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ルーヴル・ピラミッドを巡る建築人間ドラマ 豪華声優陣で贈る朗読劇『ニュー・ルネッサンス・イン・パリ』開幕

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朗読劇『ニュー・ルネッサンス・イン・パリ ~ルーブル美術館のガラスのピラミッド~』 (撮影:阿部章仁)

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豪華声優陣で贈る、田尾下哲演出の朗読劇『ニュー・ルネッサンス・イン・パリ ~ルーブル美術館のガラスのピラミッド~』が東京・銀座 博品館劇場にて開幕。7月28日(日) まで上演中だ。

本公演は、2018年3月よりTOKYOFMホールで開催され、大きな反響を呼んだ田尾下哲演出の朗読劇シリーズの最新作。東京大学工学部建築学科卒でもある田尾下哲が、現代のルーヴル美術館完成までの道のりの裏にはどのような人間ドラマがあったのかを描いたオリジナル戯曲となっている。

いまや世界最大級の美術館であり、パリの歴史的建造物となっているルーヴル美術館。地下に広がる美術館ロビーに向かう地上入口には、洗練された幾何学的な“ガラスのピラミッド”が象徴的にデザインされており、“ルーヴル・ピラミッド”とも呼ばれパリのランドマークにもなりつつある。この現代の姿になったのは1989年。

ルーヴル美術館は元々ルーヴル宮殿の一部を王室の美術コレクションを公開するためのギャラリーとして使用したのが始まりで、動線や設備など美術館としては使い勝手の良いものではなかった。その大改造計画を行ったのが1981年にフランス大統領に就任したミッテラン大統領だ。

ミッテラン大統領はフランス革命200年祭に向け、パリを世界一の文化都市にすることを目指す、「グラン・ルーヴル計画」を推進。この大規模計画のひとつであったルーヴル美術館の大改造の建築設計に、ジョン・F・ケネディ図書館やナショナル・ギャラリーで知られる中国系アメリカ人の建築家、イオ・ミン・ペイを指名した。

しかし、当時ルーヴルは外国人建築家の起用が受け入れられる風潮はなく、また革新的なモダニズムデザインも死者を弔うイメージのピラミッドに反発や批判、議論が巻き起こり、スムーズには進まない。

それでも、知能派で文化大臣のジャック・ラングとルーヴル建設国家委員会の理事長に実行派のエミール・ビアジニの尽力もあり、パリで挑戦を続けていくイオ・ミン・ペイ。パリの顔とも言えるエッフェル塔も建設当時は芸術家からの批判が相次いだという。ペイ自身はゆかりもなく、アウェイとも言える土地で、パリの歴史や景観、細部まで想いを巡らせる建築家の情熱と、信念を貫くミッテラン大統領の姿に胸が熱くなる。

デザインだけでなく動線やスペースなど利便性に至るまで、繊細に考えられたルーヴル美術館とガラスのピラミッドにはどのような狙いがあったのか。民衆を納得させるための驚きの施工作業、ガラスと水の鏡面を配した軽やかで溶け混んでいくようなデザインへのこだわり。建築の世界へ足を踏み入れたくなる興味が湧く作品にもなっている。

7月23日の初日公演では、イオ・ミン・ペイを市川蒼、ミッテラン大統領を井上和彦、ジャック・ラングを市川太一、エミール・ビアジニを中澤まさともが演じた。本公演はキャスト回替わりとなっており、岡本信彦、細谷佳正、石川界人など豪華声優陣が出演。

「文化は金融に勝るか」芸術文化で経済の活性化を実現させたニュー・ルネッサンスの幕開けを知ることができる。

取材・文:能一ナオ
撮影:阿部章仁

<公演情報>
朗読劇『ニュー・ルネッサンス・イン・パリ ~ルーブル美術館のガラスのピラミッド~』

公演期間:2024年7月23日(火)~28日(日)
会場:博品館劇場

チケット情報:
https://w.pia.jp/t/renaissance/

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