巨大組織を喰らう謎の詐欺師、その秘められた目的とは!?
WOWOW『ダブルチート 偽りの警官 Season2』特集

独自の信念とこだわりで、唯一無二の番組をつくり続けるWOWOWとテレビ東京が共同で製作を手がける連続ドラマ『ダブルチート 偽りの警官』のSeason2がついにスタートした。テレビ東京で放送されていたSeason1では“詐欺師の顔をもつ警察官”の活躍が描かれたが、新シーズンでは新たな主人公が登場。巨大詐欺組織を内部から喰らう詐欺師のドラマが描かれ、Season1の物語とアッと驚く展開で融合していく。

騙し騙される息つかせぬ展開、誰が味方で誰が裏切り者なのか分からない緊迫する関係、そして騙すだけでなく“騙された”者の哀しみや痛みを描く人間ドラマ。さらに物語が加速していく『ダブルチート』の魅力に迫る！

警察官と詐欺師の顔をもつ男：Season1を振り返る

相手の弱みや欲望につけこみ、相手を操る“詐欺”のプロ。もし、町の人から愛される真面目な警察官が、そんな顔を持ち合わせていたとしたら？

Season1の主人公、多家良（向井理）は表向きは警察官だが、実は法で裁けない相手ばかりを狙う“詐欺師K”という裏の顔を持っていた。彼が狙うのは、大物詐欺師ばかり。ドラマは多家良と詐欺師たちの息づまる戦いと、詐欺事件を追う捜査官たち、さらに多家良が元恋人の行方を追うドラマが描かれた。

物語が進む中で、多家良の過去が明らかになっていき、やがて彼が“ヤマガミ”と呼ばれる人物を追っていることが明らかに。一方、捜査二課で詐欺事件を追う宮部ひかり（内田理央）らは“詐欺師K”の正体に近づいていく。

そしてついに多家良はヤマガミの正体を突き止め、彼に近づくが、そこには多家良にとって元恋人との衝撃的な再会が待っていた。自身の過去、信念のすべてをかけて多家良はヤマガミを追いつめるが、結果として多家良は警察から追われる身となってしまう。

多家良は最後の最後にハメられたのか？　ヤマガミの裏に潜む“謎の存在”は一体、誰なのか？　“詐欺師K”の素顔にたどり着いた、ひかりら捜査二課のとった行動は？

物語は大きな山場を迎えると同時に、さらなる謎が明らかになり、その後の展開がまったく予想のつかないところでSeason1は幕を閉じた。

新たな主人公・田胡悠人は詐欺組織を喰らう詐欺師

そしてついに放送を開始したSeason2は、前シーズンを観ていた観客も、ここから観始めた観客も思わず驚く“衝撃づくし”の第1話になった。

物語の冒頭に登場するのは、多家良ではなく刑務所で出所日を迎えた謎の男。彼こそが本シーズンの主人公、田胡悠人（市原隼人）だ。穏やかで落ち着いた人物に見えるが、その眼光は鋭く、日本人だが、なぜか中国語を流暢に話すなど、その素性はいまだに不明だ。

出所した彼はすぐさま拠点を確保し、行動を開始する。

そして、Season1の最終回で追いつめられていた多家良は自ら謎の組織を追うため、ある人物に接触しようとするが、謎のサロンの主宰・海藤周（陣内孝則）からも命を狙われる。一方、捜査二課のひかりは、多家良の行方をつかむべく、彼の相棒だった矢柴（荒川良々）の下を訪れ、手がかりを掴む。

その頃、田胡は着々と行動を開始。やがて彼は多家良の前に現れる。新シーズンの冒頭から前シーズンの主人公・多家良と田胡が対峙する異例の展開。そして、起こる衝撃の瞬間……。

さらに詐欺師たちを率い、操ってきた巨大な組織の片鱗が見える重要なシーンもいくつか描かれる。物語は新章に突入すると同時に、真のクライマックスに向けて走り出したと感じられる”絶対に見逃せない”第1話だ。

第1話は現在、WOWOWオンデマンドおよびWOWOW公式YouTubeチャンネルにて、無料で配信されている。ぜひチェックしてほしい。

想像を上回る展開＆伏線に驚くこと必至！　今後の注目ポイント

Season2も前シーズン同様、全8話を予定しており、その展開は驚きと意外なドラマの連続だ。

物語が進むにつれて、田胡悠人はそのスキルを活かして、詐欺グループの一角に食い込み、信頼を獲得しながら、その階段をかけ上がっていく。そして明らかになっていく彼の過去や素性、そして真の目的。ターゲットを巻き込み、さらにその規模を拡大していく“ネットワーク型詐欺”の手口と、そこで描かれる駆け引きは見ているだけで恐ろしくスリリングだ。

さらに詐欺師たちを束ね、率いている“サロン”を主宰する海藤周の存在が本作の重要なポイントになる。金と権力をエサに詐欺師たちを動かし、庶民から莫大な額を巻き上げていくその手腕は老練にしてまったくスキがない。さらに彼のコネクションには詐欺師や企業関係者だけでなく、政界や財界の大物、さらには警察関係者もいるようだ。シリーズ最強にして最大の敵。海藤を突き崩す方法は現段階では思いつかない。

そして、警察に追われることになった多家良の“その後”も気になるところだ。多家良を追い、事件の関連人物として浮かびあがった田胡を追跡する捜査二課らの活動も物語を大きく動かしていく。

Season2はエピソードごとに新たな発見があり、ひとつ謎が判明すると、さらなる謎が描かれる“1話たりとも見逃せない”脚本になっている。

また、クライムサスペンスと並行して描かれる登場人物たちのドラマにも注目だ。本作では詐欺や騙し／騙されるドラマを“ゲーム”ではなく、人間の欲望や、大事なものを奪われた人間の痛みを描く物語として描いている。誰かの私利私欲によってダマされた者たちの哀しみや痛みは、本人だけでなく、その家族や周囲の人々の未来に消えない傷を残す。本作はすべての真相が明らかになったとしても、登場人物たちの“哀しみ”が消えるわけではない。彼らはそのとき、どんな選択をするのか？

『ダブルチート 偽りの警官』はこの先の展開が気になるドラマでありながら、最後には“胸をうつ物語”が待っている。