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アサヒスーパードライPNC米国戦のポイントは三つ! ジョーンズHC「フィジカリティとディフェンスと……」

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ディラン・ライリー (C)JRFU

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サマーシリーズより『アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024』、カナダ戦よりアメリカ戦、今日より明日。ラグビー日本代表が収穫を手にしつつ、課題を突き付けられながらも一歩ずつ前進しようとしている。9月5日、『アサヒスーパードライPNC』プールB第2戦に向けた登録メンバーを発表。エディー・ジョーンズHCはアメリカ戦に向けて抱負を語った。

「アメリカ戦に向けて、いい形でチームとしてやるべきことの準備ができている。FBのポジションは矢崎(由高)が離れ、山沢(拓也)が入ることになった。それぞれのポジション争いも激しくなっているし、アメリカ戦に関してはとても自信を持って臨めると思っている。アメリカは前回の『ラグビーワールドカップ(RWC)』には出られなかったものの、とてもタフなチームで勝率も悪くない。キックも多用し、ブレイクダウンのコンテストもとても激しいチーム。今回はホストとして熊谷のみなさんとお会いできることを楽しみにしている」

山沢拓也 (C)JRFU

アメリカ戦の日本代表試合登録メンバーは以下の通り。
1三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ)11
2坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)45
3為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)4
4サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ)6
5ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)15
6ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ)3
7下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)7
8ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)9
9藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)3
10李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)15
11マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ)1
12ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ)1
13ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)21
14ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)12
15山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)9
16原田衛(東芝ブレイブルーパス東京)4
17茂原隆由(静岡ブルーレヴズ)4
18竹内柊平(浦安D-Rocks)7
19ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京)7
20アイザイア・マプスア(トヨタヴェルブリッツ)1
22小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ)3
22立川理道(主将、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)57
23長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)11
※所属チームの後の数字は代表キャップ数。

(写真左より)エディー・ジョーンズHC、立川理道主将

ジョーンズHCはアメリカ戦のポイントは三つあると明かした。
「まず一つ目はフィジカリティ。カナダ戦で自分たちがフィジカルティを出し切れなかった部分があったと思う。ボールを動かし続ける面ではうまくいったので、今週末はフィジカル面をどんどんと出していきたい。熊谷はとても暑いので、ボールが汗で滑ることも多くなると思う。そういったような状況でプレーする際は、特にフィジカル面を上げなくてはいけない。相手がボールを持っている時には前に行かせないディフェンス。逆に我々がボールを持っている時に関してはどんどんと前に進むアタックをしていきたい。
二つ目はディフェンス。カナダ戦では28失点をしてしまったので、ここも非常に残念。アメリカはキックからのプレーが多く、ディフェンスからのトランジションがとても多いチームなので、我々としてはダブルタックルにいき、ハードワークをし続けていくところを期待したい。
三つ目は一番厳しい局面において、いかにチームとしてまとまった対応ができるか否かを見ていきたい。選手たちはフィールド外でうまくコミュニケーションを取っているが、いかに試合中に体現していけるか。そこを見ていきたい」

李承信 (C)JRFU

超速ラグビーの担い手のハーフ団を2戦連続で同じメンツにした理由を問われた指揮官は?
「答えは二つある。一つ目は私がジャパンの監督に就任した際、テストマッチに耐え得る10番は松田力也一人だけだった。しかしながら4年後の『RWC』を見据えた上で選手層が必要。そういった意味で、隣りにいる立川を呼んでいるし、李の育成を進めていきたいと思っている。李はもちろんいい時も悪い時もあるが、このような波はプレーすることでしか解消できないし、学ぶことができない。現状李が日本ラグビーの未来を託せる10番だと思っているし、我々としても自信を持っている。しかしそれは李をプレーさせるから、松田や立川を10番でプレーさせないといったわけでは決してない。
これは9番についても全く同じ。現状、齋藤直人がいるが、彼はフランスでプレーし、若手の育成が必要。今回先発する藤原はサイズも小さく、体重も軽くて、とても俊足で日本人らしいSHと言える。オーガナイズ面はまだまだ学ばないといけないが、この学びはプレーすることでしか学べない。このように育成には時間がかかるものだと認識している。9番藤原&10番李を起用したのは、パフォーマンスが見込めるから」

立川主将は若いハーフ団の成長をこう見ていた。
「カナダ戦でも80分間常に自分たちがコントロールできることは難しいと思うが、いい時間帯ではない時にどうコントロールしていくのかは自分たちの課題。特に9番10番の課題だと思っているし、日々の練習で競争率の高い中いい練習ができたと思っている。そこは試合を経験するごとによくなっていくと考えている」

うまくいかない時、どのようにゲームをコントロールしていくか質問された立川の答えは?
「いろんな状況があると思う。疲れなのか、天候なのか、ボールがすごく滑ったりするのか、いろんな状況があるが、それに対する対応は練習でやってきたし、ゲームの中で起きた時にどういう対応をしていくは、現場で判断できるリーダー陣がいるので、うまく準備できたと思う」

藤原忍 (C)JRFU

ゲームコントロールとペース配分が困難な超速ラグビーだが、指揮官はこのハイペースを貫く構えだ。
「常にこのペースでいきたい。ただし、今週の試合はとても気温が高くミスしやすいし状況だし、雨の中プレーすることになるかもしれないので、もう少しスローなプレーにして、滑りやすいボールに対応する準備もしている。我々としては世界と差がつけられるのは集団的なスピードであると信じているし、その集団的なスピードで世界一になれると信じている。しかし常にプランBは必要。一つのプレーのみに頼るのではなく、二つ、三つと常にプランを準備しながら、状況に応じて的確なプレーができるようにしていきたい」

指揮官はプランAを突き詰める道のりが容易ではないことも理解している。
「現実的な話しをすると、4年間かかると思っている。格言『ローマは一日して成らず』と同じ。我々が目指しているのは、世界で一番の超速ラグビーを体現できるチームになること、そして我々のペースを持ってして対戦チームを脅かしていくこと。もちろん相手や天候、コンディションによってはスローなラグビーをしなくてはいけない時間帯や試合もあるとは思うが、スローなラグビーをしていても同じ程度のプレッシャーを相手にかけ続けられると思っている。2027年に最終形を目指していきたいと思うが、もちろん『今週末に最終形を見たい』というみなさんの期待も重々承知している。ファンのみなさんも期待されているし、日本ラグビーフットボール協会もそういう期待されているのは重々承知しているが、現実的な話をすると、我々はこれまでにない例外的なラグビーを体現しようとしているところ。このチャレンジを成功させるには時間、選手のハードワーク、そしてエフォートが欠かせない。選手たちがこれまで培ってきた癖を全く一新していかなければならない。そういうことが我々の目指している超速プラグビーに必要だと思っている」

9月4日には熊谷ラグビー場を本拠地として活動するCTBディラン・ライリーとCTB/WTB長田智希がオンライン取材に出席。ふたりは次のように意気込みを口にした。
ライリー「(カナダ戦について)最初の30分はいいプレーができたが、その後は互角の勝負をしてしまった。テストマッチでは一瞬で勝負がどう転ぶかわからなくなってしまう。起こったことに対して、早くリアクションし修正していくことが大事。
(アメリカ戦のポイントについて)アメリカは体が大きくて、強いフィジカルを持ったチームなので、試合開始からFWがフィジカリティを出すことが大事。BKは展開力のあるラグビーをずっと見せる続けることが大事だと思っている。
(熊谷での試合について)自分にとって初めての熊谷でのテストマッチ。ワイルドナイツのホームスタジアムでテストマッチができてうれしいし、ラグビータウン熊谷でテストマッチができることを楽しみにしている。最後の熊谷でのテストマッチは2019年の『RWC』直前の南アフリカ戦だと思うが、自分も観に行ったのでよく覚えている。本当に素晴らしいスタジアムだし、来てくれるファンも素晴らしい。この6~7年ゲームをしているスタジアムでテストマッチができことは本当に特別だし、楽しみだし、多くのファンに来てほしい」

長田智希 (C)JRFU

「(現時点での応えについて) 超速ラグビーをするテンポで80分やり続けることはできない。カナダ戦で最初に見せた10分を80分間続けるのは無理だと思うので、どう我慢する時間を作るか、どういうバランスでやるかが重要になってくる。今はまだ成長段階。試合を重ねることで一歩ずつ成長しているところで、理想としているところは全然遠いなと感じている。
(カナダで勝利した自信について)僕個人としてはそこまで大きな変化を感じていない。いいところ悪かったところを整理して、次に向かっているところ。でもこの代表で初めて勝てたのは自信につながっていると思うし、『PNC』でいいスタートを切り、次のアメリカ戦へつながっていくと思う。
(アメリカ戦に向けて)大きくてカナダに似ている。フィジカルで日本にプレッシャーをかけてくる、ハーフからのハイパントでプレッシャーをかけてくるので、そこの対策をしている」

『アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ 2024』プールB・日本代表×アメリカ代表は9月7日(土)・熊谷スポーツ文化公園 ラグビー場にてキックオフ。プールAの戦況はフィジーが1勝、サモアが1勝1敗、トンガが1敗、プールBは日本とアメリカが1勝、カナダが2敗。『アサヒスーパードライ PNC』ファイナルシリーズは9月14日(土)・秩父宮ラグビー場にて5位決定戦と準決勝①、15日(日)・秩父宮にて準決勝②(日本代表は準決勝②に出場)、21日(土)・東大阪市花園ラグビー場にて3位決定戦と決勝を開催。チケット発売中。アメリカ戦の模様はBS日テレにて生中継。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

パシフィックネーションズカップ2024 プール戦 プールB 日本代表vsアメリカ代表のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2453265

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