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東京国立博物館で「カルティエと日本 半世紀のあゆみ『結 MUSUBI』展 ― 美と芸術をめぐる対話」開幕

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「カルティエと日本 半世紀のあゆみ『結 MUSUBI』展 ― 美と芸術をめぐる対話」 (撮影:飯塚さき)

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カルティエが、原宿に日本初のブティックを開いてからちょうど50年の節目である今年。6月12日(水) より、東京国立博物館表慶館にて「カルティエと日本 半世紀のあゆみ『結 MUSUBI』展 ― 美と芸術をめぐる対話」がスタートする。メゾンと日本を「結ぶ」さまざまなストーリーを通して、カルティエと日本のアーティストのつながりを紐解いていく。

会場となるのは、日本最古の博物館としても知られる国立博物館。明治末期に建築され、国の重要文化財にも指定されている表慶館は、中央に大ドーム、左右に小ドームのある美しいシンメトリーなデザインとなっている。本展は、このデザインを存分に生かし、カルティエのジュエリー作品を展示するパートと、これまでカルティエに携わった14名の日本のアーティストたちの作品が並ぶパートに分かれている。

このふたつのパートをかけ橋のようにつなぐのが、建物中心の大ドームに展示される澁谷翔のインスタレーション作品だ。この作品の制作にあたり、35日間かけて日本全国を旅した澁谷氏。各都道府県の「空」に着想を得て、絵画50点の連作を完成させた。歌川広重の『東海道五十三次之内』のオマージュでもあるこの作品。10日に行われたプレスカンファレンスに登壇した際、制作の背景を次のように語った。

「コロナ禍で世界中がロックダウンされ、ニューヨークのアパートで悶々とする日々を過ごしていたとき、東海道五十三次を思い浮かべながら、空想の中で旅をしたいと思うようになりました。日本橋に足を運んだとき、残念ながら広重が見た200年前の風景はもうそこにはありませんでしたが、唯一変わらないものに気づきました。それは、空です。ここから日本全国を旅し、各地の地方新聞の一面を使って、その都道府県の空を表現しました。普遍的なものを、違った角度から楽しんでもらいたいという思いです」

前半に展示されている、カルティエのジュエリーをはじめとする作品は、どれも日本の伝統的な建築や絵画、オブジェ、書物などから着想を得たものたち。印籠からインスピレーションを受けた貴重なヴァニティケース(化粧道具バッグ)や、龍や鳳凰、虎といった日本古来の動物をモチーフとした装飾品など、日本の文化に影響を受けた品々が並ぶ。

さらに後半の展示で扱われているのは、これまでカルティエの展覧会に携わってきた日本人アーティストたちの作品。杉本博司、森山大道、北野武、村上隆、横尾忠則など、そうそうたる名が並ぶ。絵画、立体、映像、服飾といったジャンルを超えた作品たち。これまで、カルティエがいかにオープンに多くのアーティストたちを支えてきたかが一目でわかる、実に幅広い展示となっている。

120点に及ぶカルティエコレクションとプライベートコレクション作品、そして150点以上の現代アーティストたちによる作品が一挙に楽しめる本展。まるで異なる2つの展覧会を見ているようで、最後にはカルティエと日本との強固なつながりや歴史、そして未来を感じることができるだろう。そんな不思議な体験が、美しいシンメトリーの空間で待っている。

取材・文・撮影:飯塚さき

<公演情報>
「カルティエと日本 半世紀のあゆみ『結 MUSUBI』展 ― 美と芸術をめぐる対話」

会期:6月12日(水)~7月28日(日)
会場:東京国立博物館 表慶館

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/musubi2024/

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