。演奏がすごかったですね。

有馬 すごいうまい、本当に。すっごいできあがってる。

――そのへん、自覚はあるんですか?

大滝 ないですね。レコーディングではリズムが合わないから何回も録り直して、「じゃあパンチで」みたいな感じでなんとか録ってる感じなんで。

横山 でも、昔よりはだいぶ……。

有馬 それはみんなそう。なんでも教えられるよ、有馬は。いい音源ができればいいの、それで。

横山 でも自分たちにしか出せない音は出せてるなっていうのはずっと思ってます。うまいとか下手とかは別に、うまいバンドが好きなわけでもないし、そこの基準でどう見られているかはわからないけど、自分たちがやってる音楽は好きだし、胸張って人前に出せると思ってるし。「自分たちの」っていう感覚はありますね。

牛尾 それが伝わりました。

――単純にテクニックがあるっていう話じゃないってことですよね。逆にUlulUの3人は、音楽的な部分でおとぎ話のどういうところがいいなと思いますか?

横山 おとぎ話もやっぱり、「おとぎ話の音楽」っていうのがあるから。何枚もアルバム出されてるし、ずっと続けられてるけど、やっぱりおとぎ話にしかできないよなって思いますね。

古沢 あと歌詞がただ優しい、みたいな。「ついてこい」じゃないのに、心のよりどころになるっていうか、そういう音楽かなって。かつ、それでいてちゃんとロックっていうバランスが素晴らしくて好きです。

――おとぎ話の曲も確かに優しいんだけど、優しさの奥にやばいものが絶対あるっていうか。その手触りがUlulUに似ている部分もあるのかなと思いました。

有馬 なんか、キュートさなのかな。切実なんだけど、生きてると。「Terminal」っていう曲とか、めちゃくちゃ歌詞が好きで。わりと曖昧なことで入るのかなと思ったら「君じゃなきゃね」って言ってくれたりすると、ブワーって涙出てくるみたいな。そういうところが僕はすごい好きで、自分もそういう表現をやりたいんです。隣にいてくれるような曲なんですよ。めっちゃ励まされても困るから。そこがかわいさだったりキュートさだって僕は思ってるんですけど、大滝さんの声がわりとそういう声だから。あれがグッとくるんですよ。

大滝 そうなんだ。

有馬 歌い上げてくるっていうよりは「ポコッ」て歌うんだよ。それが凄く大事で。偉そうじゃないんですよ。おとぎ話も絶対そうでありたい。

――それこそおとぎ話は今の話にあったかわいさをすごく持ってますよね。

有馬 命がけでやってます。マジで命がけでやってます。すぐカッコつけちゃうんですよ、やるとなったら。でも僕かっこよくもないんで。天パだし。ダメなんですよ、本当にカッコつけちゃうとバランスが取れなくなる。ひたすら自分は自分であることが大事。さっきトム・ウェイツの話したけど、トム・ウェイツとかローリング・ストーンズとか、どっかかわいい瞬間があるんです。

牛尾 そうだね。きっと俺らが好きなバンドはみんなそう。

有馬 最初から最後までそうじゃないバンドって、僕はどっちかっていうと苦手なんで。だから、UlulUにはそういう魅力がある。

――UlulUはライブをやる上でこうありたいっていうイメージはあるんですか?

古沢 ボーカルが自由に歌えてればいいなって。

横山 あと自分たちが楽しいかどうか。

古沢 尚且つそれでお客さんに届いたら嬉しいけど、みんなが「わー」ってならなくてもいいかなって。自然とみんな盛り上がれる日があればめっちゃ幸せなんですけど、そこにいる人それぞれが楽しい気持ちになれたらそれでいいみたいな。「こうありたい」とは違うかもしれないけど、そんな気持ちはあります。

有馬 いいなと思うのは、僕らの時代はSNSとかなかったけど、UlulUはバンド始めたときにすでに評価とかが見えるっていうかさ。僕らはそれが見えなかったから、ひたすらカッコつけて「俺たちいちばんかっこいいよな」って思うしかなかった。でもそれに対して自分たちとしてもなんか虚無感があって、すり減らしてるだけっていう感じだったんです。でも、この4人でやってるのって楽しいからやってるわけで、じゃあ「4人が楽しい」っていうのをお客さんに伝えるために最低限ちゃんと練習しようとか。そこがしっかりできてれば、どれだけギスギスしててもステージはひたすら楽しいじゃん。それだけやれればいいかなって。そう思うとUlulUとか、今の自分たちよりも後輩のバンドのライブを観ると感動する。本当にそのままの君でいて、みたいな気持ち。

――でも、UlulUの世代でも全然違う考え方でバンドやってる人はいっぱいいると思うんですよ。努力して自分たちのやり方をキープしているところもあると思う。

古沢 NEWFOLK(レーベル)の人たちも含めて努力してもらってるところはあると思う。ある意味、多くの人に見てもらうために楽な方法はあるっちゃあると思うんです。ただ、そういうやり方は私たちの伝えたいこととズレがあるよなって。わざわざ音楽をやっているのに、伝えたいこととやり方にズレが生まれてしまったら気持ち悪いよねって。

横山 着たくない服を着せられてるような感覚になると、本当に……。そのために生きてるわけじゃないし、やっぱり自分たちらしさっていうのは絶対に失いたくないから。そこの認識が3人とも一緒っていうのは意外とすごいことなのかも。オリジナルメンバーだし、3人とも。

古沢 女子的な意味でも、すごいかわいく見られたい子とかもいるわけじゃん。でも私たち3人はそういうわけじゃないっていう、そこの価値観が一緒なのは、確かにあんまりないのかもしれない。

横山 っていうのに、何年もやって気づいてきた。

――そんな中、ツアーが始まっていくということで。ファイナルのおとぎ話とのツーマンは5月31日で、なんとおとぎ話のアルバムが出た直後という。

古沢 超楽しみ。おとぎ話だけ聴いてライブをしに行く可能性が出てきた(笑)。

――そういうときって、新曲もちゃんとやるんですか?

有馬 全然やりますよ。でも、これだけ車の中でUlulUを聴いてるんで、私の中のUlulUみたいなライブします。もう、絶対にやらなきゃいけない曲が2曲あります。その答え合わせをしたい。

横山 どれだろう……。

古沢 うちらとしてはもう、いい日にしかならないと思っています。何か見えざる手によっていい日になるのでは、とさえ思っています。

横山 去年フェスで会ったときにおとぎ話のメンバーの皆さんと話をして、「もうこれは今後なんかあるっしょ」っていう感じがあったから、結構自然にこうなった。

古沢 当日来てくれる方にも「いい日だったな」って感じてもらえるように、最大限良いライブをしたいと思います。

――有馬さんも言っていたけど、ツアーとか一緒にやってほしいですよね。

有馬 やりたい!

大滝 やりたいです!

有馬 もうおとぎ話に任せてくれれば。沖縄とか行きたい。最高だよね。泡盛うまいぞ。

Text:小川智宏 Photo:小境勝巳

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<UlulU>
●公演情報
『UlulU Two-man Live Tour 2024』

2024年5月19日(日) 愛知県 CLUB UPSET
出演:UlulU/台風クラブ

2024年5月31日(金) 東京都 WWW
出演:UlulU/おとぎ話

チケット料金:3,500円(入場時ドリンク代が必要)
https://w.pia.jp/t/00227857/

●リリース情報
デジタルシングル「駆け巡る晴」

2024年5月13日(月) リリース

UlulU「駆け巡る晴」ジャケット

配信リンク:
https://linkco.re/yxnENsza

UlulU「駆け巡る晴」CM映像

UlulU 公式X:
https://twitter.com/UlulU_official

<おとぎ話>
●ライブ情報
ワンマンライブ『まじ、HELL』

2024年6月15日(土) 東京・神田明神ホール
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2406057

●リリース情報
デジタルシングル「I♡PIG」

配信中

おとぎ話「I♡PIG」ジャケット

配信リンク:
https://big-up.style/

アルバム『HELL』

配信:2024年5月29日(水) リリース
CD:2024年6月15日(土) リリース

おとぎ話 公式サイト:
https://otogivanashi.com/