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新キャストに新曲、新たな設定。皆が等しく楽しめる“モダン・ミリー2024”開幕

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ミュージカル『モダン・ミリー』より

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ミュージカル『モダン・ミリー』が、7月10日、東京・日比谷のシアタークリエで開幕した。この作品は、1967年公開のミュージカル映画を原作にしたブロードウェイミュージカルで、モダンガールに憧れてカンザスの田舎町からニューヨークに出て来た、バイタリティあふれるミリー・ディルモントが主人公。“結婚はビジネス、愛はあとからついてくる”と書かれた雑誌の言葉を信じる彼女は、玉の輿を狙って理想のボスがいる保険会社に就職するが、大都会で個性豊かな人々と出会い、影響を受けながら成長して、やがて真の幸せとは何かに気づくというハッピーエンドの物語だ。

日本では、2022年に朝夏まなと主演で初演され好評を博した。2年を経て待望の再演となる今回は、ブロードウェイのクリエイティヴチームによって、2024年という時代に合った形に大きくリニューアルされ、日本版演出・翻訳の小林香の言葉を借りれば、「(どんな人種や立場の観客が観ても)みんなが等しく楽しめるように」なった。具体的には、ミリーが住む長期滞在型ホテルの女主人、ミセス・ミアーズのキャラクター設定が大幅に書き換えられ、それに伴って、ミアーズを中心に、周囲の人物たちの台詞や歌も変更されている。初演とはだいぶ印象が異なり、まさに『モダン・ミリー2024』の開幕だ。

1922年のニューヨーク。舞台上には3階建てのセットが組まれ、その2階部分にオーケストラが入っている。明るく軽快なオーヴァチュアに続いて、両手にスーツケースを持ち、長い髪にロングスカート、田舎から出て来たばかりだとすぐにわかる、あまりモダンではないミリー(朝夏)が登場。都会で新しい女性になろうという強い意志を滲ませて、「私のニューヨーク」を歌う。

次のナンバー「とびきりモダンなミリー」で、モダンボーイとモダンガールが歌い踊る中、ミリーも流行のミニスカートにボブというモダンガールに変身する。このいかにもブロードウェイミュージカルという賑やかで楽しいオープニングで、一気に『モダン・ミリー』の世界へと引き込まれてしまう。朝夏はモダンでチャーミングなミリー役がよく似合い、非常に魅力的だ。

しかしミリーのウキウキした気分は、強盗に遭って一文なしになったことで暗転。通りすがりのジミー・スミス(田代万里生)に助けを求めたが、すげなくあしらわれ、それでもあるホテルの名前を教えてもらう。

そのホテル・プリシラは、女優への夢を諦めきれないミセス・ミアーズ(一路真輝)が切り盛りしていて、入居するには女優でなくてはならなかったが、ミリーはホテルにやってきた下層の生活に憧れる上流階級のミス・ドロシー・ブラウン(夢咲ねね)と意気投合し、彼女の助けでホテルに住めることになった。

初演からミアーズを演じている一路は、ほぼ新しくなった今回のキャラクターでも怪演が光る。新キャストの夢咲は、世間知らずのお嬢様役がぴったりで、「初めて出会ったの、貧乏人に」という台詞も嫌味がない。ホテルで働く香港からの不法移民、バン・フー(安倍康律)とチン・ホー(大山真志)の兄弟はほぼ台詞が広東語で、字幕付きの掛け合いが面白い。

住むところが決まったミリーは、いよいよ仕事と結婚相手を探すため、保険会社に面接に行き、ハンサムで独身の理想的なボス、トレヴァー・グレイドン(廣瀬友祐)に出会う。彼の出す厳しい要求をクリアしてタイピストの職を得たミリーは、グレイドンに猛アプローチをかけるが、彼はまったく気づかない。

出色なのが、タイプを打つ音を椅子に座りながらタップで聴かせるシーンで、朝夏によると、再演ではタップを踏む回数が増えてさらに難しくなったらしい。グレイドン役を初演から続投している廣瀬は、カッコよく大真面目に演じれば演じるほど笑いが起きるこの役を、すっかり自分のものとして楽しんでいるようだ。2幕の夢咲とのデュエットでは、客席を笑いの渦に巻き込んでいた。

就職祝いに、ミス・ドロシーやホテルの仲間たちと“もぐり酒場”に繰り出すミリー。また偶然出会ったジミーと一緒に酒場ではめをはずす。「くるみ割り人形」の数曲をアレンジしたダンス・ナンバーが楽しく、長い手足を生かした朝夏のチャールストンも見どころだ。

初参加の田代は、警察に踏み込まれて夜を明かした留置場で、ミリーの寝顔を見ながら歌う「僕の恋愛ルール」や、2幕、20階の窓の外でミリーに歌いかける「角を曲がって」など、美しく伸びやかな歌で魅了する。

そして、ジミーに誘われて出会った世界的な大歌手マジー・ヴァン・ホスミアも、ミリーの心強い味方となる役だ。演じる土居裕子も今回が初参加だが、そのあたたかい人柄そのままのマジーで、変わらない透明な歌声を聴かせてくれる。

公演は7月28日(日)まで。その後、大阪、名古屋、福岡で公演後、8月24(土)・25日(日)には再び東京に戻り、昭和女子大学人見記念講堂で上演される予定だ。

取材・文:原田順子

★朝夏まなとさん×田代万里生さん×廣瀬友祐さんのインタビュー掲載中!
https://lp.p.pia.jp/article/news/374349/index.html

<公演情報>
ミュージカル『モダン・ミリー』

脚本:リチャード・モリスディック・スキャンラン
新音楽:ジニーン・テソーリ
新歌詞:ディック・スキャンラン
広東語翻訳:ドゥラ・レオン(柯杜華)スーザン・チェン
原作・ユニバーサル・ピクチャーズ同名映画脚本:リチャード・モリス
演出・翻訳:小林香
訳詞:竜真知子
振付:木下菜津子・RON×II・松田尚子

出演:
朝夏まなと 田代万里生 廣瀬友祐 夢咲ねね 大山真志
土居裕子 一路真輝

入絵加奈子 安倍康律
砂塚健斗 高木裕和 常住富大 堀江慎也 村上貴亮
伊藤かの子 島田 彩 橋本由希子 湊陽 奈 吉田萌美 玲実くれあ

【東京公演】
2024年7月10日(水)~7月28日(日)
会場:シアタークリエ

【大阪公演】
2024年8月3日(土)・4日(日)
会場:新歌舞伎座

【愛知公演】
2024年8月11日(日・祝)
会場:Niterra 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール

【福岡公演】
2024年8月16日(金)~8月18日(日)
会場:博多座

【東京凱旋公演】
2024年8月24日(土)・25日(日)
会場:昭和女子大学人見記念講堂

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/modern-millie/

公式サイト:
https://www.tohostage.com/modern_millie/

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