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音楽劇『あらしのよるに』ガブ役・白石隼也、メイ役・南野巴那インタビュー「ガブとメイには“友だちでいたい”という覚悟がある」

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左から)白石隼也、南野巴那 (写真=曳野若菜)

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音楽劇『あらしのよるに』が、8月24日(土)・25日(日) に東京・日生劇場で上演される。

オオカミのガブとヤギのメイの間に芽生えた不思議な友情を描いた人気絵本シリーズ『あらしのよるに』は、第1作が発表されてから今年で30年を迎え、これまでアニメ化や歌舞伎化など、様々な形で多くの人に愛され親しまれてきた作品だ。

音楽劇としては、立山ひろみの脚本・演出、鈴木光介の音楽、山田うんの振付により2019年に初演、2021年に再演され、今回が3回目の上演となる。今回は新キャストとして、舞台・映像ともに数々の作品で活躍をみせる白石隼也をガブ役、NHK Eテレ『にほんごであそぼ』に“のはーな”役でレギュラー出演中の南野巴那をメイ役に迎える。新キャストのふたりに、本作に挑む思いを聞いた。

──本作への出演が決まったときの心境を教えてください。

白石 僕はミュージカル作品に対して「あまり得意ではない」という意識が少しあって、それは事務所にも伝えてありました。本作は音楽劇だと聞いて少し身構えたのですが、僕が演じるガブはそんなに歌ったり踊ったりするわけではないということで、それならば挑戦してみたいな、と思ったのと、子どもたちに向けた演劇作品に出演することはとても素敵な経験になるだろうと思ったので、喜んでお受けしました。

白石隼也

南野 『あらしのよるに』は、幼稚園の頃に読んで好きな絵本だったので、出演のお話を聞いたときは「信じられない!」と思ったくらい嬉しかったです。生の舞台でお客さんと『あらしのよるに』の世界を共有できる瞬間がすごく楽しみだな、とワクワクしました。

──南野さんは小さな頃から絵本で読んでいたとのことですが、どんなところがこの物語の魅力だと思いますか。

南野 種族の違うガブとメイがひょんなことから出会って、命をかけてでもお互いを助け合って友情を育んでいくところがすごく素敵だなと思います。体の強いガブに体の弱いメイは何度も助けてもらって、逆にメイは心優しくてちょっと弱い部分があるガブのことをその明るさで助けていて、ふたりには「どこまでも友だちでいたい」というすごい覚悟があるな、と思いましたし、そんなふうにお互いを思い合っているガブとメイのことが愛おしく思えたし、同時にふと自分の大切な人を思い浮かべたりするような、そういう温かさがこの作品の魅力なんじゃないかなと思います。

南野巴那

──白石さんは原作の絵本のことは以前からご存知でしたか。

白石 読んだことはなかったのですが、もちろん作品のことは知っていました。出演が決まって読んでみて、子ども向けではあるけれども、自然の摂理というか弱肉強食の世界が描かれていて、大人が読んでもとても説得力のある物語だなと思いました。

ふたりの関係性で見え方も変わってくる

──この作品が推奨年齢6歳からとなっていますが、それくらいの頃はどんな子どもでしたか。

白石 すごく悪い子でしたね(笑)。やんちゃで、勉強そっちのけでずっと校庭でサッカーをしているような子でした。元気な子ではあったんですけど、シャイなところもあって、苦手な人がいると急に喋らなくなって縮こまっている瞬間もあるような子でした。

南野 私はメイと似てすごく好奇心旺盛で、小さい頃に川辺で撮った写真を見ていたら、他の子は長靴を履いていたりするのに、私だけ素足で水の中に浸かっていたりして(笑)。なんかそういう感じの写真がいっぱいあるんですよ。あちこち走り回りすぎて、いろんな転び方をして、今もちょっと傷が残っているぐらいケガをいっぱいしているような子どもでした。

──その頃に舞台を見に行った経験はありましたか。

白石 幼稚園の頃、クラシックバレエをちょっと習っていたときがあって、発表会に出たりとか、友だちが出ているのを見に行ったりとかはしましたが、それ以外で舞台を見に行くことはあまりなかったですね。小学生になってからはサッカーに夢中で、それ以外の文化的なものはほとんど接していなかったです。

南野 私も5歳からバレエをやっていたので、バレエの舞台は小さい頃からよく見に行っていました。演劇との出会いは、中学生のときに友だちから宝塚歌劇団の『ベルサイユのばら』のDVDを借りたことがきっかけで、そこから歌とか踊りとか、あとはセリフを真似して言ってみたりして、舞台が大好きになっていきました。

──おふたりが演じるガブとメイの間には、どんな関係性を築きたいですか。

白石 メイは多分オスだと思うんですけど、でもこの作品では女性が演じるじゃないですか。そうするとどうしても「男と女の恋の話」という路線に見えなくもないんじゃないかな、と思うんです。そういう要素を含んだ物語でもあるのかもしれませんが、でもビジュアル撮影で南野さんと話したときに、「メイをどういう感じでやるの?」と聞いたら「まだわからないけど、まずは中性的にやってみようと思っている」と言っていて、だからふたりの関係性も、メイをいわゆるヒロインみたいな扱いにするのではなくて、僕たち自身が本当に友だちのような感覚でいれば、その関係性で見え方も変わってくるんじゃないかな、という気がしています。

南野 絵本の中でメイがガブに「覚悟を持ってここにいるんです。何でも話せるのが友だちなんじゃないですか」と言うシーンがあるんですけど、本当に嘘がない、かっこいい言葉だなと思って、そういう嘘のないまっすぐな友情、まっすぐな信頼関係をガブと築いていけたら、と思っています。

取材・文=久田絢子
写真=曳野若菜

ヘアメイク:橘 房図
スタイリスト:岡部俊輔(白石隼也)、清水拓郎(南野巴那)
衣裳:INNAT @innat_official(白石隼也)、YuumiARIA official(南野巴那/ワンピース、ベスト)

<公演情報>
日生劇場ファミリーフェスティヴァル 2024
音楽劇『あらしのよるに』

日程:2024年8月24日(土)・25日(日)
会場:東京・日生劇場

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2400702

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