初の単独アリーナツアー完走！「FANTASTICS LIVE TOUR 2024 “INTERSTELLATIC FANTASTIC” -THE FINAL-」ライブレポート

FANTASTICS が7月15日、幕張メッセ国際展示場ホールにて「FANTASTICS LIVE TOUR 2024 “INTERSTELLATIC FANTASTIC” -THE FINAL-」を行った。
全国7カ所を巡った初の単独アリーナツアー「INTERSTELLATIC FANTASTIC」の集大成とも言える「THE FINAL」。
幕張メッセの会場だけではなく、全国の映画館でのライブビューイングと配信もあわせて行われ、多くのFANTARO（FANTASTICSのファンネーム）と共に迎えたファイナル公演の模様をレポートする。

ファンと共に盛り上げる、アリーナツアーファイナル公演

期待高まる会場・幕張メッセ。まだ誰もいないエンドステージ、そこから伸びる花道、センターステージに熱視線が注がれる。
開演5分前になると “宇宙船”の中からのVTRが流れ、発進までのカウントダウンがスタート。会場に瞬くライトスティックが星のように光り、雰囲気を盛り上げる。

そして発進する「FANTASTIC ROCKET」。壮大な宇宙、自然を描くオープニングVTR。
幕張メッセに“着陸”した宇宙船。花道に姿を現したメンバーに大きな歓声があがる。
八木勇征が「行くぞ、ファイナル！」と声をかけ、オープニングを飾るのはデビュー5周年記念日にリリースされたアルバム「FANTASTIC ROCKET」に収録の楽曲「STARBOYS」。
中島颯太も会場、配信、ライブビューイング会場に向けて呼びかけ、「ブチ上がる準備できていますか！？」と煽る。世界を始めとしたパフォーマーたちはダイナミックなダンスで会場を盛り上げていく。

続いてはデビューシングルである「OVER DRIVE」。八木の「みんなで声を出していきましょう！」という言葉に会場も歓声で応える。一体感はバッチリだ。センターステージに移動すると、楽し気に体を弾ませるメンバー。それにつられて会場のテンションが上がっていくのが感じられる。
2曲を終えて、「THE FINAL、楽しみにしていましたか？」と呼びかける中島。「すごいですわ、こんなにたくさん」「今日が本当のラストです。今までで最高のライブしたくないですか？」と問いかけ、「ひとつになる準備できてますか？」と呼びかけ、特大のコール&レスポンスのあと、「Tell Me」へ。パワフルなダンスポップサウンドに、落ち着いたライティングで艶のあるパフォーマンスを見せていく。八木がジャケットをはだけさせると、思わず会場からは大きな歓声が。

「PANORAMA JET」では八木がクラップを促すと、メンバーが客席に降り、FANTAROの近くへと向かう。ある種、幕張メッセという二階席や三階席がない会場では、こういった機会でメンバーが等しくファンの近くに行けるというメリットはあるのかもしれない。
そんな会場の熱を感じてか、「最高ですね、ファイナル」と微笑む八木。そして、今回、生バンドが演奏していることに触れ、「最強のバンドメンバーが最強にカッコイイ音楽を届けてくれます！」。

「Drive Me Crazy」という八木のタイトルコールに合わせて、ドラミングが響き渡り、ゴキゲンに楽曲が始まる。
ここでは改めてパフォーマーそれぞれにスポットライトがあたっていく。ジャケットを脱いだ木村慧人のパフォーマンスから始まり、堀夏喜が花道をランナウェイのように舞い、瀬口黎弥はジャケットを脱ぎ捨てながらステップを踏み、最後はカメラにキスを送る。
澤本夏輝はメインステージでアグレッシプなダンスを見せ、躍動感あふれるパフォーマンスで魅了する佐藤大樹、そのダンスで、一瞬で見ている人の心を掴む世界。

たっぷりとFANTASTICSのグループとしての魅力を見せつけたところで暗転する会場。
スクリーンには再び宇宙船の船内が映し出される。宇宙船は水の惑星に向かっているのだそう。水の中の景色が広がり、どこか神秘的な空気を感じさせる。
響く水音。

その中で始まったのは「Hey, darlin」。白と薄いブルーが交わるような色合いの衣装に着替えたメンバー。八木と中島の甘いハーモニーがひたひたと広がっていく。序盤のどこか硬質的な世界観が光と音で変化していく。
中島の囁くようなタイトルコールで始まったのは「BABY ROSE」。濃い赤のライティングの中、どこか哀愁漂うサウンドにボーカルふたりの切なげな歌声がマッチする。さらに、パフォーマーの繊細なダンスが物語性を際立たせていく。

そして、テレビアニメ『ヴァンパイア男子寮』のオープニングテーマ「Sugar Blood Kiss」、佐藤が初めて地上波連続ドラマ単独主演を務めた『around 1/4』の主題歌「It's all good」へ。全員で手を上げ、振り、ゆったりとバラードに身をゆだねていく。
八木が「一緒に歌って、一緒にクラップしてひとつになっていきましょう！」と言い「Flying Fish」。メンバーもメインステージから花道へと歩み出る。さらにパフォーマー陣は客席に降りて、パフォーマンスを繰り広げていく。

このツアーで必ず伝えてきたこと「好きなものを大切に生きてほしい」

緩急あるセットリストは続く。一瞬の間のあと、空気がガラリと変わる。ピアノの前に座る中島の姿が。静かなピアノの音色が響く「Turn to You」。八木は椅子に腰かけ、ピアノを奏でる中島を時折見つめながら、声を重ねていく。先ほどまでとは打って変わってしっとりとした空気が会場に流れていく。

歌い終えると、改めて会場の熱量に顔をほころばせるふたり。一方でこのツアーが終わってしまうことに寂しさをにじませ、もう一度最初からツアーをやりたい、という場面も。「できないか」と声のトーンを落とすに中島に対し、八木は「いや、できるし！」ときっぱりと言い、FANTAROを微笑ませた。

中島は改めて「こうやって、大切な時間を使って僕たちに会いに来てくれて心から感謝しています」と言ったあと、「このツアーで必ず伝えてきたんですけど、みなさんそれぞれ人生があって、その人生を思いっきり楽しんでください。好きなものを好きで、それを大切に生きてほしいと思います。好きなものにもいろんな形や種類があって、その全部が違う、どれが正解とかじゃなくて、全てが素敵な感情だったり、想いだと思います。そして僕たちはこうやって出会ってくれたFANTAROのみなさんが大好きです。みなさんと一緒に夢を叶えていきたいと思っています」と思いを伝えた。

次の曲は、「聴いた方の心がスッと楽になったり、笑顔になってもらったり、この曲を聴いてがんばろうと思ってもらえたら、と思って歌い続けている曲」。コールしたのは「アプデライフ」。
「知っている人は一緒に歌ってください」と笑顔で呼びかける。そして楽しそうにふたりで花道を歩いていく姿は、柔らかな空気をまとう。最後は八木が中島の肩に腕を回し、笑顔で楽曲を締めくくった。

そのあとはパフォーマーのショーケースへ。
客席から登場した6人。瀬口が「準備はできてるか！？」と盛り上げながら練り歩き、ステージに上がる。会場はパフォーマーたちの名前をコールし、熱狂に包まれていく中でまずは6人で息の合ったダンスを披露。ペアでのパフォーマンスを見せたあと、佐藤をトップバッターにそれぞれがソロでのパフォーマンスを見せて会場を沸かせた。

再び全員揃って登場したところで新曲「SPLASH」で会場の熱をもう一段上げていく。
そしてここからはメドレーのターンへ。「Can't Give You Up （Remix）」、「WHAT A WONDER （Remix）」と畳みかけるように歌い上げ、八木が会場を煽り、客席もライトを突き上げる。さらに瀬口がマイクを持ち、煽る。
木村が「おなじみのあの曲で踊っていきたいなと思います」と言い、「みなさん僕を見て踊ってください」とお手本を見せたのは「Tarte Tatin」。会場一体になって盛り上がったところで、中島がMCをしているとどこからともなくバイクのエンジン音が響き渡る。スポットが当たったのは堀。バイクに乗っている……のかと思いきや、自転車に乗った堀。

「会場が広いから自転車で走りたいということですか！？」と中島が尋ねると堀はにっこり。観ると、パフォーマーがそれぞれ自転車に乗ってスタンバイはばっちりだ。夏に自転車、ということなのだろうか、「Summer Bike」を八木と中島が歌う中、パフォーマーたちが自転車で会場を縦横無尽に走り回る。その様子が心なしか楽しそうだ。

さらに「夏を感じていきましょう！」という中島の言葉から始まったのは「Summer drops」。ポップな夏ソングが続く。パフォーマーは水鉄砲を持ち、夏感を演出。世界もマイクを手にとり「まだまだ楽しめますか！」と楽しそうに会場に向かって声をかけた。

たっぷりとFANTAROのそばでパフォーマンスを見せたところで、視線はステージへ。メインステージにはボーリングのピンに扮したダンサーたちが。この日バックを務めているEXPGスタジオやEXPG高等学院の面々だ。そこに飛び出してきたのはピンのかぶりものをした佐藤。手には「ラスボス」のフリップが。見た目はふざけているが、「CANNONBALL」に合わせてキレキレのダンスを見せる。そんな佐藤のもとにボールの着ぐるみを着た木村が突撃し、倒れるピン。ラスボスだと言っていたけれど、そんなに強くはないのだろうか。
そのあとも踊りながらもニコニコの佐藤はピンたちを引き連れ花道を進んでいく。

センターステージにたどり着いたところで、再びそこに突っ込んでいくボール・木村。ボールの着ぐるみのせいか、走り方がかわいいが見事（？）全てのピンを倒し、ストライクを取った。
曲を終えて感想を聞かれた木村は「最高です！」と笑顔を見せ、ラスボス佐藤は「負けてしまってさーせん！」とおどけた表情を見せた。

笑顔溢れるステージを繰り広げたところで、「次の曲は僕らの新曲になります」と八木。「まだまだパフォーマンスもしたことないレアな曲です」と「SUPER DUPER DISCO」を披露。パワフルなパフォーマーのダンスもありつつ、のびやかなボーカルも響かせ、力強いだけでなく、思わず体を動かしたくなるようなサウンドだ。

ここからはいよいよラストスパート。会場も歌声を重ねたのは「Choo Choo TRAIN」。これだけでも十分に盛り上がりを見せたがさらに「本当にラスト公演、ここまで突っ走ってきましたが、まだまだ物足りないですよね？　まだまだ声出して暴れたいですよね！」「もうひとつギアを上げていこうぜ！」と八木が言い、本編ラストの楽曲となる「ギリギリRide it out」。ロック調な楽曲に中島がいつもより重低音を響かせる。パフォーマーはステージを所せましと駆け巡り、文字通りギアを挙げていく。八木が「叫べ！　叫べ！」と最後まで煽り続け、最高潮のテンションのままに本編を締めくくった。

たくさんの告知、FANTROと共に次の未来へ

大きな「ファンタ！ファンタ！」というコールが響く中、スクリーンに映し出されたのは映画『逃走中 THE MOVIE』。本作には佐藤、中島、瀬口が出演している。

思わずスクリーンに見入ってしまうところで、会場には怪しい警報音が響き渡る。そこで「逃走中」ではおなじみのミッションがまさかの発令。「会場内に設置された9枚のカードを集め、ステージ上の牢獄の鍵を解除せよ」というもの。牢獄にはボーカル2人の姿が。パフォーマーたちがカードを探し回る中、ハンター10体も放出。カードを持って続々とステージ上に集まるパフォーマー。カードにはアルファベットが書かれており、それをある言葉に並べると牢獄の鍵が解除される。

9枚のカードが指し示すものは「BREAK LINE」。アンコール1曲目として披露したのは映画『逃走中 THE MOVIE』のファイティングテーマ「ブレイクライン」。ハードな楽曲に呼応するようにライティングが点滅する。映画にぴったりな疾走感あるメロディラインながら、自由を得るために戦うような力溢れる楽曲となっている。さらに「Peppermint Yum」と続き、まだまだ終わらないライブの熱をそれぞれが楽しむ。

そんな楽曲終わりには嬉しいニュースも続々。
すでに発表されているお知らせのほか、秋にFANTASTICS初の写真集の発売、さらにテレビ朝日系にて2024年9月放送スタートの『仮面ライダーガヴ』の主題歌に「Got Boost？」が起用されることが決定したと発表された。

告知をたっぷりしたあとにまずはパフォーマーが登場。
「一番夏の思い出にできちゃいました？」と世界がにこやかに問いかけたあと、改めてそれぞれが自己紹介をした。口々にTHE FINALのステージを楽しんでいたことを伝え、笑顔を見せた。
話題は直前に発表されたお知らせについて。写真集について佐藤は「今年から撮り始めましたが、続報、完成を楽しみにしていください！」と言い、中島も「何冊でもお願いします！」と続けた。

仮面ライダーの主題歌にテンションが上がっているのは世界だ。「仮面ライダーだよ！？　すごくない！？　感じてる？ このすごさ！」と大ボリュームで言った。
「新しい仮面ライダーの主題歌を1年間！　仮面ライダー大好きなんで！　この熱い思いを誰かと分かち合いたいですよ。皆さん毎週観てくれますか！？この朝苦手な僕が毎週起きますよ！」とワクワクした様子で語った。

さらに、久しぶりツアーのステージについて、ここまでのハプニングを振り返りつつ、ファイナルを大きなステージで迎えられたことを噛み締める。
アリーナツアーについて「シンプルだからより多くのみなさんに楽しんでほしいっていう気持ちで、パフォーマーのみんなと（FANTAROの近くに）行きましたけど、チャレンジしてみてすごく経験になってると思いましたね、いろんな意味で」と八木が言うと、世界も大きく頷いた。中島は「いろんな曲調の曲を出していてよかったな、と思います。メドレーのときはめっちゃ盛り上がるし、バラードがあったり、最近はロック調のものもあって。曲を変幻自在に操れたらいいな、と思いますね」と振り返った。

これからも僕達のそばに　どんな夢でも一緒に叶えていきたい

残すところ、楽曲もあと1曲。「本当に本当のラストの公演となります。みなさん楽しかったですか？」と改めて問いかけた八木。歓声に笑みを浮かべたあと、「今回、新しくファンタスティックライトが導入されて、曲調によって色が変わって、僕たち自身も見ててこんなにもFANTAROのみなさんが増えたんだな、ということを改めて実感してきました。この公演だけじゃなくて、ツアーを回り始めてからずっと思ってきたことです」と振り返った。

さらに口にしたのはこれからのこと。「このファイナルはFANTASTICSにとっても単独では過去最大級の規模、動員数でやらせていただいています。これは僕たち9人にとっても、いい意味ですごく経験になり、自信がつきました。また、僕たちの歩みは止まることなく、みなさんとなら駆け抜けていけるんじゃないかな、と思います。僕たちもどうやったらみなさんと一緒により明るい未来、楽しい思い出を作っていけるか、もっとビッグなステージに上がっていけるのかを考えながら、これからも毎日一生懸命がんばっていきたいな、と思いますので、これからも僕たちのそばに、そして温かい応援をしていただけると嬉しいです」。

続いては、前日に引き続き、手紙を書いてきたという中島。ポケットから封筒を取り出し、中の便せんに書いたメッセージを読み始めた。
「初の単独ツアーアリーナ全公演が本当に今日で終わります。夢に見ていた景色、想いを感じていると思います。でもここが終わりじゃなく、ここからがスタートだという気持ちが伝わってほしくて書いています。数あるグループの中でFANTASTICSを見つけてくださり、いつもたくさんの愛をありがとうございます。一度きりの人生で、このメンバーに出会い、毎日FANTAROのみなさんと繋がれることを誇りに思います。まだまだ旅の途中で人生は辛いことも楽しいこともあるとおもいますが、一緒にひとつひとつ、幸せに変えていきましょう」と感謝と想いを伝え、中尾翔太へのメッセージへと続く。

「メンバーの中尾翔太くんをスーパーヒーローにして翔太くんとも一緒に夢を叶えていきたいです。翔太くん、楽しみにしていてください」
そして、手紙を書いている自身に対しても。
「目の前に広がる景色を目に焼き付けてください。ありがたい環境に感謝してください。いま目の前にいる、出会ってくださった方たちを、人生かけて幸せにし続けてください」
最後にFANTAROとメンバーへの感謝を伝えて手紙をしまった。

「手紙なんて、とか、大きい夢って言ってるけどなんだ、って言ってる方もいらっしゃると思いますけど、本気でみなさんとなら叶えていけると思っています。僕たちも人生かけて届けていきますので、これからもみなさんよかったらこの曲が好き、とか、ライブ行きたいとか、いろんな形でもいいので、一緒に歩んでいただけると嬉しいです」という言葉に大きな拍手が送られた。

「いろんな想いを込めて、そして未来につながるように、この曲を一緒に歌ってください」とラストに届けたのは、「FANTASTIC 9 -Orchestra Version-」。
「THE FAINAL、みなさん一緒に歌ってください」と中島が呼びかけ、ラストはFANTASTICとFANTAROが歌声と思いを重ねて締めくくった。

最後はひとりひとり短いメッセージを届けた。「FANTASTICSの9人とFANTAROのみなさんとどんな夢でも叶えていきたいと思います」と木村。佐藤は「僕たちのライブに来ていただければ、必ず後悔せずに帰っていただけると思うので、これからも僕たちについてきてください！」と力強く言った。

涙をにじませたのは堀。「この間、翔太くんの命日だったから、9人でここに立てたらよかったな、と思ったけど、みなさんひとりひとりが翔太くんの代わりになって僕らを支えてください、お願いします」
「みなさん、楽しかったですか？　FANTASTICSは好きですか？」と世界。「FANTASTICSもFANTAROのみんなが大好きです！もっともっと大きなステージに立てるように成長したいと思いますのでそのときまで必ず、元気でお会いしましょう！」

世界の「またな！」という言葉で締めくくられた公演。
次のステージで会うことを約束して終えた初のアリーナツアー。更なる大きなネクストステージを目指して、9人は再びここから発進する。

取材・文／ふくだりょうこ、撮影／ヨシモリユウナ

■楽曲情報
2024.07.17 Release
Mini Album「Temporal Transition」CD販売サイト
https://FANTASTICS.lnk.to/TeTr_CD

先行配信中
「ブレイクライン」楽曲配信サイト
https://FANTASTICS.lnk.to/BRL_DLSTR

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